2007年06月26日

NHKスペシャル「30代の”うつ”」を見て

昨日6月25日に放映されたNHKスペシャル「30代の”うつ”」を見ました。

リストラなど雇用構造の変化のために30代の会社員に負担がかかり、うつ病にかかる複数の30代の男性のケースと、それぞれの社会復帰の模索や会社側の対応策が取り上げられていました。

私も30代でうつ病経験があり、しかも番組の冒頭では機械製造メーカーの会社が取り上げられていて、家業で取り組んでいる仕事の内容(特に、機械を元請に納める納期が90日という件)と酷似していたので、とても他人事とは思えず見入ってしまいました。(蛇足ですが、90日よりもさらに短い納期もありまして、それはさすがに消耗します。)

さらに、とあるIT系企業では、うつ病になった人をパートとして雇用して「チャレンジングチーム?」という軽い仕事をこなす事業部に配属して、本復したときに正社員として雇用しなおすという柔軟な仕組みを採用しており、雇用者・被雇用者の双方にとってメリットのある方法なのではないかと思いました。被雇用者にとっては正社員として責任の重い仕事を要求されてもうつ病をこじらせてしまいかねないですし、雇用者にとってはただただ給与を払い続けるのは大きな損失だからです。

そういった社会構造の面からは理解しやすい興味深い番組内容でしたが、例えば一人の病前・病後の歴史を深く掘り下げて内在的に理解するには物足りない内容でした。というのも、ほめ屋の関心は、どのようなプロセスを経てそれぞれの人が病気のレベルにまで追い込まれてしまったのだろうという点にあるからです。

さらに言えば、ほめ屋は、医学的にしか解決できないレベルに陥る前に、貢献したいと思っているのです。

ほめ屋が提唱する「自分をほめる」ことは、確かに私がうつ病にかかったときにでも有効な方法でしたが、その段階になる前に行っていれば非常に効果が高いのです。病気になってしまった段階では、その有効性が分かっていたとしても、なかなかそれに取り組む気力すらわかず、悪い場合には「自分をほめる」ことのできない自分を責めてしまうことすら起こりえます。

病前に「自分をほめる」ことで活力を高めておけば、好循環でさらに活力を高めることもできますし、周りにも良い影響を与えることもありえますので、その点でも良い効果が発揮されます。

自分自身、そして身の回りの家族や友達、さらに職場やサークルなど、どんどん「自分をほめる」輪を広げていけば、きっとうつ病も吹っ飛んでしまうことでしょう。私はメンタルヘルスや精神医学の恩恵を受けましたので、その感謝の念を忘れることはありませんが、できればその前に一人ひとりが励ましあい、認め合い、優しくいたわりあう環境があることが人道的にも望ましいですし、経済的にもローコストではないかと思います。

「あんたはえらい!」

ほめ屋は、そう一人ひとりに呼びかけたい気持ちでいっぱいですし、事実、人が一生を生きるというのは大変な困難事です。だからこそ、譲り合いやいたわり合いという美徳が日本にも続いてきたのでしょう。

新興国との競争が激しくなる時代になり、そのような美徳が失われてきています。ほめ屋は、それに代わる新しい美徳として「自分をほめる」ことと「相手をほめる」ことを提唱します。

そういうわけで、一人ひとり、それぞれ誰もが持つ美点を開花させる「ほめ屋」でありたいという原点を思い起こさせてくれた番組でした。

homeya at 01:48│Comments(13)TrackBack(0)この記事をクリップ!日々雑感 | うつ病のこと

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この記事へのコメント

1. Posted by 爽 秋   2007年06月26日 16:19
5 ほめ屋さん

私も昨日、同番組をみました。

「どういうプロセスでウツに至るか」についてですが、今の会社員のこころの中には二律背反のような気分が満溢していまして、

「業務量が増えたから部下に業務を教えなければいけない」

という気分と、

「業務を教えれば、自分の仕事を部下に奪われ、自分の存在価値がなくなるかもしれない」

という気分があると思います。

仕事とは実は単純な作業の積み重ねで、特別な教育を受けなければ出来ないような仕事と言うのは実は少ないように思います。

2. Posted by 爽 秋   2007年06月26日 16:20
5 差がつくのは、その会社特有のしきたりや何処に行けばその情報が得られるか(例えば、その会社特有のソフトウェアが使われていて、どこのボタンを押せばどんな情報が出てくる等)的なことで、そういうことは先輩社員に聞かなければなりません。

こうした初歩的なことを、将来自分の競争相手になりそうにない相手に、少しずつ長い時間をかけて教えて、身の安泰を図る、という気分が一つ。

もう一つは、グローバリゼーションの影響ででてきた、上司も経験したことのない未知の仕事をいきなり部下に丸投げするというやり方で、重い責任を部下に転嫁する、というやり方が横行していることです。

(上司は外部の人と会う機会を設けて、相談にものらない。相談すれば君は駄目だなどと言って、嫌がらせで別の人材はいないかと人材斡旋会社等に電話をかける)

3. Posted by 爽 秋   2007年06月26日 16:21
つまりは、上司も部下も今の社会状況が不安なのです。

こういうことを解決するには、社会のセーフティネットを分厚くするしかないと思うのですが、私が提言すると

「あなたはこれまでの転職ばかりしてきた恥ずべき過去を言いつくろうために勝手な論理をでっちあげている」

と言われかねないので、沈黙しています。

よろしければ、採算度外視で「会社のウツを告発する!!」という本を共著で出しませんか?(笑)
4. Posted by 鉄人5101号   2007年06月26日 21:24
5  はじめまして。
『できればその前に一人ひとりが励ましあい、認め合い、優しくいたわりあう環境があることが人道的にも望ましいですし、経済的にもローコストではないかと思います』というご意見は同感ですし、そうあればどんなに良いかと思いますネ。
5. Posted by テンテン   2007年06月26日 22:20
4 爽秋さんも書いてらっしゃるとおり、私もそういう企業構造を見てきました(特に3番目のコメントに共感)。
うつ病だった上司がもっと部下のことを理解すればいいものの、自分が経験したことをそっくりそのまま部下にも経験させ、その部下もうつになってしまうという循環でした。私も傍観するわけにもいかず、ついつい自分の心まで痛めてしまったことがありますが、そういう悪循環が今のわれわれのような30代からは無いようにしたいものです・・・
6. Posted by ほめ屋   2007年06月27日 07:10
爽秋さん

コメントありがとうございます。

実は私は「会社」というところに勤めたことがなく、ずっと自営っぽいことをやってきました。ですので、「会社」について語れないのではないかと思います。また、肯定を主意とする「ほめ屋」としては、「告発する」系の本は出版しづらいです。

また、ほめ屋がやりたいことは、例えば爽秋さんが挙げてくださった「転職が恥ずべき過去」とするような個人の意思を尊重しない社会通念に疑問を呈して、セルフ・エスティームという概念を広めていくことです。

一方で、「社会のセーフティネットを分厚くする」という点には共感します。私は政治家ではありませんので、「ほめる文化」を広めることが社会のセーフティネットを分厚くすることに貢献できるのかなと思っています。
7. Posted by ほめ屋   2007年06月27日 07:16
鉄人5101号 さん

はじめまして。コメントありがとうございます。以前こちらがリンク申請して、同意してくださってありがとうこざいます。

これからもよろしくお願いいたします。
8. Posted by ほめ屋   2007年06月27日 07:20
テンテンさん

上司が部下のうつを理解するというのは難しいことなのですね。「そういう悪循環が今のわれわれのような30代からは無いようにしたい」という意見には同意です。

ほめ屋としてできることは、予防的に「自分をほめる」ことと「相手をほめる」ことを広めることだろうと確信を強めています。
9. Posted by 爽 秋   2007年06月27日 20:10
5  司馬遼太郎さんの随筆に面白い文章がありましたのでご紹介します。

ある老アメリカ人が「じつは、私は中国人のほうが好きなんだと」言います。

何故かと尋ねると「中国人はリラックスしている」とのこと。

司馬さんは、確かに日本人はつねに緊張し暗鬱でもある。理由はいつも公意識を背負っているから、と断定してもいい、と言っておられます。

「日本人はいつも臨戦態勢でいる」
と中国人は言うそうです。

ほめ屋さんも私も公意識が過剰なのかもしれませんね(笑)


(追伸)前回、「会社の業務は特に専門知識を必要としない」と書きましたが、これは理工系、SEの仕事を省く、としておいてください。



10. Posted by ほめ屋   2007年06月28日 18:43
爽秋さん

いつもコメントありがとうございます。

司馬遼太郎が「公意識」という言葉で何を言おうとしているのか理解しるかねるのと、中国人に知人が居ないので、回答になっているかは分かりませんが、私は公のために貢献したいという気持ちは持っていますし、それは多かれ少なかれ、万国誰しも「働く」という行為を通じて抱く意識なのではないでしょうか。

もっとも、納期や品質、そしてコストを厳守する意識は、確かに中国人よりも日本人の方が高く、その点では日本人は「公意識」が高く、「臨戦態勢」でいると言えるでしょうし、日本人の国際競争力の礎となっています。

その点は、日本人自身をほめてあげてもいいと思います。

ただ、過労死になるほど「滅私奉公」になっては本末転倒ですので、その点はほどほどのところで、自分を大切にしていくといいのではないかと思います。
11. Posted by ikusu   2007年06月29日 14:00
サイト管理者 様
突然のご連絡失礼します。

私、『宅建 NAVI』というホームページを運営させて頂いておりますikusuと申します。
素敵なサイトをお見かけしましたので、
相互リンクをお願いしたく、ご連絡させて頂きました。

勝手ながら、http://takkenn.biz/links2/154/
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どうか、ご確認ください。

是非、相互リンクの方をよろしく
お願いいたします。

リンク内容は下記のようにお願いします。

■リンク先:http://takkenn.biz/
■サイト名:宅建 NAVI
■紹介文:宅建資格の取得を目指す総合サイトです。学習の手助けとなる情報を発信できればと精進しています。

お問い合わせは ikusu20072007@yahoo.co.jp までお願いします。

突然のお願いで申し訳ございませんが、ご配慮いただけますようよろしく
お願いいたします。

貴サイトの益々のご発展・ご繁栄を心より願っております。
12. Posted by JE1BKC/濱   2007年07月08日 16:23
トラックバックありがとうございます。
ブログならびにホームページを興味深く読みました。
なるほど、ほめ屋ですか。。。私も、気がつけば「あ〜だめだ、だめだ」のスパイラルに飲まれていましたね。。
まだ、社会的には「鬱が増えてる!」と言う程度の認識なので、これから鬱にはまっていくプロセスが明らかにされる番組も出てくるとは思いますが。。しかし、やっかいな現代病です。
13. Posted by ほめ屋   2007年07月10日 00:51
JE1BKC/濱 さん

コメント、ありがとうございます。

本当に、これから鬱にはまっていくプロセスが明らかにされる番組も出てくるといいですね。そうすれば、「対岸の火事」ではなくなりますから。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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