グルメハンターさんちゃんの珍生物試食記録

竹島水族館・飼育員の三田(さんちゃん)が図鑑や料理本にもその「味」について記されていない未知なる生物の試食に挑みます。 食べ始めたきっかけは、お客さんが館内で話していた一言「この魚おいしそう」。よく館内で聞く言葉です。水族館の魚は漁師さんが持って来てくれます。その中で、手の施しようがない・持ってくる前に死んでしまう生き物を処分せずに味まですべて伝えようと始めたこと。 <水中生物専門家である飼育員・および勇気と腹痛可能性の代償を覚悟しての試験的料理報告です。皆様はなるべく食べないようお願いします。万が一食べる機会があり、腹痛その他苦しい状態となっても、責任は負えませんのでご了承ください>

テンジクジンケンエビ

めったにやってくることのない深海性のエビで、テンジクジンケンエビという種類がいるのですが、やはり、生きている元気な個体には出会うことが出来ない、珍しい深海生物。

知っている、見たことあるよという方は少ないのではないでしょうか。




赤色の体に入る白色のラインがキレイで、触角も白く長くてキレイ。僕の記憶にある限りでは、過去10年くらいで展示が出来たのは1度だけ。たぶん。それ以外では、死んでしまったまま搬入されたのは2回くらいだったかな。たぶん。それくらい出会う機会がないです。




今思えば、これまた貴重な深海生物を食べることが出来たものだと、生き物にも、協力をしてくれた漁師さんにも感謝ですね。

 







さて、これほど出会える機会が少ない生き物だと調理の仕方・食べ方で悩みます。味が飛んでしまう食べ方や、味付けをするなどはダメ。本当は生で食べてみたいところですが、鮮度があまり良くないということで焼くことにしました。


食べ方のルール(グルメハンターさんちゃんルール)としては、①生 ②焼く ②茹でるの3択ですが、最近は本来の味を伝えるのならば生で食べるのが一番!と思い、エビなどはそのまま食べることが多いです。だから、生で食べられなかったのはすごく悔しい。あぁ、刺身だとどんな味だったのかなぁ。気になるなぁ。

 

熱したフライパンに油を敷き、両側面を数分焼けば




クレジット入り①







完成です。






食欲をそそるエビの香りが漂ってきます。殻は柔らかめで食用のアマエビのような硬さなので、簡単に手で外せます。



クレジット入り②








1匹しかない、身も多くはないので、しっかりと味わいます。


食べると美味しそうなエビの香りと一緒に、少し濃厚なエビの旨味があって、想像よりも美味しくて、おかわりをしたくなります。

 

深海も美味しい生き物が多いですね。

チカメキントキ

既にブログで書いているものと思っていたら、まだ書いておりませんでした。チカメキントキ。


チカメ1




たまには、美味しい種類を書きましょう。もう見るからに美味しそうでしょ。





いや、結論から言うと美味しいんです。これは美味、絶品です。

毎シーズンやってくるお魚ですが、いつもスタボロ。腹鰭が大きくて、きれいで、カッコイイので好きなのですが、ダメージが大きく立ち直らせるのに一苦労な種類。


チカメ2



美味種であることはわかっているので、毎回搬入を見るたびに「美味しそうだなぁ…」と思ってしまうけど、口には出しません。いや、小声で出ているのかもしれません。入社当時から先輩方には“美味しいぞ”と言われていて、最初に食べた時も完全に晩ご飯のおかずとして調理しました。



当時は、グルメハンターなんてことは名乗ることも無く、食べる時のルールなどもありませんでした。






さて、その時に選んだのは煮つけ。

まず、鱗の処理から開始。チカメキントキの鱗は硬くて細かいので処理をしたら、しっかりと水洗いをして、内臓も取り除いてしまいます。




ここまで下処理が終われば、酒・醤油・みりん・砂糖・水で煮ます。この段階になれば、頭の中は美味しさでいっぱいとなり、美味しく食べることしか考えていません。

お腹も鳴り続けます。気分はルンルン、贅沢な晩ご飯です。

しっかりと味を染み込ませたら完成です。

チカメ3



ほら、すごく美味しそう。たまらん。

醤油と美味しそうなお魚のニオイと、皮の間から見えるキレイな白身。食欲を掻き立てれる。箸を入れると、身はしっかりとしつつも硬くなくて、詰まっています。


十分なほどの晩ご飯のおかず。


食べるとクセは全く無くて、白身魚の繊細な味。そこに調味料が合わさって、最高にご飯に合う。こりゃウマイ。



この美味しさを知ってしまうと、展示水槽に入っていても美味しそうにしか見えなくなります。美味しいお魚も、たまには食べないといけません。

チョウチンアンコウの仲間を食べる

深海魚の定番中の定番種、チョウチンアンコウ。名前は聞いたことあるという方も多いはず。今回は、そのチョウチンアンコウの仲間です。

 

 

チョウチンアンコウ

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんとした種の名前を調べたかったのですが、気持ちが先走りすぎてしまいまして、ちゃんと調べる前に捌いてしまいました。ごめんなさい。

 

 

深海魚好きならテンションが上がるのではないでしょうか。グルメハンター始めてからだいぶ経ちますが、今でもチョウチンアンコウの仲間が搬入されると「おっ!」と静かにテンションが上がります。生きていたらさらに超絶テンション上がるのでしょうけど、生きたままやってくることは今のところありません。

やってくるだけでウキウキルンルンな深海生物です。スキップしちゃいそう。

 

 

今回のチョウチンアンコウは、漁師さんが「三田君に是非食べてほしい!」と持ってきてくれました。涙が出そうなほど嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

これを見てください。

 

 




 

チョウチンアンコウ2

 

 


 

嬉しすぎて、カメラで撮影をされていることすら気づかずに捌いています。もう夢中。



チョウチンアンコウ3


チョウチンアンコウ4



 

写真で伝わると良いのですが、体は柔らかく、深海魚は体が柔らかいと言われる(イメージが強い)ように、チョウチンアンコウも同じようにブニブニ(?)しています。ただ皮はしっかりとしています。

 

 

次に、お腹を開き、内臓を取り除きます。身が柔らかいため包丁を入れにくいのですが、先ほども書いたように皮がしっかりとしており、身も潰れるというようなこともありませんでした。

写真でも伝わると思うのですが、白身で水分が多く、柔らかい。水分で潤っていますね。

 

 

 

 

チョウチンアンコウ5

 

 

 

 

 

 

  

皮は頑丈で手で剥ぐことができます。ただ、カワハギほど分厚くはありませんね。そして、皮の表面にはザラザラと細かいものがあり、手に付着します。これは、ホソフジクジラなどと同じように鱗でしょうか。

 


 

さて、無事に捌けたところで実食です。



よく分からない深海のヘンテコ生物であれば、火を通すなどするのですが、今回は生で頂きます。毎年のように頻繁に出会う、搬入される生物ではないし、余すところなく、純粋な味を知るために、尚、体に支障が無いように気を付けながらも生食が良い、大丈夫と判断。

 

 

 

実食。

 

 

 

 

 

身は若干の弾力があるのですが、張りのある弾力ではなく、例えるなら質の悪いナタデココというか、鮮度の落ちたエビの刺身というか。

味も旨みも特にありませんでしたが、やはり深海魚のニオイというものはあり、さらには口の中にまとわりつくような粘性があり、飲み込んだ後は口の中に粘り気が残りました。

 

 

 

 

 

深海生物の有名種チョウチンアンコウ(の仲間)を食べられたということは、とても貴重な体験でした。これは、色々な方に伝えたいし、興奮体験でした。鼻児が出るかと思った。

 

 

 

チョウチンアンコウ7
 

 

 

 


 

 

 

 

もう一度言いますが、貴重な体験でした。

コクチヤエギス

見たことが無い、名前が分からない生き物が獲れたということで漁師さんが持ってきてくれるので、調べます。

擦れ傷などで同定箇所の体表や鰭などがキレイ残っていたりすると調べやすいのですが、かなりズタボロの時もあり、図鑑などと睨めっこして苦労をするときがあります。ブツブツ言いながらも結局は“〇〇の仲間”までしか分からず、こんな時はちょっとモヤモヤした気持ちになります。

 



今回の生き物も、かなりボロボロでしたが、図鑑と睨めっこするとコクチヤエギスに辿り着きました。

 


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大きさは出刃包丁の刃と同じくらいの大きさ。






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鰭はほぼ無く、表皮も擦り切れているように見え、眼球もありませんね。


触った感じは深海魚のイメージ通りに柔らかい。









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口はそれほど大きくなくて、可愛らしいじゃないですか。

 

 




さて、どのように食べようかと思いながら種類を調べていましたが、表皮の具合や柔らかさ、あとは、なにより鮮度が微妙で若干の生臭さがあるような気がして、食べ方を悩みすぎてお腹が減ってきたところで「まだ大丈夫、俺ならいける!」と判断で、生で食べてみることにしました。

 

 


 

 

先ほどもお伝えしたように身が柔らかいのですが、包丁を入れても身が崩れることもなく捌くことができ、とても綺麗な白身です。










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見るからに水分が多く柔らかそうでしょ。

 

 

 

刺身にして、醤油なども付けずにいただきます。

 

 




 

やはり、なんとなく、どこかすごく遠いところで若干の臭みがあるような気がします。はっきりとはしませんが「ここだよ、ここにボク(臭い)はいるよ。気づいているでしょ?ほらほら。」というような感じで存在しているような気がします。でも、気にしなければ分からない程度だったので食べます。

 

(みなさんは、怪しいと思ったら辞めましょうね。自分を大切に。)

 

 





一口大に切り、口に入れてみると、ぬるぬるとヌメリ感をすぐ感じ取れました。ほんのりとヌメリ感を感じながらも噛むと、食感は固まり切らなかったナタデココのよう。そして、柔らかく塩味はしますが旨味は無く、美味しいとは感じません。そのまま噛み続けると若干の苦みを感じました。

 



 

舌の上で広がるヌメリ感と、柔らかいけどしっかりとした食感に塩味と少しの苦み。
そして、遠いところで感じる臭み。


 

鮮度の不安もありましたので、もしも、次に出会えるなら新鮮な状態で食べてみたいものです。



それよりも、生きて展示が出来たら嬉しいですね。

ワヌケフウリュウウオ

久しぶりすぎて忘れ去られているかもしれませんが、健在です。

今シーズンも少しずつ深海生物がやってきています。



 

たけすいにやってくる深海魚の中には、海中を泳ぎまわらずに底でじっとしている種類も多くいます。当ブログでも最初の方で紹介をしたアカグツや、たけすいの深海展示水槽では定番普通種のイズカサゴやナヌカザメもそうですね。そういった中でも、ワヌケフウリュウウオという種類は、鰭が脚のようになって底で踏ん張っているカワイイやつです。アカグツも同じですね。



ワヌケ


 

 

 

 

この、ワヌケフウリュウウオを試食。

 

 

一般種であれば、まず鱗の処理から行いますが、フウリュウウオの仲間は鱗が繋がっていて

硬い鱗になっているため、鱗の処理は行いません。実際に触ると分かるのですが、すごく頑丈で硬い。だから、皮ごと取り除こうかとも考えたのですが辞めて、内臓を取り除きます。

 



ワヌケ3






 

最初に、お腹に包丁を入れる時は、少しワクワクしますね。

お腹の中はどうなっているのか、他の種類のようにお腹の中は黒いのか、胃には食べたものが残っているのかなど、気になるところがたくさん。

 

 

さて、これれで下処理は完了です。次は調理方法ですが、焼きます。

 



用意するものはフライパンと箸と少量の油。

 

捌いてみた感じと、普段の食性から脂は乗っていなくて、水分が多いということも無さそう。

早速焼きますが、静かに焼けていくだけで、僕も静かに焼きあがるのを待ちます。

ワヌケ2





数回ひっくり返したところで完成。

 

食べようと思ったのですが火を通しても皮(鱗)が硬く、箸では解せません。急遽、いつもオオグソクムシで活躍しているキッチンバサミの登場。頑丈な皮を切ると、すぐに白身が顔を出します。改めて思うのが、皮の頑丈さ。ハサミを使わないと捌けないほど。

全ての皮を取り除きたかったのですが途中で断念して、身があるであろう場所の皮だけ処理をして、実食です。

 

ワヌケ4






 

ものすごくしっかりとした白身で、かなりの弾力がありますが、箸でつまんで食べられるかと思っていたのですが、箸を通すにも一苦労だったので、そのまま噛り付くことにしました。

 

ワヌケ5








 

美味しいマダイや蒲郡名産のメヒカリのような感じは無く、魚とは思えないような歯ごたえ。ホロホロ感もホクホク感も無い。

先ほども言いましたように脂身は無く、さっぱりしているのですが食感が鶏肉のようだけど旨味もない。

 

 

 

率直な感想としては、硬いし旨味もないから食用には向いていないというのが感想。

 

身の硬さで言うと、ヌタウナギも身がしっかりしていて、鶏肉のようで似ていますが、ヌタウナギは旨味がある点が違いますね。

 

なんでもそうですが、ワヌケフウリュウウオのようなものでも、ここに味付けや調理法を変えると食用にできるかもしれませんが、ワヌケフウリュウウオは食べられる身があまりないため、やはり不向きでしょうね。

 

身の硬さには驚きでしたね。

珍種トンボイヌゴチ

冬は深海生物の季節。気温が下がれば下がる程、漁師さんが獲って来てくれる深海生物が待ち遠しくなり、とてもワクワクして、プレゼントを待つ心躍る純粋な少年の様な気持ちになります。生き物が搬入されると飼育係は皆、瞳をキラキラと輝かせます。




しかし、漁師さんの情報では今シーズンは海の水温がなかなか下がらないらしく、いつもに比べると搬入量も少ない。瞳を輝かせる時が少なくちょっと寂しい。

待ち遠しいです。 




通常のハイシーズンに入ると、気温も水温も下がり、いつもより少し深場の深海生物がわりと元気にやって来るようになります。その中に副館長も跳ね回って喜ぶ珍種トンボイヌゴチがいます。何度も出会える種類ではなく、副館長が跳ね回るのも納得できます。


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食べる機会もあまりなく、ことごとく逃して悔し涙を流していましたが、試食機会がやって来ました。すぐに、調理をして試食をしてみたかったのですが予定が合わず即冷凍して、数日後に調理。ウズウズします。





まずは下処理で内臓を取りたいのですが鱗が硬い。本種の水槽内で泳いだ時の様子を見ていると、体にしなやかさは無く、搬入時に触ると体表(鱗)はやはり硬い。

なんとか内臓処理をして、半身に。そして、半身の皮を剥ぎたいのですが、皮が硬く分厚く頑丈なため、一般的な魚の様にできないため、硬い皮を固定し少しずつ剥いでいきます。剥ぎ終わると、皮は見事にそのままの形。



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この半身を刺身にして食べることに。



刺身1





白身ではありますが、数日冷凍にしたためか、あまり美味しそうには見えない。


まず、口に入れてみると、生臭い。

噛むと、とても歯応えがあり硬く、味も旨味も無い。これは美味しくない。

更に噛むと生臭さが増し、美味しくない。

更に噛み続けると更に生臭くなり、美味しくない。ただ生臭いだけ。

 

今回は、数日の冷凍期間が味やニオイにどれほどの影響があったのか分からないのですが、次回の機会がきたらすぐに調理をして確かめたいです。

オオグソクムシ 新たな発見

グルメハンターとしては、オオグソクムシは切っても離せないような存在になっています。

 

最初に食べたゲテモノは、オオグソクムシ。


注目を浴びたのも、オオグソクムシ。


国内初の卵からの孵化も当館。


たくさん食べているゲテモノ生物も、オオグソクムシ。

 

 

メディアなどの取材で食べる機会が多かったですね(最近はめっきり食べる取材依頼は無くなりました)。取材で食べるとなると、見た目のインパクトからも焼いて食べるという事が多く、茹でるというのは、ほとんどありませんでした。だから僕の中では、フライパンにオオグソクムシ達が乗っている光景は、あまり違和感が無いのです。

食べ過ぎて、頭がヘンになっているのでしょうね。クルクルパァ。

 



焼いたオオグソクムシが美味しいか不味いかと聞かれれば、個人的な感想では不味いと答えます。獲れたてほど、臭くて不味い。しかし、焼くのではなく、唐揚げや超高温で瞬時に焼く(というより蒸す?)と美味しいらしいですね。でも、この食べ方はしません。今まで、食べてきた生き物は、生で食べれそう、もしくは、美味しそうな生き物は刺身で、その他の危なそうな生き物などだいたいは焼くか茹でて火を通して食べてきました。オオグソクムシは色々な意味で危ないと思い、かならず加熱をしていました。




 

しかし、ついに、オオグソクムシを生で食べる事に決めました。




上司に強要されたわけでもなく、後輩から唆された訳でもなく、ふと食べてみようと思い立ち、抵抗もありませんでした。もう、頭がおかしくなっています。

食べると決めても、すぐには食用グソクムシは手に入らない。そこで冷凍庫内を探すとありました、冷凍グソクムシ。家の冷凍庫にグソクムシが入っていたら、お母さん絶叫、怒られるでしょうね。お父さんが、酒のつまみで食べることもないでしょうね。

 

早速、解凍をします。



 

用意する物は、キッチンバサミ。それと、勇気とチャレンジ精神と無の心。ありがとうの気持ち、これは重要ですね。

 

解凍できたら、腰回りの節のところからハサミを入れ、そのまま切り離すと身と内臓が出て来ます。

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あとは身を取り出し食べるだけ。

 


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予想では、旨味は無く美味しくない。

ここまで来ると、躊躇とか無いです。

 



食べてみると、ビックリな事に甘みがあり、旨味も多少あるような気がします。これは、ビックリ。他の食材に例えると、アマエビの旨さと甘さをすごく雑にした味とでも言いましょうか。

 

この冷凍グソクムシは冷凍期間は約1ヶ月のようで、冷凍したことでアミノ酸などが出たのかなと推測。

 

たぶんそうでしょう。

 

ビックリしすぎて、その場に来た副館長にも食べてもらいました。強要はしてないですよ。

 


副館長も驚いていました。

 

 

 

 

2人揃って、新たな発見でした。

 

ついに、生で食べちゃった。

ホソフジクジラ

どうも、グルメハンターです。まだ、グルメハンターは健在ですので、よろしくどうぞ。


さて、久しぶりの更新ネタはホソフジクジラ。みなさんご存知でしょうか。鯨ではないですよ。深海マニアの方はご存知でしょう。いわゆる軟骨魚類のサメです。


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深海性小型種で漁師さんに頼めば持って来てくれます。しかし、瀕死の状態で搬入されることが多く、長期の展示が難しい種類。どうやら水深400915mに生息しているようですね。

                    

 

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なかなかカッコイイ顔でしょ。





顔なじみの凄腕漁師さんからは「食べたら美味い」と前々から言われていましたが、正直食べる気になれずに時が経ち、やっとやっと重い腰と腕と、ラーメンばかり食べている口を奮い立たせて調理しました。こうなると、色々とウキウキドキドキしながら準備がモリモリ進みます。調理道具に加え、カメラは記録を取るための必須アイテム。


 

 

調理の仕方を考えている時に、「…かなり前に…生で…食べた…気が…する」という記憶が微かに蘇ってきた。ウソの記憶かもしれないけど。
だから今回は焼くことにして、アンモニア臭くなる前に下処理をパパパッと済ませます。ここまでやってしまえば、あとはあら簡単。ジュージュー焼くだけ。



飼育事務所で、飼育事務所のフライパンに油をひき、焼きます。





職場のフライパンは、今まで僕が散々オオグソクムシやらオオグソクムシやらオオグソクムシやらなんやらを焼いてきて(ほとんどオオグソクムシですけどね)、みんなに目撃、嫌がられ、今ではほとんどボクしか使いません。オオグソクムシは焼いていると、体内水分が沸騰、節の間から水分がグツグツ泡立ちながら顔を見せ、ブシューッ!っと体液と共に飛び出ることが多々あり、これを目撃されて引かれる。



引かれても寂しくないです。慣れました。



グソクムシのことは置いておいて、思い出が詰まったグルメハンター専属となったフライパンで焼きます。





焼き始めると、すぐに表皮が縮れはじめます。
縮れすぎて、美味しそうには見えない。これを見て、僕には美味しそうな良い表現ができない。なんてことだ。ひっくり返そうにも身が崩れたりするので、ますます美味しそうに見えない状態になり、ひっくり返すのは最低限にしておいて完成。


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いよいよ試食開始ですが、見た目は普通の白身魚といったところですが、やはり身が柔らかいです。


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食べてみると、美味しく無い。でも不味くも無く旨味が無い。あえて他の食用魚に例えるのなら、“ものすごく薄味にしたタチウオ”でしょうか。

 

そして、焼き縮れた皮を食べると、個人的な感想ですが、なんて不快なんでしょう。ジャリジャリがすごく口の中に残る。不快です。これは、苦手ですね。

 


食べるなら身だけですね。

ゴカクホシヒトデ食す

今回は、


ついに手を出してしまった、新ジャンル。



深海ヒトデ。



深海の赤座布団、ゴカクホシヒトデ




ヒトデ類は、手を出してはダメだと思っていたんです。いや、今でもダメだと思っています。
ヒトデってよく分からないじゃない。



魚は日本全国で昔から、崇められたり、お祭りで掬われたり、釣られたり、観賞されたり、食べたり、時には超高額値が付いたりと、一年を通してどこかで見たり聞いたり話題にもされます。



女性からは「カワイイ~」なんて言われることがあれば、「キモッ!」って吐き捨てられることもあり、スルーされたりと様々な表現であったり接点があるもの。



エビやカニだって、美味そう、何人前?、カッコイイなんて言われたりもする。甲羅はお面になったり、奉納されたりと高待遇な良い扱いをされる種もいたり。






ではでは、ヒトデってどうですか。



ヒトデだね

お星様だね

手裏剣じゃん!シュシュシュッ!(タッチプールでは投げられることもあります。ボクらは、怒ります)、

キモイ!

などなど



ヒトデを見て「カワイイ~」「家で飼いたいっす」「高額でも欲しい」「是非、我が家の神棚に!」なんて言っている人は、見たことありませんね。いや、もしかしたら、ごく一部の方は言うかもしれません。



崇められることも無く

奉納とは程遠く

お祭りの出店の目玉になることも無い

見ていても、置物のようにほとんど動かない

タッチプールでは、子供達に積み重ねられ(ボクらは怒ります)、投げられ(怒ります)、小さな子に握りしめられ潰され(泣きながら潰さぬように交渉します)、死んでいると思われる時もある(生きていますアピール大)。


こんな、よく分からないけど、深海では重要な役割を果たしてしっかり生きているヒトデたち。



なぜ食べてしまったのでしょう。珍食試食をするのが私の仕事。



ゴカクホシヒトデ、毎シーズン漁師さんから搬入される、冬季深海常連生物です。


最初から食べ物ではないと脳は判断していました。






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ザルに乗るゴカクホシヒトデ。

ザルに乗っているゴカクホシヒトデなんて貴重です。滅多に見れないです。


このザル乗りゴカクホシヒトデ、実は、火を通した後の状態です。


今回は、茹でました。茹でザル乗りゴカクホシヒトデ。




茹でても、悪臭がするわけでもなく、爆発もせず、オオグソクムシのような変な液体を吐くことも無く、茹であがりました。
中身がどうなっているのか分からないため、茹で時間は適当です。この適当と言うのが、みなさんに驚かれます。



茹でても、触り心地とか変化は無く、なんとなく白っぽくなっただけです。



飼育中のゴカクホシヒトデは、体調が悪くなって来たり、死んでしまうと硬い体表がボロボロ剥がれ落ちる事があるんですが、茹でても変化無い。
予想では、どこかボロボロ剥がれるかと思ったんですけど、予想は外れました。


調理解体道具は、ヒトデの表面が硬いので、キッチンバサミを選択。右手に装備。


よく分からないので、とりあえず真っ二つに二等分します。


次に表面側の外皮を切り除いていきます。硬くて、生き物を切っている感じではありません。


DSC_0828

中はこのような感じでございます。

どこを、どれを食べればよいのでしょう。


とりあえず、この茶色のよく分からないデロデロしたものをターゲット。

試食開始です。


いつものように味付け無しで、そのままイートイン。





あ、あ、


あー不味い。


苦い。ニガイ。


この食べた部分は何ですか。エラですか。どこの臓器なの。


これは、2口でやめておきました。

食べるところもないし、苦いってなんですか。



やっぱり、ヒトデ類はダメです。

オオグソクムシせんべい

GW中から、竹島水族館の売店では、“オオグソクムシせんべい”というものが販売されて、話題になっているようです。



販売前には、試食ということで各職員に1枚ずつ配られ、各人食べたようで、お客さんから聞かれてもすぐに答えられます。







ボクが食べる前に、すでに他のスタッフが食べていたため、どんな味だったのか、美味しかったのか聞いてはいました。




・美味しかったよ


・塩味がきいていて、少し塩辛いけど美味しかった


・なんとなくグソクムシのニオイがしたけど、美味しかった


・普通の塩せんべいだった



など、まとめると、「普通の塩味のせんべいだけど、グソクムシ本来のニオイを知っている人には、ほんのりグソクムシ臭がする」。


ということで、美味しいせんべいを食べる気で食しました。




・見た目は、塩せんべい。


・よく見ると、何かが練り込んである。


・開封時、ニオイを嗅ぐと塩せんべい。


・食欲が沸く。


・1口かじると、塩味のせんべいであると、舌と脳が判断。



しかし、




直後、ほのかなグソクムシのかほり。




3噛みほどすると、しっかりとオオグソクムシのかほりがする。脳が敏感に反応。




2口目、グソクムシのかほりと共に、グソクムシの味がほんのりフワリ。



そして、せんべいは揚げてあるため油分もありますよね。これが飼い込んでブリブリに太って脂が乗ったグソクムシを食べた時の事を思い出させてくれます。



すぐに舌と鼻と脳が敏感反応、オオグソクムシがちゃんと入っていると即判断、グルメハンター脳に切り替え。



美味しいと聞いて、美味せんべい受け入れ態勢万全で構えていた頭と胃袋。

空腹もあり、ショックでした。




他の人は、少し香ばしく美味しく食べたそうですが、個人的には2枚目はもういりません。

どうやらボクの体はオオグソクムシに反応する体になってしまったようです。


オオグソクムシのニオイ・味は、忘れはしません。





オオグソクムシせんべい、みなさんには、きっと美味しいのでしょう。オススメです。

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