life sentence
SATAN / Life Sentence (2013)

1. Time To Die
2. Twenty Twenty Five
3. Cenotaph
4. Siege Mentality
5. Incantations
6. Testimony
7. Tears Of Blood
8. Life Sentence
9. Personal Demons
10. Another Universe

SATANの26年振り、通算3枚目のアルバム。
Listenable Recordsからのリリース。

UK出身の正統派メタルバンドです。
ブログのメッセージ欄で「SATANを紹介してください」というリクエストがあって、多分それがなかったらスルーしていたかもしれない。
ただそのメッセージをくれたのが約4ヶ月前なんで、だいぶ遅れちゃって失敬という気持ちもある。
まずこのバンドを聴くのは初めて。
確か2ndはマイケル・ジャクソンが歌ってんだよな、っていう無駄な知識があるくらい。あ、マイケル・ジャクソンって言っても勿論、「ポゥ!!」とか「宿直!」って言ってる本家のほうじゃないですよ。でも名前が同じってのはなんだか楽しいよ。
さて、ではそろそろこの新作の話。
26年振りという僕の歳以上の歳月を経てリリースされたアルバムなわけですが、これが楽しくなるくらいに時代錯誤というか、クラシックなへヴィメタルをやってる。
ちょっとだけオカルト成分を含んだシケシケのメロディで疾走するNWOBHM臭たっぷりのサウンド。
一昨年はHELLというバンドがAndy Sneap(Gt)の協力の下、NWOBHMを現代的にアップデートしたかのようなサウンドでアルバムをリリースしましたが、このバンドは80年代のまま時間が止まっている感じ。
まずVoがいかにもUKって感じの田舎臭さに溢れてる。ANGEL WITCHとかよりものっぺりしてて、クラシックロック的な声質。歌メロもそれほど起伏がある感じではなくゆったりしているので、それに合う形で力まず自然体で歌い上げています。
ギターはシンプルにズクズク刻む正統派メタル系のリフワークをみせつつ、時折ふなっしー・・・じゃなくてフラッシーにピロピロと弾きまくってアクセントをつけたりコンビネーションの良いツインギターハーモニーを絡めてきたりと良い意味でベテラン染みてない若々しさがあります。メインリフの格好良い曲が多いのもGood!
温かみのある音作りもクラシックっぽさを強めている要因ですね。ボフボフしたベースやアタックの強過ぎないドラム、尖り過ぎてないギターなど、全てがほどほどハードでマイルドに仕上げられています。そして各パートの分離はしっかりしています。
それにしてもHELL同様、検索し辛いバンド名である。

陰のあるツインギターのハモりで幕を開け、イモ臭い歌メロのスピード/正統派メタルを聴かせる#1。
妖しい刻みのミドルと疾走を繰り返す若干オカルティックなヴァースからコーラスはUK的なレトロさを滲ませる#2。
勇ましいツインギターハーモニーの後、ダークで攻撃的なリフを躍動的に刻んでいく#3。楽曲自体は結構力強いのにVoの力まない歌唱でちょっと拍子抜けするw
細かくズクズクと刻むリフで疾走するスピードメタルナンバー#4。妙に明るくてクラシックロックの匂いがする歌メロと楽曲のスピード感が心地良く、コーラスのポップさも耳に残ります。
オリエンタルなギターメロディで幕を開け、そのままミドルテンポにちょい異国風の正統派メタルを鳴らす#5。
#6はスピードアップしたIRON MAIDENってな感じの弦楽器隊で疾走するスピードメタルナンバー。ピロピロ弾きまくって熱いギターソロへと流れる中盤のインストが特に格好良い。
ベースとギターの絡みからツインギターハーモニーで疾走、メロディックなギターが叙情的に響くミドル/アップテンポでテンポ良く進むクラシックへヴィメタルナンバー#7。
躍動するレトロなリフをブリブリと刻むイントロからスピードメタルっぽくズクズク疾走を開始する#8。"Life Sentence!"という分かりやすくて楽しいコーラスがあるのもGood!
70年代ちっくな古臭さを含んだハードロック/メタルをミドルテンポに鳴らし、ちょっとのオカルト成分を含んだ歌メロとピロピロギターが煌くコーラスへと展開する#9。
アダルティなムードを纏った寂しげなアルペジオとイモ臭いVoでバラードっぽく幕を開け、ドラムロールと共にスピード感のある正統派メタルになる#10。

良かったです。
スピーディーな曲が多いのでダレることなく聴き通せます。
楽曲以上に力の抜けたVoが気に入るかどうかがポイントかな。

評価:★★★★