商業法人一般
2016年06月21日
登記相談の予約制導入後の主なトラブルについて
全国各地の法務局で登記相談の予約制が始まっています。
予約制の導入に伴い、新たに登記所で発生している問題について、簡単にまとめてみました。
1 提出できないレベルの申請書が窓口に提出されようとした場合の対応について
従来、提出できないレベルの申請書、具体的には、印紙が貼付されていない、押印が全くない、バラバラ、申請書自体が作成されておらず添付書類しかない、明らかに添付書類が不足しているなどの事案について、甲号受付に申請書が提出されようとした場合、受付担当職員は見た瞬間に不備があるのがわかることから、補正のトラブルを回避するため、申請前に登記相談コーナーを案内していたところであるが、予約制の関係でこれができなくなったので、重大な補正があることを100パーセント承知で受けつけるか、やむを得ず職員が相談を受けるかの不本意な二者択一を迫られることとなった。
2 金融機関に対する周知が不十分
「抵当権抹消の本人申請について」でも書いたところであるが、銀行は、「法務局に書類をもって行けば申請書を作ってもらえる」的なことを言っているようなので、これを真に受けて来庁した者とのトラブルが多い。
以前は、前述のような対応で、補正のトラブルを回避していたが、これができなくなったので、押し問答的なトラブルに発展することがよくある。
予約制を導入するのであれば、金融機関に対する情報提供と周知が必要不可欠であるが、これがなされていない。
3 電話相談の対応について
従来、登記相談員が空いているときは、電話相談も登記相談員に任せていたところであるが、ほぼビッシリと相談予約が入っており、相談員に転送することができない。以前は、職員が電話相談を受けていたところであるが、幹部から「電話相談は受けるな、予約に回せ」と指示されているので、予約した上で来庁するよう促すが、「忙しい」とか、「1回で済ませたい」とか、自分勝手な理由で来庁を拒否する者が多く、その結果、無用なトラブルが発生し、登記相談を受けるのより長電話になったりする。
4 登記相談の予約の受付について
予約の電話がひっきりなしにかかってくるので、職員が非常に手をとられる。総括係の仕事が増え、不本意な残業を余儀なくされる。総括係が不在の際は、調査・記入・校合に従事している職員が電話をとらざるを得ず、特に総括係が休暇・出張の際は、仕事にならない。必然的に事件処理に時間がかかる。
2015年07月20日
資産の総額の変更の登記の補正
体感的に、申請事件の8割方は補正があるような気がしています。
補正の内容としては、今年、商業法人登記に関する法改正が2回あったこと、一般・公益社団・財団法人が一般・公益社団・財団法人化したにもかかわらず、従来どおりの登記申請をしてくること(理事の任期が総会終結まであるにもかかわらず、総会中に理事会を開催していたり、社員総会議事録に出席理事の記載がないにもかかわらず、就任承諾を援用していたりetc...)、NPO法人は平成24年から代表者のみを登記することとなった(一部例外あり)にもかかわらず、従来型で登記申請してきたり、理事の構成メンバーに変更があるにもかかわらず、理事長を予選してきたりするケースが多いのですが、大多数の申請人が法改正についていけていないような気がしています。
たまに資産の総額の変更登記などが出ると、「補正のない申請か?」と思ったりするのですが、資産の総額の変更であっても補正があることが多いので、苦慮しています。
補正の内容としては、ホントにくだらないものばかりで、具体的には、財産目録に事業年度の記載がない(何年何月何日現在のものか不明)、財産目録に原本証明がない、申請書に申請代理人の押印がない、申請代理人の申請であるにもかかわらず、委任状の添付がない、委任状の印影相違など、ちょっと気をつければわかりそうなものばかりです。
法務局は、現在、ホームページに登記完了予定日を掲示しているのですが、申請事件数がさほど多くないわりに処理に時間がかかっていると思います。商業法人登記に関しては、補正があまりにも多すぎることが、処理に時間がかかっている一因と思っています。
2013年01月20日
外国会社と登記
この本は、平成10年に発売され、商業登記における外国会社の事務処理に当たり、最も参考となる文献として知られています。
発売後、外国会社に関する法律が数度改正されたことから、改定版の発売が待たれていたところですが、著者である亀田哲さんが法務局を退職された昨年、全訂版として発売されました。
法務省における外国会社の研究に関しては、亀田哲さんが第一人者と思われますので、外国会社についての知識を深めたい方には、必読の書です。

著者:亀田 哲(前・札幌法務局長)
販売元:商事法務
(2012-12-25)
販売元:Amazon.co.jp
2012年01月02日
2011年05月21日
オンライン申請システムの不具合について
しかし、先日、オンラインシステムで登記申請したところ、受付番号が発番待ちの状態になり、その状態のまま、法務局の業務終了時間である5時15分になってしまいました。
申請は今日付けで受付されたのでしょうか?
A 平成23年5月20日に不具合が発生していたようです。
http://www.touki-kyoutaku-net.moj.go.jp/index.html
(なお、受付は当日になされたようです。)
本省は現場に対し、オンライン申請率を上げるよう、機会あるごとに圧力をかけてくるのですが、肝心のシステムがこの有様なので、非常に困ります(ノ`Д´)ノ
こんなことでは、資格者代理人や嘱託官公署に協力依頼するときに「ときどき不具合があるかもしれませんが...」と付言しないといけなくなりますが、相手方から「そんな不具合があるシステムを勧めるな!」と言われるのが目に見えています。私なら言いますねw
本省から利用者及び現場に対し、なぜこのような事態になったのか、どのような再発防止策をとったのかなどの説明がほしいところです(`Д´)