2005年05月23日

漫画感想の書き方について

 先日のサンデー合併号感想で叩かれてからずっと考えていたのですが、確かに最近の感想は読んでてあまり気分の良いものではなかったと反省しています。そこで少し感想の書き方を見直すことにしました。

 うちの感想は、大きく分ければ「直感」と「萌え絶叫」と「考察」によって構成されています。「直感」とは、読んで思ったことをその理由つきで書くこと。「萌え絶叫」とは、拡大解釈を利用して特定のキャラに注目し、新しい解釈や面白さを(半ば無理矢理)見つけ出すこと。「考察」とは、作中に出てきた謎や設定に対して、これはこういうことではないか、と詳しい説明と推理を加えることです。

 これは自分なりに洗練した感想の書き方のつもりで、それぞれにきちんとそれを利用するようになった由来があります。

 「直感」は最もスタンダードな感想の書き方そのもの、もしくはその延長なのでそれについて書くのは当たり前ですね。読んで自然に感じたことをそのまま書くのは必要なことだと思いますし。

 「萌え絶叫」は摂津さんの美鳥暴走感想を読んで衝撃を受けたのが由来で、自分としては一種のエンターテインメントのつもりでやっています(そのキャラに萌えのような感情を抱いていることは嘘じゃありませんが、あの文章は実際の数倍はニュアンスを膨らませて書いています。その方が面白いから)。ただ堅苦しい考察や何の変哲もない直感ばかりが続いては味気ないのではないかという理由からです。

 そして一応このサイトの感想の売り(なのか?)の「考察」は自分にとってもまさに柱で、要するに「これがやりたかったから」感想を書き始めた、というくらい重要なファクターです。どうやら自分が他の人より多少深く漫画を読み込む癖があるらしいと気付き、自分はこう思ったが他の人は誰もそんなことは書いてない、だったらどうせだから公表したいなと思ったのが全ての始まりでした。

 そしてこの三本柱のスタイルは途中で多少の変動もありつつ未だに続いているわけですが、今、このスタイルの根底には「サンデー(ジャンプ)をより楽めるような感想を志す」という目的があります。素直に思ったり感じたりしたことを忘れないようにしつつ、なんとなく見過ごしてきたキャラにスポットを当てることで楽しめる箇所を増やし、比較的難しい部分には説明を当てることで理解を助け知的満足と感情移入を促進する。そして最終的には、来てくれている方々に、こんなサイトがなくても自力で「自在に見方を変えることによって、つまらない漫画でも楽しめる」ようになってほしい、と思っています(出過ぎた真似なのは重々承知していますが)。自分はその具体的なやり方を実践して見せているつもりで感想を書いてきました。

 正直最初は大した目的意識もなくなんとなく書いてきたんですが、書き続けるうちにこのような狙いが見えてきて、それは今も続いています。そしてそれは全て「自分も他の人も、もっともっとサンデー(ジャンプ)を楽しむ」、というその一点だけを究極の目標としてきたはずでした。

 しかし、最近はどうも調子に乗りすぎていたせいか、「楽しむ」という姿勢からは程遠い偉そうな批判と皮肉ばかりが目立っていたような気がします。自分・他人ともに楽しむのが目的だったはずなのに、気が付いたらダラダラと文句ばかりを垂れている一方。これじゃいい気になってると叩かれて当たり前です。

 そこまで思い至って、深く深く反省しました。

 ということで、以後はとにかく「文句を減らす」「欠点を叩いてる暇があったら長所を褒める」ことを目指してゆくことにしました。もちろん「直感」でどうしても批判したい場合もあるし、「考察」を加えるうちに欠点を指摘することもあるでしょうから100%の実践は不可能だと思います(それに25号の感想を見ればわかる通り、いきなり全撤廃するのは無理でした……)。しかし、殺伐としていた最近の感想が決して良いものではないのは事実ですから、少しずつでも感想の内容をプラスの方向に転換してゆきたいと考えているのです。

 ぶっちゃけ言われるまで気付かなかったあたりがどうしようもなく小物爆発ですが、気付いた以上は改善を目指すのが筋というもの。今後も更新速度は決して速くなると言えませんが、質に関してはもう少しマシなものがアップされるようになると思います。

 以上。僕の感想を読んで不快になった方々には謹んでお詫び申し上げます。本当にすいませんでした。同じ過ちはもう繰り返さないように努力してゆきたいと思います。

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この記事へのコメント
確かに最近は「萌え絶叫」というより「ダメ絶叫」(作品のダメなところに興奮する。乃至は憤慨する)が多かったかと思いますねえ。

とはいえ、自分はサンデー読んでないので(申し訳ないッ!)ご大層なことはいえないのですが。理想は、読んでない人にも「おもしろいこと喋ってる」と思わせてくれるような文章が読みたいですかねえ。

ネタの含有率はある程度は必要かと思いますが、「バイオバーコード」なんてネタ、何人がわかるんですか(苦笑)

コメントがなかなかついて無いようなので、コメントしてみました。大変ですが、更新頑張ってくださいませ。

Posted by K10 at 2005年05月24日 14:42
 コメントありがとうございますですよ。

 ダメなところを絶叫するならまだしも、個人的にはネチネチ嫌味を言ってばかりだったような気がするんですな。しかもそれで笑えるように味付けしてあるならともかく、ユーモアの欠片もない本当にただの嫌味でしたからね(笑)。どうしようもねーや。そんなもん書いたって、満足するのはどうせ自分だけだろうに。マジで反省してます。

 バイオバーコードは……まぁ、わかる人がわかれば良いやと。

 しかし読んでもいない雑誌の感想まで読んでくれているとは何よりです。こりゃ早く理想(読んでない人にも面白い感想)を達成できるようにならなあかん。がんばるますですよ。ほどほどに。
Posted by へっぽこ(管理人) at 2005年05月24日 20:28
いつもサンデー感想ROMってました。
管理人さんは落ち込んでいるようですが
私は気にしなくてよいと思います。
漫画なんて好き嫌いがあるのですから、
それに対する感想にも好き嫌いがでるのは当然でしょう。
実際、私が好きな漫画を管理人さんが叩いてるときが
ありましたが、それはそれだと、私は受け止めました。
もちろん建設的な叩きならよりベターなのでしょうが、
そこまでもとめるのは酷だと思います。
空気漫画とならず、叩かれるだけマシだと考えることも
できます。

管理人さんが漫画を叩く感想を書く
その感想を叩く感想をWEB住人が書く
全く同じ構造ではないでしょうか。

これからもHPの運営がんばってください。
Posted by パリス at 2005年05月26日 21:09
 コメントありがとうございます&はじめまして! 管理人のへっぽこです。

 真摯なお言葉ありがとうございます。確かにこの手の話にはいろいろな意見があって、パリスさんの仰る通りの部分もあるのですが……でもやっぱり、叩かれるからには問題があって、問題があるからには改善する必要があると僕は思うのです。

 それに、このサイトは建設的な意見を重視することにこそ意義があるわけでして。確かに非建設的な叩きにも「世にはこういう意見もあった」記録になるという側面はありますが、それで閲覧者を不快にさせることを僕は良しとできないのです。

 ということで、感想を単なるチラシの裏で済ませていない以上、わざわざ見に来た人にプラスの何かを残せるようになればなーと思っております。
Posted by へっぽこ(管理人) at 2005年05月30日 07:24