alienated despair implore
IMPLORE / Alienated Despair (2019)

1. Faculties Of Time
2. Abandoned Desires
3. Parallax
4. All Is Not Lost Is Long Forgotten
5. The Constant Dissonance
6. Never Again
7. All Consuming Filth
8. Let The Pleasure Destroy Me
9. In Apathetic Isolation
10. The Venom Comes In Droves
11. Despondency

IMPLOREの2年振り、通算3枚目のアルバム。
Century Media Recordsからのリリース。

ドイツ出身のグラインド/クラストコアバンドです。
前作リリース後、Dsがチェンジし、更にBaが加わったことでVo&Baが専任Voとなって4人編成になっています。ツインGt体制だった時期などもあるようですが詳しいことは分かりません。
前作がCentury Mediaからリリースされたことでこのバンドを知りました。
砂塵を巻き上げるような爆走をみせるクラスト要素込みのデスグラインドはなかなかの格好良さで、ポテンシャルの高さを感じさせました。
で、本作の話。
これがビックリするほどにメチャクチャ化けた。
作風としてはクラスト要素が大いに増したことでデスグラインドとの配合比率が逆転しています。
ギターはビロビロデロデロしたトレモロなどのデスメタルリフを使う場面が少なくなり、ふてぶてしくジャ-ジャ-鳴らされる鉛色の豪腕リフ主体で暴れ倒しています。シンプル故の即効性が格段に上がっていてとても良いです。また、ウネウネとヒネくれたメロディを這わせるCONVERGE的なリフも前作より幾ばくか目立つようになっているため、ギタープレイ全体のクラスト/ハードコア化が顕著です。
ドラムは突進力の高いDビートを中心にブラストビートを織り交ぜた激烈仕様。Dsの交代のおかげか鋭さと音量を上げた音作りのおかげか、粗野なドカドカ感が前面に出ています。
そんな暴れん坊ドラミングが豪腕ギターと豪腕ベースと合わさることで原始的なパゥワァーが前作の7割増しで炸裂。え、めっちゃフルパゥワァーで殴ってきよるやん?
Voは元々グロウルというよりはハードコア的な生々しい咆哮タイプだったこともあって、サウンドのクラスト/ハードコア化にもバッチリ順応。Baが担当しているバッキングVoのグロウルは掛け合ったりデュアルVoで吠えたりと抑揚が生まれる良いアクセントになっています。
マスタリングはBrad Boatright。この人、CONVERGEのKurt Ballou(Gt)にも近い音作りをするのが得意。クリアで太い演奏を湿気ゼロにヒリつかせたKurt風の音に砂利を掛けてザラッとノイジーに汚した感じの本作の音作りは作風にもマッチして文句なし。
なんつーか全ての面で垢抜けたなぁ。

フィードバックノイズから間髪入れずにノイジーなギターで武装された分厚いブラストへ雪崩れ込み、ハードコアリフをヴァヴァ-ヴァ!!ヴァヴァ-!!と撒き散らしてDビートで暴れまくる#1。
続く#2もスラッシーな疾走をザクザクの刻みや黒々としたハードコアリフで暴力的に染め上げた即効性のクソ高いクラストナンバー。ブラストやデスメタルリフの入れ方も素晴らしいのよな。
ザラザラのミドルテンポからグロウル主体のデスメタリックなブラストパートへ展開するオープニングの後、突撃Dビートに切り替えて太いリフをヴァ-ヴァ-唸らせまくる#3。

ビロビロトレモロのブラスティングで畳み掛け、デスメタルリフそのままに軽快な疾走へと雪崩れ込む#4。アルバムの中では最もデスメタル色の濃い曲。
#5はデスメタリックな突撃アクセントを加えながら分厚いDビートで疾走するクラストナンバー。所々にスウェディッシュデス的なドロドロネバネバ感があります。
#6はCONVERGE風の冷徹な高音リフで始まり、CONVERGEっぽさそのままにDビートで荒れていくクラスト/ハードコアナンバー。中間部ではAT THE GATESのTomas(Vo)がゲスト参加しています。
ふてぶてしさの強い図太いハードコアリフで爆裂疾走し、ツーステ系のミドルでノリノリになる#7。
#8はカオスな音使いと小汚いリフを一緒くたにした気持ち悪いスローなハードコアナンバー。
爆裂ドラムロールからねちっこいリフを配したDビートへ流れ、激烈ブラストで締める#9。
#10はドカドカした疾走に時折CONVERGE風フレーズを組み込んだ前半 ~ ゴリゴリブレイクする中盤 ~ よりストレートかつクラスティに駆け抜ける後半という構成のクラスト/ハードコアナンバー。
ラストの#11は速過ぎないテンポで突っ掛けるように駆けるDビートが心地良い曲。冷ややかなリフをアクセントにウネウネとグルーヴするところはやはりCONVERGEっぽく感じますね。

サウンドから発する殺気立ったヒリつきはTRAP THEMやPALMなどと同系統であり、そっちの音が好きな人にこそ刺さると思います。
デスグラインドと紹介されることが多いですが、そっち系統が好きな人には「ん?」となるんじゃないかと。
このバンドは1stが一番デスグラインド色が強くて、そこからどんどんクラスト/ハードコアに接近するという、クラスト/ハードコアに始まりデスメタル化していったBLACK BREATHやHIEROPHANTなどとは反対の進化を遂げているのが興味深いですね。
余談ですが、ライヴも最高に良かったです。

評価:★★★★☆