吉田食堂、ドラマ好きですがなにか?

作家&プロデューサー・吉田食堂の…。 ドラマと映画に関する噺

ぶっとんでいるがゆえに「TOO YOUNG TOO DIE〜若くして死ぬ」

予告からしてぶっ飛んだ映画だなという印象だった。
クドカンこと、宮藤官九郎が監督脚本を務めた「TOO YOUNG TOO DIE〜若くして死ぬ」
クドカン作品の常連でもある長瀬智也と神木隆之介が主演を務めている。

「ゆとりですがなにか」では、クドカンテイストをちょいちょい入れつつも真面目なドラマを描いていただけに、この映画はその反動と言わんばかりのスパークしたクドカン作品と言える。
そもそも地獄が舞台というんだから、ぶっ飛んでいることこの上ない。
でもクドカンが創ったということで、妙に納得できるのも、彼がこれまで築き上げてきた高いクオリティ作品を世に送り出してきた功績なのだろう。

「FUCK YOU〜‼︎‼︎‼︎‼︎!‼︎」
一見、誰だかわかんない地獄のボーカル役を演じる長瀬が高らかに声を上げる。他のメンバー(桐谷健太、清野菜名)もとてつもないメイキャップで、ホントに誰が誰だかわかんない。まあ桐谷健太は声ですぐ判明したが。
ストーリーというより、キャスト陣の個性的なメイクにばかり目がいってしまう。
閻魔大王の古田新太、楽器屋の片桐仁、なぜかブスな女役の皆川猿時、すごい勢いでドラムを叩きまくっていたから、たぶんシシドカフカ。シシドカフカをたぶん…としか思えないくらいのメイクなのだ。もはや皆、原型をとどめていない。

一方で、キレイどころの森川葵や宮沢りえは、どアップな画が多数。もちろん原型をとどめている。"死神"とあだ名をつけられた尾野真千子が少しばかりお気の毒だ。その分、尾野真千子はさすがのキャラクター作りでインパクトを残している。まさに"死神"だ。

しかしながらキャラが話を食いまくっていて、ストーリーの置いてけぼり感は否めない。ギャグや小ネタは要所要所に取り入れクドカンらしい笑いは忘れていないものの、個性的なキャラとロック音楽の融合に気後れしてしまう場面もしばしば。確かに面白いっちゃ面白いんだけど、見終わった感はちと疲れが残る。そんな印象だ。

で、エンドロールに中村獅童と名前があった。
どこに出ているのか、全然わからなかった。
何役なのか、どんなメイクなのかも。
中村獅童ならパッと見でわかるはずなのにわからない。
見終わった後、悔しさも残った。
わかった方、教えてください。

また始まるらしいよ「ドクターX」

「私、失敗しないので」
これが口癖の女医がまた復活するらしい。
米倉涼子主演の「ドクターX」だ。
夏に初のスペシャルドラマで1年ぶりの復活を遂げるわけだが、それに乗じて10月からは連ドラの第4シリーズがスタートする。

やっぱりな…という印象だ。
スペシャルドラマで終わるわけがない。
テレビ朝日としても「相棒」と並ぶ、ドル箱的視聴率を誇る番組。
終わらせたくはないだろう。

だが前々から米倉涼子は「これが最後!」とシリーズがある度に豪語していたが、またもや覆されたわけだ。
米倉涼子としても、ここ3年以内の連ドラはずっと大門未知子。
他の役もやりたいだろう。
だが米倉としても、この役はハマっている。
とにかくカッコよくて、オペ以外興味なし。
一貫して「いたしません!」を貫き通し、院内政治に無関心。
興味があるのは、患者の命を救うことだけ。
ストイックで熱いハートを持った女医だ。
ここまで完治させる!と断言する医者がいるなら是非ともお願いしたいくらいだ。

そんな「ドクターX」も、これまでは視聴率も順調だったが、今回はどうだろうか。もちろんオリジナルよりも安定した数字は予測できるが、ネタも尽きないか心配だ。
実際、テレ朝の看板である「相棒」ですら、全盛期に比べれば、視聴率は下降気味。ファンが離れ、新鮮味が失われている証だろう。

できれば「ドクターX」にはその二の舞に遭ってほしくない。
とりあえず、まずは7月放送予定のスペシャルドラマの視聴率に注目が集まるだろう。そこで20%を超えたら、第4シリーズはひとまず安心だろう。

役者たちがたっぷり遊んだ「99.9%」

春ドラマの話題をかっさらった「ゆとりですがなにか」の最終回が始まる前に、今期平均視聴率でトップを飾ったドラマも一足早く最終回を迎えた。
松本潤主演の「99.9%」

当初から安定した視聴率と、回を追うごとに個性的なキャラクター陣の遊びがあちこちに飛び出すようになったことが印象的だった。
堤幸彦監督がよくしそうな小ネタだったり、カット割りだったり…。でもこのドラマは、堤幸彦演出ではないんだけど。

もちろん内容は起訴された刑事事件の無実証明に動く弁護士たちの物語。弁護士のドラマといえば、骨太かつ重厚な人間ドラマがよくありがちだが、このドラマに関しては、むしろ真逆と言っていい。
肩が凝るような法律用語がたくさん出てくる訳でもなく、それ以上に松本潤と香川照之が寒いギャグをぶっこんでくることの方が多い。

またこのドラマをエンターテイメントとして娯楽作品へと完成させたのは、役者陣の力であろう。軽妙な松本潤をはじめ、そんな彼に弄ばれるイジられキャラの香川照之、プロレス好きの榮倉奈々、香川同様に松本潤に遊ばれる片桐仁、パラリーガル(渡辺真起子)に首ったけな藤本隆宏、榮倉奈々に首ったけなその部下(馬場徹)、ストーリーとはほぼ無関係なのに毎回主要メンバーと絡んで話を脱線させる役目の池田貴史と岸井ゆきの、極め付けは腹の奥底では何を考えているのかわからない所長役の岸部一徳。

これだけでも曲者揃いなのに、検察サイドは青木崇高と奥田瑛二という、濃い2人。そんな中でも青木崇高は割とノーマルな立ち位置だったように思える。それにしても奥田瑛二は最近、悪役が続いているなぁ。(※ 映画「64」でも隠蔽に加担する刑事部長だった…)

個性的な役者陣が、事件を解決するストーリーを軸にしながら、小ネタやギャグを入れては時折脱線。その絶妙なバランスが、視聴者にウケたのだろう。緊張感を見せつつ、肩の力を抜かせてもらえるような…。リラックスして見ることのできた作品だった。

続編がありそうな結末。
松本潤と奥田瑛二の間にも、まだ本当の決着はついていない感じだし。これだけじゃ終わらない可能性、99.9%だろう。

昨日で終わっちゃったよ「ゆとりですがなにか」

最高傑作との呼び声が高い。
「ゆとりですがなにか」
クドカンこと宮藤官九郎脚本作品が、昨日最終回を迎えた。

平均視聴率は10%と満たなかったものの、それはクドカン作品によくあること。珍しいことではない。視聴率以上に話題になるのは、クドカンだからこそであろう。

ただ一つ残念なことは、クドカン脚本の作品は、クドカンの評価が高いだけで終わっているところだ。もちろんクドカン作品は本当に面白い。個性的なキャラクターに加えて、彼らが織り成す台詞回しも独特かつちょいリアルな言葉が時折泣かせてくれたりする。ぶっちゃけズルさを兼ね備えたドラマだ。散々笑わせて、泣かせるんだから。

でもそれだけではない。
クドカン脚本を彩ったのは、役者陣であり、演出家を始めとする制作陣だ。
今回のメインキャストである岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥に安藤サクラ。リアルゆとり世代な4人が、ゆとり世代とレッテルを貼られ、一括りにされたがゆえにもがきながら、現実と向き合い成長していく姿。多くの人々の記憶に残ったであろう。

またこのドラマの評価すべきところは、脇の脇まで、単なる端役に終わらせていないところ。松坂桃李の同僚役だった加藤諒が吉岡里帆とのツーショット場面を見せたり、岡田将生の出向先であるバイトリーダーとバイト(少路勇介・矢本悠馬)が、回が進むにつれていつしか仲間のような存在感を見せていったり…。ここはクドカン作品の特徴的なところでもある。脇の脇役まで、役者たちを活かし、遊ばせる作品。そういったところも、評価に値する。

「ゆとりですがなにか」が21世紀の「ふぞろいの林檎たち」と方々で言われているらしいが、吉田食堂は「ふぞろいの林檎たち」世代ではないので、よくわからない。もちろん「ふぞろいの林檎たち」を作った山田太一がドラマ界でもレジェンドだということは知っている。だが、「ゆとりですがなにか」は完全に別物だ。宮藤官九郎が初めて社会派ドラマに挑戦し、ゆとり世代と揶揄された人々にスポットを当てた人間模様なのだ。

そんなドラマに、岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥、安藤サクラたちメインを筆頭に、ゆとりモンスターを怪演した太賀、就職に悩む大学生を演じた島崎遥香、自らの進路と恋愛の板挟みに遭う教育実習生を演じた吉岡里帆など…。彼ら珠玉のキャストが揃ったからこそ、「ゆとりですがなにか」が成立したのだ。

宮藤官九郎に生み出された作品たちは、きっと幸せだ。いつもキャッチーで、人々の心を掴んで離さない。そんな作品を彩る役者たちもまた、クドカン作品に出たくてこぞって出演している。役者たちも、クドカン作品が好きだし、愛しているだろう。見てて面白いんだから、演じる側はもっと面白いはずだ。

ああ。ちょっと味わってみたいな。
クドカンワールド。
どんなに面白い世界なんだろうか。

ささやかな幸せを描いた「植物図鑑」

この映画、出演者は主役2人だけでいいんじゃない?
というより、出演者はほぼ2人だけ…という印象が強かった。
そう思えるくらいの映画だったのが「植物図鑑〜運命の恋、拾いました」

今、10代〜20代の女の子たちに絶大な人気を誇る三代目JSouLbrothersのガンちゃんこと岩田剛典と、「とと姉ちゃん」の高畑充希が主演。
旬な若手2人がどんなラブストーリーを見せてくれるのか。
岩田はさほど演技経験はないが、高畑は言うまでもなく申し分もない演技派女優。
高畑がリードする感じかな?と思いきや、いざ見てみるとそうでもない。むしろ控えめな役柄の高畑を岩田がリードしていく感じの印象だ。

ポスターなどには、"甘く切なく泣ける"…とか、"胸キュンNo. 1"…とか書かれている。そうすると見る側としては、甘ったるい女性が好むようなラブストーリーを事前に想像するわけだが、これがそうでもない。

出会い方は唐突だが、植物を通して、2人の関係が少しずつ深まっていく過程がとても丁寧に描かれている。
仲睦まじく野草探しを2人で楽しむ姿。植物好きの岩田演じる樹が毎回、高畑演じるさやかに料理を振る舞うのだが、出来上がった料理に幸せをかみしめながら味わう様子。
さらには仕事のお昼休み、さやかが弁当箱を開けると同時に、パッと笑顔になる表情など…。

特別なサプライズがあるわけではないが、ささやかな日常の幸せを積み上げていく様が、ほほえましく思える作品である。

ラブストーリーは男性には敬遠されがちだが、これは男性1人でも見に行ける作品だ。見ればきっと、女性と恋に落ちたくなるはずだ。

記憶に残った「重版出来!」と「僕のヤバい妻」

春からスタートしたドラマがほとんど終わりを迎えたつつある。
今日で松本潤主演の「99.9%」。そしてクドカン脚本の「ゆとりですがなにか」の2作品が最終回を迎える。方や視聴率好調、方や内容が話題性となり、春ドラマを盛り上げた作品だった。

2作品の最終回を見るのは待ち遠しいが、終わった春ドラマにも記憶に残る作品があった。それも火曜日の同時間帯に2作品。
TBS系の「重版出来!」と、フジテレビ系の「僕のヤバい妻」だ。
どちらも視聴率的には振るわなかったものの、クオリティの高さでは指折りの作品だったと言える。

「重版出来!」は、見終わった後の後味が清々しいのだ。力が湧き上がってくるような、前向きにしてくれるドラマ。
一方の「僕のヤバい妻」はといえば、清々しさからは程遠いものの、「どうなるどうなる⁉︎」という続きが気になって仕方がないドラマだった。

編集者と漫画家たちの、漫画愛にあふれた大人たちの青春を描いた「重版出来」と、金に翻弄され、愛と殺意が交錯した人々のヒューマンサスペンスを描いた「僕のヤバい妻」。どちらの作品も、制作陣の本気度がハンパなく伝わってきた。それが視聴率に繋がっていないことが、もったいない!本当にもったいない。そして一番もったいなくて残念なのは、視聴率をすべての結果で収束させているマスコミの反応が、もったいなくて、残念すぎるし、悲しい。

しかし、両作品とも演技派の豪華なキャストを集め、中身のクオリティを最大限に活かしたこと。その本気度は少なくとも、視聴者たちの記憶に残ったことは間違いない。視聴率では測れない評こそ、作品の讃えるべきところではないだろうか。

最後にもう一つ。
ユニコーンの「エコー」
安室奈美恵の「Mint」
エンディングのここぞ!って場面で流れてくる主題歌もまた、両作品をざわざわっと盛り立てた。主題歌も、ドラマの主役だ。

藤原さくらの今後が気になる「ラヴソング」

「ラヴソング」が最終回を迎えた。
月9史上最低視聴率を更新するか⁉︎…と言われているが、まあ視聴率の話はこれまでにも嫌という程取り上げられてきているだろうから、今回は敢えて控える。

福山雅治を主演に迎え、新人・藤原さくらがヒロインという今回の作品。放送前の話題性に富んだ作品だったものの、初回の視聴率で躓いたこともあり、それ以後は低視聴率のことばかりで叩かれる一方。中身のことに関しては、あまり触れられることがなかったのはあんまりではないだろうか。

同じくらいの低い視聴率にもかかわらず、クドカンこと宮藤官九郎脚本の「ゆとりですがなにか」は、中身の良さや俳優たちの演技力の好評ぶりが度々取り上げられていた。クドカンという実績のある"ブランド"との違いを見せつけられた感じでもある。

そんな「ラヴソング」だが、気になるのは藤原さくら。
元々シンガーソングライターである彼女は、今後も歌をメインで活動を続けていくわけだが、今回の作品を機に、中島美嘉のように女優に関しても露出していくべきではないだろうか。初ドラマにして吃音という難役をこなし、おまけに月9ヒロインという大役を担った経歴は彼女にとって大きい。

「ラヴソング」は彼女にとって大きな武器である"歌"をメインとしたストーリーだったわけだが、今後はコメディエンヌのような役柄にも挑戦してもらいたいと個人的には思う。今回の役柄は吃音・施設育ち・コミュニケーション苦手…といったどこか後ろ向きな女の子を演じていただけに、全く真逆な明るく天然な役どころなどを見てみたい。

音楽をやっている感性を活かし、まだまだ演技力はたくさん引き出しが眠っているはず。今後の藤原さくらの、女優業にも期待したい。

後編のみ登場する2人の存在感〜映画「64(後編)」

待ち望んでいた後編が封切りになった。
「64」

主演の佐藤浩市をはじめとする錚々たるキャストが織り成す、重厚感のある人間ドラマが展開され、前編は今もなおヒットしている。

前編からのキャストが引き続きほとんど出演しているが、後編から登場するキャラクターも存在する。中でも存在感を放っていたのが2人。緒方直人と柄本佑だ。

緒方直人は、前編ラストで発生した誘拐事件で誘拐された娘の父親役。かつては爽やかな役柄を得意とし、ラブストーリーに数多く主演していたトレンディ俳優が、今では人間臭い役柄も演じる機会が増えてきた印象である。

今回も誘拐事件の被害者家族でありながら、実は過去の64事件に大きく関わっているというキーマンな役どころ。無精髭を生やし、鋭い目付きを向けるその表情からは、優柔不断で押しの弱い90年代に多く演じた好青年を微塵も感じさせない脱皮ぶりを印象づけている。

そしてもう1人、後編から登場したのが柄本佑。
誘拐事件の記者発表を担当することになった、捜査二課長。
ほとんど情報を何も知らされず記者会見をする羽目になり、記者たちの罵倒を浴びることになる、いわばかわいそうな人。
これまで失敗もしたことないようなキャリア組で、お坊っちゃま体質な人物像を創り上げており、登場シーンは少ないものの、インパクトを残す存在感はやはり大きい。

記者たちに詰め寄られ、疲弊し、ついには白目をむいて卒倒してしまう…。
それでも「自分は、まだやれます」
繰り返される記者発表を通して芽生えた小さなプライドを見せ、最初の登場とは別人のような成長した二課長を表現している。

また今回の映画のために、2週間で14圓慮採未鮖遒澆娠弊ダ吃劼發修Δ世、大河ドラマ並みのキャスト全員の役者魂がぶつかり合った大作といえる「64」

決して笑える作品ではないが、一人一人の抱えた思いが交錯する人間ドラマとしては、見応えがある。そして涙してしまう。

いつまでヒットは続くか?高校生の青春モノ

二階堂ふみが、あんなにかわいく見えるなんて…。

そう感じたのは映画「オオカミ少女と黒王子」
中年にさしかかろうとしている男が見る映画では、ない。少なくとも、男1人で見る奴はいなかった。まあ、恥ずかしくもなかったのだが。

そのくらい、高校生の初々しいラブストーリーが描かれた作品だ。
しかもこのところ、高校生のラブストーリーを題材にした邦画作品が増加傾向にある。

昨年だと福士蒼汰と有村架純主演の「ストロボエッジ」
桐谷美玲主演の「ヒロイン失格」
鈴木亮平主演の「俺物語」
そして土屋太鳳主演の「orange」
いずれも少女漫画原作で人気を博した作品ばかり。

今後も広瀬すず主演の「四月は君の嘘」や、土屋太鳳主演の「青空エール」など目白押しである。

そんな高校生のラブストーリーに欠かせない存在となっているのが、今回の「オオカミ少女と黒王子」の相手役にもなっている山崎賢人だ。

「ヒロイン失格」では桐谷美玲・坂口健太郎と三角関係、「orange」では土屋太鳳と朝ドラ「まれ」に引き続き恋人役て登板、そして「四月は君の嘘」では広瀬すずの相手役。しかも彼が出る作品はすべてヒットし、完全に知名度も人気も不動のものにしつつある。女性からすれば、王子様的な見方があるようだ。

そんな山崎賢人が初となるドSな黒王子・恭也を演じて話題になったのが「オオカミ少女と黒王子」。恋人のふりを二階堂ふみ演じるエリカから頼まれ、エリカを下僕扱いしつつ、少しずつ心を許していく…。

作品自体は、これまで描かれてきた高校生のラブストーリーと大きく異なった内容というわけではない。嘘から始まった2人の関係が、紆余曲折ありながら、距離を縮めていく…という、ありがちな話。

5年前くらいまでは、こんなに青春ラブストーリー系の映画はほとんどなかった。しかし今では、春夏秋冬に1〜2本は必ず新作が発表されている。
なぜか。
実写化にあたり、やはり配役が重要視される。
その中でも、山崎賢人という役者の出現とブレイクが欠かせなかったに違いない。

しかし5年後は、彼もすっかり大人の年齢だ。
映画を取り巻く環境も変わっているに違いない。
今は少女漫画原作による青春モノが流行しているが、流行りは必ず廃れる。いつまでも、山崎賢人に頼るわけにはいかないのが現実。

少女漫画原作の実写化ヒット現象がいつまで続くか…。
漫画のヒット作が生まれること、そして山崎賢人や坂口健太郎に続く若手役者が現れることが必須条件だろう。

世にも奇妙な2人の友情を生み出した「世にも奇妙な物語」

ちゃんと最後まで見たのは初めてかもしれない。
「世にも奇妙な物語」。
昔は連ドラ枠でのオムニバス形式だったが、今は季節ごとのスペシャルで定期的に放送されている。
小噺的な感じだろう。

毎回豪華な俳優陣が顔を揃えているのも特徴的だ。
今回は西島秀俊、佐々木希、窪田正孝、松重豊&高橋一生。
彼らがそれぞれ4作品で主演を務めていた。

面白かったのが松重豊&高橋一生主演の「クイズのおっさん」
高橋一生扮する古賀がクイズ王となり、賞金100万円と副賞クイズ1年分をいただくところから話が始まる…。

翌日から、「第1問‼︎」と突然クイズを出題する"クイズのおっさん"が現れる。
雨の日も風の日も、神出鬼没でクイズを出題しに現れる"クイズのおっさん"。
そんなおっさんを最初古賀は煙たがっていたものの、やがて2人の間に奇妙な友情が芽生えていく…。

この奇抜な設定を演じていたのが松重豊と高橋一生。今、連ドラで引っ張りだこの演技派の2人が夢の顔合わせで、しかもメインを張っているところも魅力的である。

多くを語らず、淡々とクイズを出題する"クイズのおっさん"を演じた松重と、そんなおっさんと生活を共にする中で、次第に友情と絆を育くむサラリーマンを演じた高橋。互いに孤独な2人が、少しずつクイズを通して心を通わせていく様子が秀逸だ。

それゆえに「最後の問題です」
そう告げて、部屋を去っていく"クイズのおっさん"扮する松重の後ろ姿は、寂しげでせつない。掟破りでクイズのおっさんが古賀の元に帰ってくる…みたいな、奇跡的なラストがあるわけでもなく、何なら二代目クイズ王が決まり、そっちで1年間、おっさんはクイズを出題し続けていくわけだ。

この物語のラストは、古賀が新しいクイズ王が決まる瞬間を見て終わるのだが、それだけだと少し消化不良な印象だ。もう少し希望的な終わり方でも良かったのではないだろうか。
"クイズのおっさん"を取り戻すために、再びクイズ王決定戦に参戦する…ってところで終わるとか。

いずれにせよ、「世にも奇妙な物語」は連ドラでやっているような感じではない。SFだったり、摩訶不思議だったり、リアルさよりもぶっとんだ作風重視だ。今後もどんな作品が飛び出してくるのか期待したい。
落語会プロデュースと文章【新作落語、芝居、小説、評論…何でも対応】書いてます。⚫️ブログ「吉田食堂は、実はドラマ好き」(ほぼ毎日更新中)→https://t.co/DfZlYv9olb ⚫️次回公演→5月13日(金)「いちのすけの風〜其の九」
吉田食堂PRESENTS・Facebookページ
Recent Comments
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

COGブログ

CAPCOM

(C) CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.