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 愛犬の華(シー・ズーミックス、女の子)が、2016年5月4日の夜に急に具合が悪くなって獣医さんに駆けつけたのですが、5月5日未明に天使になってしまいました。
 今日(6月22日)は、いわゆる49日らしいです。人間ならあの世に旅立つまでの期間と考えている宗教もあるようです。ワンちゃんの場合はどうなのか、わかりません。

 この子が亡くなって、そのショックでこのブログで連載していた「発熱歌」の掲載も中断し、小説も中断。華ちゃんについてなにか書こうと思いつつも、うまく行かず。
 言葉を仕事としているくせに、こういうときは言葉はとても虚しくて……。

 そこでとにかく写真の整理をはじめました。データでしかなかった写真をセレクトしてプリント。すると、「これで写真集ができたらな」と思いついたのです。写真集なら言葉は最小限ですみますから。できるかもしれないと考えたのです。
 現在、ミニ写真集を作成しています。“モチコミ”というサービスを利用しています。早ければ今月中にもできあがる予定なので、そのときはまた、お知らせします。

 今朝のことですが、買い物に出た奥さんが興奮して涙ぐみながら帰宅してきました。
「こんなこと、あるんだなって……」
 華が散歩のとき、かなりの確率で出会ったシー・ズーがいます。その飼い主のRさんにバッタリ出会ったのです。散歩に行かなくなったら、出歩く時間帯も変わるので、なかなか会うこともないわけです。5月に一度、お会いしたそうで、そのときに「急に亡くなった」ということだけは伝えることができたそうですが、それきりでした。

 そのRさんが奥さんにこう言ったそうです。
「今月の4日か5日か、そのあたりなんだけど、夜、寝ていたら寝苦しくて、ふと目をあけると青い球体がお腹の上あたりにあったのよ。なんだろうなと不思議で。夢かもしれないけど。そういうことに詳しい人にこの間、会ったの。だから聞いてみたんだけど……」

 その相手はスピリチュアル的なものに詳しい人だそうです。
 いきなり「最近、ワンちゃんを亡くしたんでしょう?」と言われて、びっくり。「私じゃないです。でも」と華のことを話したそうです。
「そうね。その子が、こう言っているの。『わたしは幸せだったと伝えてあげて』って。これはそういうことなのね。たぶん49日なのよ」
 そのときは、それで終わったそうです。

 不思議なことに、それは49日ではなかったのですが、Rさんがばったりとうちの奥さんに会って、そのメッセージを教えてくれたのが今日。華の49日だったわけです。

「本当に、幸せだって思ってくれてるなら、うれしい」と奥さんは大泣きしていました。

 それ以前に、前の子を診てくれていた獣医さんが、結婚して地方に移ってしまったのですが、その後もSNSでずっとつながっていました。一昨日、急にその獣医さんから家人にメッセージが来たのです。もちろんSNSで華が亡くなったことはその直後に知っていて、5月の間は、ペットロスを含めて心配してくれていたわけですが、6月になってからはとくにメッセージはありませんでした。
 それが、急に送られてきたのでした。

 そこには、こう書いてあったそうです。

「華ちゃんが、みなさんの家にやってきた意味を考えてみてくださいね」

 昨日、奥さんから「どういう意味だと思う?」と私も聞かれて、なんとも返事ができず……。
「たぶん、それをこれからぼくたちで考えていかないといけないのかもしれないね」と答えたのでした。

 華がいた2年4ヵ月はあっという間のことでした。生まれてから繁殖犬とされ、たくさんの子を産むだけのために飼育されたあげく、ブリーダーの身勝手によってNPO法人ペット里親会によってレスキューされてきた華。その推定年齢は7歳から8歳。大半を狭いケージの中で過ごしてきた子なのです。
 やっと普通に家族として暮らしてみて、それが「幸せ」と思ってくれたとしたら、私たちは悲しいけども、これ以上なにも言うことはありません。

 さて。
 私たちは、これから、華が私たちのところに静かに置いていったメッセージの意味を考えていくことになります。解読できるかどうかはわかりません。でも、ちゃんと考えてみたいと思っています。

 なお、こちらに、愛玩動物の保護活動をしている個人・団体を支援するための情報発信をする「ちょこはなプロジェクト」を立ち上げました。細々と息長く続けていければいいなと思っています。

bana