revelations of oblivion possessed
POSSESSED / Revelations Of Oblivion (2019)

1. Chant Of Oblivion
2. No More Room In Hell
3. Dominion
4. Damned
5. Demon
6. Abandoned
7. Shadowcult
8. Omen
9. Ritual
10. The Word
11. Graven
12. Temple Of Samael

POSSESSEDの33年振り、通算3枚目のアルバム。
Nuclear Blastからのリリース。

US出身のスラッシュメタルバンドです。
80年代に2枚のアルバムを発表して解散、2007年に再結成を果たしてそのまま活動を続けています。
再結成以降、オリジナルメンバーはJeff Becerra(Vo)のみです。
2019年は「まさか本当に出るなんて…」と思ってしまうバンドの新譜がたくさんリリースされる年になりそうですが、このPOSSESSEDの新譜もその中の一つ。
確か2011年あたりから「新曲作ってる」みたいなこと言ってたけど、ずっと音沙汰がなくて。2017年にNuclear Blastと契約したと聞いた時は「遂にか!」と思う一方で「でもまだまだ当分出ないんでしょう?」なんて気持ちもあったりして、期待せずに待っていたら意外と早くリリースされましたね。
そして"期待していなかった"というのは"リリースされること"だけでなく、仮にリリースされたとしても正直その"内容"に関してもそこまでではなくて、ダブルミーニングで期待していませんでした。
で、聴いてみたわけです。

何これ!!
超ポッセッセッドじゃん!!

ビックリするくらいPOSSESSEDらしいアルバムです。
POSSESSEDらしさをしっかりと保ちながらも現代的にアップデートされていて、新譜としては理想的な仕上がりと言えるかと思います。
個人的に心配していたのがサウンドの"スタンダードなデスメタル化"でした。
POSSESSEDって"デスメタルの始祖"なんて言われることも多々あるバンドで、Jeffのインタビューなんかを見ると彼自身そう呼ばれることにまんざらでもない様子っぽかったんですが、個人的にはPOSSESSEDのことをデスメタルとして聴いたことはなくて、あくまでスラッシュメタルとして楽しんでいるバンドでした。僕がメタルを聴き始めた頃にはデスメタルが既にジャンルとしてしっかり確率されていたため、後追いでPOSSESSEDを聴いてもデスメタルとは思えなかったんですよね。しかし、"デスメタルの始祖"なんて祭り上げられていることにバンドが気を良くして、この新譜では現在の"ジャンルとして確立されたデスメタル"サウンドへと寄せていくんじゃないかと危惧していたんです。
まぁ結果としてそんなことは全くなかったんですけどね。
ザクザクとスラッシーかつ邪悪に刻む中、ビロビロに爛れたオカルティックなメロディやデスメタル的なトレモロフレーズを混ぜ込んだリフワークはアンダーグラウンドなメタルの旨味に満ちてる。やたらデスメタル寄りになっていることもモダンな方向へ舵を切ることもなく、実にオールドスクールで80年代後半~90年代初頭な雰囲気があります。
ドラミングはタイトな仕上がり。ここだけは今までに比べるとかなり上手くなっていてサウンドにモダンさをプラスする要因になっています。まぁ今更ファストなポンコツドラミングでやられても興醒めするだけだと思うしね。そうは言っても、あのポコポココロコロ降下してくるようなロールであったり急停止急発進を繰り返す引っ掛かりの強い突撃だったりといったリズム展開には「らしさ」を強く感じます。Dsがより多彩なリズムで叩けるようになったことは本作にも良い効果をもたらしています。
JeffのVoは薄っすらリヴァーヴが掛けられたダミ声の吐き捨てが中心。声質や歌唱スタイルも過去作と同じで、一番近いのは直近の(とは言っても32年前)EP『The Eyes Of Horror』だと思う。ダミりつつそこから更にしゃがれるとグロウルのような瘴気が発せられる変化のさせ方はやっぱり格好良いし、吐き捨てながらもメロディを追う柔軟な姿勢はデスメタルというよりはスラッシュ的だよなぁと。
アルバムはほぼ速い曲で占められており、その潔さもまた良し。
ポッセッセッドやるわ。

#1は鐘の音をバックにグロウルのような禍々しい囁きが響き、映画音楽のような劇的オーケストラパートへと展開するイントロ。
続く#2は邪悪リフとパラパラロールするスラッシュビートで突撃するスラッシュナンバー。
ダルーンとメロディを追うJeffのダミ声が邪悪な刻みと合わさって疾走する#3。
モダンなバスドラパターンを組み込んだ跳ねるイントロ ~ 邪悪成分やや低めのスラッシュらしいザクザクした刻みで疾走する#4。
キャッチーなアクセントを持ったリフで疾走し、Voがリフとユニゾンしたメロディをなぞる#5。途中のドロドロしたスローパートやザクザク行進するミドル、トレモロを配した疾走など、初期デスメタルっぽさを強く感じますね。
急上昇するように転がるリフで幕を開ける#6はPOSSESSEDらしさたっぷりの邪悪スラッシュナンバー。気持ちの良い疾走感とフックのあるリフ展開が良い中盤のキラーチューン。
小気味良いオカルト気質のメロディを刻みの中に忍ばせた#7。そこそこのスピード感ながら何処かコミカルに踊るリフが楽しい。
シンフォを被せたデス/ブラック風のスローな導入 ~ 細かい刻みでラフなフレーズを弾くギターをミドル/アップテンポに合わせ、スピードメタルちっくなちょろっとした疾走を時々挟む#8。アルバム最長の6分半超えの曲ですが、シャキシャキした刻みや胡散臭いリフを緩急のあるドラミングに乗せた展開がダイナミックで良き。
#9はズクズクと暗黒性の強いリフを配したもったりアップテンポと突っ掛ける爆走を交互に行き来するスラッシュナンバー。
ブラックメタル風の寒々しいイントロ ~ ガツガツした硬い刻みの中にビロビロのオカルトリフを混ぜ込んで疾走とミドルを繰り返す#10。
#11はデスメタル的な邪悪さとハードコア的なヤケクソ感が合わさった突貫スラッシュナンバー。
ラストの#12はアコギによるアウトロ。

まさかここまでやってくれるとは思ってませんでした。
普通に素晴らしいので逆にガッカリしますねw(クズの思考

評価:★★★★★