緩和ケア病棟への移動時期ですが、この時期でなければいけないという取り決めはありません。
手術や抗がん剤などの治療を行なうよりも、
苦痛症状を緩和する治療を中心に行なうほうがよい時期であれば入院が可能です。
 
待機期間は施設によって、またその時のご利用状況によってかなり違います。
平均で1ヶ月程度と考えますが、ご利用になりたい施設に直接お問い合せ下さい。
 
ホスピス緩和ケア病棟を予約してから待っている間の通院に関しては、2つの方法が選べます。
ひとつは患者さんの状態をよくわかっている今までお掛かりの診療科や
病院の外来に通院していただく方法です。
 
もうひとつは、緩和ケア病棟を持つ病院の、緩和ケア専門外来に通いながら入院を待つ方法です。
しかし、急な入院が必要な場合には、緊急入院はできない場合もあるので、
今まで通っていたところに入院していただくこともあります。
また、ホスピス緩和ケア病棟の利用対象となる患者さんは、
現在の保険診療上は「主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍の患者又は
後天性免疫不全症候群(エイズ)の患者」
となっています。
従って現状では、その他の病気での利用は困難となっています。
 
ホスピス緩和ケア病棟では、抗がん剤などの
がんそのものに対する治療は行わない施設がほとんどです。 
しかし、通常の診療は患者さんやご家族の希望に応じて、今までと同様に継続して行います。
一般的に、レントゲンや血液検査、輸血、
点滴など全身状態を維持するために必要な検査や治療は行います
また、必要に応じて、症状緩和のための外科的治療や放射線治療が行われることがあります。
 
2002年に、WHO(世界保健機関)が発表した緩和ケアの定義は以下の通りです。
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、
痛みやその他の身体的問題、 心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、
的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、
苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。
 
主な要素
○痛みやその他の苦痛な症状から解放する。
○生命を尊重し、死を自然の過程と認める。
○死を早めたり、引き延ばしたりしない。
○患者のためにケアの心理的、霊的側面を統合する。
○死を迎えるまで患者が人生を積極的に生きてゆけるように支える。
○家族が患者の病気や死別後の生活に適応できるように支える。
○患者と家族-死別後のカウンセリングを含む-のニーズを満たすためにチームアプ○ローチを適用する。
○QOLを高めて、病気の過程に良い影響を与える。
○病気の早い段階にも適用する。
○延命を目指すそのほかの治療-化学療法、放射線療法-とも結びつく。
○臨床的な不快な合併症の理解とその対応の推進に必要な諸研究を含んでいる。