ravenous plague
LEGION OF THE DAMNED / Ravenous Plague (2014)

1. The Apocalyptic Surge
2. Howling For Armageddon
3. Black Baron
4. Mountain Wolves Under A Crescent Moon
5. Ravenous Abominations
6. Doom Priest
7. Summon All Hate
8. Morbid Death
9. Bury Me In A Nameless Grave
10. Armalite Assassin
11. Strike Of The Apocalypse

LEGION OF THE DAMNEDの3年振り、通算6枚目のアルバム。
Napalm Recordsからのリリース。

オランダ出身のデス/スラッシュメタルバンドです。
前作リリース後、Gtが交代しています。
最早オランダを代表するスラッシュメタルバンドになった感のあるこのバンド。
色んなベテランスラッシュバンドのメンバーからお褒めの言葉を頂いたり、おイジりを頂戴していて、包装のシールにはEXODUSのGary Holt(Gt)の"Heavy as hell!"というコメントまで貰ってる。いやいやGaryよ。Heavy as hellなのはお前だよ。
前作はサウンドに緩急が出てきたなかなかの意欲作で、過去作ほど聴き疲れしない「丁度良い」アルバムだったと思います。
今作もその前作を順当に受け継ぎ、よりピュアなスラッシュに近づいている印象です。
欧州っぽさはありつつUSスラッシュっぽいアクセントで刻んでいくリフ、Voの乗せ方やコーラスワークなどなど、デスラッシュっぽいエクストリームな部分が薄まってきています。
ここまでオールドスクールなスラッシュ要素を強く押し出してきたのは初めてだね。普通のバンドはどんどんモダンになっていくのに、このバンドはモダンさが減退してる。
そんな「先祖帰り」と同時に今作ではブラックっぽい冷ややかな音使いを導入することも増えました。
スロー/ミドルパートでちらほらと登場し、今まではデスメタリックにおどろおどろしく決めていた部分が冷たい表現に取って代わられています。個人的にここの変化に関しては何とも思わなかったかな。人によってはダサくなったと感じるかも。
あとはプロデューサーがAndy Classenに戻ったことでサウンドは『バスドラうるさい仕様』に戻っています。ただサウンド自体がバスドラをダカダカ馬鹿みたいに鳴らす「あの頃」のLOTDと違ってメリハリのあるスラッシュ路線になっているので、そこまでやかましくは感じませんでした。#2とか#6は「うるせぇ!」ってなったけどw

#1は荘厳なイントロ。
#2はバスドラを馬鹿みたいに連打して爆走するスラッシュナンバー。
#3は邪悪な突貫スラッシュナンバー。初期デス系のトレモロが良い感じにアクセントになって、おどろおどろしいコーラスではVoの多彩な吐き捨てが楽曲を盛り上げています。
キャッチーな単音を織り交ぜたスラッシーな疾走で幕を開け、邪悪さを滲ませながらザクザク突進する#4。アルバム前半のハイライトナンバー。
ウネウネしたベースイントロ ~ バコバコバコバコと突貫するドラミングにリフとVoのユニゾンを加えたスラッシュナンバー#5。IMPALED NAZARENEなんかにも通ずるパンキッシュな炸裂感が良いよね。
ブラック掛かった妖しいメロディをダルーンと垂れ流す重苦しいイントロの後、ブラッキンな雰囲気を残してザクザクドコドコとやかましいスロー/ミドルテンポを展開する#6。
#7もミドルテンポの曲。かなりシンプルな旋律や刻みを配したスラッシュナンバーで悪くはないけどそこまで良くもない、そこそこの曲。
#8はメロディックな刻みを乗せてスタスタと突っ走るスラッシュナンバー。
ジャリジャリしたクランチリフをリズミックに刻むミドルテンポ ~ オカルティックなメロディを含んだ疾走スラッシュに切り替える#9。
デス/ブラックちっくなトレモロと躍動感あるアップテンポがドラマティックに絡んでいく#10。
ラストの#11もデス/ブラックっぽい冷たさを纏ったリフワークが印象的なスローパートを駆使し、やかましい疾走パートと対比させている曲。

スラッシーな曲は良いのに、ミドルテンポの曲がイマイチ。
ミドルテンポの曲を飽きさせずにどう上手く聴かせるか、スピーディーな曲をウリにするメタルバンドの永遠に解決しない悩み。
というわけで来日してくれてかまわんよ!

評価:★★★★