2004年07月03日

69 若木信吾×妻夫木聡×安藤政信

 雑誌『H』にて映画『69 sixty nine』に出演の妻夫木聡と安藤政信を若木信吾が撮影。写真集も1969円でロッキングオンから出版。

 今、男を撮らせるなら若木信吾で間違いない。
 女を撮るのが上手いカメラマンは多いが、若木のように男を撮れるカメラマンがそれほど多くないのはポートレイトの撮影術のほとんどが女を美しく撮ることに重点を置いて進歩してきたからである。(レンズやフィルムの開発に於いてもしかり)
 男を撮るときには、それとまったく異なる考えや撮影方法をもって臨まなければならない。以前にも当ブログでは、藤代冥砂がミスター・チルドレンをSWITCH誌上で撮った写真を全く同じ理由で批判したが、女性ポートレイトの撮影術を男に用いて失敗している写真はさほど珍しくない。自分のなかに蓄積されてきた技術を見せびらかそうとして失敗する例もあるし、意識せずとも癖として出てしまうという場合もあるだろう。
 では何故、若木信吾はそういう間違いを犯さないのか。それは彼の写真の原点が「祖父をカッコ良く撮る」ことにあったからである。しかも撮影時から既に自分と祖父に血の繋がりがないことを知っていたというのだから、単純な家族写真と片付けることはできない。実際、写真集『Takuji』『young tree』には、血の繋がりに甘えていては決して撮れないダンディズムの理想型が見られる。
 数少ない男を撮れる写真家として荒木経惟の名を挙げないわけにはいかないが、荒木自身が妻陽子を撮ることで写真家になったと発言しているように、彼もまた女を撮ることにその原点がある。写真家として名を為すには女を撮るのが最も近道であるが、若木は商業的にも成功しづらい男のポートレイトで世に出て来た非常に稀な写真家である。それだけを見ても若木の力量のほどが判るというものだ。
 妻夫木と安藤を撮った写真は、女子には判らない男子の世界が写っていて、かなりいかした感じだ。女のケツばかり追いかけてる奴じゃあこんなふうには撮れないぜ。いや、女のケツを追いかけるのも大事だけどね。

 同じ号の『H』に悪い例としてバンプ・オブ・チキンの写真。ピンクの背景でお肌もツルツルに。マニキュアしてる奴に、小指くわえてる奴。よく知らないが、耽美系のバンドだったのか?

hustla_1_push at 18:36│Comments(1)TrackBack(0) 雑誌 

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この記事へのコメント

1. Posted by ウエダ   2004年07月07日 06:38
私は写真の専門的なことはわからないのですが、初めて写真というものを意識して見たのは、クリストファー・ドイルが『Mr.ハイファッション』という雑誌で撮った永瀬正敏の写真でした。

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