一昔前は、蝉と言えば、アブラゼミ(大蝉、オオゼミ)とニイニイゼミ(小蝉、コゼミ)とが主流であったが、
今では、関西ではクマゼミ関東ではミンミンゼミがニイニイゼミに代わって主流となっている.

しかも、温暖化の影響であろうか、関東には生息しなかったクマゼミが東京でも見られるようになった.


蝉の発生時期(括弧内は標高の高い所)

4月
ハルゼミ    4月下旬(5月下旬)~6月中旬(5月下旬)
5月
エゾハルゼミ 6月上旬(5月中旬)~7月下旬(7月上旬)
6月
ヒメハルゼミ  6月下旬~7月下旬(7月中旬)
ニイニイゼミ  6月下旬~9月上旬(7月下旬)
コエゾゼミ   7月上旬~8月下旬(8月上旬)
7月 
クマゼミ    7月上旬~9月上旬(7月下旬)
ヒグラシ    7月上旬~8月下旬(8月上旬)
エゾゼミ    7月中旬~9月中旬(8月中旬頃)
アブラゼミ   7月上旬~9月下旬(8月中旬)
ミンミンゼミ  7月中旬~9月下旬(8月上旬頃)
8月 
ツクツクボウシ 8月上旬~10月上旬(9月上旬頃)
チッチゼミ   8月上旬~10月中旬(9月上旬)


蝉の生態(卵期間、幼虫期間、成虫期間) 

蝉の生態は、現在でも、蝉の幼虫が地下で暮らす正確な期間が分かっていない.

その主たる理由・原因は、
蝉の種類によって幼虫期間が異なること、
生育自然環境(樹液の種類・量、土中の湿度・温度)に左右されることにある.

人工飼育や自然観察から、次のようなことが判明している.

卵期間(産卵から孵化) 
1ヶ月半(ニイニイゼミ)、
2ヶ月(ヒグラシ)、
10ヶ月(アブラゼミ)、
1年(クマゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ)など

幼虫期間(孵化から羽化) 
1~2年(主に2年、ツクツクボウシ)、
2~4年(主に3年、ミンミンゼミ)、3~4年(主に3年、ヒグラシ)、
4~5年(主に4年、ニイニイゼミ)、
4~5年(主に5年、アブラゼミ、クマゼミ)など

成虫期間(羽化から終生) 
3~6週間(主に1ヶ月)


アブラゼミの幼虫の生態 

アブラゼミが枯れ木に産卵した卵は0齢幼虫とする

0齢幼虫は越冬して10ヶ月後の翌年6月頃に孵化して1齢幼虫となる.
1齢幼虫は、眼と触角、口針、手足が既に備わっていて、
 枯れ木から地面に落ちて地中に潜り、口針で樹液を吸って成長する.
1齢幼虫2ヶ月後同年10月頃に脱皮して2齢幼虫となる.
2齢幼虫1年後に3齢幼虫に、
3齢幼虫1年後に4齢幼虫となる.
4齢幼虫2年後に5齢幼虫(終齢幼虫)となり、
5齢幼虫はその10ヶ月後(6齢)に地上に出て、羽化して成虫となる

アブラゼミの幼虫期間は、5年(1齢・2齢で1ヵ年、3齢で1ヵ年、4齢で2ヵ年、5齢で1ヵ年)であり、産卵から成虫までの期間は、全6年となる.


「閑けさや 岩にしみいる 蝉の声」 

俳人松尾芭蕉奥の細道の道中に仙台の山寺(立石寺)で詠んだ有名な俳句である.

俳句にある蝉の種類
歌人齊藤茂吉は「アブラゼミ」、評論家小宮豊隆は「ニイニイゼミ」と主張する論争があった.
そこで、芭蕉が山寺に立ち寄った7月に両人が現地に訪れて決着を付けることになった.

その結果、7月にはニイニイゼミしか鳴いていなかったのである.


周期ゼミ 

卵から成虫の蝉になるまで17年間もかかる蝉がアメリカ東部地方にいる

何十億もの蝉が17年周期で地上に出現することから、周期ゼミとか17年ゼミなどと呼ばれている.

17年ゼミは、体が黒、目は赤、羽根はオレンジで、
ジョージア州北部からニューヨーク州北部までの全州に17年周期で発生する.

2004年にニューヨーク市で大発生した蝉の数60億匹だったといわれている.
次回の発生は17年後の2021年である.