著者名:徳永 進 出版年月:20051月 出版社:岩波現代文庫社会106 

著者略歴:1948年鳥取県生まれ、京大医学部卒、鳥取赤十字病院、野の花診療所医師、作家、


医者のつくる小説やエッセイは面白い。遠くは森鴎外・北杜夫・なだいなだ・渡辺淳一・見川泰山、身近な処に少し前にお世話になった乾先生もそうだったが本著者もその一人。
 いつもヒトの死の近くに居て人間の弱さやショックや感動など観ている医師、メスを筆に代えてヒトの心理を探る、だからだろうか“医者である事が強みだナ”と野坂昭如が云ってたけど、味のある面白さは読んでて愉しさいっぱい。

「医者の処方する薬だけで病いが治る訳ではない。もう一つのお薬の働きが大きいのです」。自らの体の中の、自然の中の、日常の暮らしの中の(もう一つの薬)を患者とのふれあいに見出しつつ、悩み、喜び、思索する日々を、ベテラン内科医が飾らぬ言葉でつづります。収められた数々の人生ドラマが、心に温かくしみわたります。と表紙裏の紹介文。



本書の構成:目次

プロローグ 最後の薬、ハマゴウの枕・ブナを抱く・梅干しと番茶・自転車・世間話し・分かち季つ・Gさんの力・足音・思い出療法・ベッドサイド・ござをしく・餅をつく・カニ雑炊・でたらめ散・いちご道(中略)

笑いなさい・旅をする・心美人・ガんばって-・星、エピローグ 薬はどこから