2004年06月10日

若原瑞昌 『月刊ソニン』

7068ac15.jpg 若原は藤代冥砂のアシスタントを経て今年独立したばかりの新人。いきなり月刊シリーズを撮らせてもらえるというのはかなり恵まれたスタートと言える。
 しかし、「撮らせてもらった」感じが否めないのも事実。
表紙を含め、ページのほとんどがネガのベタ焼き(※1)をそのまま使うという構成で、1ページ大で使われた写真はわずか12枚に留まる(※2)。一見斬新に見えるが実は使い古された手法。お遊び程度に数ページというのはよく見るが、一冊のほとんどというと話は別。裏を返すと、これは大きく使える写真が少ない、出来が良くないということ。さらにイラストレーターがベタ焼きの上から落書きをしている。もともと月刊シリーズは凝ったデザインが多いがこれはやり過ぎ。若原も自分の写真がぞんざいに扱われることに対して怒ってもいいはずだ。
 兎に角、一冊の写真集の中でカメラマンの存在がこんなにも軽んじられているのは初めて見る。かなり期待していただけにガッカリさせられた。師である藤代は今最も注目されている写真家と言っても過言ではなく、当然弟子の若原にも注目と期待は集まる。恵まれたスタートを切れば、超えるべきハードルも高い。

あちこちのサイトで「石田東 撮影」と間違って書いているのは何故なんだろう?

※1 ベタ焼き
 ネガフィルムから印刷原稿として使うコマを選ぶ為に作るサンプルプリントの事。フィルムと同じ大きさにプリントされたもの。 露光するときにフィルムと印画紙をベタっと密着させて作るのが語源。この写真集でもコマ下に丸印が付いているものがあることから、当初は普通に選んで使う予定であったと思われる。

※2
 ページ構成は以下の通り。
 ベタ焼き64ページ、ページ大写真12ページ、二分割4ページ、インタビュー8ページ、広告4ページ。


hustla_1_push at 19:01│Comments(3)TrackBack(0) 写真集 

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この記事へのコメント

1. Posted by mayahiko   2004年06月14日 07:53
ご意見に賛同します。
ベタ焼きばかりの写真集。構成自体中途半端で
まず写真集としてつまらなかったです。
また、被写体への思いは感じられず、撮る事、写す事に
終始した写真集のような気がします。
残念ですね。
2. Posted by hustla_1_push   2004年06月15日 01:33
>被写体への思いは感じられず、
 依頼された仕事ですから、すべてに思い入れをもってやるというのは無理かなと思いますが、やはり思い入れがなくてもあるように見せられるのが一流どころかもしれませんね。逆に思い入れたっぷりなのに、そう感じさせられなかったら相当にヤバい。

 ただ今回は相手が悪かった。皆さん御存知のように(知らなくてもインタビュー読めばわかりますが)ソニンはタレント・歌手として決して恵まれた環境で活動して来たわけではなく、自分に責任のないことで苦境に立たされたこともあった。そういうことを健気に乗り越えて来たからこそ、今の人気や地位を確立できた。そういう強さを持ったモデルに対していろんなことに恵まれた新人カメラマン(正直羨ましい)が適任だったかどうか。器の違いはあったように思います。
 若原氏は何と言っても藤代冥砂の弟子。師匠が『ライドライドライド』で成し遂げたような大成長を見せてくれるかもしれません。今後も注目です。
3. Posted by みほ   2004年06月16日 10:09
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
あたしも見ていてとてもつまらなかったです。
何も伝わらない、ただ適当に撮ったように思えました。
がっかりしました。

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