秋の演奏会に向けてラフ2をさらい始めた。現役で使っているマウスピースはVandoren M30であるが、練習ついでにお蔵入りしているマウスピースを引っ張り出してきて吹き比べ、これも良いなと思ったのがVandoren Masters CL6。CL6に関しては3年前にも吹き比べて、結局、使い慣れたM30に落ち着いた経緯がある。その時の吹き比べは次の2つの記事に残しており、読み返してみて感想は大きく変わらないが、今回、ラフ2をさらったところではCL6の色彩豊かなところに惹かれた。
マウスピース吹き比べ
M30とCL6の吹き比べ

今使っている2本のM30は10年ほど使っており、2本のレールのリードがあたるカーブの部分が照かってきたので、そろそろ新しいマウスピースに買い換えようかと思っていたところである。ならば、CL6をもう1本買い足すのも一案かと思ってネットで調べると、「こちらの商品は廃番となっております。在庫限りで終了となりますのでご了承ください。」とある。Vandorenのホームページ(英語)でも既にMastersマウスピースのページはなくなっている。

Mastersマウスピースは以前書いた記事によれば2011年に発売されたので、7年足らずで製造中止ということになる。製品コンセプトとしては、胴体を太くしてチャンバーを広くし、暗く落ち着いた音色となるはずであったが、最初に出てきたCL4とCL5はどちらかと言えば軽薄な音色で期待外れだった。後から出てきたCL6は検討に値する良い製品だったが、時既に遅く注目を集めなかった。

そもそも、Mastersは専用のリガチャーを使用しなくちゃならないことがユーザーから敬遠された第一の理由に思う。2015年にブラックダイヤモンドがプレミアム路線ながら従来型リガチャーを使う製品として登場したのはこの反省があったのだろう。

Mastersマウスピースは在庫限り、Masters専用リガチャーは2つ持っているけど、これが壊れると在庫探しに奔走か、と思うとCL6をもう1本買い足すモチベーションが下がってしまった。在庫処分の特価販売なら買ってもいいけど。