僕はピアノが好きである


ピアノを好きになった高校時代のエピソードがあります。

高校3年の時に、アメリカに行く前に祖父母のところへ挨拶に行った時のこと。


その家にはピアノがあり、いとこが使っていたのだが、そのいとこがピアノで面白い事をしてくれたのです。

僕に右手でドソミソを弾くように指示し、僕はただひたすらピアノの左のほうでドソミソを弾いて、それに合わせて彼女がジャンジャンいろんな曲を弾いてくれたのである。


自分はドソミソしか弾いていなかったのだが、もうなんかすっごい弾いてる気分になれたんですよね。

それがめちゃくちゃ楽しくて快感で、その感覚が忘れられず、いつかピアノが弾けるようになりたいとずっと思っていたのでした。

かのレイチャールズもそのような体験をして音楽が好きになったようです。


弾きたかった曲は坂本龍一の ”戦場のメリークリスマス”
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正直映画はそれほど好きではないけど、この曲が大好きなのです。
 


それから約17年


ついにその ”いつか” を実行する機会が現れたのです!


ある時いつものように、仕事帰りに長年続けている合気道の道場へ行くと、その隣に塾のようなものができていました。

ちょっと覗いてみると、合気道の生徒でもある女性がいます。

話を聞くと、そこもまた合気道の道場生が借りた場所で、ホームスクールというものを開校して、そこで彼女はピアノの講師として雇われていたのです。


合気道は週2回、仕事帰りにそのまま通っていて、スタートするまでに時間がありました。

つまりその待ち時間を活用すれば、週2回ピアノを学ぶチャンスがあるのです。


ついに長年の思いが叶う!

そこで彼女に相談しました。


ーピアノを教えて欲しいのだけど、ピアノが弾けるようになりたいのではなく、戦場のメリークリスマスが弾けるようになりたい。

ーバイエルなどの基本なんてやる気はない。楽譜を読む気も全くない。

ーただ戦場のメリークリスマスの指の動かし方を教えてくれと。

ーそしてどうせ弾くなら、ただ弾ければいいのじゃない。苦労なくスラスラ弾いて、弾いてる自分に酔いたいのだと。
 

めちゃくちゃ生意気な要望だったと思います。

でも自分の目的はハッキリしているため、それに向かう最短距離しか辿る気はありませんでした。

快くその要望に応えてくれた彼女に感謝です!


まず最初に右手だけで、前奏を飛ばしてメインの部分から教わりました。

これも自分をやる気にさせる自分なりの工夫です。

とりあえず気持ちいい部分を弾きたいのです。


右手だけで弾く分にはたいして難しくはありません。

割とすんなり4小節くらいすぐに弾けるようになりました。


自分が最初に決めたことは、自然に無意識に右手が動くようになるまでは左手を使わないということです。

そして右手が慣れてきた頃に、左手の動かし方を教わりました。


そして衝撃を受けました。



全然動かん!



これは自分の中でかなりの衝撃でした。

ここまで動かないとは! ここまで合わないとは!


左手のパートだけを引いてもとてつもなくぎこちない。その上右手を入れようとしたらなおさらにめちゃくちゃになる。

練習を始めて最初の挫折でした。


そこで私は考えた。
そして気がついた。


普段の生活ではほとんど左手を使っていないことを。
ただでさえ使ってないのに、ましてやピアノなんか弾けるわけがない。
 

そこでピアノ以前にまずは左手がもっと動くようにしようと決めたのです。


そのために、PCのマウスを左手に持ち替え、歯磨きを左手に変え、箸を左手で持つようにし、そして仕事の造形も左手をもっと使うことにしました。

毎日イライラです。
 
しかしながら、やってみるとだんだん動かせるようになってくるものですね。 

だけども左手がもっとスムーズに動くようになっても、右手と合わせようとするとめちゃくちゃになるのを直すにはどうすればいいのか?


そこで私はさらに考えた。

そして気がついた!


そうか! 頭の中でリズムがちゃんとできていないから、手が動くわけがない!

頭が指に出す指令自体がが完全にできていないのである。

頭の中で左右がちゃんとあっていない。 

まずは頭でリズムを取れるようになろう!


そう決心して、それから夜寝る時と朝目覚めた時、ベッドの中で私は頭の中でピアノを弾くようになりました。

家にピアノはないので、指はリズムをとるだけに留めながら。


するとどうでしょう。だんだん頭の中で弾けるようになってくるじゃありませんか。


そして教室に行き、彼女にもう一度指の動きを教えてもらい、頭の中のリズムに合わせて弾いてみます。

そうすると前回より断然弾けるようになっています。


とにかく合気道のクラスの前の30分ほど、ひたすら同じパートを繰り返し繰り返し弾いて練習します。

そして家に帰ってはシャドーピアノを練習。


そしてまた教室に行って弾く。


”家にピアノがないのになんで来ると上手くなってるんだ?” と彼女は不思議がります。


それから僕は楽譜が読めず、なおかつ覚える気もないので、教わったところまでしか弾けません。

ある程度できるようになっても自分一人では先に進めないのです。

だからひたすら覚えたところを繰り返し弾き続けます。


その最中日本に行く用事があり、隠居後に母が買った電子ピアノが家にあったので、滞在中用事がない時はそこでひたすら練習しました。

ひどい時は8時間くらい!

楽譜をおかず、鍵盤しか見ないので白黒で目がチカチカしたりして(笑)
腰と肩はバッキバキです。 


そしてついにピアノを手に入れることなくかなりのところまで弾けるようになったのでした。


ピアノを弾ける人がこの楽譜を見ると、#が4つある~ってビビる人が多いんですが、楽譜が読めない私には関係ありません。


自分は弾ける!という信念しかなかったから、弾けるようになるまで練習するだけのことでした。


そしてついに家にピアノを買うことにしたのです。


それからはひたすら練習して、ついに自分の目標であった、”戦場のメリークリスマスをすらすら弾く自分に酔う” という当初の目標を達成することができたのでした。


それはそれはほんっとに気持ちよかったです! 自分に酔いながら弾きまくりましたよ。(笑)



そこで思ったこと。


何をするにも一番大切なのは、”出来る”という確信を持つこと。


それが全ての行動の原動力であり、努力の源である。


そしてやり方は考えれば出てくるということ。

やったことがないから出来ないのは当たり前。
過去の経験は関係ない。
今自分が出来ると思うことが大事なんですよね。 

これは何もピアノだけではなく、アートでもスポーツでも言えることだと思います。 



”正しい努力”
 をすれば大概のことは出来るようになるのではないかと思います。

苦しくなったら、何かやり方が正しくないのだと思います。

ピアノを練習している間、辛いと思ったことは一度もありませんでした。

ただただ弾けるようになっていく楽しさしかなかったです。

がむしゃらにやるだけではなく、常に一歩引いて自己分析をすると楽しくなるのではないかと思います。
 

楽しさを見つける。そのために工夫する。

それが何をするにも出来るようになる秘訣かもしれないですね。


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