2月17日の衆院予算委員会でライブドア事件が集中審議されたが、民主党の永田寿康議員の16日の質問で、先の衆院選挙時に、堀江貴文被告が自民党の武部幹事長の次男に3000万円送金をライブドア社に指示したメールが事の発端で、自民、民主でもめることになった。
　さらには、事実関係の具体的な証拠の提示を求める自民党に対して、民主党側はニュースソースは本人の身の危険を考えて明らかにしないという説明となった。
　武部幹事長は第三者に調べさせたが、そんな事実は全くないというし、小泉さんに至っては、ガセネタと言い切った。
　民主党の野田佳彦国対委員長は、この発言に対して自民党の細田博之国対委員長に「小泉首相のガセネタ発言」に抗議をした。

　まあ何ということか！どちらもどちらであるが、一国の首相としてガセネタ発言は許せないだろう。私も呆れた。
　しかし、民主党側の発言も、証拠なりをしっかりと把握してからスタートしているのであろうか。

　国政捜査権と口座番号が問題になってきた。自民党は振り込み口座番号がわかっているなら公開しろという。自民党は危険だから公開しないと言い、国政調査権の行使を訴える。まさにドロ試合だ。「国政調査権」なるあまり聞いたことのない言葉が出てきた。
　調べてみたら
　「国政調査権とは、国会を構成する両議院が国政に関する調査を行い、これに関し、証人の出頭・証言並びに記録の提出を要求することのできる権利であり、憲法62条により規定されている。」
と或る書類に書かれていた。当たらずとも遠からず、証人を出頭させて調べろと言うことであろう。

　とにかく、自民党はもし之が事実であれば大変なことで、幹事長の首が飛ぶ。小泉さんもただじゃ済まない。また之が事実無根であれば、民主党は再起できないくらいに国民から見放されてしまうだろう。
　来週明けからの国会は、見ものであるし、どちらが嘘をついているのかということは政党ぐるみであるだけに、国民にとっても重大な関心事である。
　
　私は、民主党が確とした証拠を持っているのか心配である。自民党も民主党も引くに引けないところに来てしまったように見える。本来の審議はどうなるのだろう？

　　　　　〜〜〜〜〜〜〜〜新聞記事の引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜
　
自民と民主、ライブドア送金メール問題で全面対決（日経新聞2・18）

　自民党は17日の衆院予算自委員会で「民主の主張は事実無根」として反転攻勢に出た。小泉純一郎首相は「いまだに事実に基づいた証拠を出してない段階ではガセネタと信じてもおかしくない」と民主党を重ねて批判。同時に「常に責任を取る気持ちで政治運営を行っている」と述べ、一連の疑惑が事実なら政治責任を取ると胸を張った。
　自民党の逢沢一郎幹事長代理は武部氏の二男の個人口座と、経営する会社の口座をすべて調べたが「いずれの口座にも3000万円というライブドアからの振込は一切なかった」と強調した。 (07:01)

堀江メール：送金指示のコピーを公開　民主国対委員長（毎日新聞2・18）

　民主党の野田佳彦国対委員長は１７日夜、党本部で緊急記者会見し、同党がライブドア前社長の堀江貴文被告から自民党の武部勤幹事長の二男に対する送金を指示したと指摘したメールのコピーを公開した。
　１６日に公表された本文に加え、タイトルは「至急」、受信日時は０５年８月２６日１５時２１分３５秒と記されているが、送信者やあて先は黒く塗りつぶされている。野田氏は「メールの存在すら疑われる状況だったので、提供者の理解を得てコピーを配った」と説明した。

［疑惑メール］「立証責任は永田議員にある」（読売新聞2・18）

　電子メールは改竄（かいざん）が容易だ。にもかかわらず、「疑惑」の根拠とするメールを本物とみなしたのなら、その証拠を示すのが筋というものだろう。
　衆院予算委員会で、ライブドア前社長の堀江貴文被告と武部自民党幹事長の二男との間に、昨年９月の衆院選に絡んで金銭の授受があったと、民主党の永田寿康議員が追及した。
　証拠として挙げたのは、堀江被告が発信したとする電子メールだった。文面では、堀江被告が二男に３０００万円を送金するよう社内に指示している。
　武部氏は、昨秋の総選挙で、無所属の堀江被告を応援し、「わが弟、息子」と持ち上げた。そんな背景もあって、かなりの“衝撃力”を持つ追及となった。
　ところが、追及からわずか１日で、そもそもメールそのものが本物なのか、疑わしくなっている。
　武部氏は、「二男と二男の経営する会社のすべての銀行口座、通帳を確認したが、指摘の事実は見つからなかった」と全面否定した。堀江被告も弁護人に「メールも送っていなければ、金も払っていない」と語ったという。
　自民党は「根拠のない情報を基にした誹謗（ひぼう）中傷だ」として、金の振込先の口座番号などの開示を要求した。民主党は、二男の参考人招致など国政調査権に基づき調査すべきだ、と反論している。
　自民党は永田氏の懲罰動議を、民主党は予算委で永田氏を批判した自民党議員の懲罰動議をそれぞれ提出した。
　永田氏自身は、１７日の予算委で、「当事者が事実無根と言っただけで、犯罪がなかったことを証明したことにはならない」と繰り返している。
　これは論理のすり替えである。「確度の高い情報を得ている」と言っている永田氏がまず、「疑惑」を真実と信じる具体的な根拠を明らかにすべきだ。
　インターネット上は、元のデータを加工したものなど虚偽情報があふれかえっている。メールの入手経路は「フリーの記者を通じて」というが、詳細は明らかにしていない。
　永田氏は国会で、民間人である二男の実名まで挙げた。普通なら、メールが本物であると信じるに足る根拠がなければできないことだ。逆に、根拠もあいまいなまま取り上げたのだとしたら、当事者への謝罪程度では済むまい。
　与謝野経済財政相は予算委で、こう指摘している。
　「この世で一番難しい証明は『ない』ということを証明することだ」
　永田氏には、「ある」と信じた根拠を示す責任がある。
（2006年2月18日1時51分 読売新聞）

民主・野田氏、首相の「ガセネタ」発言に抗議・資金提供疑惑（日経新聞2・17）

　民主党の野田佳彦国会対策委員長は17日午前の党国対役員会で、ライブドア前社長の堀江貴文被告から自民党の武部勤幹事長の二男への資金提供疑惑を小泉純一郎首相が「ガセネタ」と述べたことについて「ガセという根拠は一体何なのか。武部氏がそう言っているからというだけでは、とんでもないことだ」と反論した。自民党の細田博之国対委員長に抗議したことも明らかにした。 (11:54)