22日、決裂かと恩割れた日韓の交渉もやっと解決した。
 韓国もドイツの国際会議で海底部に韓国名をつける案を一応今回は取り下げたが、時機を見て実施すると言う。
 日本も海洋調査を今回は中止すると言うことであったが、韓国側は、日本が海洋調査を完全撤回したと受け取った、と言う。
 なんだか、結論として、交渉も完全に韓国ペースで、韓国の竹島の事実上の支配を日本は暗に認めた格好になってしまった、ように私には思える。

 新聞各紙の記事を見ると、意見も僅かな違いはあるが、交渉成立を喜び、今後に課題を残したと表明している。
 来月からEEZについての協議をするというが、朝日新聞のように楽天的な意見にはまったくなれないと思った。良くもこんなのんきな事を言っておれると憤慨した。

 読売新聞も、韓国が自国名の命名をとりさげれば、日本も海洋調査を急ぐことはないとのんきな事を言っている。
 韓国はすでに調査済みなのに日本は調査ができないのである。
 しかも、現に漁民たちが、この地域の漁業ができないと言うのはどういうことなのか?相互に入漁はいいとなっているのではなかったの?この問題を取り上げている。

 とにかく、アメリカの意向で日本も急遽交渉の妥結を図ったのであるが、韓国にもアメリカからしかるべき意向は示されたものと思うのは私だけだろうか!
 結果は各自、自分に都合のいい判断で国内新聞発表をしている。採点すれば、韓国は60点で及第、日本は40点でかろうじて情状酌量の合格か?

 今回は、拉致問題の連携も在るからという意見もあるが、韓国と協調姿勢を無理して日本がとらなくても、韓国は独自で北朝鮮と話し合って解決できるのである。
 日本がそれに便乗しようとしても、そんなに世間は甘くないよ!

 来月の局長級会談では、もっと毅然とした日本を見せなくてはいけない。今回はこの程度で仕方がなかったのかもしれないが、毎日新聞は外務省内でも今回の結果に批判がある事を覗かせている。

 韓国は、帰属のハッキリしていない竹島を実質不法占拠し、常時軍艦を配置している。そして両国で決めた暫定水域での日本の入漁を認める協定をしておきながら、実際には漁船を締め出している。

 このあたりの不合理に、日本政府は目を瞑り、長い間、一切見過ごしているのである。
 そのうち既得事実として、すべては韓国のものになってしまうのは明らかである。

 問題を大きくして国際司法裁判所にゆだねてみるのも一方なのである。いずれにしても、軍隊を持たない国の、弱腰の政府を持つ悲哀なのかもしれない。

〜〜〜〜〜〜〜〜竹島問題次官級交渉の結果について新聞各紙の意見〜〜〜〜〜〜〜

日韓の妥協 まずはホッとした(朝日新聞社説4・23)

 日韓の交渉決裂という事態はなんとか避けられた。竹島の近海で日本が予定した海洋測量調査をめぐり、最後は双方が主張を引っ込め、穏当な妥協にたどり着いた。
 それにしても、どうしてここまで緊迫してしまうのか。領土がらみの問題が民族主義的な感情に火をつけやすいことはあるにせよ、日韓の間に横たわる過去をめぐる溝の深さをあらためて思わないではいられない。
 海底の山や谷の名称を検討する国際会議が6月に開かれる。それに合わせて韓国には、竹島周辺を韓国式の名に変えるよう提案する動きがある。日本はこれに対抗する狙いもあって、海底の測量調査を計画した。
 火種になったのは、竹島の領有権争いがからんで両国の排他的経済水域(EEZ)が重なり合う海域の調査だ。双方とも自分のEEZであると譲らず、韓国側は日本が調査を強行すれば測量船の拿捕(だほ)も辞さない構えを見せていた。
 結局、日本は調査を取りやめる。韓国も今度の国際会議では提案しない。そんな合意がとりあえずできた。
 今の段階ではこれしか考えられないという現実的な妥協である。危機を回避した双方の努力を評価したい。
 争いの元となったEEZの線引きについても、5月にも交渉を再開することで合意した。息の長い交渉になるだろう。
 今回の騒ぎで遺憾なことがあった。
 「侵略戦争で確保した占領地について権利を主張する人たちがいる」。盧武鉉大統領は、そんな表現を使って日本を非難している。
 領有権を主張しているのは事実だが、これでは国家指導者が先頭に立って民族感情をあおっているようではないか。問題の解決には何の役にも立たない。
 人や経済、文化の交流がこんなに広がっている隣国同士なのに、「拿捕」とか「侵略」とかいう過激な言葉が飛び交うのはなんとも情けない。
 そもそも領有権の主張は簡単に折り合えるはずもない。容易に決着しないからこそ、緊張を避ける現実的な知恵が必要だろう。
 それぞれの立場は立場として、領有権はとりあえず棚上げし、今回のような科学調査が無用な緊張を生まずにすむルールを編み出してほしい。
 日韓の漁業協定では、竹島の周辺海域を入会地のような「暫定水域」にした。日本と中国の間には、EEZ内の海洋調査について2カ月前までに相手方に伝える事前通報の制度ができている。
 実際は、暫定水域に日本漁船が思うように入れていない。事前の通報もなしに中国が調査をする例も少なくない。
 とはいえ、そういう制度があるとないとでは、大きな違いである。
 それぞれが調べた海底のデータを少しずつでも交換する。調査そのものにも協力し合う。そういう成熟した関係を思い描いてみたい。

4月23日付・読売社説(1)
 [竹島衝突回避]「これからも冷静さが必要だ」
 

 竹島周辺海域の調査を巡る日韓の対立は、話し合いで決着がつけられた。
 日韓関係に大きな亀裂が走れば、地域の平和と繁栄の基盤が損なわれる。双方とも日韓関係の重要性を認識しているからだろう。
 合意内容は、日本が調査を中止し、韓国も6月の国際会議に海底地形の名称を提案するのを見送る、というものだ。
 日本が調査を計画したのは、韓国の地名提案の動きに対抗し、対案作りのためデータ収集が必要となったからだ。韓国が提案を控えれば、日本も調査を急ぐことはない。
 韓国が調査中止の「名」を取り、日本が地名提案見送りの「実」を取った、とも言える。
 調査海域は、日韓双方とも自国の排他的経済水域(EEZ)と主張している係争海域だ。沿岸国に海底開発など主権的権利を認めていても、基本的には公海と同じ扱いだ。「科学的調査を行う自由」はすべての国に保障されている。
 今回の調査が、盧武鉉大統領の言うような「過去の侵略を正当化しようとする行為」であるはずもない。
 竹島の領有権は、双方の主張が食い違っている以上、本来、国際司法裁判所の裁定にゆだねるしかない問題だ。
 韓国は、地名提案は「適切な時期に行う」としているため、同様の問題が再燃する可能性もある。そうした事態を避けるためには、領有権問題と切り離して、この海域での日韓双方の活動のルールを整備することが重要だ。
 ルールを整備する前提として、EEZがきちんと画定されることが望ましい。今回、局長級によるEEZ画定交渉を5月にも再開することで合意した。粘り強く交渉を進めてもらいたい。
 海洋調査などを行う際に、事前通報する制度を導入するのも有益だろう。
 事態が予想外にこじれた一因には、双方が「自国のEEZだから、通報義務はない」という態度だったこともある。
 今回の交渉では、日本が導入を打診し、韓国が難色を示した。一種のセーフティーネットとして、韓国も前向きに導入を検討してほしい。
 この海域を巡っては、事実上の「共同管理」とした日韓漁業協定が1999年に発効している。だが、7年余りたった今も、具体的な操業条件が確定せず、日本漁船は締め出された状態にある。こうしたことが、「竹島の日」を条例で定める島根県の動きにもつながった。
 今回の決着を、日韓関係を良好なものとする流れにつなげたい。そのためには相互の知恵と努力が必要である。
(2006年4月23日1時53分 読売新聞)

社説1 外交交渉で当面の危機回避した日韓(日経新聞4/23) 

 日本政府による竹島(韓国名・独島)周辺での排他的経済水域(EEZ)での海洋調査をめぐる日韓の対立は、ソウルでの外務次官協議で当面の危機を回避する合意が成立し、双方の船舶が海上で衝突する最悪の事態は避けられた。

 日本側によると、合意は(1)韓国側は6月の国際会議小委員会に竹島周辺の海底の独自地名を提案しない(2)日韓両国はEEZ境界線を画定する協議を5月中にも局長級で再開する(3)日本は予定していた海洋調査を中止する――などが主な内容である。

 日韓間では双方が竹島の領有権を主張し、それぞれが自国の領有を前提に設定したEEZに重複部分がある。韓国は4年前から重複部分を含めた調査を実施し、それに基づいた海底の独自地名を6月の国際会議小委員会に提案する構えを見せたため日本側は韓国による竹島の実効支配を一層強めると判断し、調査を急ごうとした。

 したがって日本側は韓国が6月の会議での地名提案を見送れば、調査を中止する考えを早い段階で伝えていた。今回の合意は、独自地名の提案について「韓国側は必要な準備を経て、適切な時期に推進する」ともしているが、いずれにせよ、EEZの境界線の画定は再開される局長級協議で続けられることになる。

 合意に至る過程では韓国のナショナリズムの強さを見せつけられた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は日本による海洋調査を「日本の国粋主義性向を持った政権が過去の侵略の歴史を正当化する行為」と述べ、潘基文(バン・キムン)外交通商相も「独島問題は韓日関係より上位の概念」と強硬論を述べた。

 日本側は「互いに冷静に対応することが大切だ」(安倍晋三官房長官)を基本に交渉による解決を目指した。韓国では小泉純一郎首相の写真を破損する街頭行動もあったようだが、多様な価値観を認める民主主義社会では過激な排外的言動に対しては自省の動きが出てくるのが自然であり、それを期待したい。

 領土に絡む問題はナショナリズムを刺激する。であればこそ交渉には静かな雰囲気が必要であり、当事者間の基本的な信頼関係も欠かせない。特に韓国外交通商省にとって今回の協議は国内世論の激しさをどう収拾するかに悩みながらの交渉だったろう。

 当面の危機を回避した今回の交渉で当事者間に信頼関係が生まれたとすれば、雨降って地固まるの効果があったことになる。そう断定するには今後を見る必要がある

竹島問題:衝突回避 土壇場一転決着(毎日新聞4・23)

 竹島周辺の日本の海洋調査をめぐる日韓の外務事務次官協議は22日夜、決裂の可能性さえ指摘される中、土壇場で合意した。双方が国内に強硬論を抱えながらも外交的解決にこだわったのは、竹島問題が日韓の領土紛争として国際的な注目を浴びるのは得策ではないとの判断が働いたとみられる。ただ、ぎくしゃくする日韓関係が領土問題で「不信」を顕在化させた形でもあり、今回の問題のツケは小さくない。
 ◇火種残し「歩み寄り」
 日韓合意は、韓国が6月の海底地形に関する国際会議で竹島(韓国名・独島)周辺の海底地形に韓国名をつけることを提案しないのと同時に、日本が海洋調査を中止する「痛み分け」の構図だ。だが、22日の協議は一時「決裂」情報が飛び交うほど難航。同日夜、日韓両国はそれぞれ記者会見したが発表内容は自国に都合のいい解釈だった。
 午後7時45分、谷内正太郎外務次官はソウルのホテルで会見し「協議の結果、韓国が韓国名の名称を提唱するかどうかの問題については、6月には行わないという理解に達した」と述べた。その数分後、韓国外交通商省の柳明桓(ユミョンファン)第1次官は同省庁舎で「韓国は我々の正当な権利である海底地名登録を今後必要な準備を経て適切な時期に推進することにした」と発表した。
 海底地形の韓国名の表記提唱について「6月はない」と解釈した日本と、「適切な時期に推進する」と主張した韓国。このあいまいさが急転直下の合意に結びついた。だが、柳次官は日本の海洋調査について「中止という表現だが撤回と同じ意味だ」と指摘。韓国の今後の出方次第で日本が海洋調査に踏み切る可能性もあるのに、一方的にそれを排除するなど「火種」は残ったままだ。
 今回の協議は、谷内次官が「国際法にのっとった科学的な海洋調査」との立場を崩さず、「過去の侵略の正当化」と反発する韓国側との間で平行線をたどった。韓国にとっても盧武鉉(ノムヒョン)大統領が「静かな外交」を再考する姿勢を示す中、柔軟姿勢への転換は難しい情勢だった。
 双方が主張を譲らないまま結論を先送りする手段として浮上したのが、00年から中断している排他的経済水域(EEZ)の境界画定交渉を再開し、その中で積み残した協議を続けるという方法だった。これによって「交渉の場」が確保されたことになり、決裂という最悪の結果は避けられた。日本側はこれまでもEEZ交渉を働きかけてきた経緯があり政府内には「大成功」の声もある。
 だが、柳次官は「今回の事態はEEZが画定していないために発生した」と発言しており、5月に再開するEEZ画定に関する局長協議では、竹島周辺海域を韓国側だと認めさせるよう攻勢をかけるとみられる。
 外務省幹部は22日夜、次官協議の妥結を「目の前にある危機をとりあえず回避しただけ。お互いにいったん頭を冷やして本質的な話をしましょうということだ」と自ちょう気味に評価した。海洋調査などをめぐる今回の対立点の協議は5月に再開するEEZの境界画定交渉に委ねられたが、双方が歩み寄る見通しはないのが現状だ。【大貫智子、ソウル・堀山明子】
 ◇日韓の不安定さ露呈
 今回の海洋調査問題は、竹島の領有権や過去の歴史認識をめぐる日韓の対立が東アジアの不安定要因であることを国際社会に印象づけた。特に日本政府は東シナ海のガス田開発や靖国神社問題で中国とも激しい非難の応酬を繰り広げ、米国や東南アジア諸国から懸念の目を向けられている。その中で、友好国だったはずの韓国との関係を「衝突」寸前まで悪化させたことは、東アジアのリーダーを名乗る資格を疑わせかねない。
 「米国から圧力がかかった。このことは首相官邸にも伝わっている」
 谷内正太郎外務事務次官のソウル派遣が決まった20日、政府筋はこう語り、米政府が日韓対立への懸念を非公式に伝えてきたことを認めた。東アジアは中国の台頭と北朝鮮の核開発という不安定要因を抱えており、「米国の同盟国同士でけんかするのはまかりならぬということだ」と別の政府関係者は分析する。
 日本側は「EEZの海洋調査は国際法にのっとった当然の権利」と主張し、調査に踏み切る場合も海上保安庁の武装した巡視船は同行させず丸腰の測量船だけを派遣して「衝突」を回避する方針だった。海洋調査を「過去の侵略を正当化する歴史問題」と位置づけて「拿捕(だ)も辞さない」とした韓国政府の強硬路線が国際的に「過剰反応」と映るだろうとの計算があった。最後は外交的解決で折り合ったが、小泉純一郎首相と盧武鉉大統領の下で相互不信が深刻化している現実を露呈した。【平田崇浩】
毎日新聞 2006年4月23日 3時00分