10/20-1189 「」 ―その深層で起こっていること―

著者名:蒲生 俊敬 出版年月:20162月 出版社:講談社ブルーバックスB1957 

著者略歴:1952年長野県生まれ、東大卒、東大教授、

 

中学社会科で日本海側のことを裏日本と教えられた記憶があるが、今は侮蔑的なイメージを持つとして使われなくなったらしい。高度経済成長期に太平洋ベルトに位置する工業地帯に向けて人口が大量に移動し、裏日本地方は衰えたが、かつては中国や朝鮮半島等との海上交易の拠点として重要な役割を果たしていた。

そして今――、貿易相手の主役は米国ではなく東アジアになり、今後の日本経済の成長が東アジアとの交易に向かっているという指摘、「裏が幸せ」、裏日本こそ高度成長経済の崩れた日本の道しるべになるという論も登場、海洋科学から説く本書からもその一端が伺える。

世界中の海洋学者が注目する理由とは?わずか8000年前まで“死の海”だった日本海。生命の宝庫へと変貌した背景には、最下層にひそむ、厚さ1000メートルにおよぶ「謎の水」の存在があった。この海特有の海水は、なぜ生まれたのか?そして、環境変化を先取りする「ミニ海洋」の異名をもつこの海に、いま生じつつある大きな異変とは?「母なる海」の知られざる姿を解き明かす、海洋科学ミステリー。 と裏表紙の紹介文。

 

本書の構成:

プロローグ、日本海とはどのような海か、日本海は世界の海の「ミニチュア版」、「日本海独自の海水」があった!――探索された風呂桶の深部、日本海の来歴――どう生まれ、どう姿を変えてきたのか、「母なる海」日本海――この海なくして日本はなかった、「ミニ海洋」からの警告――日本海が哭いている、エピローグ、