2012年08月
2012年08月15日
『ふじ学徒隊』
「おまえはだれだ?」
「ぼくはだれだ?」
子供の頃、たまに顔を合わせる度に必ずしつこくそう質問する叔父がいて困惑していた思い出がある。
叔父にはなにか意図があったのだろうか(笑)。
その叔父が監督をしたという「ふじ学徒隊」という映画作品を渋谷アップリンクに観に行ってきました。
この映画は、沖縄戦にて看護学徒として動員された当時普通の女学生だった方々の証言を中心に展開していく短編ドキュメンタリー映画です。
同じ看護学徒だったひめゆり学徒隊は多くの犠牲者を出してしまいましたが、ふじ学徒隊は多くの女学生が生き残りました。
今まで人前でその当時の体験を話す事を拒んできたという彼女達の淡々と、時に声を震わせて語る真実は胸に迫るものがありました。
過酷な戦地で絶えず壮絶な死と向かいあっていたからこその生への渇望、「逃げて生き延びろ!そして後世に役立つ人になりなさい」と言って自害した上官の言葉、その後抱え続けた生き残ったことへの負い目、計り知れない葛藤があったのだと思います。
暗い映画館を出て、夏の陽射しを浴びて、若者たちが闊歩する渋谷の街を歩きながらなんともいえない気持ちになりました。
67年前のちょうど今頃の現実。
今現在の現実。
平和とはなにか、生きるとはなにかという事を改めて考えたいと思います。
たくさんの方に観ていただきたい作品です。
東京は渋谷アップリンクにて8月17日まで、連日11:00より。
大阪はシアターセブンにて8月24日まで連日11:30より。
詳しくは
http://www.kaiensha.jp/schedule.html
是非足を運んでみてください。
hornmio at 01:54|Permalink│Comments(0)│