「良い音楽」の次に「良い音」についてお話ししようと思います。
 

「良い音」とは、ハードウエア的とソフトウエア的な側面があります。
 

ハードウエア側からいくと電気特性が良いものなどの見方がありますが、電気特性が良いから良い音に聴こえるかというと必ずしもそうで無いことはこれまでの経験上分かっています。
 

私も一時期ケーブルなどを変えると音が良くなるというのは、人によって違うと思い、音が変わるという表現をするようにしていました。やはり「良い」という言葉に主観的な思いが大きいにと感じたからだと思います。
 

それに全ての人が同じように聴こえているのかというのは実際には分からないわけです。これを言ってはおしまいですが、これもこれまで聴いてきた音楽や経験によるからだと思います。
 

また、聴きやすい音を「良い音」という方もいらっしゃいますが、音楽のジャンルによっても分かれるでしょうね。
 

スタジオでレコーディングに使用されるオーディオ・システムは、家庭用とは違い、ノイズや異音などを見つけやすいようにセッティングされていて、音楽を楽しむためではなく、粗を探すためものです。
 

その後、マスタリング工程で音決めをして世の中に作品として発売されます。なので、ソフトウエア側で「良い音」を創り上げるのは、このマスタリング作業だと思います。
 

人間の五感の中で、特に口と耳というのは、同じような性質を持っていると感じています。良く「口が肥える」と言う言い方がありますが、同じように「耳が肥える」と思っています。
 

「口が肥える」とはおいしい料理食べているとその味が分かるようになり、美味しいものとまずいものの差が分かるようになるということです。同様に「耳が肥える」とは、良い音(良いマスタリングした音楽を高級オーディオ・システムで聴く環境)で聴くと耳も音の違いが分かるようになるということです。
 

美味しい料理というのは、コックによるところがあり、その料理も万人が美味しいと言うことはなく、好き嫌いがあると思います。
 

同様に、音楽もエンジニアが料理で言うコックで、そのエンジニアによりマスタリングされた音楽が、試聴者に良く聴こえるかどうかでは無いかと思います。
 

しかし、「良い音」というのは、主観に左右されることなので、安易に「良い音」というのは間違いだなと感じました。
 

そこで、「On the ROAD」は、『行方洋一というアナログからデジタルを知り尽くしたエンジニア(=一流の料理人)がマスタリングして創り上げた音楽をなるべくマスタリングした環境に近いクォリティで聴いて頂けるように96KHz/24bitというフォーマットにして記録した作品』という言い方が良いのかもしれません。
 

改めて「良い音楽」「良い音」という言葉について考えてみましたが、いかがでしょうか?
 

しかし、行方洋一氏によるマスタリングした音楽は、奥行き感が感じられ、私は心地よく聴くことができました。それを皆さんにも聴いて頂き、体感して頂ければと思っています。