「女から告白されたら引くわ!」と彼女は笑った。

職場の同性同僚をほんきで好きになってしまった、子持ちママです。 罪悪感と、しあわせと。

かなうわけ、ないじゃない。

生身のにんげんに。





どんなに素敵な思い出も

毎日のように眺める、二人で撮った写真も

気づかないスピードで

少しずつ、少しずつ

掌から、こぼれ落ちてゆく。




今夜は、気になるあの子と

会ってきた。

汗びっしょり、緊張で倒れそうだった。

何をそんなに、自分をよく

見せようとしているのか

でもたぶん、ジタバタしても

気持ちはすべてお見通しなんだろうな。




彼女、ジブリの作品「魔女の宅急便」の

画家の娘に似ているんだ。

ひくい通る声で、よく笑うところとか。

せんぱいは「もののけ姫」にそっくりなんだよな。

ああビール一杯なのに、こんなに酔って。

空腹なはずなのに

恥ずかしくってあまり喉を通らなくて。




話の流れで、彼女の手に触れた。

そうしたら、向こうから

指とゆび、絡ませて

ぎゅっ、てしてくれて。

暖かい、柔らかい手、だった。

せんぱいの冷えきった指、とは対称的で。




女の子なんだ。

そういえば、女の子、なんだった。

そして

こんなに

離れたく、ない。





すべては、私次第。

じぶんできめること。

子供の寝かしつけをしながら

夢なら醒めないで。

あと少しだけで、いいから。

神様にお願い、しているところ。









先日、2日間だけ

母が来ていた。

電車のなかで色々しゃべって。

離婚を考えたことも打ち明けて。

「でも、別れて

旦那の姓じゃなくなったら、

お義母さん、きっと悲しむと思うから

躊躇ってる。

それだけが私の歯止めになってる」

と話すと、母は本当に驚いて

「私は、別れたいと思ったことはあっても

姑のことなんて考えたことないよ。

あんた、そんな事考えてんの?」

「うん。

それほどお世話になっているし、

子供達も懐いているから。」

「不思議だねー」

「うん。不思議。私、デキた嫁だよね!」



最近。

子供達を、うとましく

思うことが多くて

私のところに来なければ、いいのに

なんて

よぎってしまって、いたんだ。




でも、やっぱり

子供の寂しがる顔を、みたくないみたい。

いつの間にか

母親になっていた

私。




きっと、せんぱいも

旦那さんと別居してる間

色んなこと、思ったよね。



前に、せんぱいの家にお邪魔したとき

キッチンには、ビールの空き缶が沢山並んで

灰皿には

せんぱいの吸う銘柄じゃない、吸殻があって

あちらこちらに

旦那さんの影が、あったよ。




気怠くも

だいじな

あったかい、日常。




壊したくは、ないから。



この気持ちの正体は

いったい何なんだろうか。



日常が多忙で、辛いこと多くて

息がつまりそうだから

私の脳みそ、暴走して

身勝手な妄想を、描きはじめたのか。



小さな頃、よく親の目を盗み庭で

マッチで雑誌に火をつけ燃やしたり、していた。

炎が揺らめくのを見るのが、好きだった。



だんだん燃やすものが無くなって

ふと思いつき

持っていたリカちゃん人形の

栗色の髪に、マッチをかざす。



火を近づけた瞬間に、予想と反してそれは

ジュッとチーズのように、溶けていった。

ものすごい臭いを放ちながら。

「しまった」と一瞬焦ったけど

何故か、やめることは出来なかった。



とうとう、私の大事なリカちゃん人形、

すっかり燃えて、しまったんだ。



それでも。

全然悲しくは、なくって。

一度心を奪われてしまった、から。



私自身が

その赤々と踊る

炎の美しさに

飲みこまれて、しまったから。





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