10月米住宅着工:14.6%減の148.6万戸、00年7月以来の最低(2)
11月17日(ブルームバーグ):米商務省が17日に発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比14.6%減の148万6000 戸と、2000年7月以来の最低だった。また、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(168万戸)も下回った。9月は174万戸と、速報の177万2000戸から下方修正された。

先行指標となる10月の住宅着工許可件数は前月比6.3%減の153万5000戸と、1997年12月以来の最低。減少は9カ月連続。同項目のエコノミスト予想は 163万戸だった。

10月の住宅着工件数が予想を上回る落ち込みとなったことで、住宅建設の伸び鈍化が第4四半期以降も景気の足かせになると見られている。セントルイス連銀のウィリアム・プール総裁は今週、政策当局者は住宅市場に「特別の関心」を払っていると述べた。

ワコビアの経済アナリスト、フィリップ・ニューハート氏は、「かなりショックな数字だ。住宅市場は来年以降も弱い状態が続くだろう」と話した。10月の住宅着工件数は前年同月比で約27%減少した。

10月の住宅着工件数のうち、一戸建ては前月比16%減少し、117万7000戸。アパートやタウンハウスなどの集合住宅は同9.1%減の30万9000戸だった。

世界デリバティブ取引が過去最高の370兆ドル、CDSけん引−BIS
11月17日(ブルームバーグ):国際決済銀行(BIS)は17日、世界のデリバティブ(金融派生商品)取引が2006年上期に過去最高の370兆ドルに達したとの報告をまとめた。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が全体の伸びをけん引した。

BISによると、6月末現在のCDS取引残高は20兆3000億ドルと、昨年末の13兆9000億ドルから急増した。

ウォール街では、CDS取引の急増を追い風に、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループなど金融大手が今年、過去最高益を記録する見込み。バークレイズ・キャピタルのボブ・ダイアモンド最高経営責任者(CEO)が5月に明らかにしたところによると、デリバティブは同社の売上高と利益の6割以上を占めた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(ロンドン)の債券調査部門責任者、キット・ジャックス氏は、CDSについて「下期以降も衰えることなく、伸び続けるだろう」と話した。
NY金:週間で下落、原油安でヘッジ需要減退−オンス622.50ドル
11月17日(ブルームバーグ):ニューヨーク金先物相場は週間ベースで 1.2%下げ、6週間ぶりにマイナスに転じた。エネルギー相場の下落を受けて、インフレ高進に対するヘッジとしての金需要が後退した。

原油相場は17日、17カ月ぶり安値を付けた。米北部の気温上昇で石油製品需要が減少したほか、石油輸出国機構(OPEC)の原油出荷が増加するとのコンサルタント会社のリポートが原油相場を押し下げた。金相場は5月に付けた 26年ぶり高値(オンス当たり732ドル)から15%下落。原油相場は7月に記録した最高値から29%値を下げた。

エクイデックス・ブローカレッジ・グループ(ニュージャージー州)のリテール・トレーディング担当ディレクター、ロン・グッディス氏は、「金に対して弱気だ。原油は大幅に値下がりしている。暖冬が見込まれており、そうなれば、相場はさらに下げるだろう」と話した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場12月限は、ほぼ変わらずの1オンス当たり622.50ドル。週間ベースでは1.2%下落。先週までの5週間で9.2%上昇した。

NY原油(17日):続落、OPEC減産を疑問視−週間で6%安
11月17日(ブルームバーグ):ニューヨーク原油先物相場は17カ月ぶり安値に下げた。米北部の気温上昇で石油製品需要が減少したほか、石油輸出国機構(OPEC)が先月確約した通りの減産を実行しないとの見方が広がり、相場を押し下げた。

OPECは10月、日量120万バレルの減産を11月1日から実施することで合意した。前日の原油相場は、コンサルティング会社、オイル・ムーブメンツが、OPEC加盟国の11月の原油出荷は増加するとの見通しを示したことで急落。また、米気象予報センターは16日、エルニーニョ現象の影響で、米北部では暖冬が見込まれるとした。

ドイツ銀行のチーフ・エナジー・エコノミスト、アダム・シーミンスキー氏は、「売りの多くはテクニカル主導だ。バレル57ドルの節目を割り込んだところで売りが増えた。OPECの減産については、懐疑的な見方が多い」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場12月限は、前日比 45セント(0.8%)安の1バレル=55.81ドルと、終値ベースで2005年6月15 日以来の安値。一時は54.86ドルまで下げ、取引時間帯ベースとしては、2005 年6月14日以来の安値を付けた。週間ベースでは6.3%下げ、2005年10月以来で最大の値下がりとなった。


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【米経済コラム】米貿易赤字の根は中国ではなく米国にある-J・ベリー
11月16日(ブルームバーグ):米国の通商問題のあからさまな現実は、9月の643億ドル(約7兆5790億円)の貿易赤字と10月の4.4%の失業率という2つの数字に表れている。

米連邦準備制度当局者を含め大半のエコノミストらは、米経済がほぼ完全雇用の状態にあるとみている。そのなかで巨額の貿易赤字が出ているということは、米国が生産するよりも多くを消費しているということにほかならない。

問題の理想的な解決方法は、米国の輸出製品に対する需要が徐々に高まるとともに、米家計が貯蓄を増やし消費を減らすことだろう。しかし、そのようなスッキリとした解決の可能性は低い。中国に対する制裁も、あまり効果はなさそうだ。

米国の貿易赤字は今年、8000億ドルに迫る見通しだが、その主因は中国が人民元相場上昇を拒んでいることではない。

にもかかわらず、何人かの民主党議員は先日の中間選挙で、製造業雇用の海外流出に対する米国民の不満をてこに共和党候補を破った。民主党候補は総じて、米国の製造業雇用の減少の理由を中国とその為替制度に求め、米国の労働者を守ろうとしないブッシュ大統領と共和党議会を批判した。

米自動車大手3社(ビッグスリー)のゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、ダイムラークライスラーの最高経営責任者(CEO)は14 日、ブッシュ大統領と会談した。ビッグスリー首脳は日本が円相場を人為的に低く抑えていると批判したが、大半の視線は引き続き中国に向けられ、民主党が多数派となった米議会は中国に人民元上昇加速を迫る圧力を強めるだろう。

生産性

しかし、そんな単純な方法で米国の製造業雇用を増やすことはできない。製造業雇用は数十年にわたって減少しており、その第一の理由はグローバル化ではなく、急激な生産性の伸びだ。

米労働統計局(BLS)の数字によると、米製造業の生産性は過去20年で2倍になった。この結果、製造業雇用が約20%減るなかで工業生産は7割近く増えた。

今年の米製造業生産高は4兆5000億ドルの見込み。1−9月の貿易統計に基づいた概算では、通年のモノの輸入は約1兆4000億ドル、輸出は7億7500 万ドル。従って、米国民は5兆1000億ドル相当のモノを消費することになる。モノの入超額は6250億ドルで、5兆1000億ドルの12%に相当する。これが、生産における米国の対外依存度ということになる。

つまり、貿易赤字が国内総生産(GDP)の7%に達している現状でも、輸入品への依存だけで長期的な製造業雇用の減少を説明することはできない。雇用減の元凶は、生産性の向上とモノからサービスへという消費の変化なのだ。このような流れが変わると考える理由はないため、製造業雇用の減少が止まると考えることもできない。

中国

それでも、公正な貿易を維持するため、米政府は人民元切り上げを中国に迫り続けるべきなのだろうか。人民元相場の柔軟性が高まれば、米国の対中貿易赤字の拡大ペースをわずかながら減速させるかもしれない。

しかし、人民元の対ドル相場は中国製品の同国内での付加価値にしか影響しない。多くの場合、中国からの輸出品は他の諸国から輸入した部品を中国で組み立て、輸出される。中国からの輸出品には、他の諸国で生み出された価値が含まれている。中国での付加価値は組み立てのコストのみということになる。部品を中国に輸出している国が中国とともに自国通貨の対ドル相場を切り上げない限りは、米国での購入価格はあまり変わらない。

中国経済とその輸出主導の成長の特性は、全米経済研究所(NBER)が5月に出版したウエスタン・オンタリオ大学のジョン・ホエイリー氏と中国農業大学のシアン・シン氏の論文に示されている。

両氏によると、2003、04年の中国の輸出の50%強、同国への輸入の60%は外国投資体(FIE、主に外国企業と中国企業の合弁会社)によるものだった。FIEは中国のGDPの20%強を生産し、この2年の成長の約40%を担ったが、雇用に占める割合は3%にすぎなかった。FIEの生産は「海外での流通システムと輸出市場向けの製品デザイン」を提携先外国企業が提供し、輸出に照準を合わせたものとなっていると両氏は論じている。

人民元を理にかなった範囲で切り上げても、既に定着しているこの在り方が変わるとは考えにくい。(ジョン・ベリー)

(ジョン・ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:U.S. Trade Deficit Has Roots Here, Not in China: John M. Berry(抜粋) {NXTW NSN J8T4UJ0D9L35 }

更新日時 : 2006/11/16 14:34 JST