2018年09月29日

A級自戦記 人間の感覚とソフトの感覚

第56期名人戦A級リーグ 第6局
4黒 九段 岡部 寛(91分)
示白 九段 河村典彦(83分)
●49にて白投了 (5→6,7)
http://www.renju.net/media/games.php?gameid=77024

 男もすなる日記といふものを…ではないが、今期のA級に向けて、ついに私も連珠界の最強ソフトとされるYixin (http://www.aiexp.info/pages/yixin.html) を使った研究をしてみた。
 ソフトを使いこなすのは簡単ではないと思うが、連珠で食っているわけではない私達にとっては、仕事や睡眠の間も研究してくれるソフトは便利ではある。
 中村九段はそんな話を将棋の渡辺棋王としたことがあるらしく、まったく世も末だ (笑)。
 私はまだ到底使いこなせてはいないが、せっかくなのでYixin (Yixin2017、GUI + Engine) に絡めた自戦記を1局だけ書いてみたい。
 もちろん、連珠世界誌には全局投稿する (実はもう書き終えている)。

 なお本稿は人間とソフトの感覚を比較する例を示したものに過ぎず、人間の感覚=私の感覚ではないからあくまで一例に過ぎず、私のPCで動かしたYixinの手を示しているに過ぎず、手の善悪についてわかりやすく示したものではないことをあらかじめご容赦いただきたい。

  将棋などのソフトと同様に、Yixinも評価値を出してくれる。
 ただ、評価値を細かく出しているうちはソフトも可愛いもの、というのが私の感覚である。
 本当に絶対的な存在なら、「勝ち」「引き分け」「負け」、あるいはそれが何手先かしか言わなくなるはずだからだ。

 しかもこの評価値がちょっと曲者で、どうも「勝てる可能性が50%より高い」状態ではなく、「主導権を持って攻めている」状態に対してプラス点が出されるようだ(この傾向はBlack Stoneも同様と言われている)。
 明確に勝ちになると :-) のにっこりマーク、負けになると :-( のがっかりマークが出るが、詰みを示す10,000点までは行かなくても、500点程度でこのマークが出る。

 0〜500点の範囲がどの程度の意味かというと、基本的には点数が高いほど勝ちに繋がりやすい攻めと考えて良いのだが、私の感覚では
0〜100 たぶん勝てない。いずれ反撃される。満局も多いが、勝ちよりは負けの可能性の方が高い。
100〜200 勝てない可能性の方が高い。反撃はあまり怖くないことが多く、満局の可能性が高い。
200〜300 勝てる可能性の方が高い。反撃は怖くなく、満局もある。
300以上 ほどなく :-) のマークが出て勝ちになることが多い。
くらいだろうか。

 今回のA級の私の対局でいうと、たとえば小山戦は終始私にプラス200点前後をつけるのだが、最後まで打たせると満局になることが多いようだ。
 100点以内のプラスが続くのはいわゆる「攻めさせられている」状態が多く、序中盤ではプラス100点よりはマイナス100点のほうが勝てる可能性が高い感覚さえある。

 さて、今回のA級で対局後に最も「ソフトにかけてみたい」と思ったのがこの河村戦で、実際にとても興味深い結果になった。
 まず終局図はこちら。
6

 対局者の体感としては、
・黒は終始苦しかったが、なんとか攻めを繋いでいた
・黒25と黒31が白の動揺を誘う好手だった
というもので一致していた。
 対局者以外も、中盤までは白持ちが多かったのではなかろうか。

 ところが、私から見た評価値の推移はこちら。
岡部から

 ほぼ終始私にプラスをつけている上、Yixinと一致しない着手であることを示す赤色が、よりによって黒25と31の二ヶ所!なのだ (一致率の高さをアピールしたのではない、むしろ高すぎて色んな意味で怖い…)。
 100点以内のプラスが続いているのは、「終始苦しかったが、なんとか攻めを繋いでいた」の感覚と一致しているともいえる。

2

 黒25は、白の剣先を止めつつイ・ロの四追いフクミになっている。
 黒の攻めがすぐに切れるはずと思っていた河村九段は、これにより簡単には反撃に転じられないと悟り、動揺していた。
 しかしYixinの推奨は、黒25で先にAへ三を打っておく手だった。

3

 黒31は、白Aの三を黒Bから防ぐことにより、イ・ロ・ハの四追いを残そうという牽制である。
 白26・28によって黒は上辺を直接防がざるをえないはずと思っていた河村九段は、白26の四ノビが余計で黒31を誘発したと動揺していた。
 しかし黒25で26と先着する手を推奨していたことも示すように、白26の四ノビはYixinの推奨手である。
 黒31でのYixinの推奨は、黒Cと上辺を直接防ぐ手だった。

 一方、河村九段から見た評価値の推移はこちら。
河村九段から

 Yixinと一致しない着手であることを示す赤色が多くついているが、さほど評価値が動いていない白14・16・28・38あたりは、いわゆる「どちらも一局」なので気にしなくてよいだろう。

1

 まず白8でいきなり大きめの動きがあるのだが、これまでこの形は白8で先に10と打ち、次に黒11と打ち、その後白8黒9という手順で打たれていた。
 本譜の手順だと、黒11でAと打つ手があり、Yixinはそれが嫌なので白8で10を推奨する (皆もそう打つ) ようだ。
 ただしその割には、本譜白10まで進めて考えさせると本譜どおりに黒11と打つので、この白8や黒11も「どちらも一局」の範疇といえるだろうか。
 どうも白8は10、黒11はAのほうが良さそうなのだが。
 局後すぐに飯尾八段がやってきて感想戦に加わったのだが、遊星を打ちまくっている河村九段や飯尾八段がこの冒頭部分さえ正確に研究できていないようだから、私のような研究弱者でも効率よくやればうまく戦えるようにも思える。

4

 白32からはこのように打つのがYixinの推奨で、局後すぐ飯尾八段から指摘があった。
 黒31という思わぬ牽制にカッとなり、白34のような剣先も二連も止めないが手が視界から消える (ましてや勝てないと分かっていながら大損の白32〜38を打つ) のは、元名人も人間…ということだろう。

 なお、両者の評価値をよく見てみると、私が一瞬だけマイナス評価に転じたのは、疑問手認定をされた黒31ではなく、何故かトビ三を中止めする当然の白30の所なのである。
 100点程度のプラスなど、簡単に掌を返されてしまう良い例である。
  
Posted by hrs_okabe at 02:02Comments(2)

2018年09月10日

個性派連珠棋士/砂川昌基七段

1


 本日の東北選手権で、私のものではないが、こんな棋譜が現れた。
 黒13のミセ手に対し、大きく離れた白14が最善の抵抗になっている。
 ただこれは作戦ではなく、他に防ぎがないから仕方なく打ったそうで、黒11を打ち替えてもっと簡単な勝ちがあったし、本譜黒15からも勝ちがあった。

 しかしこの白14を見て、思い出さずにはいられない棋士がいた。


 砂川昌基(すながわ しょうき)七段

http://www.renju.net/people/worldplayers.php?people_id=527

 私以上の連珠歴を持つ棋士に「個性派といえば」と聞いたら、おそらく1位は砂川さんになるだろう。
 10年以上前に亡くなられているが、晩年に私は練馬連珠会や城西連珠会でよく教わっていた。
 ここでご紹介するのは、主にその晩年での話である。

 氏の主な実績は
1993年 名人戦A級出場
2000年 関東選手権準優勝
2001年 世界選手権QT出場
といったところだろうか。
 2000年の関東選手権では、中村茂名人(当時)を一蹴する白星を挙げている。

 ただ、氏の魅力は勝ち負けではなく棋譜にある。
 また、超早打ちでも鳴らしておられた。
 1993年のA級出場は、持ち時間が長く、当時の開局規定との相性もあって、ほとんど個性が発揮できず残念だった。


 「砂川流」と呼ばれる手はたくさんある。
 その中でも私がパッと思い浮かべるのは、以下の3図である。

2


 冒頭の東北選手権の棋譜は、この白16までの砂川流から、白6と黒9を除いた形なのである。
 しかしこの白16は練りに練られた作戦であり、仕方なく打たされた手とはワケが違う。
 まず白10で通常形から外れている。
 そこで黒はしめたとばかりに黒11から攻め始めるのだが、白16で止まっており、しかもこれが四追いフクミ!なのである。
 ただこれで白が良くなるわけではなく、まだまだ黒が攻める形であり、勝率としては今一つだった。
 砂川さんの狙いは黒にAと打たせることだったが、これとて白も簡単ではなく、他に黒B・C・Dなどと落ち着かれても大変だ。

3


 この黒15も斬新だ。
 白は上辺から右辺で攻めたくなるが、それだと黒15を利用したカウンターの筋があり、長谷川九段と石谷九段が全く同順で嵌ったことが知られている。
 ただこれも、白が下辺に狙いをつけて攻めると防ぎが難しいことがわかっている。 

4


 この白6は世界選手権QTでも白星を得ている手。
 黒に好きなだけ攻めさせた挙句に捕まえる作戦である。
 私も公式戦で打たれたことがあり、まんまと捕まってしまったが、失着に助けられて拾い勝ちした。


 砂川さんの作戦はよく「ハメ手」とも称されていたが、これは不本意だったと思う。

)榲は必敗とわかっている手
必敗ではないが最善でもないとわかっている手
世論とは違うが最善と信じている手
のうち、ハメ手といえば,里海箸世蹐Δ、砂川さんがそういう意図でかける作戦は決して多くなかった(全くなかったわけでもないが)。
 上図の銀月や瑞星は△良類で、最善とされる手では長手数になりやすい一方、砂川流は見た目にも面白くカウンターも強烈で短手数が多く、ギャラリー受けした。
 上図の疎星はだったと思われる。
 世論とは違うが「これがいいんですよ」と真顔で語る砂川さんの姿が脳裏に焼きついている。


 砂川さんが初めて有段者に教わったとき、自分では四段くらいあるのかなと思っていたら、2級と言われた、と聞いたことがある。
 ネット対局などあるはずもない世の中にあって我流で腕を磨き、いきなり2級というだけでも充分に凄い才能だ。

 そして、キャリアの中で、その晩年に最も魅力的な棋譜を量産した棋士である。
 余命を強く意識されるようになってから、一段と輝いたともいえる。
 ご自身の病状を涙ながらに語られていたこともあった。

 その時期に今の観る珠がいたら。
 あるいは題数打ちや四珠交替打ちの世に砂川さんがいたら。
 インスタ映えする連珠、なんて言われていたかもしれない。
 こんな芸術的な手を量産して、作曲家でもあるなんて、ズルいですよ、砂川さん。
  
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2018年08月17日

第56期連珠名人戦A級リーグの楽しみ方(たぶん最終回)

第56期連珠名人戦A級リーグ
9月15〜17日
西焼津セントラルホテル


http://www.renjusha.net/


■楽しみ方
 観戦も長丁場!

■9/15(土)
第1局  8:30〜
第2局 13:00〜
第3局 18:30〜
■9/16(日)
第4局  8:30〜
第5局 13:00〜
第6局 18:30〜
■9/17(祝)
第7局  8:30〜
第8局 13:00〜
第9局 18:30〜

※第2・5・8局は、第1・4・7局の進行状況により遅れる場合あり
※第3・6・9局は、第2・5・8局の進行状況により遅れる場合・早まる場合あり
※決定戦を行う場合の対局開始時刻と持ち時間は、審判長が決定する

 持ち時間は100分+10手10分なので、長いと一局4時間近くになる。
 つまり夜の対局は22時を過ぎることも少なくない。
 これでも健康的になったほうで、第53期までは持ち時間120分だったから日付をまたぐことも少なくなかった(そういえば私自身は16回出ていて日付をまたいだ記憶がないなと思っていたら、夜戦で両者10手10分になったのは1回だけで、2回の決定戦も短時間で終局していた)。

 3日間とも都合のつく方は、A級棋士になったつもりで第1局から頭フル回転で追いかけるのも一つの手かもしれないが、かなりスタミナのある方でも、第4局の朝に寝坊するか、第5局か第6局で寝落ちするくらいが相場かと思われる。
 対局者は次戦まで70分休憩する権利を持っているが、長引いた終局と早まった開局を連続して見届けるようなことがあると、休む暇がない。
 9/17(祝)の最終日を朝から晩まで食いついて見てしまうと、9/18(火)の朝から日常生活が待ち受けている方は、復帰が困難になるであろう。

 組合せ抽選はたしか前日9/14(金)の20:00だったと思うので、21:00ごろには対戦順がどこかにアップされるはずである。

 あくまで過去の出場時の印象であるが、今回のメンバーであれば
・何局も100分を使い切りそうな長考派…神谷、松浦、久家
・60分使わないことも少なくなさそうな早打ち派…佐藤
・長かったり短かったり…他6名
といったところだろうか。

 現地観戦、ネット観戦、解説会など色々な方法はあるが、運営者や解説者の皆様を含め、昨今の熱中症対策ではないが、どうか適度に休憩を取りながらご覧いただきたい。
 現地の運営も100%リアルタイムで情報をお届けできるわけではないので、上記開始時刻の30分後から見始めるなど、適当なスケジュールを立てられることをオススメする。

 もちろん出場者の立場としては、夢中でご覧いただけるような対局をお届けしたいところではある(自分だけ早く勝って、他局が熱戦になってくれるのが一番の理想ではある…?)。
 中継や解説会の詳細は、確実な情報が入り次第お知らせする。

  
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2018年08月16日

第56期連珠名人戦A級リーグの楽しみ方

第56期連珠名人戦A級リーグ
9月15〜17日
西焼津セントラルホテル


http://www.renjusha.net/

■楽しみ方
 提示珠型の意味するところ

 題数打ちの最終年度であった前々期第54期と、四珠交替打ちの初年度であった前期第55期の、各人の提示珠型について見てみよう。

2

1

 
濃いアミカケは大会中全局その珠型を提示したことを示し、薄いアミカケは大会中にその珠型を複数回提示したことを示す。
 右の数字は、各人が1珠型目を何回、2珠型目を何回…と提示したかを示す。

 これだけでは充分なデータ量とは言い難いが、第54期に対して第55期のほうが、特定の珠型に絞る傾向が強くなったことはなんとなく見て取れる。
 四珠交替打ちになって1つの珠型に対して求められる研究範囲が広がり、多くの珠型に手を出している場合ではなくなった、と考える棋士が増えたことを示している。
 なお上表を見る限り、最も典型的な動きを見せているのは長谷川九段といえるが、長谷川九段は元々珠型を絞る傾向が強い棋士であり、第54期の5局バラバラというのは今はじめて知って驚いた。
 長谷川九段以外の連続出場者6名は2期とも似通った傾向にはなっており、各人の性格や研究状況が垣間見えて面白いが、第54期は2珠型を提示している飯尾、松浦、丸山の各氏が第55期では1珠型と心中しているのが興味深い。

a) 相手ごとに提示珠型を決めておく。仮後になった相手に対しての作戦は無駄になとるがやむをえない。
b) 大会を通じての提示珠型を決めておく。複数ある場合は、仮先になった相手に対して振り分ける。
c) その場で決める

 大雑把にはこの3タイプに分かれるのだろうが、四珠交替打ちでa) を採るのはかなり大変で、b)の棋士が増えたとも見ることができる。
 1珠型に絞っている棋士はb) の思想なのだろうが、2珠型以上提示している棋士はこの表だけでa) b) c) どれかを判断するのは難しい。
 c) もA級の舞台とはいえ意外とあり、大会中に打たれた形を別の相手に使ってみる、感想戦で仕入れた情報を使ってみる、相手が大会中に負けている形をまた打たせる、あるいは全くの勘!というのも私に限らず少なくない。

 なお余談だが、題数打ち時代にa) の思想を採っていた典型的な棋士が大角九段である。
 彼の言葉を極力そのまま再現すると、「A級リーグをどうしても突破したいとなったとき、あらかじめ決めた珠型は変えんとこうと思った」とのことで、具体的に第何期からの話なのかは聞きそびれたが、実際に初めてA級を突破(優勝)して名人も奪取した第48期の時点では実行していた。
 彼が凄いのは、その上で全局バラバラの珠型を提示していたこと、しかも世界選手権ATに出場した2回(共にAT直接出場)は、QTを勝ち上がる可能性がありそうな相手すべてに対して作戦を用意していたことである。
 つまり過半数の作戦が目先の大会だけを考えれば無駄になるわけだが、それでも準備することを徹底していた(気が変わることもゼロではなかったようだが)。

 さて今期のA級に話を戻すと、ある程度は前期第55期の傾向が続くと思われる。
 第1・2局で提示した珠型をその後も何回か打つ可能性が高いので、観る側としては、ご自身が好んでいる珠型を提示した棋士にその後も注目するのもよいだろう。
 また、途中まで珠型を固めていた棋士が別の珠型を提示したとき、それが意味するところは何か、というのも注目ポイントとなろう。
  
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2018年08月15日

第56期連珠名人戦A級リーグの楽しみ方

第56期連珠名人戦A級リーグ
9月15〜17日
西焼津セントラルホテル


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■楽しみ方
 地区間闘争

 近年連珠を始められた方々には、この点はまだ馴染みがないようなので、ぜひ紹介しておきたい。

A級

 現在の各地区のA級出場枠は、東日本と関西北陸が2、東海と中国四国と九州が1となっている。
 これも各地区の勢力図に大きな変化があれば見直される可能性があるが、基本的にはいわば「固定票」である。
 「浮動票」にあたるのが名人とA級シード(前年3位以内)であり、これをどの地区の棋士が獲得するかによって、いわば「議席数」が変わってくる。

 ご覧のようにこの2年は名人からA級3位までが東日本地区所属者によって占められているため、さながら「単独与党」のようでもある。
 あるいは気圧配置ならば「東高西低」だ。
 同じように第36・37期もA級上位3名の顔ぶれが変わっていないのだが、このときはまさに「西高東低」と称されていた。

 苦戦が続く東海・中国四国・九州地区だが、今期の3氏はまごうことなき各地区の最強者であり、期待を背負っている。
 中国四国の松浦七段と九州の久家七段は、同地区での直近のシード獲得者だ。
 東海は第20期の10名9局制定着後シード獲得が一度もないが、石谷九段はその間の最多出場者であり唯一の勝ち越し記録者である。
 中山新名人誕生を上毛新聞が大きく扱ってくださったように、地方在住棋士の活躍は連珠界全体にとっても非常に良いことだ。

 ただやはり、上表を見る限りにおいては、まず注目すべきは東日本と関西北陸の対決と考えられる。

 もちろん当人、特に3位と4位の棋士にとっては天地の差である。
 傍からは、前期A級4位の棋士が予選で落ちるはずはないと思われるかもしれないが、その事例は決して少なくない。

 昨期で言えば、私が勝点6の3位、飯尾八段が勝点5の4位で迎えた最終局、私と同じ東日本の佐藤七段が飯尾八段と当たっていた。
 対局前の激励に応えて?佐藤七段が勝ってくれたおかげで、私は自身の終局を待たずに3位が決定した。
 そして佐藤七段は今期もしっかり予選を勝ち抜いて出場を決め、一方で飯尾八段は予選落ちを喫した。
 このような1年越しのドラマもある。

 ただし、たとえ自地区同士でも全力を尽くすのが当然である。
 上表で言うと、第36期の最終局、3位争いで長谷川九段を半星リードする奈良八段は、同地区の鈴木五段と当たっていた。
 結果は100手を超えての満局となり、3位決定戦で長谷川九段が勝って逆転でのシード獲得となった。
 日本の名人戦に、世界選手権やチーム世界選手権のような特殊規定(同国同士を先に当てる)は必要ない。

 また、ある意味で当人以上にこの点に注目しているのが、各地区の予選で惜しくも敗退した棋士である。
 今期で言えば、何といっても関西北陸地区予選3位の舘五段や4位の飯尾八段は、全力で河村九段・長谷川九段を応援するだろう。

 東日本の5名 vs 河村九段・長谷川九段 に注目してみるのも、一つの楽しみ方といえる。
  
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2018年08月14日

第56期連珠名人戦A級リーグの楽しみ方

第56期連珠名人戦A級リーグ
9月15〜17日
西焼津セントラルホテル

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■楽しみ方
 中村九段の戦いぶり

 やはりこれは外せない。
 連珠のある所に中村茂が存在すれば、本人にその気が無くとも、場の支配者となる。
 他の出場者である私の立場からすれば不本意きわまりないところではあるが、それほどのものを積み上げてきた人物であることは、誰も否定しえない。
 僻んではいけない。

 されど、私は出場者である。
 もちろん極端に客観性のない内容であったり、それこそケンカを売るような内容を書くつもりはないが、これを読んだ私以外の出場者が有利になるような内容を書くつもりはないので、そこはご了承願いたい。

 「A級リーグに俺の居場所は無いから」
 これは、中村九段が前回出場したA級の最終局後に漏らした言葉である。
 6年前の第50期、負けなければ優勝が決まる最終局、局面は満局必至となっていた。
 しかし気鋭の長副四段の面倒を最後まで見る形で打ち続け、ついに96手で勝利を収めた中村九段の顔は、憔悴しきっていた。 
 名人復位への決意というよりは、率直に、A級がそれほど疲れる戦いであったことに対して発された言葉であった。

 今期のA級は連続出場が5名、2期ぶりが2名、3期ぶりが2名で、5期ぶりの中村九段が最長ブランクとなる。
 何しろ名人在位が長すぎるため、過去のA級出場はたった5期しかなく、前々回はなんと21年前の第35期(38歳)である。
 現在の中村九段の長丁場の戦いとして参考になるのは、下記の3大会くらいだろう。


2017年世界選手権AT(57歳) ※棋譜は第9局林書玄戦
http://www.renju.net/media/games.php?gameid=71392
2012年名人戦A級(53歳) ※棋譜は第8局中山六段戦
http://www.renju.net/media/games.php?gameid=50135
2009年世界選手権AT(49歳) ※棋譜は第9局スシュコフ戦
http://www.renju.net/media/games.php?gameid=14126

 いずれも大会終盤の勝負どころで素晴らしい完勝譜を残しており、恐れ入りましたとしか言いようがない。

 ただし興味深いのは、この3大会ともに、前半戦はかなり大きなミスが目立っていることである。
 途中でそれを持ち直し、そのままゴールして優勝できたのが2012年のA級、最後にまた崩れて4位に沈んだのがATの2回、ということになる。
 今回も、9局すべてで高いパフォーマンスを発揮できるとは考えていないだろう。
 他の年長棋士の集中力が必ずどこかで途切れていることも、よく見抜いている。

 今年のサッカーW杯でも、優勝候補、特に攻撃力の高いチームに対する極端に守備的な戦術が見られた。
 今期は超高齢A級リーグである。
 もちろん9局すべてに全力を尽くす(変な言い方だが、尽くしてしまう)のがA級棋士の性ではあるが、今期に限っては、優勝戦線かく乱に重きを置く、あるいは少しでも勝ち点が得られる可能性が高い対局に重きを置く、といった戦略が出てくるかもしれない。
 この影響を受ける可能性が最も高いのが、中村九段であるといえる。

 言い換えれば、他の出場者が中村九段に対してどのような戦い方をするか、が一つの楽しみ方といえる。
  
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2018年08月13日

第56期連珠名人戦A級リーグの楽しみ方

第56期連珠名人戦A級リーグ
9月15〜17日
西焼津セントラルホテル

http://www.renjusha.net/

 いよいよ1ヶ月ほどに迫ってきた。
 私自身が出場者の立場ではあるが、客観的に、今期A級リーグの楽しみ方をいくつかご紹介してみたい。

■楽しみ方
 おじさん達の頑張り!

 今期はなんといってもコレである。
 まず出場者を年齢順に並べてみよう。

石谷 信一 九段 (75)
松浦  浩 七段 (63)
久家 彰夫 七段 (62)
佐藤 清富 七段 (61)
中村  茂 九段 (59)
長谷川一人 九段 (55)
河村 典彦 九段 (53)
岡部  寛 九段 (32)
小山  純 六段 (28)
神谷 俊介 珠王 (24)

 50代以上が7名!
 絶対的な信頼を誇る某情報筋によると、これでも平均「年齢」を取ると史上最高齢ではないらしいのだが、平均「日齢」は史上最高齢らしい。

 こう書くと「連珠界は若手の育成が進んでいない」という声が必ず出る。
 若手の育成に貢献していない人間ほどこれとを言う。

 しかし各地の予選に目を向けると、東海で藤田五段、関西北陸で舘五段、九州で河野五段といった20代棋士が次点ないし次々点に泣いており、今期はたまたまそういう巡り合わせであったに過ぎない、といったことがまず一つ。
 ちょっとしたズレで若手中心のA級になった可能性もある (逆に小山六段が予選落ちしていたら、と考えると恐ろしいが)。

 また、河村九段〜私の20年間の人材難は、私が7歳で連珠を始めた時点で既に言われていたことである。
 そのような現象が起こった理由は書くまでもなく、嘆く暇があるなら尻拭いに奔走する我々に少しは手を貸して欲しいものである。

 さて、それより何より、このおじさん達はタダモノではないのである。
 まず、初出場時の年齢順に並べてみよう。

佐藤 清富 (48)
松浦  浩 (27)
小山  純 (25)
石谷 信一 (24)
河村 典彦 (21)
長谷川一人 (21)
久家 彰夫 (20)
神谷 俊介 (19)
岡部  寛 (16)
中村  茂 (16)

 逆に佐藤七段のオールドルーキーぶりが目立っているが、超若手と言われる年代からA級入りを果たしているようなメンバーなのである。
 そして初出場時の成績順に並べ替えてみると、

中村  茂 / 第13期 / 6勝1敗1分(優勝/9名、五番勝負3勝1分で名人就位)
久家 彰夫 / 第14期 / 5勝2敗0分(2位/8名)
河村 典彦 / 第24期 / 5勝3敗1分(3位)
長谷川一人 / 第22期 / 5勝4敗0分(5位)
神谷 俊介 / 第51期 / 4勝3敗2分(5位)
小山  純 / 第53期 / 3勝3敗3分(6位)
岡部  寛 / 第40期 / 4勝5敗0分(7位)
石谷 信一 / 第6期 / 7勝10敗1分(6位、先後2局総当り)
佐藤 清富 / 第43期 / 3勝6敗0分(8位)
松浦  浩 / 第20期 / 2勝6敗1分(8位)

 これだけでは伝わりづらいかもしれないが、初出場で勝ち越したのは、第1期の4名を含めても、歴代A級棋士99名のうち20名しかいない。
 それが今期は10名中5名もいる。
 この中では最も悪い2勝6敗1分というのが、だいたい初出場者の平均値なのである。

 開局規定が変わろうが何をしようが、こんなメンバーを予選でやっつけるのは大変!なのだ。

 この年齢でもA級の晴れ舞台で輝けるというのは、逆に夢があるともいえる。
 なお、石谷、松浦、久家、佐藤、中村、長谷川、河村のうち誰かが優勝すれば、歴代最高齢記録更新となる。

 ただ、A級は持ち時間100分+10手10分を3局×3日で連闘する過酷なリーグ戦である。
 100分×3=300分=5時間で、持ち時間5時間の戦いを3日連闘するというのは、過酷というよりは狂気といったほうが正しい。
 現実的には岡部、小山、神谷が有利なのだろう・・・か?(続く)

  
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2018年07月30日

Schedule of Youth World Championship 2018

    We are so sorry that we didn't prepare schedule in printed papers.
    Now you can see here;

2018YWC


  
Posted by hrs_okabe at 23:18Comments(0)

2018年07月17日

ワールドカップなど

 サッカーのワールドカップ、半分くらいの試合(日本時間23時か0時開始の試合はほぼすべて)を生放送で見た気がします。
 日韓大会の時よりもたくさん見たかもしれません。
 あの時は高校生で、日中に日本の試合がある日に「早退したら停学」というお達しが出たことを思い出します(かと思えば、視聴覚室で試合を見るだけの授業もあったらしい・・・)。

 今回特に印象に残った試合は、
スペイン−ポルトガル
日本−セネガル
フランス−アルゼンチン
日本−ベルギー
そして決勝のフランス−クロアチア
と、思い出してみると全て両チームに2点以上入った試合で、素人全開の感想ですね。
 やっぱり見ている分には二転三転のゲームが面白いです。
 やっているほうは大変でしょうが・・・。

 あと印象に残ったこととして、大会直前に放送されたある番組で知ったことがあります。
 2006年の大会で日本の監督だったジーコさんは、膨大な対戦国のビデオ資料を準備したスタッフに「素晴らしい、これほどの分析をブラジル代表がやったら、確実に優勝するだろう。しかしサッカーがストレスになってはいけないんだ。サッカーは楽しくなければいけないんだ」という趣旨のことを伝えたそうです。

 連珠に置き換えてもまさに当てはまるところがあり、それどころか私達はプロではないですし、幸か不幸か日本代表といっても国民の期待を背負っているわけではありませんから、ストレスを感じるのは不自然なのかもしれません。

 ただ、だから皆さん今すぐ連珠は楽しくやりましょう、と言いたいわけでもありません。
 私の価値観を押し付けるつもりはありません。
 ワールドカップに出て活躍できるようになるためには、楽しいと思う程度の修練ではダメなのか、逆にそれをも楽しいと思えなければダメなのか、私にはわかりません。
 ワールドカップは大事で少年サッカーはどうでもいい、なんてこともありえません。

 私の場合、16〜22歳くらいの頃は「連珠」と「楽しい」は水と油のように結びつかないものでした。
 国内では名人戦でA級入り〜五番勝負初登場の時期、国際大会では世界ユースで優勝して世界選手権でも本戦の常連になっていった時期ですが、当時の私の実力では、狭い世界とはいえ重要な対局にかかるプレッシャーを消化できませんでした。
 世界選手権の発足当初は日本の上位独占が当たり前でしたが、私が本戦に出るようになったのは各国が強くなってメダルを取るのも難しくなってきた頃で、生まれてくる時代を間違えたと思っていました。
 対局自体もストレスでしたが、対局以外にも国際的な開局規定の議論という大きなストレスがありました。
 そして、本業である高校生・大学生としてのストレスは、付属高校に入学して大学受験をしなかったこともあり、これを上回るほどのものではありませんでした。
 A級棋士のような周りに憧れられるような立場の人が「楽しみたい」という抱負を述べるのも大嫌いでした。

 しかし社会人になってこれとは比べ物にならないストレスが取り巻くようになり、また社会人になるタイミングで先輩方(不思議と、連珠界では私が先輩だが年齢は上、という方々からかけられた言葉が印象に残っています)からいただいたアドバイスもあり、「連珠」と「楽しい」を何年もかけて無理矢理に頭の中で結びつけて今に至っています。
 私の場合、正確には「楽しい」の前にまず「ストレス発散」に結びつけたのであり、相対的に連珠よりも大きなストレスを他で抱えるようになったからこそできた思考回路でした。

 何でもあっけらかんと楽しめる人はそもそもこんなことを考える必要はないでしょうが、一般的には実力が高まるほど楽しめる可能性も高くなるものと思いますし、あそこまで言えるのはジーコさんだからこそでしょう。
 今後、心と体が完成していない年齢にもかかわらず大きなプレッシャーを背負う存在が連珠界に現れたとき、本人に、周りに、どんな言葉をかけるかと想像することもあります。
 そのような存在であれ、連珠を楽しめていない方であれ、楽しくてしかたない方であれ、共通して言えることは「今より楽しめる時期がこの先にやってくる」ことと、「今より楽しめる時期を想像するとよい」ことかと思います。
  
Posted by hrs_okabe at 23:55Comments(0)

2018年07月11日

連珠の5手目の考え方-余談

開局規定について少し触れておきます。


 私は珠規審議委員長ですので、開局規定については、個人の意見を述べるよりも意見を引き出す、まとめるといったことを重視しています。
 現在や過去への評価以上に、将来への具体案を歓迎したいと考えています(開局規定に限らず、議論が起こってもなかなか具体案が出てこない世界であることが切実な悩みです)。


 良い開局既定の条件とは何でしょうか。
仝平である
∀斥的である
2甬遒慮Φ罎無駄にならない
ぅ肇奪彜士でも様々な戦型が打てる
ソ蘓桓圓砲發錣りやすい

 他にも色々とありますが、パッと思いつくのはこんなところでしょうか。

 現在の開局規定である四珠交替打ちはどうかというと、残念ながら 銑イ垢戮討鯔たすとは言いがたい状況です。
 立場によって、重視する点も変わってきます。

仝平である
 100%かどうかはともかく、今のところ問題はなさそうです(意見が割れる可能性はありますが)。
 一代前の「題数打ち」その前の「珠型交替五珠2題打ち」も、この点を問題視されたわけではありませんでした。
 その前は公平性に疑問符がつく(あるいは採用後に研究が進んだことによって疑問符がついた)開局規定もあり、珠型を抽選で決めたり、黒白1局ずつ打ったりしていました。
 交替打ち=互角の形から始める=公平、というほど単純な問題でもなく、交替打ちであっても不公平が生じることはあり、今後も細心の注意を払うべき観点です。

∀斥的である
 この点では、残念ながら、連珠の歴史上ワーストの開局規定といえそうです。
 なぜか。
 元々有利な黒だけでなく、元々不利な白までもが、白4を緩めることによって成り立っている開局規定だからです。
 これまでの開局規定では、常に黒だけが(黒3と黒5だけが)緩めていましたが、白が緩めるのは歴史上初めてです。
 ただ、考えようによっては、四珠交替打ちを採用した歴史を作ったことにより、今後この観点はあまり重視しなくてもよくなったのかもしれません。
 四珠交替打ちへの否定的な意見は色々とあるのですが、私個人としては、この点への抵抗が最も大きいものでした。
 黒だけが緩めることにこだわるならば、黒1を天元以外に打つ、黒3の枠を広げて52珠型にするといった案もありましたが、26珠型へのこだわりは日本国内だけでなく、珠型名に機械的な番号を用いている諸外国にも強くあるようでした。 

2甬遒慮Φ罎無駄にならない
 問題なさそうです(これまた意見が割れる可能性はありますが)。
 この点は主にベテラン勢が不安視していた(今もしている)のですが、若手同士が超古典形を打つようなケースもありますし、たとえば今期の名人戦予選もベテラン優勢です。

ぅ肇奪彜士でも様々な戦型が打てる
 問題なさそうです。
 コンピュータに解決されないためにはもっと戦型を広げる開局規定でなければダメだ、という声もなくはないですが、その本人がトップ棋士相手に「そんなの研究済みだから」と言わんばかりの勝ち方を連発する、すなわちトップ棋士の座を奪うくらいでないと声が通りません。
 公平性に問題がなく論理的だった過去の開局規定が変わっていったのは、声の通るトップ棋士の多くが不満を持ったことが主な理由です。
 トップ棋士が連珠界全体の権力を持つことには抵抗もありますし、トップ棋士とそうでない棋士とで純粋な多数決をとれば勝つのは後者です。
 過去の開局規定でも「まだまだ作戦は眠っているはずだ、それを掘り起こせないのはトップ棋士の研究不足だ」と声を挙げる人はいました。
 ただ、それを実証できればやはりその人自身がトップ棋士になれているわけで、このあたりはなんとも微妙なバランスの上に成り立っている世界なのです。


ソ蘓桓圓砲發錣りやすい
 この点も、残念ながら、連珠の歴史上ワーストの開局規定でしょう。
 ただ、開局規定の議論が最も活発だった頃、RIFの会長だったヨンソン氏が「ポーカーの役を覚えるのと、連珠の開局規定を覚えるのと、どちらが大変だろうか」と言っていました。
 伝え方次第と感じる部分もあります。

 なお、きイ鷲ずしも矛盾の関係にあるわけではなく、3つともある程度は高水準となる開局規定の発掘を諦めているわけではありません。
 また、 銑イ料躪臈世高いほど良い開局規定というわけでもなく、なるべく多くの人が満足(とはいかないまでも妥協)できるという、極めて曖昧なことが大事だったりもします。
 当たり前ですが、コロコロ変えるのはよくない、ということも意識する必要があります。


 さて、余談の余談。

 四珠交替打ちは「ソーソロフ8」という通称がついていますが、これは実におかしなネーミングなのです。

 四珠交替打ちを最初に提唱したのはヨンソン氏で、上限題数は3でした(当時は五珠2題打ちで、ヨンソン氏は大幅な変更は望まない思想でした)。
 もちろんこれはヨンソンルールと名付けられましたが、研究が進んで上限3題ではトップ棋士にとって不充分なのではと憂慮したソーソロフ氏が上限4題を提唱し、これがソーソロフルールと名付けられました。
 ここまでは良いとして、誰からともなく上限5題はどうか、6題はどうかという声が出るにつれ、「ヨンソン5」「ヨンソン6」とはならず、「ソーソロフ5」「ソーソロフ6」と呼ばれました。
 ソーソロフ氏の人望は絶大ですが、ヨンソン氏もそれに勝るとも劣らない数少ない人物ですから、なんとも不思議な現象です。

 なお、題数打ちも日本の山口釉水九段が提唱したとして「ヤマグチルール」と呼ばれていますが、これもその前に、開局規定について非常に熱心だったロシアのタラニコフ氏がRenju World誌へ提唱していました。
 これも人望云々ではなく、本格的に議論が熱を帯びた頃には、タラニコフ氏は別の開局規定を推していたことが原因です。
 タラニコフ氏の意見は当時あまり受け入れられず、大国のロシアだけに国内の意見がまとまりにくかったことも気の毒でしたが(国際会議では当然1国1票)、10年以上経った現代では、当時の彼に近い思想を持つ棋士も少なくありません。  
Posted by hrs_okabe at 00:28Comments(0)