lords of rephaim
PATHOLOGY / Lords Of Rephaim (2013)

1. Mountain Of The Dead
2. Lords Of Rephaim
3. Excisions
4. Autumn Cryptique
5. Dead Commandments
6. Empire
7. Ascending Below
8. Among Skinwalkers
9. Dies Irae...
10. It's In The Blood
11. Reign From Above
12. Path Of The Divine
13. Code Injection

PATHOLOGYの1年振り、通算7枚目のアルバム。
Sevared Recordsからのリリース。

US出身のブルータルデスメタルバンドです。
前作リリース後、Jonathan Huber(Vo)とOscar Ramirez(Ba)が脱退。バンドはMatti Way(Vo)とTim Tiszczenko(Gt)を再びバンドに呼び戻して再編。その後、Kevin Schwartz(Gt)が脱退してしまったため、今回のアルバムはDave AstorとMatti、Timという3rdの時と同じ3人で作られたようです。
正直、彼らのアルバムの中で3rdはそんなに気に入ってるわけではないので今回のアルバムに少し不安を感じていたのですが、彼らの「メジャーではなく、アンダーグラウンドで活動したい」という男気溢れる発表を信じて期待と不安が入り乱れる中、アルバムを聴いてみました。
うむ。PATHOLOGYだ。
パタパタドドドドドとデスメタリックなリフによる突進とニュースクールデス/ブルデス系のズンズンしたビートダウンを交互に使い分けるバッキングにMattiの美しさすら感じられるガテラルを乗せたPATHOLOGYらしいサウンドです。
前作に比べるとリフにオールドスクールデスの要素が強まったと思います。
そういう意味ではMattiが参加していた2枚を含む3rd ~ 5thの時と似たような路線と言えるでしょう。
前2作にあったギターソロを排除したストイックな姿勢はあの頃への回帰の表れなのかも。
つまりファンなら安心して楽しめる・・・かと言ったらそうでもない。
楽曲の出来はそこそこ。
なまじ楽曲にオールドスクールデスっぽさが強まったせいか、このバンドのストロングポイントがボヤけてパッとしない。妙にメロディックだったりテクニカルだったり。これは3rdと5thにもみられた傾向だと思う。
ドラミングがまた上手くなっていてドラムサウンドもガッチリとヘヴィに仕上げられているのは喜ばしいことなんだが、どうにもリズムが単調なところは3rdっぽい。必要以上にメロディックになってしまったリフとのコンビネーションが噛み合ってないようにも感じられました。
前作はVoにもリフにもドラミングにも「リズムのフックで押していく」という統一感があり、その愚直なまでの「リズム押し」がアルバムの出来に直結したんだと思います。
今思うと4thのバランス感覚は絶妙だったんだなぁ。

SFちっくなSE ~ ブラストビートとズンズン刻むスラムリフで幕を開け、テクニカルフレーズを混ぜた爆走からオールドスクールなブレイクパートへ展開する#1。MattiのVoは相変わらず透き通るようなボソボソガテラルで格好良い。
#2はリズミックなリフとガテラルを叩きつけてハーコー的アクセントを付けていくブルデスナンバー。
小さく纏まった小気味良いブラストビートとコロコロ回転するリフで爆走、合間にグルーヴィーなブレイクを挟む#3。
スウェディッシュデスやデス/ドゥームみたいなリフを駆使したオールドスクール寄りのパートとブルデスらしい極悪な刻みを対比させている#4。
ゴリゴリしたリズムで押していき、オールドスクールなトレモロで変化をつける#5。
オールドスクールなデスメタルリフで疾走し、そこから更にザクザクと突っ込んだ後、スラミングで落とす#6。
モダンなリフワークで分かりやすいメロディを刻み、疾走とグルーヴを行き来する#7は若干5thの雰囲気を感じる曲。
邪悪なデスメタルリフでオールドスクールデスっぽくスタートし、ブルデスなグルーヴパートに落とす#8。疾走するとオールドスクールに戻るのね。
#9はモダンなグルーヴパートと荘厳デスメタルみたいなリフで仰々しく聴かせるインタールード的な曲。
高速ツーバス連打や低音ガテラルで残虐に聴かせる#10はメロディックなデスメタルリフとスラムリフを使い分けていくブルデスナンバー。
ジャキジャキ刻むオールドスクールなデスメタルリフを激烈なドラミングと合わせた#11。
ブラスト/ツーバス疾走の嵐に単音を絡めたデスメタルリフを乗せて突撃する#12。
#13は4thの曲のリアレンジVer。これが「何でこんなんにしてまったの?」ってくらいに改悪されててガッカリ。他のバンドのカバーによる原曲レイプではなく、自分達で原曲レイプしてしまったからいかんでしょ。

うーん・・・。
前作を紹介した時に「このバンドは偶数のアルバムが良くて奇数のアルバムはイマイチだから次はイマイチかもなギャハハハハw」なんて冗談で言ってたら本当にそうなってしまった。
じゃあ次作は期待していいんだよね?

評価:★★★