cryptoriana cradle of filth
CRADLE OF FILTH / Cryptoriana - The Seductiveness Of Decay (2017)

1. Exquisite Torments Await...
2. Heartbreak And Seance
3. Achingly Beautiful
4. Wester Vespertine
5. The Seductiveness Of Decay
6. Vengeful Spirit
7. You Will Know the Lion By His Claw
8. Death And The Maiden
9. The Night At Catafalque Manor *
10. Alison Hell (ANNIHILATOR Cover) *

CRADLE OF FILTHの2年振り、通算12枚目のアルバム。
Nuclear Blastからのリリース。

UK出身のエクストリーム/シンフォニックブラックメタルバンドです。
前作リリース後、メンバーの交代が…ない!!!
これってもしかしてバンド初なんじゃないの?
CoFのことをブラックメタルって呼ぶと「は?CoFはブラックメタルじゃないからwww」とよく鼻で笑われて馬鹿にされたものですが、なんかもうそのあたりのジャンル分けは面倒臭いので何でもいいです。
日本でもそれなりに人気のあるバンドなんですが長年来日公演が実現せず、2017年になってやっとLOUD PARKで16年振りに来日。2018年には今作に伴う単独公演が実現しました。
さてさて、このCRADLE OF FILTHというバンド。
「らしさ」は失わずにマンネリ感を感じさせないよう作風に変化を付けながらアルバムリリースを重ねている非常に優れたバンドだと個人的には思っています。
前作は今までの路線を踏襲しつつも、古くから持ち合わせていた正統派メタル的ツインギターをまるでメロデスかのように楽曲に大々的に加えたことで作風に多少の変化を見せてきたアルバムでした。個人的には気に入っているアルバムではあったんですが、CoF独特のホラーな持ち味が損なわれて、妙に明るくて"健康的"なアルバムだったように思います。
んで今作。
これは完全に前作の上位互換ですわ。
とても素晴らしい出来。
エクストリーム性をストレートに剥き出すようになった近作の路線を軸に、B級ホラー的メロディやKeyアレンジが上手く合わさったことで、攻撃的でありながらサウンド全体にダークな空気が充満して、初期路線を思わせる部分が復活している印象です。今までの集大成というか良いとこ取りと言っても良いかもしれない。
前作においてマイナスに感じていたメロいギターは今作では自然な形で楽曲に溶け込んでいます。テクニカルフレーズから王道の熱いリード、ブラック系のトレモロ、ツインギターハーモニーと、古典的なヘヴィメタルからモダンなエクストリームメタルまでヴァラエティに富んだプレイをそこかしこに配しているけれど、ダーク&ホラーな雰囲気は決して壊さないバランス感覚の良さ。昔からNWOBHM的なギターを取り入れるバンドではあったのに前作ではそういったフレーズの入れ方がちょっとおざなりで違和感を覚えたのだけれど、今作でそういった部分が払拭されています。この軌道修正は大きいかな。
またアルバム通してスピード感溢れる構成になっていて余計な小細工をしていないのもポイント高い。CoFってどうしてもダレる場面が出てくるアルバムが2000年以降だと多かったんだけど今作はそこも問題なし。
明確に弱い曲のない頑強な仕上がりです。

#1はドゥーミーなリフでホラー感強めに幕を開け、クワイアと共に壮麗な爆走をみせるショートナンバー。
湿っぽいギターメロディで幕を開ける#2は軽快に転がるメロディックリフで疾走するヴァースと泣きを含んだスローなコーラスでトーンダウンする曲。シンフォ/クワイアの味付けはほどほどにギターを中心に展開していくあたり、エクストリームメタルではあっても古典的ヘヴィメタルの良さを感じますね。
#3は琴の音で始まり、デス/ブラックなトレモロと神秘的シンフォが合わさって爆走する曲。
#4はスラッシーな突貫がキレキレで格好良いエクストリームメタルナンバー。単なるスピードナンバーで終わらせず、Keyやシンフォで妖しい演出をみせながらスケールを広げていく展開は流石。
もったいぶったイントロからデスメタリックな疾走へ流れ、メロデスちっくなリフや中世風のKeyメロを噛ませていく#5。もろにIRON MAIDENなギターパートはちょっと笑っちゃうわね。
#6はデスラッシュ的な疾走でストレートに攻撃性を発散し、シンフォブラックらしいクワイアや女性コーラスパート、アルペジオによる静寂などを使って、暗くも幻想的な雰囲気を醸す曲。
寒々しいトレモロで疾走するイントロ ~ ダークな単音を織り込んだ突貫へ連なり、影のあるメロディ展開に堕ちていく#7。
本編ラストの#8はもの悲しいモノトーンのメロディを垂れ流しながらゆっくりと進めていくブラックメタルナンバー。
#9はボートラ。淡いシンフォ/クワイアやツインギターなど、曲調に明るさが見える疾走ナンバー。
#10もボートラでANNIHILATORのカバー。ANNIHILATORのはずがDESTRUCTIONっぽくなってるのが面白い。

キャアアアアアアア!!って言いたくなる良作です。
ベテランの底力ってやつですな。

評価:★★★★★