2012年04月

2012年04月17日

ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る
梅森直之 編著
光文社新書








目次
第1部 ベネディクト・アンダーソン講義録
  『想像の共同体』を振り返る
  アジアの初期ナショナリズムのグローバルな基盤
第2部 アンダーソン事始
  アンダーソン、アンダーソンについて語る
  『想像の共同体』再説
  グローバリズムの思想史にむけて


(23:59)
■円高のなか、日本国内に工場建設を決定する企業は、ナショナリズム企業か、それともナショナリズムの優占する世論を味方につけて企業イメージを高める戦略か。■グローバライゼーションを掲げすぎると、いつの間にか行き過ぎて、よその国のナショナリズムに荷担することになったりして。■国境は「構築」されるもの。事件がこちらでおこるか、あちらにおこるかで、国の対応が変わるのが国境。国境のこちらで育ったトマトが国境のあちらの人の食卓にあがるか、国境のこちらの食卓にあがるかは、生産者にとってはどうでもいい問題。■経済はグローバライゼーション、伝統文化はナショナリズム。■学問はグローバライゼーションのはずが、ノーベル賞と大学評価はナショナリズム。■現代の人類は、それぞれがそれぞれの思惑によって、ナショナリズムとグローバライゼーションを行ったり来たり。■いくら有名な人でも、生きている人を「研究する」のはなんとなく抵抗がある。■XXXについてどう思われますか?という質問は、答えにくかろう。リーディング・グループの勉強が足りなかったか。(梅崎)



(09:44)
『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』のベネディクトアンダーソンの講演の部分だけを読んで

 アンダーソンが『想像の共同体』をマルクス主義的テクストであると考えていたことにはすこし驚いた。
 以前、読書会で読んだ図書の内容なのでうる覚えだが、たしか宗教や道徳、思想、考え方といったイデオロギー(上部構造)は、経済や生活、生業といった下部構造に規定されるという唯物史観の考え方があった。これはマルクス主義の歴史観であるが、『想像の共同体』の話に当てはめると、プロレタリアートの情報技術や経済活動が変化したことで、それが上部のイデオロギー、国とは何か、自分たちとは何かといった考え方に変化を生じさせたということになるのであろうか。そして、この意味でアンダーソンは、『想像の共同体』をマルクス主義的テクストと言っているのであろうか。
 社会・経済の改革を目指すマルクス主義とナショナリズムとはベクトルが違うので、マルクス主義をもってナショナリズムは語れないような気もした。


UDA

(08:03)