a maze of recycled creeds
GOROD / A Maze Of Recycled Creeds (2015)

1. Air De l'Ordre
2. Temple To The Art-God
3. Celestial Nature
4. Inner Alchemy
5. The Mystic Triad Of Artistry
6. An Order To Reclaim
7. From Passion To Holiness
8. Dig Into Yourself
9. Rejoice Your Soul
10. Syncretic Delirium
11. Celestial Nature (Alt. Tracking) *

GORODの3年振り、通算5枚目のアルバム。
Unique Leader Recordsからのリリース。

フランス出身のプログレッシヴ/テクニカルデスメタルバンドです。
前作リリース後、Dsがチェンジしたようです。
2013年にTHE CROWNと共に来日を果たし、ライヴどうこうというよりBenoit Claus(Ba)のニヤつきながらベースを弾く姿が変態染みててそればっかり印象に残っています。
んで今作。
作風としては前作に輪を掛けてプログレ寄りになりました。
前作の段階でデスメタル的なブルータリティはだいぶ削ぎ落とされて洗練化が進んでいましたが、今作ではそこから更にテクデス的な疾走感を減らしてプログレッシヴなインストパートの充実化を推進。変則リズムと共に弦楽器隊の綿密なコンビネーションをよりスリリングで音数の多いものにしたり、その逆で音数を減らしてジャジーな雰囲気の中、自由に遊ばせたりと時々ATHEISTのように聴こえる場面も。
特に良かったのはBenoitによるヌルンヌルンのベース。これは最高ですね。音だけで変態染みてるしギターより目立ってます。
残念なのはシュレッドしまくるギターが確かにテクニックは凄いんだけど音がかなり軽くなってしまった点。それに加えてDsの交代も地味に響いていると思う。前任のSamuel Santiago(Ds)はファストであってもパワーがあるドラミングでサウンドのアグレッションも彼のドラミングで補完している部分がありました。が、現Dsは軽やかに手数を駆使するタイプ。今のプログレ路線にはピッタリ合っていると思う反面、ややパワー不足に感じます。
Voはグロウルだけでなく、GOJIRAのような咆哮もするようになりました。次作では本格的にクリーンVoも入れてきそう。

#1はピアノによるイントロ。
続く#2は爆走するドラミングにピロピロのシュレッドとヌメヌメのベースが混ざり合っていく複雑な曲。展開にプログレらしい情緒が強くなっていてアグレッションはそこまで強くないけどBETWEEN THE BURIED AND MEなんかにも通ずるスケール感が出てきた印象。
引っ掛かるような変則リズムで楽器がユニゾンし、やがてデス/ブラックっぽい爆走へと展開する#3。テクデスパートは勿論、プログレッシヴな静寂パートだろうととにかくギターが弾きまくっていて忙しない。
大人の色気漂う導入から徐々にスペーシーなスケール感を出して発展するイントロの後、シュレッド三昧なツーバス疾走で軽やかに駆けていく#4。
#5はDjentっぽい弾むグルーヴでスタートし、明るいリフを軽快に刻む疾走へと展開するテクデスナンバー。
ジャジーな演奏でプログレっぽさを強める#6。Voも高低のグロウルの他にダミ声の怒声を使っていてヘンテコなサウンドになっています。
グネグネと奇怪なリフを捏ね回し、ファンキーなベースと共に浮遊するようなグルーヴを生んでいる#7。
#8は変則的なミドルテンポで技巧的に聴かせ、突然ザクザクとした疾走を絡めるプログレデスナンバー。
ヌルヌル蠢くベースとオシャレなギターでトリッキーに幕を開け、歌心ある咆哮と遊び心のある演奏がミュージカル調になったGOJIRAって雰囲気のプログレメタルをやってる#9。何この曲超楽しいじゃん。
本編ラストの#10はパタパタした疾走感と転がり回るリフにARKAIKとかのUnique Leaderらしさを感じるテクデスナンバー。後半はプログレ度が増して面白くなります。
#11はボートラ。#3のインストVer。こうやってインストだけで聴くとALARUMっぽいですな。

ジャケはおどろおどろしいですが、サウンド的には一番ポップです。
またあの変態ベースプレイが観たいけど、来日はもうないだろうなぁ。

評価:★★★☆