安倍総理の衆院解散宣言は唐突ではない。今までの連続政府に対する国民の不信から、落ち目になっていた安倍政権の支持率の持ち直し迄を待ち、野党のごたごたの隙に乗じて、一気に今までの疑惑を帳消しにするのが解散の狙いである。

 選挙の争点に社会保証の高齢者偏重の修正、北朝鮮への圧力強化、憲法9条へ自衛隊を明記する事とあるマスコミは披露しているが、此は表面理由。しかし、これらは憲法改正を除いては解散の大きな理由にするほどのものではない。
 
 そして「人作り解散」とのたまう。「仕事人内閣」は何を遣ったのかなぁ!
 いい加減にせんか、と言いたい。安倍内閣の醜悪な疑惑を隠す「隠し解散」じゃないか。数々の疑惑で安倍晋三の人間性に不信を募らせている国民は、このままでやり過ごすとは思えない。

 野党の立ち上がりが遅れているチャンス、北朝鮮に国民の目が奪われ森友、加計疑惑が国民の頭から薄れて今が、再度自民党圧勝のチャンスとみているのである。
 それに乗じての憲法9条の改正が目的である。

 「やぶにらみ」は、今の日本では政権を担当できる政党は自民党しか無いと思っている。しかし、その自民党が民主主義を忘れ独裁化してきているのである。
 今回の衆議院解散選挙でも、党利党略だけが目的で、圧勝を狙っているのである。今の状態で野党に政権を担当する力が無い以上、自民党に政権を任せなくては仕方が無いのである。

 そこで国民に出来る事は、強力な独裁自民党政権を造らないために、議会での自民党の絶対多数を避けることである。次に考える事は、安倍晋三を総裁から落とすことである。
 それらのためには、今回の選挙で、出来るだけ自民党の代議士の当選数を少なくすることである。

 「人作り解散」などと言っているいい加減なマヤカシをやる安倍信三の動きに国民は目を離さないことである。今回の訪米でも、国連総会で北朝鮮との対話は無意味である、と言うことを各国に知って貰うと云っているが、矢張り対話目的の動きも閉口して必要だと「やぶにらみ」は思う。
 いくら制裁を強くしても、制裁だけで北朝鮮の核問題が片付くわけがないのである。

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冒頭解散、25日に事前表明 衆院選10月22日投開票 米大統領来日までに新内閣(産経ニュース9.19)

 安倍晋三首相の衆院解散の意向を受け、政府・与党は18日、「10月10日公示−10月22日投開票」の日程で衆院選を実施する方針を固めた。北朝鮮の核・ミサイル危機が続く中、政治空白を最小限にとどめる狙いがある。首相は9月28日召集の臨時国会冒頭で解散する方針を固め、米国から帰国後の25日にも解散を事前表明し、国民に理解を求める考えだという。 
 首相は18日、公明党の山口那津男代表、自民党の二階俊博幹事長と相次いで私邸で会談し、解散の意向を正式に伝えるとともに10月22日投開票の衆院選日程を示し、大筋で了承を得た。
 政府は内々に「10月10日公示−22日投開票」と「10月17日公示−29日投開票」の2案を検討してきた。
 10月29日投開票ならば、都道府県の選挙管理委員会などの準備期間を十分に確保できる。ただ、衆院議員の当選証書交付が11月5日までずれ込むため、この前後に来日予定のトランプ米大統領を職務執行内閣で迎えることになってしまう。
一方、10月22日投開票だと、在外邦人のための在外公館投票の準備が間に合わなくなる。準備は公示の15日前から始めねばならないため、首相が9月25日にも解散を事前表明することで各省庁や地方自治体に選挙準備のゴーサインを出す形をとることにしたという。
 この日程なら10月29日までに当選証書を交付でき、直後に特別国会を召集すれば、首相指名選挙から新内閣発足までの一連の流れを11月3日までに終えることができる。
 首相は当初、所信表明演説と衆参代表質問を終えた後の解散を検討していたが、10月22日投開票が困難となるため断念した。所信表明演説だけを行う案も浮上したが、代表質問を行わなければ、かえって批判を強めかねないと判断した。
 首相は9月18日午後、国連総会出席のため米ニューヨークに向け政府専用機で羽田空港を出発した。搭乗直前、記者団に「解散については帰国後に判断したい」と述べた。

衆院選争点に社会保障・北圧力・9条改正…首相(読売新聞9.19)
2017年09月19日 07時31分

 安倍首相(自民党総裁)は、「10月10日公示―22日投開票」の見通しとなった衆院選について、〈1〉消費増税の税収の使途変更による「全世代型」社会保障制度の実現〈2〉北朝鮮への圧力強化路線の継続〈3〉憲法への自衛隊の根拠規定の明記――を3本柱として争点に掲げる方針を固めた。
 首相は28日に召集される臨時国会の冒頭で衆院解散に踏み切る意向で、18日には自公両党の幹部と相次いで会談し、こうした考えを伝えた。
 首相は18日、東京・富ヶ谷の私邸で公明党の山口代表、自民党の二階幹事長と個別に会談。首相は二階氏に対し、「早期解散を検討している。準備を進めてほしい」と述べたという。
 首相はその後、国連総会出席のため米国に出発した。羽田空港では記者団に「衆院の解散については(22日の)帰国後に判断したい」と語った。

首相が「冒頭解散」を検討 国民が見くびられている(毎日新聞社説9.19)
2017年9月19日 東京朝刊

 主権者たる国民への畏れなど、みじんも感じられない政治がまかり通ろうとしている。
 安倍晋三首相が28日召集予定の臨時国会冒頭にも衆院を解散する方針を固めた。総選挙は「10月22日投開票」の日程を軸に政府・与党は調整に入っているという。
 北朝鮮情勢の緊迫が続く中での選挙となる可能性が高い。にもかかわらず解散に踏み切るのは、今、選挙をした方が自民党はそんなに議席を減らさないだろうという首相の打算以外に考えられない。
 民進党は前原誠司代表に交代した後ももたついている。小池百合子東京都知事と連携して結成を目指すという新党も、今なら準備が間に合わないだろうというわけだ。
 さらに首相の魂胆が透けて見えるのは、首相の所信表明演説や各党代表質問も行わずに解散する案が検討されていることだ。
 首相自身が渦中にある加計学園や森友学園問題は何も解明されておらず、引き続き国会の焦点だ。首相も先の通常国会終了直後は「今後、真摯(しんし)に説明する」と約束していた。
 ところが、それを避けて解散に持ち込むのは、よほど疑惑を隠しておきたいからだろう。首相がそれでこの問題は忘れ去られると考えているのなら国民はなめられたものだ。
 解散・総選挙によって政治空白が生まれ、「北朝鮮問題への対応は大丈夫なのか」との不安もある。
 自民党からは「北朝鮮問題は長期化するから、いつ解散しても同じ」との声を聞く。ならば、なぜそう判断するのか、そして、この問題をどう解決しようと考えているのか、説明すべきだ。
 確かに内閣支持率は一時と比べて回復している。しかし、それは北朝鮮問題という対外的な危機感が現内閣への期待を生んでいるからに過ぎない。首相の努力の結果ではない。
 首相は先月、改造内閣を「仕事人内閣」と自賛した。成果どころか、仕事の中身さえ国会で示す前に解散するということでもある。
 2014年11月、消費増税先送りを理由に衆院を解散した時以上に大義はないと言うべきである。
 首相は米国から帰国後に最終決断するという。冒頭解散は国民不在の選択である。

首相は何を争点に国民の審判を仰ぐのか (日経新聞社説9.19)
2017/9/19付

 安倍晋三首相が衆院を解散する意向を与党に伝えた。何を争点に国民の審判を仰ごうとしているのだろうか。任期を1年あまり残して総選挙に踏み切るからには、問いたいテーマがあるのだろう。憲法改正なのか、経済再生なのか。争点隠しと言われない選挙戦にしてもらいたい。
 選挙の争点は本来、与野党の論戦を通じて定まっていくものだ。しかし、急に解散が浮上し、10月22日の投票日まで約1カ月しかない短期決戦である。政策万般を漠然と論じていては、何のための選挙かがよくわからないうちに終わってしまう。
 2000年代前半に盛り上がったマニフェスト(政権公約)づくりが下火になり、最近はひたすら政党名や候補者名を連呼するような選挙戦が復活しつつある。「お任せください」型の選挙が低レベルの国会議員を生んでいる。もっと政策本位の選挙にしなくてはならない。
 有権者が投票する際の判断基準を大別するとふたつある。過去の業績評価と将来への期待表明である。前者は2014年の前回の衆院選後に安倍政権が推し進めた政策、例えば安全保障法制の整備が適切だったのかどうかを考えて1票を投じるというものだ。
 北朝鮮の核・ミサイル開発を抑止するうえで、集団的自衛権の行使の限定解除が効果を生んでいるのか。よく考えて適切と思えば与党に、不適切と思えば野党に投票すればよいわけだ。
 他方、期待表明は与野党が掲げるビジョンを見比べ、善しあしを判断するものだ。一般国民があれもこれも細かく検討するには簡単ではない。まずは解散を断行する側の首相が、国民に問いたいことを語るべきだ。
 8月の内閣改造・自民党役員人事のあと、首相は経済再生に最優先で取り組む方針を示した。そのための道筋はしっかり説明してもらいたい。
 衆院解散は首相の伝家の宝刀であり、歴代首相は勝てそうと思ったときに解散権を行使してきた。そうした判断力も政治家の重要な資質であることは否定できないところだ。
 とはいえ、与党にとっての損得だけで宝刀を振り回されては、有権者も鼻白むに違いない。森友・加計学園問題の疑惑隠し解散などと言われて損をするのは首相自身である。