2021年03月29日

今から始めるジャズピアノ(第22回)

〜枯葉を弾いてみよう〜
はいお待たせいたしました。今回から枯葉の弾き方に入っていきたいと思います。

まずは譜例。結局どのコードでやれば良いのか論争の中、一般的なこのコード進行で覚えることにしましょう。

枯葉コード進行

そして次の譜例が左手の押さえ方です。

枯葉左手

枯葉で使用するコードの押さえ方を書いておきましたので、これを先の譜例のコード進行に当てはめて押さえてみてください。

右手のメロディはここには書けませんので検索するなり購入するなりで手に入りて弾いてください。耳でコピーするのが一番良いと思いますが。

右手と左手を合わせた時、問題となるのが左手の高音部が右手のメロディと重なってきて侵害する時です。この場合は当然右手のメロディを優先してください。左手は侵害してくる部分だけ指を離すか、左手を弾かないという選択肢でも良いと思います。あとはできる人でしたら侵害してきた部分をオクターブ下に転回するという手もあります。色々工夫して、わからないことがあればコメントで質問ください。

そして、アドリブに使用するスケールも書き出しておきます。

枯葉スケール

結構多いですね…12種類できてしまいました。ただコードに対するスケール(コードスケール)は12種類と多いですが、調号で考えるキースケールにまとめるとそう難しくはありません。

どういうことかというと、Cm7(Cドリアン)もF7(Fミクソリディアン)もBbMaj7(Bbアイオニアン)、EbMaj7、Am7b5全てフラット二つのキーで弾けますよね?

そう考えればメロディの通り道はそう多くはありません。ただ、コードスケールの考え方はEb7のようにキースケールでは考えられない通り道の時役に立ちます。よりスケールを細かく導き出す考え方ですね。

とりあえず、これで枯葉の準備はできたと思います。まとめると、まず左手の押さえ方を覚えて、右手のメロディを合わせて弾けるようにし、アドリブ用にスケールを把握する。ここから次の練習としては、コードトーンの把握とアプローチノートの練習などが待っています。

これらの課題は曲に取り掛かってから数年やり続けることなので、長い目で見て焦らず、サウンドを楽しみながら弾いてみましょう。

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2021年03月19日

今から始めるジャズピアノ(第21回)

〜枯葉ですが、この譜面は正しい?間違い??〜
はい、今日から枯葉をやっていきたいと思うのですが、その前に前回の文章を書いた後、シャンソンとして、ジャズボーカルとして、器楽曲として、聴き比べをしてみたところ以前からモヤモヤしていたコード進行の変遷が少しわかったので自分なりの解釈を報告しておきたいと思います。

ジャズピアノ初心者向けには”枯葉をどう弾いたら良いか!”っていうトピックが講座的には必要なはずなんですけど、そんな解説は世の中に山ほどありそうなので(笑)左手の押さえ方や、テーマ、アドリブなどは後日ちょこっと触れることにして、まずはすでに弾けている方も読み物としても楽しめるトピックから入ろうと思います。

まず、セッション等で演奏されるスタンダードナンバーの譜面について、
「〇〇本のコードは間違ってる」とか
「××本のコードの方が正しい」とか
っていう言い方に僕はいつも”何なん!?”って違和感を感じています。
揚げ足をとるような、和牛の漫才ネタ(わからない方は検索)のような理屈っぽい発言ですみません。

誰が正しいとか間違ってるとか判断するの??まあ強いて言えばオリジナルの作曲家がジャッジするならまだしも(生きているならね)、セッションで選択されるコードの多数派をあたかも”正解”みたいに言うのはちょっと違うと思うんですよね。

特にインストゥルメントサイドにいるジャズメンはスタンダードナンバーを”こっちの方がクールだよね”とか”こっちの方がアドリブが取りやすい”とかいう理由でコード進行をいじって、アレンジされていくので、ジャズ界の中で”このコードが常識”とされているものが必ずしも正解とは言い切れないと思うんです。僕はいつも勝手にいじられてる”作った人の気持ち”を考えるととてもいたたまれない思いで…自分も作る側に回ることは多いですからね。

だから僕はいつもこの話の時は自然とこう答えるようになっていました。
「通常こう演奏されることが多いよね」
「一般的にはこう」
「誰々のバージョンはこうだけど、どれが正解とは言えない」
結局そうやって変遷していくものが”ジャズ”だから、本当の正解は”自分が良いと思ったらそれでいいんじゃない?”だと思うんだけど、初心者にとっては多数派のコード進行で覚えないと他で演奏した時に合わなくなったりするので困りますよね?

大事なのはだた書かれたコードに従うだけではなく、サウンドを理解してどのコードを選択するか考えるということですかね。あと、バンド全員認識しているコードが違っている場合もあるので、統一したければ必ず譜面を用意することも大事ですね。耳の良いミュージシャン達ならその場で耳で判断して各々直しちゃいますけど。

さて、長くなりましたが、枯葉ですよね(なかなか曲に行かない笑)

まずは譜例を用意しました。例のごとく著作権の都合上メロディは書いてありません。
autumnleaveschord

私自身、いつどこで誰に教わったのか覚えていないのですが、セッション等で人によって違いそうな箇所を5つ書き出してみました。それをオリジナルであるフランス語のシャンソンバージョンとジャズバージョンをいくつか聞き比べした結果その変遷が少しわかった…気がする(笑)のでいか解説していきます。

G7
ここはリピートで折り返すとき、頭のCm7に対してG7b9を置くことがあるんですよね(譜面の12小節目もそうかな)。その方がかっこいいというのもわかるのですが、メロディから見ると”ソ、ラ、シb”と歌う箇所なので、思いっきりb9とぶつかります(笑)。なので、検証した結果、歌メロのバージョンはどれもG7の選択は無いですね。メロがアドリブならもちろん良いでしょうけど。

A7
Am7b5をA7に替えるケース。この技法はよくあると思います。よりブルージーにするための選択。ビルエヴァンスのバージョンがA7ですね。セッション中突発的にこの変化を使用する場合、他にコード楽器(ピアノ、ギター等)がいないかどうかを気にする必要があります。

D7
ここはオリジナルはAm7b5→D7とは考えていないようですね。2小節まとめてディミニッシュ的なサウンドがします。なので、本来はD7b9が2小節続くんじゃないでしょうかね。D7b9はほぼディミニッシュというのは今後どこか講座内で取り上げることでしょう。

Gm6
ここです!ここ!!この箇所が一番選択が分かれるところだと思います。セッションナンバーとしての枯葉は黒文字で書いてあるコード進行が一般的。でもオリジナルを聴くとGmで2小節。しかもナットキングコールのオーケストラを聴く限りはクリシェ※で、ソから”ソ、ファ#、ファ、ミ”と下がっていきたいんでしょうね。そうすると次の小節で”Eb7”に綺麗に着地できます。

黒文字の進行をさらに代理コードに変換したもの
Gm7→Gb7→Fm7→E7
ももちろんあります。
どちらにしても、ツーファイブに分けたがる、楽器陣のアイディアの名残りなんだろうなとは思います(笑)

Am7b5
ここはオリジナルもEb7だったので、そちらの方が一般的でしょう。Am7b5に替えると再三出てくるGマイナーのツーファイブワン進行
Am7b5→D7→Gm
と同じになるので、初心者には弾きやすくなるでしょう。もちろんA7という選択もあります。

今回は枯葉を使って「コード進行、複数の選択肢」問題に切り込んでみました。問題でも無いですよね、”ジャズってそういうもん”だから。でも誰にも教わらず今までやってきた人には、このよくわからないモヤモヤした事実を疑問に思っていた人も居ると思うんです。その時その場、その人の考えでアレンジされていくのが即興演奏ですから。というわけで、この問題の正解は”ナシ”。その人がベストと思って選択したもの全てが正解です。

※クリシェ 和音の構成音が半音または全音で上下行するコード進行





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2021年03月12日

今から始めるジャズピアノ(第20回)

〜枯葉に入る前の序章〜
Fブルースをまず初めのレパートリーとしてお薦めしましたが、それ以外の楽曲で初心者へのお薦めの定番はやはり“枯葉“でしょう。

枯葉という曲の側面を、主に3つに分けて私は認識しています。
.侫薀鵐晃譴撚里錣譴襯轡礇鵐愁鵑箸靴討慮詫(日本語バージョンもあります)
英語で歌われるジャズナンバーとしての枯葉
ジャズのスタンダードナンバーとして楽器で演奏される器楽曲としての枯葉

そのうちのがジャズ演奏を勉強する際の入り口として広く知れ渡っているのですが、セッションの場では、
「いや出来て当たり前の曲はリクエストせん」
的な、まるでわざわざ注文しない居酒屋のお通しのような扱いを受けているこの曲が可哀想で…

まあそう考えているのは私だけかも知れませんが、アメリカに輸入されフランス語から英語に翻訳される経緯もまた可哀想で⋯
商業的理由が大きかったのでしょうが、ヴァース(導入部)はカットされ、歌詞の内容は恋愛だけにクローズアップされ、と本家フランスの作者はどう思っているんだろうと心中察してしまうような扱いを受けているのであります。

の楽器演奏として一躍有名にしたのがやはりキャノンボールアダレイ(マイルスの)の枯葉でしょう。そしてビルエヴァンスの演奏もまた超有名です。特に前者の方はまだ原曲の“感傷的な悲しさ“みたいなものが残っていて、歌詞の内容も踏襲しているようにも思えます。ビルエヴァンスの方はそれにアップテンポなスインギーさが加わり、コードの選択等エヴァンスらしい”知的さ“が加わったという印象です。

さてではなぜ楽器初心者に枯葉がお薦めなのか?理由が幾つかあると思いますが、私が考えるに
・転調もなくキー(調号)があまり変化なく演奏しやすい
・メジャーとマイナーのツーファイブワンの超基本コード進行(ほとんど四度進行)でできていて、これがアドリブの勉強には適している
この二つの要因が大きいのでしょう。

なので次回以降Fブルースの時と同じように、詳しく項目を分けて弾き方をレクチャーしていきたいと思いますが(次回以降なんかーい)、まあ初めは有無を言わさず、好き嫌い無しで上の理由から枯葉はやるべきだと思いますね。

他に弾きたい好きな曲があったり、“いまさら枯葉?”って言いたい気持ちもわからなくもないですが、逆に言うとこの曲の演奏を聴くとその人の力量が全て分かってしまうような⋯。それくらい基本的な構成の曲なんですよね。だからこそ上級者にとっても表現の難しい曲とも言えるわけですが(料理とかでもそういうのありますよね)。

ライブでもしこの曲を選曲をするとなると、選ぶからには“何か理由(見せ場)”があると期待値が上がるわけで、しかも今まで何億回と演奏され、既に正解も出ている感満載のこの曲を演奏するということは、それなりの覚悟が必要なわけです。

初めのレパートリーとしてお薦めする枯葉という曲の現状の扱い(笑)は分かって頂けたと思いますが、次にお伝えすることはこの曲に限らず、今後演奏するであろうすべての曲に言えることなので覚えておいて欲しいです。

それは、
音楽を譜面ヅラだけで捉えるな
ということです。

これ結構楽器を趣味とする人にありがちだと思います。
今で言うと“黒本”ですか?
音符とコードネームが書いてある譜面で弾いてみて、そのまま“そういう曲”として認識している曲って、ありません??

音楽ですからね。ちゃんと楽曲として捉える事が大事だと思うんですよ。
簡単に言うと、順番は逆になっても良いので、しっかり曲を聴いて、その曲の事を理解してあげる事が大事だと思うんです。

先程“枯葉”の認識を三つに分けて提示しましたが、その程度でも良いと思います。流石に歌詞を覚えろとか、歌えるようにしとけとまでは言いませんが、歌バージョンだったり楽器バージョンだったり、その曲を色々な角度から捉えて自分なりに解釈していくことは必要だと思うし、その方が楽しいと思うんですよね。

それが共演者のオリジナルナンバーでも一緒です。この場合、モデルとなる音源がない場合が多いのですが、作者がこの曲に対してどういう想いを持っているのか、どういう曲想で演奏したいのか、自分なりに考えてその曲に向かうことでその曲に対するアプローチが決まってきます。

今回は枯葉をやってみる前の“序章”ということになりましたが、こういう話を聞くと少しは曲に対する取り組み方も変わるかな?と思い今回は譜例とか無しで、お話のみでまとめてみました。



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2021年03月06日

今から始めるジャズピアノ(第19回)

〜絶対にやらんほうがええシリーズ〜
絶対にやらんほうがええシリーーーズ!
前回までの流れとは別になりますが、今回は自分が練習や勉強などで経験してみて、”これはやめておいた方が良い”と思った理屈や考え方を独自の視点で警告を促すシリーズです。
一回で終わるかもしれないけど(笑)

今回はモードについての勉強の仕方について。
「モード」をやらんほうがええ、わけじゃないからね。むしろやらなあかん。(なぜ関西弁)

モードの定義がまず難しいですよね。どういうものかわからない方は「教会旋法」「モードジャズ」で検索してみてください。

このブログの最初の方でも触れた、音大の授業の中で”イドフリミエロ”という呪文とともに覚えさせられたという悪名高き”モード”。しかし、ジャズ界(まあロックポップス界でも)では超重要な理論なのであります。

しかしこのブログはまだ始まったばかり。まだまだモードの話を詳しくするには難解すぎて読者がついてこないだろうと推測し、今回はライトな感じで、”モードの勉強の導入部”にケチをつけるだけで留まろうかと思っております。

それは、私が雑誌だか理論書だか教科書だかで何度か(何度も?)モードの説明について見かけた記述であり、その度に”なんでだー!これじゃわからんだろー!”って憤りを感じていたことです。ちなみに媚を売るわけではないのですが、私の在学中の先生、A松T弘先生の書いた教科書では完璧に、わかりやすく説明が書いてありました。教科書ですから非売品ですが。

まず譜例をご覧ください。
モード譜例1

モードの解説でこう書いてあるの見たことありません?あと、指導者の方、こうやって教えちゃってません?

これですよこれ!私が憤っているのは!

モードをすでに知っている方はわかると思うのですが、間違いじゃないんです。でもね、この書き方をするから巷では「モードってよくわからない」とか「どこで使うの?」とか言われちゃうんですよ。

私の意見。良いですか?よく聞いてください。

この譜面を確認するとき、普通上から順に弾きますよね?
実際に弾いてみてください。Cイオニアン、Dドリアン、Eフリジアン・・・
「ほう、、だから何?」
ってなりません?(笑)
そりゃそうでしょうよ、ずっと白い鍵盤を弾いていて、開始位置だけ右にずれていってるだけなんですから。サウンドカラーの変化なんかわかりゃしない。

実際”ドレミファソラシドのドから始まるのがイオニアンで、レから始まるのがドリアンで・・・”なんて他人に説明しちゃってません??その覚え方だとモードのことなんて全然わかりませんよ。

書くならこうでしょ。
モード譜例2

ルートを固定してスケールが7つ、別の通り道があることを示してあげないと、キースケールと混同してしまいます。
これでようやく7つのサウンドカラーを比較できるんですよ。”明るい”とか”暗い”とかだけでなく、言葉では表せないようなカラーを含んでいるのがモードの良さです。そのサウンドを確かめながら弾いて覚えないと、実践で使えるようにはなりません。

あースッキリした(笑)

当然、このように理解している方も多いとは思いますが、前からずっと言いたくてしょうがなかったので(笑)

モードを活用して作曲やアドリブ練習をしたい場合はピアノでは左手をオクターブでずっとルートを固定して鳴らしておいて、右手で各サウンドカラーを確認する方法がオススメです。

先ほどの譜例はCをルートにして7種類ありましたので、これを12キーに移調すると7×12=84種類のモードスケールが存在することになります。最初は覚えるのは難しいので

”ドリアンはメジャースケールの2番目の音から弾くスケール”

という覚え方でも仕方ないのですが、これは

.瓮献磧璽好院璽襪鮖廚ど發べる
△修2番目の開始位置はドリアン

という風に二段階思考となっているので、混乱も招くし時間もかかるので、なるべく慣れて直感的に弾けるように練習しておきましょう。

今回初の”絶対にやらんほうがええシリーズ”いかがだったでしょうか?これ以外にやらん方がええことってあったかな??ってちょっと思ってますが(笑)思いついたらまたこのシリーズ突然やります。

※譜例の音符の色が変わっているところは、譜面ソフトの都合上なっているだけで、特に意味はありません

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2021年03月02日

今から始めるジャズピアノ(第18回)

〜前回の項目を譜例を使って解説〜
前回はセブンスコードにおけるテンションの処理を説明したのですが、今回は実際の曲を例にとってより詳しく解説していきたいと思います。まだ前回を読んでいない方は第17回を読んでからこちらを読むことをお勧めします。

まず前回のおさらいから。

◯7→□
このようなセブンスコードから解決する際、◯セブンスはどんなテンションを選択すれば良いか?という話。

法則としては、
,泙詐魴錣箸靴
・◯は□へ、完全4度上に解決する
△海両魴錣満たされているならば
・解決先の□に小文字のm(マイナー)がついていなければ、◯7のテンションは9th系
・解決先の□に小文字のm(マイナー)がついていれば、◯7のテンションはb9th系

ということを前回説明しました。では譜例を見ていきましょう。(尚、著作権の都合上、譜例の曲名は明かすことができません)

【譜例1】
譜例1

これが通常のキーの中の5番目のコード(G7)から1番目のコード(CMaj7)に解決する進行。Gから数えてみると、ソ、ラ、シ、ドと四度上行しているし、解決先のCMaj7はマイナーコードではないので、このG7のスケールは明るい方の9th系から選択できます。前後の関係やキーを踏まえながらスケールを選択するのですが、通常このケースだとGミクソリディアンを選ぶのが普通でしょう。

ただ、前回後半でも触れたように、明るいセブンスのテンション(9th系)は暗い方を経由することもできます。この際気にするべき点はメロディとぶつかっていないか?という点なのですが、譜例はメロディが”ソ、ファ”ですのでb9th系を選んでも問題ありません。

特にテーマを弾くときはメロディとの兼ね合いを気にするべきでですが、アドリブに入ってしまったらメロディの選択権も自身にあるので、はっきり言ってスケールはどれを選択しても良いと言えると思います。その際気をつけなければいけないのは、”前後の関係やキーとの兼ね合い”です。やっぱりテーマあってのアドリブですから、全く離れた、曲の進行にそぐわないテンションを選びまくるのもどうかと思います。これについては理論上はあれこれ選択肢が多くて許容範囲も広く大変ですが、テーマがしっかり頭に入っていて、アドリブも弾きながらしっかり歌えていれば自然と繋がりの良いメロディを選択してくれるようになるでしょう

【譜例2】
譜例2

こちらは四度進行していて解決先がマイナーコードのケースです。まあ、テンションも書かれちゃってますけどね(笑)。指定されているのでb9th系を選ぶべきでしょう。その前のコードDm7b5も大事な手がかりになります。m7b5のコードが来て、四度進行していれば次はほぼ間違いなくb9th系のテンションになります。

このケースの場合、キーCマイナーに対して一番オーソドックスなスケールを選ぶならGハーモニックマイナーP.5ビロウでしょう。もちろんGオルタードもGコンビネーションオブディミニッシュもOKですが、このケースでのコンビネーションオブディミニッシュに注目ですね。

このスケール、先に挙げた二つと違って13th(ミ)の音を通るんですよ。この曲のキーはCマイナーなので、”ミ”って元のキーの調号の”ミb”をナチュラルにしてしまうことになるんですね。なので、曲に対しての影響は大きく、一瞬”明る・・・い?かな??”みたいな印象を与えることになります。これは使い所が上手いとかっこいいんですけどね。

そう、コンビネーションオブディミニッシュスケールって、b9thと13th、フラット9thの暗い部分とナチュラル13thの明るい部分が同居しているので独特な効果が出るんですよ。

【譜例3】
譜例3

これはテンションも指定してあって、メロディもシb、ラb通ってますからね。。
これは先の法則というよりテーマのb9thの雰囲気を引き継いだ方が良いんじゃないでしょうか。法則で言うと解決先がマイナーコードじゃないんでGミクソリディアンでも良いんですが。

【譜例4】
譜例4

これはキーが他の譜例と違ってしまいましたが、そもそも四度進行じゃないという例ですね。このケースだと今回の法則には当てはまらないので、前後のコードとキーを踏まえながら”何のためのセブンスなのか?”を理解してスケールを選択することになります。これについてはまた後日取り上げることになるでしょう。難しい項目ですので。

というわけで、急に難しくなってきましたが、やっていくうちにわかってくれば良いでしょう、というくらいの捉え方でお願いしたいです(笑)



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2021年02月22日

今から始めるジャズピアノ(第17回)

〜セブンスコードで使う6つのスケール〜
”コード一つにつき一つのスケール”という考え方に基づき、演奏者は自身でスケールを検出することになるのですが、結局難しいのはセブンスコードの処理です。セブンスコードは他の種類のコードに比べてテンションが多く(譜例1)、それらを並べた複数のスケールが存在します。

6つのスケール譜例1

このセブンスコードの処理が”ジャズらしいサウンド”の特徴の一つと言っても良いでしょう。というわけで以下譜例に今回の肝となる”セブンスコードで使う6つのスケール”を書き出します。今回はこれだけ覚えれば、もしくはこういうスケールがあるということを知るだけでもOKです。譜例を保存するなりしといて下さい。

6つのスケール譜例2

そして大事なのはその使用法、どの場面でどの選択をすれば良いかですよね?
これが結構難しいです。。
ですので、ここで要点を一つだけ説明しますが、詳しくは次回にします。それくらいここの理解は重要です。

譜例2をご覧ください。上3つと下3つで”9th系”と”b9th系”で色分けされています。スケールの2番目の音を四角く囲んでいますが、この2番目の音(テンションでいうと9th)がナチュラルなのかフラットなのかで音の”明るい暗い”の印象が変わってきます。

この3つづつ二分されたスケールは、”次にどのコードに解決するのか?”によって選択が変わってきます。次の法則は超大事なので絶対に覚えといて下さい。

◯7→□
のような解決があったとします。

まず条件として
・◯は□へ、完全4度上に解決する

この条件が満たされているならば
・解決先の□に小文字のm(マイナー)がついていなければ、◯7のテンションは9th系
・解決先の□に小文字のm(マイナー)がついていれば、◯7のテンションはb9th系

要するに、b9th系のスケールは暗い予感をさせるので、解決先はマイナーに適していますよ、ということです。実際にコードネームに置き換えた例ですと、

G7→CMaj7

Gから数えてソ、ラ、シ、ドと4度進行してますよね?
そして、解決先をみるとマイナーではないので、G7のスケールは9th系から選びます。次の例はどうでしょう?

G7→Cm7

完全4度上に進行、解決先はマイナー、なのでG7のスケールはb9th系から選びます。

この選択の難しいところ、ややこしいところは”法則は100%ではない”という所です(笑)。でも”大体はそう、お約束ならこう”ということは言えるので絶対に覚えておいた方が良いです。

また、なんと、前者のMaj7への解決は暗いテンションを経由してから解決することもできるんです。ややこしいですねー。。暗い7thのテンションを選んでしまうと、明るい7thへは戻れないことも覚えておきましょう。

◯明るい7th→明るい解決先
◯明るい7th→暗い7th→明るい解決先
◯暗い7th→暗い解決先
×暗い7th→明るい7th→暗い解決先

明るい7thのテンションを選んだ時、和声の動きは下降する場合は美しいですが、×の例のようにb9thのテンションを選んでから和声が上昇するような動きはあまり美しくありません。

一小節”G7”という指示があっても、2拍づつ”明るい→暗い”なんて動かすこともよくある弾き方なのですが、間違っても”暗い→明るい”なんて弾かないようにしましょう。

コードネームが書いてあって、「どのテンション(スケール)を選択すべきか?」はテーマのメロディにヒントが隠れている場合もあります。その他コード進行の前後の関係等(7thの直前のコードがm7b5だったら有無を言わさずb9th系…とか)もありますので、100%とは言い切れないのですが、最終的に判断する時、”かっこよければよし、違和感なければよし”というご自身の判断で良いと思います。でもそれを判断できる耳を持っていなければいけないということですよね。

次回もっと詳しくと言いましたが、大事な部分は全部説明できた気がします。次回は実際の曲をもとに詳しく説明しましょうか。







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2021年02月12日

今から始めるジャズピアノ(第16回)

〜3度間隔のアルペジオ〜
妻「晩ごはん何が食べたい?」
夫「なんでもいい」
妻「・・・」

”なんでもいいが一番困る”っていう主婦の声、テレビで聞いたことがあります(フカヒレの姿煮って言われた方が困ると思うけど)。

アドリブも”はい、じゃあ理屈は大体わかったでしょ?あとは何でも良いから”、では言われた方は困ります。(理屈も何もない体験レッスンで、”何でも良いから弾いて”と言われて嫌な思いをした、というある生徒の体験談を聞いたことがある)

”何でも良いから”とか”あとはノリで”とか”それがジャズだから”とか、僕はあんまり好きじゃないセリフですね。。

というわけで今回は、過去にフレーズができる要素として説明した中の”スケール”を取り上げて、よく使われる形を解説し、練習方法もお教えしようと思います。

今日は簡単、これだけ。
”アルペジオフレーズの形成は3度間隔が多い”
というトピックです。

まず譜例を見てもらった方がわかると思います。
3度間隔譜例

F7のフレーズとCm7のフレーズを二つ載せてみました。説明は書いてある通りで、3度間隔
(鍵盤を一つ飛ばし)で上昇しているフレーズです。こういうのよく聴くんですよね。もちろん下降でもOKです。

メロディを選択する時に”度数にも注目する”ということが今回大事な点だと思います。その中でも3度が特に綺麗に聞こえる。3度ってコーラスのハモリの時にも使いますよね?あとコードも3度で重ねてできたものです。言葉で表すのは難しいですが、ポップで安定してますよね。

他ももちろん使いますよ。2度(これは順次進行と同じ)とか4度はどうでしょう?5度間隔で飛ばしていこうとするとあっという間に上まですっ飛んでいってしまいますが(笑)、とにかく度数でメロディの跳躍を考えるという方法も知って欲しいです。

その中でも3度はとても使用頻度が高いので、これを練習して覚えてしまいましょう。
練習方法は以下の譜例の通りです。
3度間隔譜例2

これもFミクソリディアンとCドリアンで2例挙げておきましたが、やり方は簡単。一つ練習するスケールを想定して、そのスケールをルートから3度間隔で音を4つ弾いて、次にその4つの音を全て鍵盤上で右に一つずらして上昇していくというやり方です。

譜例のFミクソリディアンを例に取ると、最初右手でファ、ラ、ド、ミbを掴んで、それを一つずつ上にずらし、次はソ、シb、レ、ファと弾きます。このまま順次上がっていき、ある程度上まで上がったら下降して戻ってきます。

スケール練習というと”ドレミファソラシド〜”という風に順次進行で上がったり下ったりする練習ですよね。でもそれだけではスケールを使いこなすには十分ではありません。今回は3度で4つの音の形を上下降するものですが、色々なスタートの形(モチーフ)で練習するべきだと思います。

また、ピアノの特性もあり、この3度で4つのアルペジオが弾きやすいというのも多用される理由かと思われます(片手で丁度4つ掴める)。

なので、今回の3度飛ばしのアルペジオを覚えて、ここからフレーズを開拓していくと多少楽になるかと思われます。ちなみにですが、これらが耳慣れてくると、”もっと面白いもの、斬新なものはないか”と探求するようになります。こういう考えや選択もその人の性格や個性が出てきますので、表現て面白いものですね^_^








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2021年02月05日

今から始めるジャズピアノ(第15回)

〜これってできます??〜
今日は左右の手のコンビネーションの話です。
まず譜例をご覧ください。
左右コンビ譜例1

左手を2拍ウラ、4拍ウラでF7を弾く指示がされています。右手はスラッシュ(任意でという意味)でまだ何も指示されていません。

swingのリズムフィールの表記がありますので、8分音符はハネる演奏の仕方になります
ね。ハネるときの裏拍の取り方は第11回をご覧ください。

テンポは90くらいで良いんじゃないでしょうか。メトロノームかiRealに合わせて左手だけ2拍ウラ、4拍ウラに入れてみましょう。

できましたか??

今回は伴奏する左手のタイミングの練習ですので、2拍ウラ、4拍ウラで固定しています。”必ずここに入れましょう”ということではないので誤解しないよう注意して下さい。

では次に、先ほどの左手をキープしながら右手を下の譜例の通り弾いてみましょうか。

左右コンビ譜例2

丸1はファの音をただの4分音符で弾き続けるだけです。先程の左手と合わせてみますと右手と左手が一緒にならないということがわかると思います。左手がウラ拍、右手がアタマ拍を弾いている状態になります。

丸2はどうでしょう?4拍ウラだけ左右一緒に弾くことになり、そのあとは左手と右手が一緒になることはありません。

丸3はシンコペーションのポイントが左右同じなので、左右の手が同時に出ることになります。

とても当たり前のことで恐縮ですが、左手をウラ拍に弾くとき、右手はアタマ拍を弾くと
出会わない、右手がウラ拍を弾くと同時に出ることになる、ということがわかると思います。

この左右の差(第11回を引用していうと3連符一個分の差!)がスイングさせる要因になるということを知っておいて下さい。

ベースとコードの関係でもこのことが言えると思います。ベースがswing beatを演奏するとき、walking bassといわれるパターンはアタマ拍に4分音符を4つ(4/4拍子の場合ね)置いて歩いていくことになります。

これに対して、コードで伴奏をつけるとき、ウラ拍を狙ったタイミングで弾いた方がグルーヴ感、スピード感が出る感じがするのです。

なので、この”アタマとウラの差”を感じるためにも、先程の2拍、4拍ウラで左手を弾く練習が必要になってきます。ピアノは左右の手別々のことをしなければいけないので難しいですよね??

今回譜例に書いた課題はとてもシンプルですが、左右別々のことを脳に覚えさせるには一番簡単で良い方法だと思っています。要は”左右一緒に出るのか、別々に出るのか”が分別できていれば、少し頭の中の混乱を避けることができるし、リズムの精度も上がるというのが私の考えです。

譜例の右手はファの音だけですが、慣れてきたらリズムはそのままで音程を変えてみて下さい。次の譜例のようにマイナーブルーススケール上で動いていくのなんかシンプルでオススメです。

左右コンビ譜例3

特に苦労なく安定して左手2拍4拍ウラで弾ける人は次の譜例を試してみて下さい。

左右コンビ譜例4

4つだけ譜例で示しましたが、8分音符や4分音符のようなシンプルな構成でしたら何でも良いです。8番以降は自分で考えて様々なリズムを右手で試してみて下さい。

さて、今回は左右のコンビネーションでしたが、この左手のウラ拍というのがグルーブの隠し味になっていると言っても良いと思うので、”ノリがジャズっぽくならない”と悩んでいる方はここに一つ原因があるのではないかと考えられます。もちろん右手でも、フレーズの弾き始めやアクセントの位置等、アタマ拍ばかり強調して弾いていないかチェックすることをお勧めします。



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2021年01月29日

今から始めるジャズピアノ(第14回)

〜両手でブルースを弾いてみましょう〜

さあ、左手も右手も別々の練習で準備ができたらようやく両手を合わせていきます。

まず前回取り上げたテーマの部分ですが、テーマのメロディに左手を合わせていくと、たまに右手のメロディが低い音域に来たとき、左手にかぶってきてしまうことがあります。この時は色々臨機応変に対応方法はあるのですが、とりあえずは右手優先で左手は弾かないという選択肢で良いと思います。

あと、左手の入れるタイミングだったり、リズムはどうしたら良いのか?という問題もあります。これも右手のメロディ次第なのですが、まずは両手で弾くこと自体が難しいのでとりあえず全音符で、2拍でコードチェンジするところは2分音符で良いと思います。本来は2拍ウラ、4拍ウラで練習して欲しいのですが、これは別項目で説明しなければいけないほど難しいのでまた後日詳しく取り上げます。今はツーノートボイシングでサウンドを確認出来る程度でOK。

左手コード右手メロディで弾けましたか?左手を合わせても練習方法は前回と変わらず、丁寧に当たり前に自然に弾けるようになるで弾き続けてください。出来る人は両手オクターブユニゾン(両手でメロディ)という弾き方もありますからね。そちらも試してみてください。

そして、いよいよアドリブです。これも以前にツーファイブのコードを例にとって説明してあります。
・コードトーン(第8回参照)
・スケール(第7回参照)
・アプローチノート(第9回参照)
この3項目は今後もどの曲を弾くにあたっても必須項目となります。曲のアドリブに取りかかる時は必ずこの3項目は手に馴染むまで練習し続けてください。

それではブルースのコード進行を見てみましょう。

FBlues

メロディの書いてある譜面(黒本など)を目の前に置いて弾くよりはこの4小節×3段のコード進行だけが書いてある譜面でアドリブ練習はしたほうが良いかと思われます。見た目もシンプルですし、コード進行も変化していない基本的なものなので、視覚的にも覚えやすいかと思います。

さてこのコード進行に沿って上に挙げた3項目を確認していきましょう。やり方は、、もう書かなくてもわかるでしょう(笑)ブログをさかのぼって、ブルースのコード進行に当てはめて弾いてみて下さい。

あ、スケールだけは分からないですもんね。これは以下の譜例に書き出します。

ブルースのスケール

この3項目がしっかり理解できていればある程度アドリブメロディは作ることができると思います。かっこいいかどうかは別として(笑)。フレーズの中身はいきなりこだわらなくても良いと思います。この”メロディを即興で作る作業”を続けるうちに自然と自身でメロディの取捨選択をするようになります。この”耳を使って弾いている作業”が必要なんです。

かっこいいフレーズかどうかは、メロディには色々な要素が含まれているので(音程、リズム、アクセント等)一概にどこをどうすればかっこよくなるなんて言えないほど複雑なものなんです。そもそももっと掘り下げて言うと、かっこいいかどうかは人それぞれの主観になってきますので、それこそそこには”個性”が隠されていて、それを侵害することは自由な音楽ジャズにとっては無意味なことと考えています。

簡単に言ってしまえば「そこは自分で考えろ」ということなんです(笑)。実際弾いた音が聴ければ少しはアドバイスもできますけどね。”ここをこうした方が良い”とか。具体的に質問されればなお答えやすいですけど。

何が言いたいかというと、”これがカッコいいフレーズです”とか”カッコよく弾くにはこういうコツがあります”なんて言い切れないということです。だから、これもよく聞く質問なのですが、”ツーファイブフレーズ集って買った方が良いですか?”という問いに対して、僕はあんまり勧めていません。

レコードコピーにも同じことが言えます。アーティキュレーションや、フレーズの分析にはとても役立つ研究ですが、”そのフレーズを丸々使う”為のコピーではないと思うんです。。

結局そういう勉強の仕方をすると”つぎはぎだらけのメロディ”になってしまい、メロディの流れというものができずに、”何が言いたいか分からない”アドリブになってしまうと思います。

なので、もうこの段階から”自分で考える”ということを念頭におき、ジャズピアノに取り組むことをおすすめします。今日はここまで。両手を使ってブルースに取り組んでみて下さい。



humanresorce at 11:39|PermalinkComments(0) 今から始めるジャズピアノ 

2021年01月22日

ここでちょっとライブ告知

”今から始めるジャズ講座”をご覧いただきありがとうございます。
もうスタートから13回目になりましたがいかがでしょうか?
ここで自身のトリオのライブを告知させていただきます。
このようなご時世ですが、感染対策をしながらぜひ生のジャズライブを楽しんでいただきたいと思っております。日々このブログでジャズピアノに取り組んでいる方も、ぜひまず私の演奏する姿をみに来て欲しいと思ってます。

2/25(木)熊谷 スペース1497
Open 18:00 Start 19:00
Charge 予約2,800円、当日3,300円
辺見 優司(p)、大塚 義将(b)、木村 紘(dr)
熊谷市下奈良1497-5
tel048-529-1745

※ご予約は直接お店にお電話ください

humanresorce at 13:04|PermalinkComments(0)
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