18-Year-Old Jara Guides Jazil to Belmont Victory - bloodhorse.comJockey Fernando Jara, an 18-year-old native of Panama, patiently guided Shadwell Stable's Jazil from the rail to the outside and outdueled Bluegrass Cat to win Saturday's 138th Belmont Stakes (gr. I) by 1 1/4 lengths.
ということで、米国3冠レースのBelmont StakesはJazilの勝利。そもそも誰が興味を持つのか、と言ったノリで"
A Belmont that only gamblers could love"だとか"
Belmont Stakes Lacks Significant Pop"とか"
Anti-climactic Belmont is here"言いたい放題いわれている。ベルモントS自体は「チャンピオンのテスト」と言われるが、バフェット師は「残り物のテスト」ととまで言ってたとか。
こういうレースは往々にして話題を作ることがあるが、ここでは18歳のジャラ騎手がクラシック初勝利。日本でも
東京ダービーを18歳の町田騎手が勝利したが、こちらでも18歳が勝利。出遅れをカバーする会心の騎乗との評価がなされている。
で、この日はベルモントパーク競馬場に行ったので、そのレポートまで。
まず、競馬場まで。Penn StationからLIRR(Long Island Rail Road)という電車。いつもは開催日でも直通電車が数本出てるだけ、という感じなのだが、今日はばんばん直通がでる状況。30分に一本ぐらい出ている。1時頃に電車に乗ろうとすると、わ、けっこういるわ、という感じ。もっとも、あっさりイスに座れたりするし、それほど電車は混んでいなかったのだが。
競馬場について、そのままスタンドへ。入場料$5を払って、DRF($5)と記念プログラム($4)を買って、まずは食事をするためにぶらぶらと。ベルモントパークは競馬場としてはものすごく広いのだが、スタンドから馬場までがJRAの競馬場に比べるとかなり近く、あまりそこに立って見るのが難しい。スタンド内は昔の京都競馬場というか、むき出しのすこしがらんとした感じで、広くて天井が高いが無愛想な感じ。パドック側というか、コースと逆側は公園という感じ。
7年前に来た時にはBelmont Stake Sandwichというのがあったのだが、今日はそれはなし。ビール飲みながら、BBQポークを食う。こっち側はピクニック気分というか、そこらへんのテーブルで家から持ってきたオードブル食べてるのも結構いる。もちろん、私のように飲んでる人はたくさんいる。
馬券は手売りとマシンが半々ぐらいだが、どちらもマークシートはほとんど使わず、マシンはタッチパネル、人の場合は口頭で注文。人がたくさんいる日は時間がかかって仕方ないといえばその通りだが、普段はそれほど混まないのでこれで十分なのだろう。
マシンの場合はあらかじめバウチャーを入手するなどしないといけないのだが、人が多くてどこでバウチャー買うのかも分からん...口頭は例によって英語が伝わらん、と思ったが担当者も手際が悪いようで、かなり時間がかかってる例散見。NYRAが儲かってない理由が分からんでもないというか...せっかくこれだけ客が来てるのに、NYRAカードのプロモーションもやってないし。
この日は7R〜11Rまでグレードレースがずーっと続く。7R・芝1マイルのJust A Gameはスクラッチが2頭あり4頭立てだったが、BCマイル3着馬Gorellaが最後の最後で豪快に差し切り。8RのWoody Stephens Breeders' Cupはダート7FのGIIで、前に行ったSongsterが勝利。
そしてここからが本番。3歳牝馬限定GI・ダート1マイルのエイコーンS。ケンタッキーオークスからの折り返し組もかなりおり、それなりのレベルの1戦。日本のようにパドックで馬見せるというよりは、単純に馬を歩かせている程度なので、ほとんどの馬は日本ほどかりかりしておらず、おっとりしている感じ。それでも3歳牝馬だけあって、ややパドックでも落ち着きがない。その中でも1頭かなり暴れていたのがBushfire。立ち上がって手間をかけていた。
入場、ゲートイン後、Miraclous Missがなんとゲートに引っかかったみたいで、出走が遅れる。Miracluous Missはゲートを開けて一旦出て、戻ったものの、結局スクラッチ。まあ、6番枠、ゲートの前に1頭だけ出てきたのを見ると、Barbaroを一瞬思い浮かばせ、嫌な雰囲気だっただけにある意味スクラッチしてくれたのはホッとしたところ。で、結構この間微妙に長い時間があって、何やってんだぁ...と思ったら、なんとこの間にWonder Lady Anne Lまでスクラッチ。ここら辺で回りにいたアメリカ人が暴れて激しくやじり始める。
それはさておき、レースは逃げたBushfireとその後ろにいたHello Libertyの行った行ったのレース。Bushfireは暴れた感じでHello Libertyも落ち着きなかったように見えただけに意外だったが、結果としてはマイル戦でもあり、そちらのほうがよかったのかもしれない。そういえばBushfireはケンタッキーオークスでも人気あったなぁと終わったあとに気がついたり。
次のレースはマンハッタンH(芝1.25マイル、GI)。北米移籍後のGrey Swallowが見たかったのだが、やはりよい馬体だなぁと。ただ、白くなりすぎかもしれないが。このレース、芝の内回りなのだが、ベルモントパークの中でも非常に小さいコース。といいながらもマイル以上はあるのだが。レースは直線前にいった2頭に後ろから来た2頭が詰め、4頭並んだところでゴール。ハンデ戦らしくかなり見応えのある叩き合い。勝ったのは結局逃げ切った形になったCaciqueで、鞍上はBarbaroで次のレースに乗るはずだったPrado騎手。
そして本命のベルモントS。とはいっても、主役が欠けた格好だけではなく、2冠を走ったBrother DerekやSweetnothernsaintまで回避し、3冠完走馬がまったくいない状態。ケンタッキーダービーの2〜4着にPreaknessの3着、ピーターパンS1着ぐらいの取り合わせ。まあ、出てきた馬はそれなりにしっかりしていたが。メンバー的には物足りない感じ。
で、この日はレースをずっと2階のスタンドの後ろから見ていたのだが、ちょうどスタート・ゴールが見えない位置。パドックで馬を見て、馬券を買って、そこまで行ったらもう発走時間。そうじゃなくても人が多いのに、このレースは当然ながら特に人が多くてそれ以外のコースもほとんど見えない。
ゲートオープンからターフビジョンを見ていると、なんか出遅れた馬がいて多分終わったんだろうなぁという感じ。で、あまり途中経過は比較的単調で、前に行った馬が4角前に捕まって、4角から先頭の馬が駆け抜ける展開。Steppenwolferを中心に買ってた人間としては、ここで誰やあの馬は、あとアメリカンな展開やなぁぐらいにしか思っていなかった。あと、横にいた黒人二人組が馬券を持っていたので大騒ぎだったことぐらいか。入った後に勝った馬がJazilであることがわかったぐらいの、完全にピント外れな見方をしてしまった。
で、良く後で見たら、出遅れしたのが勝ったJazilなわけで。ビデオを見ると後ろから縫うように上がっていって、3角で一気に抜いて4角で先頭というのが良くわかる。騎手も良かったが、馬もかなり差があった感じの勝ち方。
私のほうは、馬券も当たらずに結局黄昏、と言いたいがまだこのレースが終わった7時前はかなり太陽が高いのでそんな気分でもなく、祭の後をすこし眺めたあと、疲れた体を引きずって電車に乗る長い行列に並んだところ。競馬場から駅までの間、そこら中でライセンスなしの、マークを印刷したTシャツを$5で売ってるのが日本と違うところか。まあなんでもありというところで。
ちなみに、NYタイムズにも揶揄されていたが、今でもBarbaroは人気だった。たくさんの人がメッセージを寄せてより、添え書きの中には、日本語も。写真は$45で販売されていた。ある意味、今回のベルモントSの象徴だったのかもしれない。
その他、
こちらにかなりの数の写真を載せてみましたので、ご興味あるかたはどうぞ。