iv empires collapse
WARBRINGER / IV: Empires Collapse (2013)

1. Horizon
2. The Turning Of The Gears
3. One Dimension
4. Hunter-Seeker
5. Black Sun, Black Moon
6. Scars Remain
7. Dying Light
8. Iron City
9. Leviathan
10. Off With Their Heads!
11. Towers Of The Serpent

WARBRINGERの2年振り、通算4枚目のアルバム。
Century Media Recordsからのリリース。

US出身のスラッシュメタルバンドです。
前作リリース後、元MANTIC RITUALのGtとBaが加入しています。
個人的には若手スラッシャーの中でも特に好きなバンドです。
前作も前々作も最高のスラッシュを聴かせてくれていたので、今作への期待も相当高くハードルもガンガン上げていました。
ただこのストーナーちっくでスラッシュらしくないジャケを見て、ちょっと心配にもなりました。あれあれ?と。いつもの鮮やかなイラストじゃなくて何でこんな王様とワシだけのシンプルなジャケなのよ、と。
で、聴いてみたらジャケの変化と同じでサウンドにも変化が。
しかもジャケが残念なほうに変化したのと同じようにサウンドも残念なほうに変化してる・・・。
どんなところが残念なのかというと、曲調の幅を広げようとヴァラエティ化を試みているもののそれが上手く言っているとは思えないところ。
いつものスラッシュナンバーは殆どなく、全体的に曲のテンポはダウン。ギターはスラッシュ的なザクザクとしたリフを使いつつもパンク、スピード/正統派メタルなど、曲によって多彩さを持たせて実験的に組み込んでいます。
そのせいでアルバムに緊張感がなく、ただ散漫。色んな要素を取り入れたいだけ取り入れるも、自分達のサウンドに消化し切れてない。
HAVOKなんかと同じで自分達がやってきたスラッシュを軸にサウンドを更に一歩前進させようとした意欲作ではあると思う。
でも前2作の殺気立ったスラッシュを捨ててまでやる必要があったのかは疑問。John Kevill(Vo)の若手スラッシュの中では最強のVoは相変わらず素晴らしく格好良いだけにモヤモヤが残ります。
もう今作はJohnのVoだけで一応のクオリティを保ってると言ってもいい。勿論それは言い過ぎよ。失敬。

叙情ツインギターハーモニーのイントロ ~ Johnのシャウトと共に速過ぎないスラッシュビートと単音で疾走する#1。ヨーロピアンテイストのメロディックなギターが上手く活きた曲。
淡々としたミドルテンポにパンクっぽいリフや細かい刻みを加えた#2。
#3はリフにパンクのノリを持ち込んだクロスオーヴァーっぽいアップテンポナンバー。
スラッシーにザクザク突っ込んでいき、ブラストパートを挟んでハンタシカ!!のコーラスと共にテンポを落とす#4。メロブラ的トレモロを使うなど、前作の#4や#7といったメロディックスラッシュナンバーの流れを受け継いでいる曲。
正統派メタル系のバスドラを打ち鳴らすアップテンポにシンプルなリフを乗せた#5。
突貫スラッシュっぽく始まり、クラスティなザラザラハードコア/スラッシュになる#6。
ダークな雰囲気を醸すスローなイントロの後、適度な疾走感をもってザクザクと進行するスラッシュナンバー#7。ちょっとLAMB OF GODっぽい雰囲気を感じたのは間奏のリフとフィルインのせいか?
スラッシュというよりはスピードメタル系のリフを使ってツーバス疾走をかます#8。
不穏なアルペジオからスタートし、不気味な刻みとスローテンポを軸に妖しいムードのスラッシュを聴かせる#9。
#10はスタスタと突っ込んでいくスラッシュナンバー。快活な刻みにデスメタリックなアクセントを加えたリフワークがクールな疾走曲。
ラストの#11はオカルティックなイントロに始まり、リフとバスドラの連動でモダンにリズムを刻んだ後、攻撃的な疾走へ切り替えるスラッシュナンバー。

正直言って凄くガッカリしました。
すいません、WARBRINGERにこういうサウンドは募集してないんですよ~。
次作では再びいつものスラッシュが聴けることを期待します。

評価:★★★