2011年10月10日

退院はしております。

ひさしぶりにチェックしたら入院の記事が先頭になっていて万が一、心配させたら悪いのでご報告しておきます、次回は全く出来ていませんが…。

houkou_luna at 12:46|この記事のURLComments(0)書き下ろし 

2011年05月26日

新月は生きています

入院はしているが、現在、次回作の執筆に向けてもがき苦しんでいるとこだ。べつにグリーにはまったりしていないのでそっちもヨロシク。

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2010年05月17日

松山城の…

d95b0983.jpg野良猫ですよ。

houkou_luna at 06:31|この記事のURLComments(0)

2010年05月16日

松山城からの眺め

f5b4a670.jpg海も見えます。

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2010年05月15日

松山城

1c127678.jpg松本城ではありませんよ。

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2010年03月04日

「ジェノバの歌姫」第2話

ミエルファにとって、酔ったカインから話を引き出すのは、容易なことだった。
ジェノバを救うのが海賊の親子ならば、新しい王国を救うのは二人の王の子であり、その一人はアレスの子、ササラの可能性が高いということ。
もう一人は公爵の子であり、あのクサナギという剣を使えるだろうということだ。
あのクサナギは今、ジェノバで見つかった遺跡にあるらしいというのは、ミエルファも知っていた。
手を触れるとどこかに消されると、呪いがかかっていると噂の剣だったからだ。
ミエルファはこっそりと見てきたが、あの独特の細長い流線型には見覚えがあった。
あの呪いの剣を公爵の子が直接取りにくる、というカインの発言には驚いた。
酒場の客から呪いの剣の話は、よく聞かされたからだ。
「もう盗賊などしておらんだろうな」
小声で冗談っぽく聞くカインに、笑って誤魔化したミエルファだが、酒場で勤め始めたのは盗みの情報集めのためであった。
めぼしい客に酒を飲ませては、カイン同様に話を引き出していた。
呪いの剣のような高値で売れそうな物や、悪事すれすれで稼いでいる商人や貴族が彼女の狙いである。
盗んだ金品は、孤児院や恵まれない人たちに施しをしていたのだ。
あの呪いの剣から、公爵のお子さんを守らなければ、という思いが彼女の中に湧き上がった。

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2010年03月03日

「ジェノバの歌姫」第1話

ミエルファの働く酒場は、ジェノバからオルレアンに続く街道沿いにあった。
夜の店ではジェノバの歌姫と呼ばれたミエルファだが、昼間は暇さえあればアベルの墓参りをしていた。
そんなミエルファの店に、グランベリーの騎士カインが訪ねていた。
「お久しぶりですカイン様、ジェノバへは公爵様のお供でお越しですか」
カインを見るとアベルを思い出し、ミエルファは嬉しかった。
「ああ、殿下は今、教皇様と謁見中でな。明日もいろいろとお忙しいようだ」
カインも懐かしいのか、随分と酒がすすんでいる。
「何か変わった事でもありました?」
ミエルファはさりげなくカインに酒を継ぎ足した。
「ああ、実はササラ様が見つかってな」
内緒話をするようなカインに、ミエルファも小さな声で話した。
「ササラ様というと、あのアレス様の?」
「その通り、なんと人買いの連中にさらわて、どこかに売られようとしたところを助けられたようだ」
「あら、なんて不幸中の幸いなんでしょう」
「しかも、なんと助けたのが海賊というのも驚きだ」
「あら、ということは今はジェノバの孤児院あたりでしょうか」
「おお、何故お分かりだ」
「そんな人助けをする海賊はネロくらいでしょう。海賊ネロは密かに孤児院に寄付をしているらしいですわ」
「おお、さすがはよく調べたな」
「いえ、こんな酒場では、よく聞く話ですよ」
「しかし、殿下の聞いた予言では、ジェノバの危機を救うのは海賊の親子らしい」
「海賊の親子?」
「うむ、ネロにはジンフリードという息子がいるらしいな」
ミエルファにすっかり酒を飲まされて、カインは非常に饒舌になっていた。

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2010年03月02日

お詫びと訂正

この次のお話から、時間軸が最初に戻っていきますが…
よく見るとランスロット公が大公から公爵へといつの間にか格下げされていることに気づきました。
最初は何か考えていたのか、はっきり覚えていません。
やっぱりまとめて一気に書かないとこうなってしまうのか…(汗)
とりあえず前作の設定通り「公爵」でいかせていただきます。

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「公爵の思惑」第9話

ミエルファの心配はただ一つ、エリスとアレスの二人のことだった。
そのため、自由のなくなるだろうアレスの元に、残ることを希望したのだ。
こうして、時折機会をみては、アレスをエリスのところへと送り出した。
アベルのことを思えば公爵のために働きたかったが、公爵の思惑に無いと判断しエリスを選んだのだ。
やがて、公爵の根回しもあり、アレスを育てた神父が教皇に就任すると、アレスの王としての権力は強大なものとなった。
公爵の意見と支援もあり、新王の権威を示すために遷都が実施された。
エリスも母の元を離れ、近くの村で小さな薬屋をひらいた。
時折、アレスと会うためである。
公爵の耳にもじきに入ったが、公務に支障は出なかったので、気が付かないふりをしていた。
数年後、エリスは二人の娘に恵まれたが、産後の状態が思わしくなく亡くなってしまった。
生まれたばかりのアリスは母に預けていたらしいが、長女のササラの消息は分からなくなってしまったらしい。
ミエルファはその話を聞くと、アレスの元からも離れていくのであった。

ミエルファはアベルの墓に来ていた。
ササラの消息は彼女にも掴めなかった。
何故か、公爵も密かに探しているとカインの話もあり、そちらに任せることにした。
今となってはアベルのことが、心に残っていた。
「ごめんね…私の足がもっと速ければ、死ななかったのにね…」

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2010年03月01日

「公爵の思惑」第8話

実はミドリには秘密があった。
とはいえ、古くから宮廷にいた者の間では、有名なことである。
当時幼かったビアンカたちは知らないが、別れた夫と娘がいた。
娘は同じ宮廷音楽家の夫に引き取られた。
名前は翆(すい)
数年後、夫は旅に出て事故で亡くなった。
娘に会わせなかった事を後悔し、いなくなったミドリを探す旅であったと、音楽家仲間の噂である。

ビアンカ失踪の騒ぎは、「旅にでる」という置き手紙も発見され、すぐに収まった。
公爵もすぐに戻るだろうと発言し、他の者もそう信じていた。
縁談もなくなり、公爵も数人の配下を残して、一旦グランベリーに戻ることになった。
アレスやオルレアンのことは、配下に充分に指示してあった。
こうして、公爵は自国とオルレアンを頻繁に行き来することとなった。

そんなある日のこと、エリスはいつものように精霊樹のところにいた。
「涼しくなる前に家に戻りなさい」
と、エリスは母に言いつけられていた。
実はエリスは、あの時に受けた矢の傷が元で、病になっていたのだ。
薬師の母のおかげで、かなり良くなってはいたが、完治にまでは至らなかった。
相変わらずエリスは空を眺め、流れる雲を見つめていた。
近づいて来る足音に、ふと目をやると、エリスは笑顔になった。
そこにアレスが居たのだ。
思わず立ち上がって駆け寄るエリス。
しかし、あふれる涙に足下はおぼつかず、石に足を取られた。
倒れるエリスを救ったのはアレスである。
「どうして来たの?」
「ミエルファがエリスが病気だからって、こっそり出してくれたんだ」
久しぶりの二人の笑顔がそこにはあった。

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2010年02月28日

「公爵の思惑」第7話

ビアンカのロレーヌへの縁談は、宮廷でも反対する者は誰も居なかった。
公爵のとりなしもあり、対等な同盟も付いてきたからだ。
ただ一人、当のビアンカを除いては…
「何故、一人も反対しない…皆はわらわが居ない方が良いのか…」
わがままに育ったビアンカには、この縁談が国のためであろうと、彼女には納得は出来なかった。
「一生守るって言ったのに…」
ビアンカは小さくつぶやいて、じっと考えこんだ。
しばらくすると、彼女は勢い良く立ち上がった。
そして、何かを決心したかのように、颯爽と力強く歩き始めた。
「ミドリ、ミドリはおらんか!」
ミドリを呼び寄せると、ビアンカは気晴らしに馬車で外の空気が吸いたいと言い始めた。
アレスが来てから、ビアンカは割と自由に外に出れるようになっていたのだ。
姫の気分転換にと、ミドリは快く承諾したのだった。

都市国家であるオルレアンの国土は狭い、気が付くと馬車は国境近くまで来ていた。
「姫様、このままですと国境を越えてしまいますが…」
「構わん、越えてしまえ。この国に未練はない」
「しかし…」
なんとか考え直さそうとミドリは考えたが、一度言い始めたビアンカを止める言葉は思い付かなかった。
思いつきで国を出てもうまくいかず、戻る事になるだろうと、ミドリは馬車を国境に向けた。
国境の峠には一頭の馬がいた。
「なんじゃ、ユーノス、止める気か?」
そう、馬の横にはユーノスが立っていた。
「いえ、姫一人では行かせません。約束通り姫はお守りします」
「一緒に来ても王にも騎士団長にもなれんぞ」
「姫のいる所が自分の国です」
ユーノスは深々とビアンカに礼をしてみせた。
こうして、三人はオルレアンから姿を消してしまったのだった。

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2010年02月27日

「公爵の思惑」第6話

「どうしてわらわが、あんなやつの持ってきた縁談などに乗らねばならんのだ」
ビアンカは相変わらず怒っていた。
いつも愚痴を聞かされるミドリは大変だ。
「王位はアレス様が継承されるのですし、いずれは他の王家に嫁がれるのが一般的ですね。公爵様の持ってこられた縁談でしたら、断るのはもったいないかと…」
「しかしあの公爵、異民族から姫を招いて、代わりに自分の父を差し出したと聞くぞ。しかも、その時に王位まで奪ったとか。そんな奴の縁談などがあてになるか」
ビアンカはどうあっても、公爵の縁談には、乗り気にはならないようだ。
ミドリはユーノスの存在が気になった。
「そういえば、ユーノス様はまだお若いのに、特別に騎士として認められたとか」
「ふん!アレスに協力したからとか言うが、所詮は公爵の策であろう。王にはなり損ねたが、次期騎士団長の座は安泰だな」
予定だった二人の婚姻がなくなり、元の仲良しに戻るだろう、というミドリの期待は儚く消えた。

その頃、公爵はミエルファにこの国の展望を語っていた。
「姫君の嫁ぎ先はロレーヌで良いであろう。先の紛争も、これで丸く収まったと、周囲の国に知らせるのにちょうど良いしな。なんとか同盟までいけるだろう」
「私には難しいことは分かりません。ただひとつ、ご褒美はアレスの近いところで働くことを。心配ですので…」
「そんな事で良いのか。簡単なことだ」
ミエルファは、ホッと胸をなで下ろした。

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2010年02月26日

「公爵の思惑」第5話

「アレスお兄さま、無事のお戻りを、心よりお喜び申し上げます」
公爵一行が城に戻ると、ビアンカがかしこまってアレスに挨拶をしてみせた。
しかし、その言葉とは裏腹に、ビアンカの口調にはどこか棘があり、機嫌の悪さは容易に推測できた。
「やあ、ビアンカ」
どうやらアレスには堪えていないようだ。
「公爵殿下にも、我が城の警備に兵をお出し頂いたそうで、お礼を申し上げます」
城の周囲は王子の帰還の噂のおかげで、多くの国民が集まり、大変な騒ぎになっていたのだ。
しかし、公爵の軍の兵士の手際の良さのおかげで、アレスを連れて無事に城に入ることが出来たのだ。
「さすがに姫君は、兄上のご帰還に大変のお喜びのようですな」
ビアンカのあからさまな態度にも、公爵は気にすることなく円満に事を進めていった。
そして、アレスとビアンカの二人に、集まった国民にテラスから手を振ることを勧めた。
喜びで城に集まった多くの国民に、手を振る王子と姫君。
オルレアンは今まさに、最高潮に平和な時であった。
その様子を見て公爵はさりげなく、姫や宮廷の者たちに言ったのだ。
「姫君にもそろそろ、国のために良い御縁談があるといいですな」
愉快な気分の公爵の影で、ビアンカは背筋が寒くなるのを感じたのだった。

houkou_luna at 09:46|この記事のURLComments(0)書き下ろし 

2010年02月25日

「公爵の思惑」第4話

アレスを連れた公爵一行は、城に向けて順調に進んでいた。
「オルレアンの宮廷は、アレス殿をすんなりと受け入れてくれるでしょうか」
ミエルファはエリスの手前、大きな責任を感じているようだ。
「宮廷で難色をしめそうとも、国民の声には逆らえまい」
公爵は完全に安心しきっているようだ。
また何か公爵は手を打っているのだろうか、とミエルファは思った。
街に入るにしたがって、自分たちを見ては何か噂話をする者たちが、沿道に目立ち始めた。
不思議に思ってアレスが周りを見ると、その中から声があがった。
「王子様、おかえりなさい」
「新王陛下、ばんざーい」
沿道の民衆の多くが手を振り始めた、どうやらアレスに向かってのようだ。
「アレス殿、笑顔で返してあげなさい」
公爵の言葉に、アレスは静かに手を振ってみせた。
すると、歓喜の声があがり、アレスは不思議な気分で手を振り続けた。
「オルレアンの国民の多くが、アレス殿の帰還を待ち望んでいたのだな。この国の危機に妹君を守るために戻り、残虐な暴君を打ち倒した英雄となればな」
「そのような噂が広まっているのですか?」
ミエルファの問いに、公爵は短く答えた。
「人の噂とは早いものだな」
公爵が配下の者にやらせたであろうことは、ミエルファにはすぐ分かった。
これでアレスの宮廷入りは安心になったが、ミエルファはただひとつ、エリスのことを心配していた。
精霊樹の下にただ一人座るエリスは、ずっと青空に浮かぶ白い月を眺めていた。
「アレス…ツキトちゃん…」
エリスの小さく細い声は、爽やかな風に流れて消えた。

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2010年02月24日

「公爵の思惑」第3話

「この度は、父上の過去の非礼にも関わらず、ご協力いただけたこと、心より感謝いたします」
アレスのいる教会についた公爵は、神父に深く深くお辞儀をしていた。
「天下の公爵殿下に、そのように頭を下げられては困ります」
「いえいえ、アレス殿が落ち着いたら、いずれ枢機卿のお立場にお戻しいたします。やがては今回の事件の責任を明らかにして、今の教皇様には…」
「そのような恐ろしい事をお考えで…」
「いえ、全ては予言通り、争いのない世の中を作るために必要な事です」
「本当にそのような世界になると良いですね」
「はい。ではミエルファ、アレス殿のところへ行こうか」
「はい、ご案内します」
二人は神父に深く礼をすると、精霊樹の方へ歩き始めた。

アレスとエリスは、いつものように精霊樹の根元に座っていた。
「アレス、すぐに体調が戻って良かったね」
「うん、でも剣をなくした」
シスターにもらった剣は、いつの間にか消えていたのだ。
まるで旅の詩人が消えたのと同じように、誰も消えたのに気付かなかった。
「剣なんて無くてもいいじゃない、もう終わったんだから」
「うん」
エリスには元の平穏な毎日が戻って、なにより嬉しそうだ。「あら…お姉ちゃん」
そこにミエルファと公爵がやってきた。
「エリスちゃん、こんにちは。このお方はグランベリーのランスロット公爵殿下よ」
突然に何故、そのような人物が来たのか、エリスは分からず返事さえ忘れてしまった。
しかも、公爵はアレスにこう言ったのだ。
「アレス殿、オルレアンの正当な王位継承者として、お迎えに参りました」

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2010年02月23日

「公爵の思惑」第2話

アレスが今は亡き王子であるという公爵の発言を、ビアンカは否定することは出来なかった。
「なんということだ、今さらあやつが兄上だと言われても嬉しゅうはないぞ」
公爵との会談の後、ビアンカはいつものように腹を立てていた。
「しかし、隠し通路を知っていたのは事実だ。それに火の玉が落ちた夜に、あの現場近くでアレスは拾われたらしい」
ユーノスは、会談が終わってもなかなか動かないビアンカを心配して、様子を見に来ていた。
「しかし、アレスを最初に見つけた時の神父の報告を、大臣たちがないがしろにしたというのも信じられん」
「当時は大騒ぎだったらしいから、そのせいかと…」
ふとユーノスの心に、あることが浮かんだ。
…まさか、王族が姫一人になった方が喜ぶ人間が宮廷に…

アレスをオルレアンの新しい王として迎えるために、公爵自らが教会に向かっていた。
「あのアレスが本当にオルレアンの王族なのですか?」
公爵の道案内役はミエルファだ。
「うむ。全ては精霊様の言った通りだ。ここまで迅速に事を運べたのも、精霊様の予言のおかげであるしな」
「本当にアラストルに勝てるのかと、見ていてハラハラしました」
「今回の事では、随分と世話になったな。これが終わったら、もう仕事は終わりだ。褒美は充分にするから、足を洗ってまっとうに生きるがよい。アベルもそう望んでいるだろう」
「アベルの望み…」
ミエルファはアベルの言葉を思い出していた。

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2010年02月22日

「公爵の思惑」第1話

オルレアンの軍隊は、アラストルの宝石の効力が消えてしまうと、一気に総崩れになった。
戦意があったのは、宝石によって操られた一部の隊長だけだったので仕方ない。
そのうえ、ロレーヌ軍には心強い援軍がきていたのだ。
百戦錬磨で勇猛果敢と有名なランスロット軍の旗を見て、まともに戦ったオルレアンの部隊はいない。
ランスロット公爵は辺境諸国と一気に和平条約を結ぶことに成功した。
そして、ロレーヌに危機が迫ると、隣接する幾多の国を説得して援軍を集めたのだ。
ここまでの動きの早さに、諸国の王は目を疑った。
そして、公爵は一気に城にまで攻め上がっていたのだ。
白旗を上げたオルレアンと公爵の会談が始まった。
オルレアン側の代表はビアンカであった。
公爵は開口一番にこう言った。
「我々はこの国を支配しようなどとは、一切考えておりません」
「では、どうするおつもりじゃ?」
「この国の正当な王位継承者にお返し致します」
「おお、ならば姫君に…」
オルレアン側から、安堵のため息がこぼれた。
「侵攻の首謀者のなき今、我らが望むのはこの国の安定です。しかし…」
「しかしなんじゃ?」
「この国の正当な王位継承者は、姫君ではないと思われます」
公爵の言葉にオルレアン側はどよめきたった。
「わらわ以外に誰がおるんじゃ?」
「前王の嫡子であり、姫君の兄上である王子は、生きております」
「何を根拠に…」
ざわつくオルレアンの者たちに、公爵は言った。
「姫君自身は心当たりがあるのでは?」
ビアンカの頭には、隠し通路で出会ったアレスの顔が思い浮かんだ。

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2010年02月21日

「復讐のアラストル」を書き終えて

いやいや、まだまだ書き下ろしは続きます。
書き下ろしの第一話が、ミエルファとカインの再会から始まったのは、いずれまた時間軸が戻ってくることを意味します。
いまいち活躍は地味ですが、今回の主役はミエルファです。

小説以外の文章をUPするのは、随分と久しぶりですが、一ヶ月以上も毎日更新している割に、カウンターがあまりに寂しいので、たまには宣伝しようかと、珍しくライブドアブログの共通テーマを利用させてもらってます。
って、この文章長すぎて読み辛いっすね。。

今は携帯からしかネットできないので、コメントもらっても、なかなかレスできないのが実状なんですけどね(汗)

「復讐のアラストル」第12話

「確かに不思議な話だけど、その人の言ってる通りだと私も思うわ。実はずっと見てたの」
ミエルファはミドリに城内への手引きの依頼をしてから、ずっと様子をうかがっていたのだ。
もちろん、ガラハドからの指令であった。
「そうなんですか…じゃあ、ツキトちゃんは?」
「すみませんが、弟の入れ物として月に連れて帰ります」
詩人はまたエリスを悩ませた。
「月へ?」
「そう僕の名はツキヨミ、夜空を見上げると、きっとまた会えますよ」
その詩人の言葉に、エリスは夜空を見上げた。
「あら?素敵な月の色」
夜空に浮かぶ赤い月はもう無く、代わりに美しい銀色の月が輝いていた。
「そうだね、エリスちゃん」
ミエルファもうっとりと月を見上げていた。
「そうね、お姉ちゃん」
エリスの笑顔に二人は楽しそうに笑い合った。
ふと気が付けば、そこに詩人の姿はもう無かった。
そこに、ようやくユーノスが飛び込んできた。
「アレス!アレス!」
血まみれのアレスを抱えあげて、彼を揺さぶるユーノスにエリスは言った。
「きっと大丈夫よ」
アレスの息づかいを感じて、落ち着いたユーノスは倒れたアラストルを見た。
「やつは!アラストルはどうした?」
「アレスが倒したみたいよ」
「そうか…」
エリスの言葉に、大きな安堵と脱力感を感じたユーノスであった。

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2010年02月20日

「復讐のアラストル」第11話

「エリスちゃん、大丈夫?起きて」
懐かしい声でエリスは目を覚ました。
「う、う〜ん、あら?ミエルファさん。どうして?」
無事なエリスを見て、ミエルファは嬉しそうだ。
「ちょっと心配になってね…エリスちゃんが無事で良かったわ」
ようやく、自分が弓で打たれた事を思い出したエリスは、胸の辺りを確認した。
矢はアレスのくれた十字架に当たり、ペンダントと一体化していた。
「あ、アレスは?」
立ち上がって確認しようとしたエリスは、胸に刺すような痛みを感じた。
矢は十字架で止まっていたが、彼女に少なからず傷を与えていたのだ。
「アレス!」
血まみれで倒れているアレスに、自分の胸の痛みなど忘れてしまった。
「大丈夫よ。見た目ほどの怪我はしていないわ、もう血も止まっているはずよ」
ミエルファは落ち着いた様子だったが、エリスは心配で駆け寄った。
「アレス!大丈夫!」
意識はすぐには戻らなかったが、その胸に確かな鼓動を感じた。
「もう少し寝かせてあげて下さい」
エリスが声の方を見ると、見知らぬ男性が立っていた。
「あなたは?いつの間に…」
「僕はただの旅の詩人です、弟を迎えに来ました」
その詩人の腕の中には、大事そうにツキトが抱えられていた。
「その少年は、剣の隠された力を出すことに成功し、アラストルを倒しました。アラストルは一時の間、少年の身体を乗っ取ろうとした所を、このウサギに邪魔をされたのです。彼は今、このウサギの中で探していた人に出会えて幸福なはずです」
「ツキトちゃんのなかにあの人が?」
エリスには全く、訳が分からないでいた。

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