2007年07月17日

オリンピックへの挑戦 〜両下腿義足のピストリウス選手〜

北京パラリンピックまで、まだ1年以上あることもあって、障害者スポーツの話題はなかなかニュースとして取り上げられません。しかし! 南アフリカのオスカー・ピストリウス選手がやってくれました。健常者のトップ選手が出場する陸上競技大会に、堂々出場を果たしたのです。

[陸上]両足義足ピストリウス 4百m2位 ゴールデンガラ《ライブドア・スポーツ》

ただし、歓迎ムードだけではありません。記事中にもあるように、陸上競技のルールの解釈をめぐって、障害者のためのものでないレースに彼が出場することの是非が問われているようです。

個人的な意見を述べますと、競技用義足によって彼が多大なアドバンテージを得ているとはとても思えません。確かに、バネ構造がもたらす反発力は相当なものがあるでしょう。でも、それは下腿の筋肉を上回るほどのものでしょうか。仮に計測上はそうだとしても、彼はそれを神経回路によってコントロールできないのです。

YouTubeから、彼の走りの動画を見つけてきました。上記の大会に引き続き、英国陸上GPに出場したときのものです。

British Grand Prix 400m

10分ほどある、ちょっと長めの動画ですが、最後に彼の走りがスローモーションで流されています。正面から撮影されたその映像を見ると、義足を使用する彼の走りが非常に不安定なものであることがわかると思うのですが、いかがでしょうか。陸上競技に関しては素人ゆえ、声高に主張することはできませんが、足先は外に向かってブレがちで、それを抑えるために相当な苦労をしているように見えます。

ちなみに、このレースでピストリウスは、完走者7名中最下位の7位でフィニッシュしています。しかし、レーンをはみ出したとして、記録は失格に終わりました。
(↓下の記事内に記載があります)

[陸上英国GP]男子百はゲイが制す 棒高跳びの澤野は5位《ライブドア・スポーツ》

「国際陸連は、義足のバネなどがピストリウスに不正な利益を与えていないか調査中で、このレースも判断材料の一つになるはずだった」とあるので、詳しい検証が進められていることは間違いないでしょう。パラリンピックの競技レベルが高まるにつれて、こういった問題は今後もきっと出てきます。その場合の対応を考える上でも、今回の決着の仕方からは目が離せません。

今後の展開として気になっているのは、義足の性能がますます高まっていくことが予想される点です。例えば反発力やサイズの規制といった、具体的な方策が採られることも考えられますね。

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