『日本国憲法を口語訳してみたら』という本を出してから3年が経って、ちょうどあれも参院選のころだったなと思いつつ今思うことは、
あれが6万部くらい売れちゃったってこと自体が日本の公民教育の敗北だよね、ということ。3年経ったしそろそろ一区切りかなと思って、つらつらと書いてみよう。
誤解しないでほしいんだけど、これは「知らない人たち」や「これならおもしろい!」って思ってくれた人たちを責めたり貶めたりしたいのではなく、あくまで教える人たち、あるいは憲法を価値のあるものと思っている人達の問題としてね。
金出してくれたり、もちろん借りたりして合法的に、自分の時間を使って読んでくれた人達、その上「面白い!」とか「楽しかった!」とか「勉強になった!」と言ってくれた人達には感謝しかない。マジで。マジ感謝。
人並みか人並みに以上に世間様の世話になって生きてきた者として、世間様に対してなにか価値のあることができたならば俺はとてもしあわせだ。
少し前のこと。ある「護憲派」な人達の集まりに呼ばれて、なんか話せとネタを振られたので
「俺みたいなボンクラがふざけて書いたネタが本とかになってなんか持ち上げられちゃうのって、あなた達がやってきたことがぬるいからですよね」
みたいなことを言っちゃうようなボンクラなので色々な人に叱られるけど、思ってしまったことは仕方ない。こればっかりはかわらない。
ちなみに先日同じ団体が例のオークダーキくんを呼んでイベントやるって聞いて見に行ったけど、彼はやっぱ俺よりも「賢い」し、話も上手いね。うん。なによ り「かわいげ」がある。「頼れる若者」みたいなかんじ。多分、俺も彼ほどにではないにせよそういうのを求められていたという感じあったが、そいうことできるほどの器でもないし、「賢く」もないので、最近はせっせと家賃とか食費とかを稼ぐために働いている。日焼けもするし筋肉もつく。まあ悪くないし、27年間のうちで多分ここ最近が一番健康だ。あと最近は別のことを勉強しなおすために改めて学生をやっている。
閑話休題。
俺はあの本を俺が卒業した定時制高校の一年生、つまり色々な事情でスタンダードな学力を身に付ける機会から外れてしまった人達にも楽しんでもらえるような
タッチにしようと考えていたんだけど、それが世間様の需要にある程度はまってしまったことは意外でもあり少し残念でもある。
それはもう教育の問題でしょう。それなりに多くの人達が知りたいと思っているのに、それに対応できてこなかった。これが問題。
3年経ったし、俺も27になったしそろそろ一区切りかなと思う今日この頃。もちろんなんか呼ばれれば出かけていくことに変わりはないけど。
最近の俺はというと、最近の俺はまったく別の悪ふざけを思いついたので、それをせっせと肉体労働やら学生やらやりつつの合間、ゆっくりにでも形にしていけたらいいなと思っている。
わくわくするんだよ。久しぶりに。
閑話休題
本の著者になるという体験は色々と嬉しいことがあり、それがどんな場所でどんな人達に読まれているのかを知ることが一つ。
ある筋の情報から、とある鑑別所の貸し出し本にあったとか。とても嬉しい。
俺が卒業した定時制高校の図書室にも入っているとか。まあ俺が寄贈したんだけど。自分の後輩が何人かでも読んでくれたならとても嬉しい。
以前、ある事情で生活していた児童福祉施設でも読まれているとか。
図書室や図書館にばかりいた陰気なガキなのでそこに自分の名前があるっていうのは本当に嬉しいし、幸せなことだ。
libraryという空間は本だけではなく、なんだか安心感と自由があるよね。人がたくさんいるのだけど、互いにそれぞれの楽しみや必要のためにそこにいる。俺はそこにある本で様々な言葉にふれることができる。
なんとも自由だ。
そういう空間っていうのはとてもいい。本屋も好きで何年もバイトしていたけど、また違う。ちなみにバイトしていたうちの一つの本屋は今年潰れてしまった。さびしい。
そんなわけで図書館はよい。もはや俺のフェティッシュだ。そういうAVないかな。あったら教えてください。
先日観たゴーンガールでは図書館でコトに及ぶシーンがあって俺のリビドーに微かな火が灯った。この話もしたいけどやめておこう。