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★ネット投資家、ひっそり株価操作 摘発相次ぐ
安く買い、高く売る。株式投資で利益を上げるための基本だが、値動きを予想して買い時・売り時を見極めるのは難しい。こっそり株価を動かせたら――大勢の投資家が参加する株式市場を舞台に、たった1人で上場企業の株価を不正に操作したとされる事件が、証券取引等監視委員会に相次いで摘発された。その手口とは?
■ゲーム感覚で
「ゲーム感覚で株価を上げ下げできると思っているのには驚いた」。監視委幹部は、あきれ顔で話す。
愛知県小牧市の40代の男性会社員が名古屋証券取引所セントレックス上場のインターネットサイト運営会社「ガイアックス」の株価を操ったとして、監視委は6月、金融商品取引法違反(相場操縦)の疑いで会社員に課徴金を科すよう金融庁に勧告。金融庁は8月4日、課徴金326万円の納付を命じた。
会社員が使った手口の一つが、活発な取引を装う「仮装売買」。株の人気の高さは売買が成立した出来高に表れ、出来高が多いと投資家が注目して株価も動く。
監視委によると、会社員は昨年6月、ガイアックス株173株を高値で買いつける一方、86株を売りつけて取引が盛んなように装い、他の投資家を売買に誘い込んで同社の株価を6万8千円から9万5千円につり上げたとされる。
会社員は市販の株取引の指南本を読んで仮装売買などを思いついたらしい。証券会社から「不公正取引にあたる」と注意されても売買を続けたという。
また、監視委は今年7月、堺市に住む30代の無職男性がジャスダック証券取引所上場の不動産会社「総和地所」の株価をつり上げたとして、男性に同容疑で課徴金16万円を科すよう金融庁に勧告した。
監視委によると、男性は仮装売買のほかに「見せ玉(ぎょく)」という手口も使っていた。株価は買いたい人が多ければ上がり、売りたい人が多いほど下がる。この仕組みを悪用し、売買を成立(=約定)させるつもりがないのに価格を指定して買い注文を出す方法だ。
男性は昨年5月、総和地所株103株の買い注文を出すなどして他の投資家に「買い時だ」と思わせて取引に誘い込み、株価を4万1300円から4万6500円に高騰させた疑いが持たれている。自分の買い注文は、取引の成立前にすべて取り消していた。
こうした手口は、不正な株取引の内容を紹介したインターネットの掲示板などで知ったという。
■手口に共通点
二つの事件について、監視委幹部は共通点を指摘する。
まず、取引量が少ない銘柄だったこと。特に新興市場では発行株数が少ない上場企業も多く、「個人でも比較的容易に株価を操作できてしまう」(幹部)という。
ただ、業績や新事業の発表など株価を上下させる材料がないのに出来高が急増すれば、監視委、証券取引所、証券会社の二重三重のチェック網にひっかかる。東京証券取引所幹部は「少額取引でも、ほぼ確実に見抜ける」。多くの場合、証券会社が投資家に直接注意して水際で防いでいるという。
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