2017年04月15日

北朝鮮に対する軍事攻撃ははじまるのか

今年の一月にワシントンDCを訪問してから、北朝鮮情勢についてアメリカが従来とは異なるアプローチをとるようになり、軍事力行使もオプションとして視野に入れていることが明確となって、日本国内で朝鮮半島情勢に関する緊張感が欠落していることを、何度となく言及してきました。その緊張は、ようやく今月にはいって日本でもしばしば報道されるようになり、いよいよ米中首脳会談を経て、北朝鮮で太陽節(金日成主席生誕105周年)を向かえる今日となり、米軍の朝鮮戦争周辺への展開をともない、一気に高まっています。

他方で、アメリカのワシントンポスト紙は、4月14日付けで次のように報道しています。このタイミングでのこの報道は、かなり重要なのものであると考えます。

「米紙ワシントン・ポスト(電子版)は14日、トランプ政権が北朝鮮政策について、体制転換を目指すのではなく、核・ミサイル開発を放棄させるために「最大限の圧力」をかける方針を決めたと報じた。/2カ月にわたる包括的な政策見直しを終え、国家安全保障会議(NSC)で今月承認されたという。」

トランプ政権としては、曖昧戦略で軍事力行使の実現可能性を極大化して北朝鮮政府を追い詰めながらも、同時に暴発しないように「体制転換はしない」というメッセージを送ることで後ろからの「逃げ道」を用意する。他方で、中国に対しても、これまでの制裁回避の不誠実な対応に対して怒りをこめて圧力をかける。かなりリスクの大きな賭でありますが、他方でリスクを怖れて放置したことで事態を悪化させたブッシュ政権やオバマ政権とは異なるアプローチを選択することは悪いことではありません。

トランプ政権の対外政策については、私はいまだにかなりの懸念を有していますが、他方でこれまでのところは日米関係や米中関係など、想像以上に柔軟で懸命な行動をとっている印象もあります。


今回のアメリカの北朝鮮政策は、まさに「力による平和」の典型例のようなアプローチです。
おそらくは、戦略の逆説を論じたエドワード・ルトワックの古典的名著『戦略論』や、新刊本『戦争にチャンスを与えよ』で描かれている、有用な戦略論が応用されているのではないでしょうか。

戦略理論家のクラウゼビッツが述べたように、戦争はカメレオンのように変化をしますので、これから北朝鮮の暴発や、偶発的な衝突なども想定できます。しかしながら、もしも中国から北朝鮮政府へと適切な圧力がかけられれば、しばらくは金正恩体制は自制を選択するのではないでしょうか。

ゴールデンウィークが、平和なものとなる可能性が少し高まりました。

とはいえ、これから毎日、新しい報道が入り、想定外の事態も考慮に入れて、柔軟、冷静、適切に対応をしていくことが求められるのでしょう。

hosoyayuichi at 11:33│