2019年03月06日

ラッキールーラから見る「Domino+Woodbine」の組み合わせ

ラッキールーラの追憶の血統がまとまらなかったので、Twitterに簡易的に書きましたが、
ラッキールーラには数多く「Domino+Woodbine」という組み合わせがあり、
これが絶妙に母父ハクショウを回避しているのが素敵だなと感じるわけです。


なのでそれを、実際に血統表を用いで見ましょう。
まずラッキールーラの6代血統表に、「Domino+Woodbine」に関連する4頭を囲っておきました。
それを順に追っていきましょう。

ラッキールーラ.jpg

1、Sweep Outについて
Sweep Outは、父母Pink Dominoと母母Cloakが共に「Domino+Woodbine」を持おり、自身はその組み合わせを増幅しています。
SweepOut.jpg

PinkDomino.jpg

Cloak.jpg

2.Alcibiadesについて
Alcibiadesは父父UltimusがDominoのクロスを、母母Lady CiceroがWoodbineのクロスを持つ配合です。
Lady Ciceroは、Woodbineの娘であるFeronia=Viopletの全姉妹クロスも持ってますね。
Alcibiades.jpg

Ultimus.jpg

Lady Cicero.jpg

3、Rosie o'Gradyについて
Rosie o'Gradyはその母Cherokee Roseが「Domino+Woodbine」持ちます。
CherokeeRose.jpg

4、Dominantについて
Domnantの場合は、その母Dominoesが「Domino+Woodbine」です。
Dominoes.jpg

以上、ラッキールーラの血統に出てくるDomino5頭の父系は、全てWoodvineという名牝系と出会うこととなったわけですが、
その結果が、素晴らしい能力を花開かせたのかもしれません。











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2019年02月28日

1952年の血統航路

1952年の朝日杯3歳ステークスを調べていたところ、出走馬の血統が妙だったので不思議に思い、
改めて書き起こしてみました。

1952年 第4回朝日杯3歳ステークス

1着 サンゲツ Reading×Ann Nap by Annapolis Blue
2着 ラッキータカヨシ ミルトン×瑞兆 by トウルヌソル
3着 ミスカリフォルニア Dogaway×Quality Shot by Sunshot
4着 クヰンフーインム Texas Sandman×Down Beat by Count Arthur
5着 フラワーワイン ヴィーノーピュロー×Mimosa by Royal Minstrel
6着 イチジョウ セフト×年藤 by トウルヌソル
7着 ガイセイ トシシロ×ロックフェル by ステーツマン

このように、7頭中4頭がアメリカ産馬です。しかもわけも分からない血統ばかり。

ちなみに同年の阪神2歳ステークスも似たようなもので、出走馬9頭のうち

2着 トサマサル Black Badge×Singing Wind by Perifox
4着 シーバーム Fair Truckle×Sea Tide by Seabiscuit
6着 カリームカーナ Karimkhan×Cavalcana by Cavalcade
7着 マルトオー Brevity×Squirmer by Tick On

の4頭がアメリカ産馬でした。

これらの馬たちをJBISのサイトで検索すると、日本での馬名とは別の英名がついているので、
アメリカで血統登録された後に輸入されたのでしょう。

色々文献をあさってみたところ、1952年は農林省&軽種馬生産農協の官営チームや、民間のから委託された白井新平氏などが共に2歳馬を購入・輸入した年ということで、このような現象が起こったのでしょう。しかも、カリフォルニアで競り落としてきたからでしょうか、本当に訳の分からない血統ばかりです。

唯一反応できたのが、シーバームの母父にある名馬Seabiscuit(シービスケット)。おぉ、シービスケットの孫が日本で走っていたとか、なかなかロマンチックですこと。






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2019年02月24日

阪急杯 追憶の血統 〜第25回勝ち馬 サツキレインボー〜

1981年の阪急杯は、佐賀競馬から中央へ転入したサツキレインボーが前走のスワンステークスに続き連勝を飾ったレース。
また、このレースの2着馬は前年のオークス馬ケイキロク。ケイキロクの父ラディガはRibotの孫なので、奇しくも父系にRibotの血を引く馬同士での決着でした。

サツキレインボーは前年の1980年末に佐賀競馬場のファン選抜特別(現在の中島記念)を3歳馬ながら制し、15戦11勝という優れた成績で佐賀競馬場の頂点に立つと、その実績を持って中央へと移ります。最初のうちは勝ち切れないレースが続きましたが、4戦目となるスワンステークスを10頭立て9番人気という低評価ながら制し、ようやく中央での初勝利を挙げました。続く阪急杯は15頭立ての8番人気。午後から降り始めた雨でぬかるんだ芝も味方したのか、サツキレインボーは3馬身差という完勝で、このレースを制したのでした。
今回はその、サツキレインボーの血統を見ていきましょう。

サツキレインボー.jpg

サツキレインボーの父は、アメリカ産のフジオンワード。海外で2戦して未勝利という成績ながら種牡馬として輸入されると、サツキレインボー以外にも、同じく阪急杯やエリザベス女王杯を制したリードスワロー、シンザン記念を制したナニワライトなどの重賞馬を出しました。
サツキレインボー以外の2頭は共に母がライジングフレームの血を持つという共通項があり(リードスワロー=母父ライジングフレーム、ナニワライト=母母父ライジングフレーム)、そこに一つの配合のポイントがあるかと思います。そこで、フジオンワードとライジングフレームの組み合わせ、そしてライジングフレームを持たないサツキレインボーの血統を探ると、共に牝馬「Illuminata」を複数持つことに気付きます。

1887年生まれのIlluminataは非常に優れた繁殖牝馬で、産駒に英2000ギニーと英ダービーを制したLadas(父Hampton)がおり、娘Gas(父Ayrshire)からも英ダービー馬Cicero(父Cyllene)が誕生しました。Illuminataの娘Chelandryも名牝で、英1000ギニー勝ちの他に英オークスと英セントレジャーを共に2着するという優れた成績を残し、そして母としても英2000ギニーやエクリプスSを勝ったNeil Gowを出しました。

フジオンワードとライジングフレームは共に、その血統内に「Ladas,Cicero,Chelandry」を持っているため、フジオンワードにはIlluminata8・9×8、ライジングフレームにはIlluminata6・8×6というクロスが発生しています。またフジオンワードが持つChelandryの孫WrackとCiceroは下記(Bend Or=Rose of Lancaster,Isonomy,Ayrshire,Iluminata)が共通するニアリークロスとなるため、Cicero≒Wrack6×5のクロスとなります。そのため、ライジングフレームとの組み合わせはCicero≒Wrackを継続することになるのですね。

CiceroxWrack.jpg

ライジングフレームを持たないサツキレインボーは、母シャダイセプターの母父父HeroicからIlluminataの血を引き継ぎました。
Heroicはオーストラリアで21勝をあげた名馬ですが、種牡馬としてもオーストラリアでリーディングサイアーになるなど強い影響力を見せました。
その理由となる血統には多重のインブリードが組み合わさっており、ざっと並べただけでもCyllene3×3,Martagon=Ormonde3×4,Illuminata4×3,Bend Or5・4×5・5,Hampton5・4×4,Macaroni6・5×6・6という過密さ。すなわち「父Valais≒母Chersonese1×1」とも表現出来る内容です。

Heroic.jpg

このように影響力の強い血統ですから、代を経ていてもフジオンワードが持つIlluminataの血脈と出会ったことで、改めて影響力が出たのではと考えることが出来るのかと思います。

ちなみに当時の阪急杯は、今とは違う5月開催。雨上がりの空の下を走るレースでサツキレインボーが勝つことは、その名前からしても必然だったかもしれません。


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2019年02月13日

ダイヤモンドステークス 追憶の血統 〜第36回勝ち馬 トレードマーク〜

1986年のダイヤモンドステークスは、父父にHerbagerを持つトレードマーク(父ヤマニン)とロンスパーク(父シーホーク)の2頭が1・2着を決めたレースでした。

トレードマーク.jpg

トレードマークは、父がアメリカからの輸入種牡馬ヤマニン。母がNasrullah3×4を持つシャンティロードで、自身もNasrullah4×4・5というクロスを持ちます。そのため一見すると短距離を得意としそうな血統なのですが、競走成績を見るとダイヤモンドステークスの勝利以外にもステイヤーズステークス2着や菊花賞5着などの成績を残す、ステイヤーとなりました。その理由はNasrullahを持たない父父Herbagerの影響ではないかと推測することが出来るわけですが、では、何故Herbagerの影響力が強かったのか、その理由を見てみたいと思います。

エバルジェ.jpg

Herbagerは3歳時に仏ダービーやサンクルー大賞典を制したフランスチャンピオンで、その血統の特徴は「母Flagetteが持つFirdaussi2×2という強いクロス」と「Firdaussiの父PharosとHerbagerの父父母Pladdaによる「父Phalarisと母母Anchora」の3/4同血クロス3×4・4」になります。Firdaussiはセントレジャーを制するスタミナを持っており、自身もChaucer3×3という強いクロスを持っているため、Herbagerの血はFirdaussiの影響力が強く出やすいのだと考えられます。

そして日本において、Firdaussiの血統は古く輸入された種牡馬ライジングフレームが父母父に持つためクロスになりやすく、トレードマーク自身もライジングフレームを経由してFiraussi5・5×7を持ちます。このクロスの影響でによりトレードマークはHerbagerが強調され、スタミナを得たのでしょう。また1980年代は、70年代のナスルーラ系種牡馬ブームにより、その血を持つ繁殖牝馬が多く存在した時代。そのため、ナスルーラを持たない血統部分が、各々の競走能力を左右する、まさに「トレードマーク」だった時代だったのではと、考えてみたりもするわけです。


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2019年01月18日

アメリカジョッキークラブカップ 追憶の血統 〜逃亡者の魅惑 第17回勝ち馬 ホワイトフォンテン〜

ホワイトフォンテンに「白い逃亡者」という二つ名を付けたのは、寺山修司だそうだ。父のノーアリバイ(→アリバイが無い→犯罪者)という名前、灰色の毛色、420キロ代という小さな馬体、そして最後には捕まってしまう姿が、そのような連想をさせたのだろう。しかし、まれに人気薄で逃げ切ることで多くのファンを魅了し、そして高配当という幸運をプレゼントした。第17回のAJC杯は、9頭中8番人気のホワイトフォンテンが見事に逃げ切ったレースだった。

ホウィトフォンテン.jpg

ホワイトフォンテンの父ノーアリバイは、フランスで走り10戦3勝。1300〜1600mの小レースを勝っております。その父Dan CupidはNative Dancerを父に持つ米国産馬。しかし生まれた後にフランスへと移り、仏ダービー2着など活躍。主なクロスはSickle4×2。代表産駒はもちろん、世界の名馬Sea-Bird。
ノーアリバイの母Eavesdropは、こちらも米国産ながらフランスへと移り繁殖入り。その2代母War Kiltは名種牡馬War Relicの全兄妹で、自身のクロスはMan o'War4×3。それに加えMan o'Warの父父Hastingsが5・6×5、Man o'Warの父母Fairy Goldが6×6・5・5、Man o'Warの母父Rock Sandが6×5・5と、Man o'Warの血を大きく強調したクロスを持つことが特徴的。
 
Eavesdrop.jpg

それを踏まえてノーアリバイの血統を見ると、Dan Cupidの3代母Nervaが「父Fairy Gold×母母父Rock Sand」なのでMan o'Warを更に増幅させていることが分かる。すなわちMan o'War≒Nerva4×5・4で、非常にパワーのある血統構成。

NanowarxNerva.jpg

ホワイトフォンテンの母レベッカの弐は、未出走で繁殖入り。産駒はわずか3頭ながら、ホワイトフォンテン以外にもマロットウェー(父マロット、南関20戦3勝、全日本3歳優駿2着、関東オークス2着など)やテキサスフォンテン(父マロット、中央で32戦4勝)と走っており、なかなか優れた繁殖牝馬であったことが分かる。

レベッカ2.jpg

その牝系はBlack Rayにつながる優れたラインで、4代母Eclairの産駒にはアメリカで種牡馬として活躍したKhaled(代表産駒Swaps)が、3代母Emaliの産駒Aimeeは、その娘Runaway Bridgeから名馬Blushing Groomが誕生している。

レベッカの弐の母は、英国から輸入されたレベッカゼサード(登録名はRebecca)。父Migori(凱旋門賞,エクリプスS,英チャンピオンSなど勝利、英ダービー2着)×母Nemalia(未出走)。この血統が特徴的なのでより詳しく書いてみる。ざっとクロスを並べてみると、Blandford4×4,Spearmint4×5,Chaucer5×5,The Tetrarch5×5,Crabine5×6・8・7,Sundridge6×6,Canterbury Pilgrim6・6×6・6と、見事な相似配合となっていることが分かる。それに加え、Mah IranとEmaliは「Blandford,The Tetrarch,Sundridge」など構成が似ており、これをニアリークロスとするとMah Iran≒Emali2×2。

MarIranxEmali.jpg

レベッカの弐は、父がNasrullah系ダイハード。Nasrullahは父Nearco×母Mumtaz Begum。Mumtaz Begumは父父Blandford×母Mumtaz Mahalなので、前述のMah Iranとニアリーな関係。そしてEmaliともニアリーな関係。
それに加えNasrullahとNemaliaは父Nearcoも共通するので、Nasrullah≒Nemalia3×2,Mumtaz Begum≒Mar Iran≒Emali4×3・3となる。非常にスピードに寄せた構成だ。

NasrullahxNemalia.jpg

まとめると、ホワイトフォンテンは「父ノーアリバイが持つMan o’Warを増幅したパワー×母レベッカの弐が持つNasrullahを増幅させたスピード」という組み合わせで出来ており、若い頃は単純にスピードのみで走っていたが、レースを重ねるにつれて、父側から伝わった能力を鍛えたことで、重賞を逃げ切るパワーを付けたのだろう。また、Nasrullahの強いニアリークロスが一本気なスピードを与えたことで稀代の逃げ馬となったが、それがまた脆さにもなったのだと思う。

ちなみに母そして母母の名レベッカ(Rebecca)を検索すると、その意味には「うっとりさせる者、魅惑する者、束縛する者」とあるそうだ。観衆の心を掴んで離さなかったホワイトフォンテンは、父の名だけでなく、母の名もしっかりと継いだ名馬だった。


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