2018年12月09日

2018年公式戦終了

 本日の帝王戦リーグをもって、私の2018年の公式戦は終了しました。
 ちょうど50局で32勝17敗1分でした。

 勝率65%は去年より10%以上悪いですが、よくこの程度で済んだな、という印象です。
 しかも来年の帝王戦決勝と名人戦A級の出場権を確保しており、棋戦優勝も3年ぶりに複数回、チーム世界戦でもメンバーの活躍に助けられ銀メダルと、むしろできすぎです。
 1月の珠王戦と三上杯で相当な変調を意識しましたが、その原因がつかめないまま1年を過ごし、スポーツなら怪我を抱えながらだましだましプレーしている感じでした。
 17敗は自己ワーストタイのようですが、それ以上に満局がたった1局というのが極端で、中国でのあのトビ三見落としを筆頭に、終盤の大頓死がいくつも思い当たります。
 終盤がそういう状態なので、本能的に序盤での相手の失着を期待していたのか、峡月の五珠を誤らせて勝ったのが今年だけで4局…。

 これは本格的に脳が劣化し始めたか?と考えざるをえないのかもしれませんが、1年終了というタイミングで振り返ってみると、今年は公式戦以外での時計を使った対局が極端に少なかった気がします。
 東京オープンに行けない日が例年より多かったですし、ネット対局もやっておらず、ソフトも対局相手としては使っていません。
 公式戦には例年どおり出ているが、実は実戦勘が鈍っている、という状態だったのかもしれません。
 要するに調整法にいくらでも改善の余地があり、まだまだ伸びしろだらけ!ということでしょう。
 来年は年明けに明確な転機が訪れるので、連珠の成績も前向きな転機となるよう調整していきます。
 対局時計が動いてからの持ち時間を活かすためには、対局時計が動く前の持ち時間を活かすことが大事ですからね。

 なお、今年も公式戦で挙げた勝数にちなみ、32勝×500円=16,000円をマダガスカル口唇口蓋裂医療協力へ寄付します。
 一つでも多くの命が救われ、幸せな生活が送られることを願っております。
  
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2018年12月01日

棋士は何故、自戦記を書くのか (SOPAI cup)

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現在時刻、0:11。
先日の中国遠征:SOPAI杯の自戦記を書きたいと思う (今回はこのblogだけに書くこととする)。
敗軍の将が兵を語るわけだ。
1時間以内で済ませてやるんだからな。

棋士は何故、自戦記を書くのか。
皆さんは、自戦記を多く書いている棋士に聞いてみたことがあるだろうか。

私の場合、主な理由は2つ。
1つは、中学生時代に当時の連珠世界誌編集長におだてられ、それ以来うっかり習慣化してしまったこと。
国際大会と名人戦A級は、自戦記を投稿するまでがルーティンとなっている。
そしてもう1つは、成績や内容が不本意だった場合に、「さっさと忘れる」効果があること。
多かれ少なかれ向上心のある人間であれば、棋士の対局に限らず、あらゆる行動に何かしら不本意な部分があるはずである。
つまりほとんどの自戦記は、さっさと忘れたくて書いている。
11月号のA級自戦記ではないが、それこそ始末書のようなものだろうか。
顛末書や始末書は、本来、気持ちを切り替えて頑張りなさいという意味のものと解釈している。

始末書とはいわないまでも、報告書と自戦記が似ていることは間違いないだろう。
どこの世界にも報告書はあるから、何らかの意義はあるに違いない。
書いたら偉い、書かないのは悪い、とは言いたくない。
各棋士の自由だ。
中村茂九段の自戦記は滅多に見ないから、自戦記を書かないと強くなれないよ、と言っても説得力が無い。
立派な理由は書けないが、私にとって自戦記はそういうものだ。

私は10代前半の頃から国際大会を経験してきた弊害として、失敗を恐れすぎて伸び悩んだ自覚がある。
しかもその自覚が遅く、薄かった。
世界ユース選手権で優勝した私に、まだ10代の私に、「伸び悩んでいる」ことを自覚しろというのも無理があるとは思う。
が、今思えば、必要な自覚だった。
私が連珠において人を簡単に褒めないのは、そういうバックボーンもある。
意欲のない人を褒めて意欲を呼び起こすのは、正しい。
しかし放っておいても意欲がありそうな人を簡単に褒めるなんて、無責任きわまりない行為ではないのか…と。

しかも、国際大会で負けて帰ってくると、どうしても日本全体の問題という論が出てくる。
幸か不幸か今は慣れたので大きく凹むことはないが、私のせいでそういうことを書かれたり言われたりするのは、避けられるものなら避けたいところではある。
今回は特に、3位に入った本人である中山名人にそう書かせてしまい、これは先輩として恥ずかしいことをしてしまった…という気持ちが強い。
中山名人のブログより
ただ彼自身、昨年の世界選手権ATでは、よくもまぁこんな失敗を堂々と…という棋譜をいくつも残している。
その姿勢が数ヶ月後の名人奪取につながったことは、明らかだった。

私の情報は連珠界の至る所に出回っているが、今回のほとんどの相手は初対面だし情報が無い。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず、ができない。
そんな中で何ができるか?
32歳、珠歴25年、なかなか新鮮な旅であった。
しかも、日本に2つしかない全国タイトルを持つ2人である、中山名人と神谷珠王との旅である。
彼らから吸収することも多いだろう。
負けても何かの出場権が奪われるわけではない。
様々な条件が揃った、またとない機会だ。

…まさかトビ三を見落とすとは思っていなかったけれど!!

第1局○
前日20時の開会式の後、不意に、「相手は70歳を超えている」という情報が入ってきた。
今回の私には不要な情報だったが、つい本能的にそれを活かし、日本の同年代の棋士と打つ感覚になってしまった。
最新研究に触れている若手や中堅なら、黒5はこの盤端関係だと芳しくないこと、他に有力な黒5がたくさんあることを知っているだろう。
しかしこの相手ならと、あえて6題と少なめに出して守備的に黒を捕まえに行く策を採った。
白26の三ヒキが黒の戦力を無力化する味の良い手で、黒27で他の止め方をしても勝勢に揺るぎはなさそうだ。

第2局●
長星は私にとって妙に相性の悪い珠型である。
今回の9局の中では唯一対戦経験のある相手だったが、私の苦手を意識していたのだろうか。
白4は流星共通だが盤端違いで、9月のA級で誰かに打たれたら使うつもりだったのだが、たった2ヶ月で研究は忘却の彼方…。
白8と打った形は、38の地点が将来的な双方の急所として目が行く。
本譜の進行で、白16に代えて38へ打てば完封形と楽観していたが、それではまずいことに気づかず白14まで進めてしまう体たらく。
泣く泣く白16と内側を防いだが、それなら白12で16だった(であれば黒38が大した手にならない)、と局後両者一致した。
ただ、気持ちよく黒17・19と打たれても白20で案外難しいと私は見ていて、相手はスイスイ打ち進めた末に白28を見てヨミ違いに気づいたようで長考した。
ここで平凡に黒29と押さえる手が必勝のフクミ手になっていたのは、ヨミ違っていた相手がそれに気づいた時点で局面がこちらの負け、という最悪な流れである。
不調 (不運も加味したもの) を意識して打たざるを得なくなった。

第3局●
問題のトビ三見落としが本局。
黒5は必勝、この白6には黒7、という所までは題数打ち時代の知識 (金星などからも出る形)。
相手はそれさえ知らないようで、ノータイムの黒7を見て頭を抱えるも、白12・14は妙に力強く打ってきた。
黒19が問題で、単に21と止めてしばらく白の攻めを防ぐのが正着らしい。
勝ち方が判らなかった以上、気持ちを切り替えて打つしかない。
どうしても主導権を維持したいという意思の白26・28に、黒29と泳がせる策を採る。
その後の攻めには手を焼いたが、相対的に見れば、一連の白の攻めの間に時間を多く使ったのは相手の方だった。
しかも相手は白34で勝ったつもりだったようなので、落胆も大きかった。
相手の力みをうまく利用した形だが、これは絶対に勝たねばと逆に私が力んでしまった。
あえてトビ三を見落とした理由を書けば、e8に幻の黒石が見えており、黒71でj13と防げるつもりだったのだ。

第4局○
トビ三を見落とし、もう怖いものはない。
それが良いほうに出たのが本局。
白8は、白10黒15の交換を入れてから打つのが今は多いらしいが、私の棋風には単に打つ方が合っている (というか、交換を入れた形が打たれていることを対局中は完全に忘れていた)。
黒17と打って黒には剣先も二連もなく、白18が腕の見せどころである。
ミスのしどころでもあるのだが、こんな状況でもプラス思考になれるのは私の強み…なのだろうか。
黒21はi8と外止めされる方が嫌だった。
そのとき白は21・37・40とヒキ出して露骨に長連筋を狙う順があるが、それは今ひとつ効果が薄いと見ていた。
白18・22と広い所に並べば、一気に勝てなくても徐々に優位を拡大できる。
黒23もi8が嫌で、それならもっと手数をかけて勝ちに行く構想だった。

第5局●
怖いものはない、というのが悪いほうに出たのが本局。
2度目の名月提示。
この後の第7局を含めて名月を3回提示したが、3名とも露骨に困っていた。
名月は四珠交替打ちでようやく脚光を浴びた珠型だ。
中国はまだ国内の公式開局規定が題数打ちで、四珠交替打ちの序盤研究はまだまだのようだ。
しかも中山名人が書いているように、最先端のものすごい研究をしている人もいるものの、その人が実戦家ではない、かつ実戦家と情報交換をしているわけではない、という状況らしい。
伸びしろも無限大である。
本局の白4で4題提示というのは無理で、白8はj8で必勝。
20分弱で白勝ちをヨミ切ったつもりで白8と打ち、トイレに行っている間に本譜の黒勝ちが見えてしまい (1・9・15の剣先をうっかりしていた)、戻ってきた瞬間にj8に打つのだったと気づく。
お粗末…。

第6局●
第4局に続いて女性との対局。
2日目以降の仮後(第4・6・8局)は、もはや上位を目指せる立場にないこともあり、白4を相手に打たせて作戦を受けて立つことにしていた。
しかし見事に3局とも一番嫌な白4を打たれてしまった。
おでこに中国語で何か書いてあったのだろうか…。
黒7が好手というのは見覚えがあったが、それを自分で納得するために大長考してしまった。
白6までは黒白が分断された急戦形で、こういう時は消去法で考えた方が早いのに、そんな基本も怠っていた。
黒13で16・19・15とヒキ込んでから黒13と叩くと、筋悪のようだが勝てるらしい。
筋悪とはいえ自身の勝ちを信じていれば辿り着くべきものではあるが、黒7の大長考が響き、肝心なところで時間・腰を据えて考える集中力が無かった。
白18以降は見事に打たれ、お強うございましたという他はないが、黒55でh10・i8の四ノビを効かせて粘る手を見落としていたのは酷い。
どのみち右下で振り切られていた可能性が高いが、負けるにしても相手の力を引き出すことさえできていない。

第7局○
恐れていた白4が来てしまった。
何も知らないに等しいが、相手も10分ほど考えた末に打ったので、待ち構えていた秘策ではなさそう。
しかも7題は黒有利ではなかったはずなので、ノータイムで白選択。
相手はさらに30分長考して7つの黒5を打つ。
シメシメ…ではない。
黒5を選ぶのに70分の大長考を強いられ、その間に終局した選手が何名も通過していった。
せっかく中国まで来て、誰にも邪魔されず連珠盤に向かえる時間を無駄にするのか?という気持ちでの大長考だった。
最近他のゲームの選手と多く交流するようになり、そういう精神を学ぶ機会が増えたおかげである(第5局を20分ちょいの消費時間で負けたのはどこのどいつだ)。
と、それっぽく語ってはみたものの、残した黒5は黒必勝のハズレくじ。
相手が打った7題のうち、12が白必勝、i6が優劣不明、他5題が黒勝ちだったようだ。
つまり6題が適正7題提示は相手のミスらしいのだが、それでも30分で黒勝ちと優劣不明の黒5を6題全部打ってきたのは素晴らしいヨミだ。
黒9は21と三をヒキ、21と7の黒石の関係性をあえて長連にすることで三々禁の筋を回避してから、黒12と打つらしい。
本譜黒9には、白10を用意してあった。

第8局●
私が黒ならこの黒5は8題に含めないのだが、では白はどう打てば…はさっぱり知らないのだから困ったものだ。
白8で9にヒクらしいのだが、それは1秒も考えなかった。
白12は17と飛んで19に打つつもりでおり、白14は15の方に飛ぶつもりでいた。
それがうまくいかないので打ち替えた結果、もっと簡単に負けてしまった。
第2・3・5・6・7・8局は手堅く打つ方針なら避ける形で、1勝5敗とはあまりに高い授業料になってしまったが、勉強にはなった。
この5敗が5大会に分散するよりは、1大会、しかも出場権などがかかっていない大会に集中して良かったと考えている。

第9局○
そういう意味では、知っている勝ちを並べただけの本局は、勝ったとはいえ心残りがある。
ただ、白勝ちとわかっている黒5をあえて外してまで力勝負をしにいったのでは、ここまでの負けの言い訳をしにいくようで嫌だった。
あくまで勝つことを大前提として、失敗を恐れず慣れない形を打ったのであって、勝つことを度外視したわけではない。
先に五連を並べることを度外視したゲームは、連珠ではない。
第5局の白8だけは明らかに集中を欠いてしまったが、それ以外はズタボロながら勝つことに全力を尽くした。
それは大きな収穫だった。


今年は中学生での高段入りを決めた2001年以来、17年ぶりに年明け1発目の大会を優勝してスタートできたのだが、実はその三上杯で今までに無い不調を実感していた。
それが大会ごとにちょこちょこ顔を出しており、実は他面打ちの指導対局でもそうだったのだが、ついにこの大会で誰の目にも見える形で現れたと言える。
そういう意味では、必然の負け越しだったとも言える。
しかも困ったことに、原因を特定できていない。
歴が長いので衰えるのも早い可能性はあると自覚しているが、棋士の全盛期とさえ言われる30代前半で衰えるのは早すぎる。
連珠を打たないことには不調の原因も判らないと考え直し、今後はもう少しペースを上げようと考えている。

2


あちゃ〜3時間…。
この集中力が対局にも活きないものか (苦笑)  
Posted by hrs_okabe at 03:20Comments(0)

2018年11月25日

最終結果

中山 5勝1敗3分 3位入賞/50名
神谷 5勝3敗1分 15位
岡部 4勝5敗   33位

みんなで中山名人に集りましょう
  
Posted by hrs_okabe at 00:44Comments(0)

2018年11月24日

第7局

朝に強い日本人は全員勝ちました。

中山 5勝2分
神谷 4勝2敗1分
岡部 3勝4敗

  
Posted by hrs_okabe at 12:04Comments(0)

2018年11月23日

2日目結果

中山 4勝2敗
神谷 3勝2敗1分
岡部 疲労困憊ではないけど2勝4敗

本&にゃんこは完売しました。  
Posted by hrs_okabe at 23:49Comments(1)

写真投稿テスト

(失敗したのでまた更新します)  
Posted by hrs_okabe at 11:59Comments(0)

第4局

日本は3人とも勝ちました。

中山 3勝1分
神谷 2勝2敗
岡部 2勝2敗  
Posted by hrs_okabe at 11:43Comments(0)

2018年11月22日

初日結果

中山 2勝1分
神谷 1勝2敗
岡部 1勝2敗

岡部さん3局目にトビ三を見落としました。
切腹!  
Posted by hrs_okabe at 23:38Comments(0)

2018年11月21日

迎えのバスを待つこと…

Shanghai Deco Hotelというところに泊まったのですが、日本のビジネスホテルよりずっと安く、空港からシャトルバスもあり、本格的な朝食バイキングもついて快適でした。
なにぶん写真をアップできないので、検索してウィンドウトラベリングをお楽しみください(笑)

Google系のサイトにはつながらない、Yahoo!にはつながってニュースは見られるが検索はできない、という状態です。
あと実はこのblogも投稿はできるのですが閲覧はできず、アクセス数が跳ね上がっているのを見てあぁ読んでもらえてるんだと確認した次第です (最後に軽く毒を吐きましたが炎上というほどの跳ね上がり方でもなく安心)。

さて、空港でロシア・エストニア勢を拾ったバスが12時にホテルへ迎えが来る段取りになっていますが、すでに12時40分。国際大会の経験が多い我々は、この程度ではなんとも思いませんけどね。暇潰しとして、中山名人が神谷珠王に、自身が作った四追いを解かせてニヤニヤしてます。ぁ、ついに神谷珠王が連珠盤出してきたし…。

くどいようですが、写真はアップできませんので悪しからず。  
Posted by hrs_okabe at 13:43Comments(2)

上海着

無事、上海空港近くのホテルに着きました!
あした大会会場に移動します。
大会会場でのネット環境はまだ不明です(なにぶんバスで3時間の田舎)。

現状、
■つながらない
Twitter、Facebook、LINE、Instagram
■つながる
RIFのホームページ(岡部は管理権限あり)、中山名人のblog、私のblog(ただし私は画像が送れない模様)

この際なのでハイ〇レ教信者の皆様には1週間の教祖なし生活で現実に戻っていただきたいところですが(?)、私自身がファンを見捨てるわけに行かないので善処します。  
Posted by hrs_okabe at 00:45Comments(2)