Phantom betraying the martyr
BETRAYING THE MARTYRS / Phantom (2014)

1. Jigsaw
2. Where The World Ends
3. Walk Away
4. Let It Go
5. L'abysse Des Anges
6. Phantom (Fly Away)
7. What's Left Of You
8. Afterlife
9. Legends Never Die
10. Lighthouse
11. Your Throne
12. Our Kingdom
13. Closure Found

BETRAYING THE MARTYRSの3年振り、通算2枚目のアルバム。
Sumerian Recordsからのリリース。

フランス出身のシンフォニックデスコア/メタルコアバンドです。
前作リリース後、Dsが交代になったようです。
サウンドはそこそこにヘヴィなバッキングにシンフォニックだったりキラキラしてたりするKeyアレンジを加え、グロウルとクリーンのツインVo体制で進めていくデスコア/メタルコア。
つまりは前作から何も変わっていません。
ギターはブリブリ~ドゥドゥドゥ!!とデスコアっぽく弛んだ重低音を刻み、時折単音やらトレモロといったメロディを加える超モダンなスタイルでとてもアメリカ的。正直個性や面白みはあまりないです。
ただKey使いは悪くない。前述の使い方以外にも切ないピアノや淡く全体を覆ってサウンドに厚みを持たせるアレンジなど、目立ち過ぎない立ち位置でゴリゴリしたバッキングをポップに中和しています。
表のシールにはBORN OF OSIRIS、WHITECHAPEL、DIMMU BORGIRのファンにオススメと書いてあるけど的を射ていると思います。僕だったらDIMMUの代わりにWINDS OF PLAGUEを入れるけど。

デスメタリックなズルズルリフで爆走するイントロの後、グルーヴィーなテンポになってBORN OF OSIRISリスペクトなキラキラKeyメロとデスコア的リフワークのコンビネーションで聴かせていく#1。クリーンパートは可もなく不可もなく。
クリーンVoと可憐なピアノで幕を開け、ゴツゴツとしたバッキングに冷たいメロディを添えながらテンポ良く進行する#2。
リズミックなグルーヴリフを刻み、耽美なピアノで味付けしている#3。クリーンパートはオルタナ系バラードみたいな雰囲気で結構良い。
#4は一部で話題となった某ネズミー映画のヒット曲のメタルカバー。あのサビは勿論クリーンで。レリゴーwwwレリゴーwww
#5はインスト。
#6はメタルコア的な単音で爆走し、グルーヴィーなミドルに叩き落とすテンションの高い曲。
グルーヴィーにメロディを弾いていく疾走感のあるバッキングにFLESHGOD APOCALYPSE風の神聖な響きのKeyアレンジを加えた#7。
#8は影のあるピアノが鳴り響くインスト。
DjentちっくなバッキングにキラキラKeyというBOOリスペクトな#9。
メロディそこそこに攻撃的な疾走で勢いを増し、分厚いクリーンパートでアンセミックに盛り上がる#10。
#11はスペーシーな近未来SEからメランコリックなピアノへ切り替えるインスト。
#12はカッチリとテクニカルにメロディを添えていくスピーディーなシンフォニックメタルコアナンバー。
ラストの#13はシンフォブラックみたいなKeyを変則的なバッキングに組み込んだ大仰でテクニカルな曲。

良くも悪くも#4の印象が強過ぎるアルバムです。
まぁ仮に#4がなかったとしてもアルバムの評価は上下しないと思うけど。

評価:★★★