堀野書道学校スタッフブログ

堀野書道学校の事務員が運営するブログです。記事や写真を交えて、どのような学校であるか?また、書道を身近に感じてもらえるようなブログにしていきたいと思います。

カテゴリ : 堀野哲仙

記念式典が終わってから3日後の7月9日、大國魂神社において校長の出張講座が開催されました。

これは北多摩神道青年会むらさき会の会長様より、書に関する講義をして欲しいと要請があったことで実施されました。
近年インターネットの発達に伴って、御朱印帳が多くの人々に見られる世の中になり、立派な字が書けていないと、それだけで「あそこは良い神社ではない」という評判が立ってしまうということでした。

神主と雖も書は自主的に習うものであって、若手の神主は毛筆文字に慣れていないためどうすればよいか悩んでいるとのことでした。

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当日は1時間の講義でしたが、まず大國魂神社の文字を使い、神道にまつわる文字の成り立ちについて講義をした後、当校の「書法概論講座」に出てくる、書体の変化による文字美の構成を講義しました。

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短い時間でしたが皆さん熱心にメモを取っていました。自分たちが奉仕している神社を少しでも良くして行こうという熱意が見られ、この講義が少しでも皆様の力になったのであれば幸いです。

この後、懇親会が開かれ、我々も招待していただきました。最後は賑やかに明るい雰囲気でお開きとなり、とても楽しい時間を過ごすことができました。


会長様にもご案内しましたが、会場を手配していただければ、校長先生による講座・実技指導を実施することが可能です。もし、神主様等、書に関係のある方。書に関しての講義をしていただきたい方がいましたら、どうぞご遠慮なく事務局へとお問い合わせください。

http://www.horino.jp/

6月18日(火)より第29回書法展が開催されています。ご覧になった方は心を震わせる書に出会えたでしょうか?

作品を鑑賞する際は字が読める読めないを気にせず、作者がどのような人格か?どのような思いを持った人物だからこの様な書になったか?を想像して鑑賞するのも感性を養う一つの手です。「木(字)を見て森(全体)を見ず」にならず「森を見て森の空気を味わう」と例えるとわかりやすいでしょうか。

さて、今回は「感動する書」の論文をご紹介したいと思います。



「感動する書」

 

書作品の内容

①美しいです、という書

②綺麗な字です、という書

③趣のある字です、という書

④ボリューム、迫力、量感ある書

⑤個性の強い字の書

⑥上品の字

⑦見れば見る程引きつけられる魅力のある字

⑧一寸見て平凡だが、少しも無理なく、流れるようで、厳しさがあり、温かみがあり、心のゆとりあり、一点一画も粗雑ない字

⑨心に感動を与え、勇気を呼び、人生行路に指針を与える字

⑩自己独善、自分免許の鞍馬派作品

⑪前衛、近代、自由、専門家にも判らず、作者本人にも判らぬ月謝拝領の先生だけに「これで堂々と月謝が取れる」と判る字

⑫自分も、先生も判らないが、世間並みに展覧会に出す為に文字を習うが、目的も、将来の結果も判らぬ、浮草書道流もある。



⑨の、人の心を感動させる書は、自らが感動して書いて初めて人を感動させる書が、心に大きな感動が、身体の中枢から末梢の総ての神経を揺り動かす。末梢から筆端、筆端から紙面にと移植されて、霊派の移植と合流して一つの作品となり、人を感動させる。

いやしくも書を志し、書を習い、書をして師と崇び、自己の長所、短所の発見に努め、足らざるを補い、長所を育成し、これを現世に役立たせる。

 天与の才能を、我、彼、隣人と相互出資(能力)して、小グループから漸次、世界貢献に資す。よって以って、世界の各国の一人一人が「天与の才能を発見、育成、出資」これにより世界平和、現世の王道楽土の具現化を計らねばならない。

 花の如く書展に競う、蝉の如く騒がしく期()()を見て会に飛びては蜜なければ、又次の会に移る。書を売名の道具に使う渡り者がある。一派に定着せず、書道界の無宿者がある。

昇級、上位、昇級、上位、入選、入賞、委員、理事、審査員と、名誉慾に明け、名声に暮れる輩には俗世界の審査員であっても平凡な社会人一人をして感動させる作品は、生涯出来ないであろう。

見せよう、見せようと思う人の作品に、真実の心が無いからである。真実の心は神をも心を動かし、鬼神をも哭かしめるからである。一切の慾を捨て、虚栄から離れた作品でありたい。

 呼吸が、間断なく働くように、血脈が、寸秒も停止しないように、私の知らぬ間でも、私の内臓が活動しているように、地位も、名誉も、財産も、肩書きも、流行も、時代の変遷も、都も、村も、洋の東西に関わらず、古今を問わず、黙々として、間断なく精進に精進を重ねる。これが生きる本質であり、本来の姿であり、無駄のない、時間を大切に、有効に、人生に与えられた寿命をより大切に、我が生命を、この世に送り出した造物主の目的に従って、すなおに、正しく順応、ここに達した時、何人の心をも揺り動かし、感動させるのである。

 

今回は創立者堀野哲仙の論文の一つをご紹介します。「書道」という日本独自の芸術の最終目標はここにあります。


 時は戦後。作戦は連合軍進駐の前日無条件降伏の調印を終っていたので、先方さんの勝手次第である。

 戦備を解かれたのは常識である。戦備以外に外人に理解に苦しむ不可思議なものを次々と解体した。現神天皇が人間天皇となり、皇族、華族が平民否国民となり摂政の主権が国民の手にゆだねられた。やおよろずの神々も神通力を認められなかった。八紘一宇の日本魂も太平洋に紙屑の如く捨て去られた。神風も効無く次々とこれに関係するものは姿を消した。

次に私共が芸術だと考える書道が卓上に乗せられた。

書道と云う字句が外国(連合軍)の辞書に無いのだそうです。

 

進駐軍「書道とは何ですか、どうするものですか?」

 

日本側「精神修養の為に書道を学びます」

 

進駐軍「精神修養と云うと、所謂、日本精神を養うことですね。日本魂、即、八紘一宇の精神これから生じる大東亜戦、神風精神、戦争挑発、世界平和を乱す黒幕、危険なる魔術、これは日本地上から永遠に葬り去るべきですね。」

 

日本側「? ? ? 」

 

しまったと思ったでしょうが、当時それ程痛痒を感じなかったのでしょう。弁解せず黙認。

 

ここに於いて日本教育史上空前の珍事として教育の課目から除去されたのであります。当然日本青年書道翼賛連盟の最高責任者の堀野哲仙が進駐軍からどんな待遇を受けたかは賢明なる諸賢は思い半ばに察するものがありましょう。

当然公の場所に勤務は許されません。闇米を背にして生活する決心も付きません。正に三児と妻を抱えて、雲井龍雄の捨児行の寸前の姿。今にして想えば肌に栗の生ずる思い。

昭和二十四年四月になって、進駐軍は「文字は書写能力の養成に必要な範囲で学業の中に採りいれてよい。国状に併せて毛筆で書く事を指導してもよい」

と云うお許しが出た。

日本の文字は多すぎるから出来るだけ少なくするように命じられた。

ここに於いて教育漢字なるものが文部当局の苦心の上出来上がった。

当時私は学校副教材の教科書四年、五年の国語の浄書をある印刷所から依頼されていたので、学校側より早く知った訳である。

文字が事務能率を増進させる為には如何に書写能力が必要であり、戦争を放棄した現在、平和の世界文化国家建設に主力を注がなければならない。文化の先兵は文字である。新聞も、雑誌も、放送も、事務も、まず書く事が一番先である。

この書く事が停滞したら、文化をいくら叫んでも前進が遅れるだけである。

ここで中学一年、二年に習字を許したのである。

国語の中に、読む、記憶する、意味を理解する、書く能力を養う。

この書く能力は、ペン、鉛筆、毛筆となっているので、指導者が適当に、教材を扱っている。この許しが出たのを好機として、書道が日展の五科に喰い込む運動をしたのである。

先般、書道を戦争の黒幕と見誤れた代償としたかどうか定かではないが、日展に加入出来たのである。かく実現せしめた豊道春海翁の政治的手腕は高く評価されてよい。次いで芸術院会員に豊道春海、尾上紫舟のお二人が脚光を浴びて推され、書道界の為万丈の気を吐いたのである。

次いで昭和二十六年漸次追放は解除されて日の目を見ることが出来たのである。

私哲仙は九死に一生の思いを得て、再び書道界に復帰する筈であったが・・・。


書道が芸術である限り、世界共通のものでなければならない。芸術にはウソが無い。世界の芸術が、世界の人種に理解され、その国民性の短所、長所を、心と心とで触れ合って心の底から信じ合った時、永遠の平和が樹立するのである。

文字を美しく書くと云うだけで、その団体の責任者が罪に問われ、一家の生活を奪われるとは何事か。之は書道の本当の姿を日本人自体が理解せず、その為他国人に知らしめる努力をしなかった為である。

 私共はフランスの油絵を理解し、彫刻に魅せられ、又世界の音楽を知り、世界の文学を知って心から親しみを感じ、理解したので、これが為に戦争中でも敵国にあって芸術の研究が出来たのであります。

習字は常に真剣勝負である。ぶっつけ本番である。修正が出来ないのである。ウソとか飾りのない姿を如実に表現するのが書道である。

これを世界のいずれの国の人々にも見て頂くことであり、理解して頂くことであり、習っていただくことである。

日本文字や、漢字を書けと云うのではない。

自国の文字を、自国の文章を書いて頂くことで、目的は毛筆で日本紙に墨汁で書いて頂くことである。

これが書道を以って文化国家建設への貢献であり、世界平和への書道に課せられた責任である。と、愚考したので旧来の書道界には帰らなかったのである。

 世界の異なる人種に理解して頂くことは、科学的であること、綜合的であること、総ての人々に容易に理解出来ること、短期で修得出来ること。

一方、日本経済の上にも、品位を高めることにも、書道教授者を外国に多数移住させること、日本紙、筆、墨の輸出、表装関係者を併せて送り出すことも出来る筈である。

日本紙に、サインを毛筆で書かせること。それにはまず日本人がこの如く簡易に文字が自由に書けると云う実証を作って頂かねばならない。かく考えたので、大死一番。

 

私は二千年来その前例なき「書法芸術」を提唱したのであります。

製本屋に依頼していた「堀野哲仙書 楷・行・草・隷千字文」がついに完成しました!

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発売は日の良い日を選んだので、29日(月)大安吉日からの販売ですが、各校すでに配布してありますので、在庫切れにならなければすぐにお買い上げいただけます。

表紙はそれぞれ違った書風で書いてあり引き込まれるものがありますが、本文はもっと素晴らしいのでぜひご自身の目でお確かめください。
また、こちらの教科書を買っていただくと、後々良いことが起こります・・・。とだけ今は言っておきますが、それが何なのかは乞うご期待。ということで楽しみにしてお待ちください。

このたび新しく教材を発行することになりました。
教材名は「初代堀野哲仙書 楷・行・草・隷 千字文」です。

わからない人のために「千字文」を説明しますと、千字文は4字で一つの意味の句になり、250句からなる四言古詩と呼ばれるものです。
その成立については諸説ありますが、一般的には周興嗣の作と言われています。梁の武帝が王子たちの手本とするために、王羲之書の中から抜粋した字を成文化させたもので、一つも被る字がありません。

あくまで伝説ですが、周興嗣は一夜にしてこの千字文を編集して献上したため、髪の毛が真っ白になってしまったという話もあります。千字文の内容は全篇一貫したものではありませんが、自然界の法則から人間の生き方に関することにまで及んでいます。
ただ、最初の物は王羲之書から抜粋されたもので、統一された書風ではなかったため、後の能書家たちはこれを清書し現代に至っても数種類の千字文が伝えられています。

今回発売する千字文は初代哲仙が自分の書風で書き上げたものであり、楷書~行書~隷書~草書 の順番に句が続いていて、4種合わせて千文字となっています。初代堀野哲仙の書風にあこがれ、それを目標とする方は非常に多いので、この機会に是非購入していただければと思います。

10月29日(月)大安の日から、限定各100部での販売になります。ご期待の上、しばらくお待ちください。

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