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太平洋のミクロネシア連邦チューク諸島(トラック諸島)で第二次大戦末期に沈没した旧日本軍の給油船「宝洋丸」から、積み荷と思われる油が流出していることが、米国の環境NGO(非政府組織)「アースウォッチ」の調査で判明した。流出量や船内の残存量は不明で、ダイビングスポットとしても有名な世界最大級の環礁地域に海洋汚染が広がる恐れがあると警告している。
調査は、オーストラリアの海洋考古学者、ビル・ジェフリー博士らがチューク州政府の協力を得て7月から実施。8月31日、チューク環礁の海底に沈む宝洋丸の船底中央から油滴が漏れ出し、海面に長さ5キロにわたって漂っているのを見つけた。宝洋丸の約5キロ南東に沈む旧日本海軍の潜水母艦「りおでじゃねろ丸」からも小規模な流出を確認。近く州政府に報告する。
沈没から60年以上たって流出が確認されたのは、船体の腐食が進んだためとみられる。今後、ダイナマイトを使う地元漁法などで船体に穴が開けば、残る油が一気に流出する可能性もある。
宝洋丸は大戦中、海軍に徴用され給油船となったが、米軍の攻撃で1944年2月、水深数十メートルの海底に沈んだ。最大積載量は1万5000キロリットル。チームによると、環礁内に52隻と推定される沈没船のうち3隻は日本の給油船で、積載量は最大で計3万2000キロリットル。
アースウォッチは「この海域はマンタやウミガメ、サンゴなど多様な海洋生物の宝庫。観光や地元漁業などへの影響も懸念される」と指摘する。25カ国政府でつくる「南太平洋地域環境計画」(本部・サモア)の調査によると、南太平洋には3852隻の船が沈んでおり、その86%は日本船だという。
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油の流出が見つかった地点
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宝洋丸から流出し、海面を漂う油膜(手前から左奥)とジェフリー博士=ダイバーのタミー・チャン氏提供
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宝洋丸の船底から漏出する赤黒い油滴=ダイバーのタミー・チャン氏提供
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