2016年04月27日

青葉賞 追憶の血統 〜サンデーの激流に対する石畳 第3回勝ち馬マウンテンストーン〜

1995年に初年度産駒がデビューしたサンデーサイレンス産駒は、激流ともいえる勢いで日本の競馬界を飲み込み、そして次々と新記録を打ち立てていきました。初年度からジェニュイン、タヤスツヨシ、ダンスパートナーというクラシックホースを産出する中で、なんとかしてこの激流を食い止めたいと、ダービーのトライアルになった重賞、青葉賞で意地を見せたのが、ダンスホール産駒のマウンテンストーンでした。

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マウンテンストーンの父ダンスホールは、2歳戦から中距離で活躍し、まだ2400mの仏ダービーで2着。2000mのパリ大賞も勝っており、生涯成績は5戦4勝2着1回。なかなかの名馬です。

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このようなダンスホールに対し、母のスイートミネルバは、パーソロン×スピードシンボリという、名馬シンボリルドルフと同じシンボリの渾身の配合。この組み合わせに、どのような効果があったのでしょうか。

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スイートミネルバは、父のパーソロンはPerfumr兇髻∧貮磴離好圈璽疋轡鵐椒蠅Royal Chargerを持っています。この2頭は、Pharos,Blandford,Mumutaz Mahalという3頭が共通し、スピードの根幹として成り立っていると考えられます。

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そのスピードにステイヤーであるダンスホールを配したことで、青葉賞を勝ちきれるだけのスタミナとスピードが兼ね備えられたのではないでしょうか。


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2016年04月19日

読売マイラーズカップ 追憶の血統〜名マイラーに土の洗礼 第15回勝ち馬ローラーキング〜

かつての名マイラー、ニホンピロウイナーは、その生涯においてマイル戦ではマイルチャンピオンシップ2勝を含め、8戦して5勝2着3回という連対率100%の好成績を残しています。その中で負けたレースを見てみますとダイゼイキングと頭差だった阪神3歳ステークス、そして不良馬場だったオープンと、同じく不良馬場だった、このマイラーズカップの3レースでした。今回は、その泥んこのマイラーズカップの更にその内側の馬場を、ドチャリドチャリと差し込んで名マイラーに土をつけた、奇跡のマル地馬ローラーキングを取り上げてみたいと思います。

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ローラーキング自身はマル地馬と書いたように、元々は大井競馬場でデビュー。金沢競馬に移籍してから北國王冠、白山大賞典、中日杯などを制し、中央へと殴りこんでまいりました。しかし、その初戦となった東京新聞杯では14着と大敗。次戦でもその存在感は薄く13頭立ての12番人気という低評価。しかし、その低評価を覆したのが、前述のマイラーズカップだったのです。では、その血統を、じっくりと眺めてみましょう。

ローラーキングの父ファーストファミリーは、アメリカの名馬Secretariatの異父兄弟。自身の成績は米国で44戦して7勝、ガルフストリームパークハンデ(ダート2000m)などを勝利しています。
母父のアポッスルは、英国で17戦して9勝。4歳時にプリンスオブウェールズステークス(芝12F)やジョッキークラブカップ(芝12F)を制しています。

ローラーキングの中で異質を放つのは、父ファーストファミリーの父母Hildene。この血をちょっと見てみましょう。

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主なクロスは、Ben Brush4×4、Commando5×4、その父Dominoが5・6・6×5・5とこの2頭の血が非常に濃くでています。また、この2頭の血は父母Beaming Beautyと母母Ultimate Fancyに含まれているので、言わばこの2頭の2×2というニアリークロスとして存在しています。

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では、この血がローラーキングにどのように作用しているのでしょう。それは、ローラーキングの母母父トキノチカラの母、星谷の存在に他なりません。

星谷は、下総の御料牧場がアメリカから輸入した繁殖牝馬。その血には、米国の血がしっかりと入っています。

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そう、その母Juraqが、Ben Brush系にCommandoというHildeneと同じ組み合わせの血統を持っています。この血が組み合わさったことで、ローラーキングはダートもこなし、ドロドロの不良馬場を追い込んできたパワーの源ではないかとも考えることが出来ないでしょうか。




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2016年04月05日

桜花賞 追憶の血統 〜歴史に刻まれそこねた稀代の根性娘 第33回勝ち馬ニットウチドリ〜

1987年にメジロラモーヌが牝馬3冠を制して以降、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナと計4頭の3冠牝馬が誕生しております。
その影には、3冠に近づきながらその栄光を勝ち取れなかった馬達もたくさんいるわけで。近年では秋華賞で降着になったブエナビスタが思い出されるかもしれませんが、それよりもずっと前、秋華賞がエリザベス女王杯でもなく、その前身のビクトリアカップだった頃、牝馬3冠に最も近づいたのは、今回の主役、1973年の桜花賞馬ニットウチドリでした。

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ニットウチドリは桜花賞1着、オークス2着、ビクトリアカップ1着という成績。桜花賞は好スタートから先段に取り付け押し切りの圧勝。オークスは3角から進出し直線では抜けだすも、ナスノチグサに差し切られましたでしたが、この活躍の根拠は何処にあったのでしょう?

ニットウチドリの父ダラノーアはフランスで2〜3歳時に活躍した汎用な競走馬ですが、その血統が特徴的です。

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Gainsborough4・4×4、Friar's Daughter4×4、Swynford5×5,Sundridge5×6などのクロスを中心に、父母Fille de Soleilと母母Mah Iranが相似のクロス2×2を形成しています。

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その産駒ニットウチドリは母父ラッシーの母父MahmoudがダラノーアのMah Iranと3/4同血クロス、またラッシーの父父Fair TrialがMahmoud≒Mah Iranと同じLady Josephineということで、そのスピードを含めたダラノーアの持つポテンシャルを、上手く引き出せたのではと考えられます。

ちなみに、ダラノーアを母父に持つ活躍馬として狂気の2冠馬カブラヤオーがおりますが、カブラヤオーの父母RuinがFair TrialとUdaipur=Umidwarを持っており、ここがラッシーと共通しております。ニットウチドリのスピードと根性も、カブラヤオーと同じ性質のものだったのかもしれませんね。

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2015年10月23日

サラBOOOLO vol.4にて寄稿させていただきました

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すっかり時期外れになってしまいましたが、競馬月刊誌「サラブレ」の血統系増刊ムック「サラBLOOD」に記事を書かせていただきました。
内容は1957年のクラシック戦線を綴った「種牡馬の転機」です。
主に前年である1956年と翌1957年の出走馬の違いを、種牡馬的見地から考察してみた内容となっております。

最新血統情報が詰まっているサラBLOODには場違いな記事かもしれませんが、日頃から古臭い血統を見ている身としては、一度は書いてみたかった内容ですので、非常に感謝しております。

まぁ、血統マニアックイズの特典だったのですが、必死のパッチで全問達成が出来てよかったです。

サラブレと編集のKさん、誠にありがとうございました。

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2015年09月24日

神戸新聞杯 追憶の血統 〜その快速の根源を求めて 第26回勝ち馬バンブトンコート〜

1977年、2歳時に札幌でデビューしたバンブトンコートは、新馬戦のダート1000mを大差で圧勝。北海道3歳Sは3着に落とすも函館3歳S、デイリー杯3歳S、阪神3歳Sと次々と重賞を制覇し、7戦6勝で同年の最優秀2歳牡馬に選出されました。

好事魔多し、残念なことに3歳になると骨折が判明し皐月賞への道を絶たれてしまいましたが、軽度だったこともありオープン競走をステップに日本ダービーへ出走。2歳時の勢いを憶えてるファンの後押しもあり1番人気になりましたが、残念ながらサクラショウリの4着と敗れます。

余裕ある状態だっとこともあり夏の函館記念に出走すると、同年の皐月賞馬であるファンタストを3着に下す快勝。春の無念を晴らさんと、菊に向けてまず照準を合わせたのが、神戸新聞杯でした。

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神戸新聞杯を快勝したバンブトンコートでしたが、続いて出走した京都新聞杯では6着、菊花賞では7着と残念ながら大輪を咲かすことは出来ませんでした。しかし古馬になってからもマイラーズCや朝日チャレンジCを制するなど2000m以下では活躍を見せており、優れたマイラーだったのではと思われます。では、その血統は、どのようなものだったのでしょうか。

バンブトンコートの父ロードリージは、名馬Sir Ivorの全弟。日本では1972年から種牡馬生活を始めましたが、これといった産駒は出せず、バンブトンコートが代表産駒の1頭となっています。

そのバンブトンコートの血統を見てみますと、ロードリージ×テューダーペリオット×フェリオールと、なかなか渋い種牡馬がつけ続けられていますね。その中での相性は、何処にあったのでしょうか。

クロスは全体的に薄く、Pharosの6・6×5・5、Gainsboroughが7・6×5、Seleneの5×5など相似性のある配合。それ以上に気になるのは、Admirel Drake,Sir Gallahad,Bois Rousselの3頭を介してクロスするPlucky Liegeの6・6×6でしょうか。

Gainsborough,Selene,Pharosはバンブトンコートの母イチバンブの父系であるOwen Tudorを構成する血でありますが、実はPlucky Liegeもその血に関連しておりまして、それはOwen Tudorの3代母Queen ElizabethとPlucky Liegeの血を並べてみると分かります。

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Plucky Liegeの父SpearmintとQueen Elizabethが「Carbine,Minting,Warble」の共通する3/4同血馬にあたりますが、残る部分でMacaroni,Pocahontas,Voltigeurなどの主要馬がクロスされていることもあり、この2頭のニアリークロスが成り立ちます。

Owen Tudoeの2代母Anna Bolenaは父Teddy×母Queen Elizabethなので、ロードリージの持つSir Gallahadとのニアリークロスとなります。

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そのように見ると、バンブトンコートの血統はOwen Tudorの血統を完全にクロスする形になっておりますね。

また、Owen Tudor自身は英ダービーの勝ち馬ですが、Lady Josephineとの組み合わせでTudor MinstrelやAbernantといった快速馬を輩出しました。
バンブトンコートの父ロードリージは、その父系がLady Josephineの血を引くRoyal Chargerですから、その組み合わせに快速の根源を求めるのは、少し考え過ぎでしょうか。


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