NY金先物:3日続伸、アジア株回復で需要押し上げ−655.50ドル
3月8日(ブルームバーグ):ニューヨーク金先物相場は3日続伸。アジアの株式市場の回復が金やその他の商品需要を押し上げるとの見方が広がった。

中国の株安で始まった2月27日の世界株安から3月5日まで、金相場は7%値下がりし、年初来からの上昇分の大半を失った。この日のアジア株式市場はインドで8カ月ぶりの大幅高を記録したほか、日本市場も高値で引けた。

AGエドワーズ・アンド・サンズ(セントルイス)の商品アナリスト、ダニエル・ボート氏は、「これまで長期的に金相場が強気だったのは、経済成長が見込まれている中国やインドといった新興国市場で天然資源インフレが起きるとの観測に基づいている部分が大きい。そうした新興市場の回復は、金相場の強気派が戻ってくる兆しだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場4月限は前日比2.60ドル(0.4%)高の1オンス当たり655.50ドル。この1年間では20%値上がりした。

最上格付けのサブプライムMBSのプレミアム、1年2カ月ぶり高水準
3月8日(ブルームバーグ):リスクの高いサブプライム住宅ローンを担保とした証券(MBS)の中で最高格付けの銘柄のイールドプレミアム(リスクに見合った上乗せ金利)が拡大している。比較的安全とみられる証券も、住宅ローン延滞率上昇からの影響が皆無ではないとの懸念が広がり始めた。

RBSグリニッチ・キャピタルによると、格付け「AAA」の3年物変動利付き「ホームエクイティ」債の利回りは先週、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)を19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。前週に比べ3bp拡大し、2006年1月以来で最大となった。

信用履歴の芳しくない貸し手を対象としたサブプライム住宅ローンのデフォルト(債務不履行)率増加を受けて、MBS投資家の間に懸念が高まっている。RBSの債券ストラテジスト、ピーター・ディマルティノ氏によると、先週のプレミアム変動は05年11月のプレミアム縮小幅以来で最大だった。

AIGグローバル・インベストメント・グループで運用に携わるマイケル・リーガー氏は「市場には今、不安感がある」と話した。クレディ・スイス・グループのアナリストらは8日付のリポートで、サブプライム市場の延滞増の影響が、より格付けの高いMBSにも「徐々に広がりつつある」と書いている。

06年10−12月期の米家計純資産、過去最高の55.6兆ドル−FRB
3月8日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)が8日発表した四半期報告によると、2006年10−12月(第4四半期)の米家計純資産は、過去最高の55兆6000億ドル(約6510兆円)に達した。借り入れが8年ぶりの低い伸びにとどまったことが背景。第3四半期は54兆3000億ドルだった。

住宅販売の減少に伴い、住宅ローンの伸びが1998年以降で最低となったことから、第4四半期の個人の借り入れは年率6.6%増にとどまった。

第4四半期の家計純資産の伸びには、株式や投資信託の価値上昇が反映された。住宅価格が伸び悩んだことから、不動産関連の純資産の増加は2460億ドルと、第3四半期の2500億ドル増を下回る伸びにとどまった。


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【経済コラム】しっぽが犬を振ることはあり得ない−C・ボーム
3月8日(ブルームバーグ):中国の主要株価指数が9%急落したのをきっかけに世界的な株安が進んだ9日間、その原因を分析する取り組みが活発になり、さまざまな理由が指摘された。

しかし、理由の大半は説得力に欠けている。国内総生産(GDP)が米国の5分の1にすぎず、安い労働力を売り物にしている国の未熟で孤立した株式相場がある日、大幅に下落したことが、なぜそれほどの潜在的な波及効果をもたらすことができるというのだろう。

それはまるで中国株市場とカジノの共通性を指摘しているかのようだ。中国の投資家リー・ダチン氏は、カナダ紙グローブ・アンド・メールとのインタビューで、中国株市場について「むしろカジノよりひどい。少なくともカジノには一定のルールがある」と指摘した。

中国市場は透明性を欠いており、うわさや憶測に左右されることが多い。人民元建て株に投資できる外国資本は、中国政府が承認した適格海外機関投資家(QFII)だけだ。現在のQFIIの投資許容枠は100億ドル。これは中国株市場の時価総額の1%にも満たない。2月28日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国の個人投資家は、銀行預金以外に投資する意欲が非常に強いため、悪材料が出た銘柄でも買いの対象にするという。

言い換えれば、中国の株式相場は景気や企業業績に対する見通しを反映していないことになる。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)のチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、中国経済は「国家の出資によって成り立っている中央集権的な計画経済だ」と指摘。「企業財務や投資金融がマーケットで果たす役割は小さい」と見方を示した。

集合意識、集合記憶

中国の国有銀行は、国有の鉄道や公益会社に資金を供給している。ロシアのレーニンがかつて「経済の管制高地」(国家経済の重要部分)に位置付けたセクターだ。輸出主導の製造業セクターは、外国資本に支えられている。多国籍企業は中国での工場建設や中国企業との戦略的提携に積極的だ。HFEのワインバーグ氏は「いずれにしろ、資本市場の役割はない」と語る。

2月27日の上海・深セン300指数急落の理由を説明する試みは、過去1年間で158%上昇した理由や、2月27日までの1週間で9%上昇していた理由を説明する試みと同じくらい無意味だ。こうした動きと現実との関連性は非常に小さい。

中国発で世界全体に株安が広がったのは、長らく忘れられていたリスクの概念が「集合意識」にあらためて植え付けられたためだ。新興市場株が永遠に上昇することはない。高利回り債がジャンク(くず)債と呼ばれるのには理由がある。サブプライムローンは、信用履歴が見劣りする人や企業を対象にした融資だ。

恐らく「集合記憶」も一定の役割を果たしたのだろう。HFEのワインバーグ氏は「タイの金融市場が引き金を引いた(1997年の)アジア金融危機の記憶があまりにも鮮明だった」と述べた。

逆の因果関係

米株市場全体の動きを反映するダウ・ジョーンズ・ウィルシャー5000指数は2月27日に3.4%下落した。この原因を中国株に求めるためには、中国の富の縮小が原因で、米企業の利益見通しの悪化が結果であることを証明しなければならないだろう。しかし残念ながら、実際はその逆のようである。

米国の輸入はアジアの経済成長の支えになっている。昨年の対環太平洋諸国の輸入額は6184億ドルに上った。力強い輸出の伸びがなければ、アジア経済は確実に減速するだろう。

  独自の危うさ

私はこの1週間、世界の株式市場のドミノ現象によって世界経済における中国の影響力が強まっているという論評を多く目にした。それには確かに一理あるかもしれない。実際、アジア、欧州、北米、南米の市場の相関関係は強い。

中国の株式市場は、より成熟した米国や欧州、日本の株式市場より立ち直りが速いようだ。上海・深セン300指数は3月7日までに、先週来の下落分の半分を取り戻した。

多分、中国と米国の株式相場の下げに根本的な関係はなかったのだろう。中国の投資家はこれまでのペースを取り戻し、買いを再開した。米国の投資家は時間がたつにつれ、ルーレット盤のような中国市場ではなく、国内市場が抱える独自の危うさに目を向け始めている。(キャロリン・ボーム)

(キャロリン・ボーム氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニスト。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:China's Tail Wags the U.S. Market's Dog? C'mon: Caroline Baum

(抜粋) {NXTW NSN JEKJP307SXKX}