オイリング(油剤処理)

糸は撚りをかけてコーン巻き又はチーズ巻きにされて終わりなのでしょうか? 

実は糸に柔軟性・平滑性・帯電防止性をよくして

縫いやすくするためにオイリング(油剤処理)がされてます。

ミシンの回転数により縫い糸の走行糸速は違いますが、

本縫いミシンでは平均8~10㍍/分です。

縫製時、縫い糸はミシンの動停止により走行スピードは変化します。

その間、糸とミシンの糸道、針穴との間に金属摩擦抵抗が起こります。

この摩擦抵抗が大きくなると縫い目を作る時に糸張力が大きくなりパッカリングの原因となります。

又糸と糸案内・針との間にも摩擦抵抗が起こります。

オイリングはこれらの摩擦抵抗を減少させ、ミシン針の上昇熱による糸切れを減少させてます。

フィラメント糸(テトロン糸)はスパン糸に比べ滑らかさがあり糸が均一なため

縫製時の針温度の上昇により糸切れが起こりやすくなります。

それで高水準のオイリングをされてます。

油剤には最近では高速性能に優れたシリコン系油剤が多く使われてます。

 いつどのような方法でオイリングされているのでしょうかといいますと

巻き取り時に行うローラーオイリングと染色直後にチーズ又はカセで行う

浸漬オイリングがありますが、両方併用する場合もあります。




フジックス01

テトロンとスパン

ミシン糸で一番身近な糸がポリエステルテトロンとポリエステルスパンです。

それで、今回はテトロンとスパンを詳しく見ていきたいと思います。

まず、よく聞くのが「フィラメント」。

フィラメントとは生糸のように、繊維が蚕の口から吐き出されて

1,000㍍以上連続している状態の長繊維の糸をいいます。

フィラメント糸1本でできている糸をモノフィラメントと言います。

「モノ」とは「単一の」という意味で、釣り糸テグスやラケットのガットが「モノフィラメント」です。

テトロン糸は1本のフィラメント糸に撚りをかけ、

その糸を2本及び3本を合して先の撚りと反対の撚りをかけています。

それで、テトロン糸のことをフィラメント糸と呼ぶ事もあります。

フィラメント糸(テトロン)は強く滑らかで美しい。

又ポリエステルは熱にも強く240度位で軟化し(熱でやわらかくなり始める温度)

260度位で溶解(熱で溶ける温度)します。

 スパンは細いフィラメント糸をカットし短繊維(ステープルとも言われてます)を

綿糸と同じように紡いでいますのでケバがありそのケバが縫製時ミシン針の摩擦熱の放熱効果があります。

放熱効果をあげることで縫いやすく、又安価という事で糸の中では一番よく使われています。

巻きはテトロンはボビン下部につばがあり、このつばが糸落ちを防ぎ、

スパンは「チーズ巻き」と「コーン巻き」があります。

チーズ巻きはつばがない形でコーン巻きは円錐形に巻かれています。




フジックス01


テトロン糸は優等生

 皮を縫うときの糸について調べてみたいと思います。

靴を縫うときはナイロン糸が使われています。

それは縫った後で熱を加えて型をとるからです。

型をとると皮が伸び糸も伸びます。

糸が伸びないと糸が切れてしまうからです。

その為伸びるナイロン糸が使われるのです。

しかし、それは本革の時です。

最近は合皮が多いと思いますが、合皮の時も同じナイロン糸が

使われるかといったらそうではありません。

合皮は本革より高い熱を加えて型をとります。

それでナイロン糸だと溶けるのでテトロン糸が使われます。

ということは、テトロンは高温でも伸縮にもすぐれているということでしょうか

 それではバックを縫う時は何を使うのでしょう。

バックを縫っている私の義理のお兄さん(約40年の職人)が鞄作りをしているので聞いてみました。

「バックが透明な素材の時は(ビニール等)はナイロン糸を使いますが、普段はテトロン糸が多いです。

テトロンは強くてきれい。

スパンを使うとケバがあるのでテトロンに比べて釜にほこりが

溜まりやすくなるので目飛びの原因になるので、テトロン糸を主に使って仕事をしています。」

という事でした。

テトロン糸は優等生ですね。




フジックス01
プロフィール

humimura

カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ