最近娘ちゃんは学校の授業であるビデオを観てきた。
(1ヶ月以上前にこれは書き始めたので得意の日にち不明記事)
それは安楽死についてのビデオでした。
安楽死が認められている国は何国かあるのはわたしももちろん知っている。
娘ちゃんはこのたった1時間の授業がとても心が疲れてしまって退席しようかと何度も思ったけど周りから変な目で見られるのが嫌だから頑張って観たらしい。
ビデオの内容(娘ちゃん談)
ある女性が不治の病になりました。
その女性は、治療をしても治らない。延命措置をする事はなんにも意味がない。もし人工呼吸器をつけると、話すこと、食べること、動くことも出来なくなる。
そうなる前にそれでも、呼吸器をつけますか=延命措置をしますか?の医師の問いに家族が本人と決める段階があった。
このビデオは実写だ。
で、その女性が時折見せる苦しい顔をしたその瞬間、その女性がわたしの顔になったらしい。
歳も見た目も全然違う顔なのに苦しんだ顔がねICUで見たときの〇〇ちゃんだったの。
突然〇〇ちゃんが映ったんだ。
はいはい…なるほどね…そうなんだよね…
書いたけど、わたしは頼る身内がいない、だから本当は去年の暮れの手術の時、術前の説明時にもだけど、術中に成人の人が1人家族控え室にいて欲しい。そして終われば術後の説明をしたい。と言われていたが、それをわたしは誰もいない。なんかあったら医療過誤とか言わないから勝手にしてもらっていい。
にした。
でも。娘ちゃんは当日どうしてもいたい。と言って控え室にさえ入れないけど同じ空間で近くに感じられるだけでもいいから病室にいる。
と言われ、知り合いが娘ちゃんを病院に連れて来てくれて待っていたのです。
ずっと待ってる娘ちゃん。
癒着部分の切除になのか言われていた時間を娘ちゃんにも言ってるから、その手術時間が予定の倍かかったのもとても不安だったとおもう…
そんな時娘ちゃんを見かけた病棟の看護師さんは、さっきおわって今ICUにいますよ。少しお顔見て帰る?
と言ってくれたらしい。
わたしはICUで娘ちゃんの声を聞いている。
まだ麻酔が完全にきれてないうつろな時だ。
現実世界か、その先に行ってしまったのか、手術はちゃんとうまくいったのか、なにも問題なかったのか(後から問題あったのしったけど仕方ない。じぶんの先天性を恨む。)まだわからないくらいの時…。
だから微動だにも出来ずただ苦しいな…と顔にチカラは入っていたのはなんとなく覚えている。人は死に際に最後まで残るのは聴覚だというのは本当かもしれないと思った。
他は動くことも話すことも目を開けることも出来ず、何の感覚も無かったけど娘ちゃんの声は聞こえた。
小さな声でだいじょうぶ?…って。
娘ちゃんはわたしのその時の顔が、ビデオの中の苦しんでいる女性と突然入れ替わったらしい。
それを思い出してどうしようもない感情になったといわれた。
トラウマになってるじゃーん!とわたしは笑って言った。
なんで看護師さんICUに入れたかなー
もう小さい子ではないけど、親のそうゆうの子供に見せちゃだめじゃないかー
とわたしはおどけて言った。
娘ちゃんは、ううん。〇〇ちゃんのああいう顔を見たことなくてちょっと驚いたというか引いた?(失礼だ笑)けど、あの日は苦しそう…痛いのかなぁ…とか思っただけだよ。
今日まで忘れていたくらい。
だから大丈夫だったよ。
そうだ。あのとき娘ちゃんは特に乱れたりもしてない。帰るときも看護師さんに
〇〇ちゃんは痛くてもとても我慢します。痛そうにしていたら自分からは言わないと思うのでちゃんと見ていてください!
と言ってるのも聞こえた。
看護師さんにも後からその話は聞いた。
本当に良い娘さんですね。
って言われたのだ。
それが、こんなひょんなことからフラッシュバックだよ。
学校で我慢してきたのがとてもわかったので、おいでー!って呼んだ。
そして、はい、泣いていいよ!と言ったらわたしの膝に顔を伏せてとめどなく泣いた。
わたしは今生きてるよ!
大丈夫だよ!あのときの顔、自分じゃどんな顔してたのかまではわからないけど確かにちょっと苦しかった。
でもね、あの後完全に覚めてそうゆうのも処置してもらったらすぐに大丈夫になったの!
そして次の日に夕方ちゃんと病室に戻ってお話ししたじゃない?
ほんとに1番間が悪いときに看護師さん連れて来ちゃったねー。
ごめんねー。
だから!そのビデオの女の人とわたしは違うから!
と言った。
娘ちゃんは安心して、
そうだよね。治すことしたから、そのあと苦しかったんだもんね。
ビデオの女の人は病気ひどくて苦しんでる顔なんだもんね。
と、言ったけど、まだまだ繋げてしまう…
でもね。ずっとカラダ痛かったんでしょ?
1番近くにいてさぁ、気付いてもっと早くなんとかしてあげれたのわたししかいないのに、なんにもわかってなかったからあんな事にまでなっちゃったの!
とまた泣く…。
うーん…。まいるね。しばしシンキングタイムだ…。
で。
気付かせないようにわたしの作戦が成功したと思って!
娘ちゃんには絶対知られたくなくて、心配かけたくなくて、痛くてもそれを気付かれないようにしていたんだよ。
だから気付かなくて当たり前で娘ちゃんはなんにも出来るわけなかったの!
その間、わたしはちゃんと調べまくったし、10/7?あたりのUCの受診のときに先生にも言ってたんだよー?
でも医者すら専門外だったから見過ごしたんだから。
ほら!どうしようも無かったことなの。
肩痛い背中痛い胸が痛いとかではあの頃は誰にもどうしようもなかった!
だから自分も毎日たくさん調べて最善を尽くしてこれなの!
娘ちゃんは何ひとつ悔やむことはないからね。
と言った。
そしたらなんとなく安心して行くのがわかった。
で、そのあとの続きがあるらしい。
そして、その女の人はそれでも生きていたい。って呼吸器をつけたんだー。
あとね。それとは真逆の人もいるの。
その人は家族を説得して安楽死をする事を希望するの。
苦しみ痛み、それが永遠に終わることはない。わたしが出来ることはまいにち同じ窓の外の景色を見る事だけ。
まだ理性のあるじぶんであるうちに綺麗な最期にしたい。
って。
わたしは楽になるって喜んで死ねるの。
だから笑って見送ってほしい。
って望んだの。
なのに、その刻が来たら本人は笑ってさようなら。って言ったのに家族めっちゃ泣くの!
どうゆう事なの!
ってムカついたの!
最期だよ?最後泣いてる顔を見ながら死ななくちゃならなくなったの!
自分が死ぬことを決めたからその人可哀想でしょ!
自分のせいでって、死ねるのに人を悲しませてしまったって、こころを苦しんで死ななくちゃならなくなったんだ!
と、怒っている。
死ぬ一瞬だけでもなんで笑ってあげられないの?死んだあとたくさん泣けばいいじゃん!
と、興奮している。
そうだねー。その通りだよね。
ずっと言ってきたから娘ちゃんは知ってるもんね?
わたしは延命はしない。まだお元気な臓器があれば首から下はさっさと少しでも新鮮なうちに全部ドナー提供になってるからあげて欲しい。
(あ、わたしは眼球だけはバツにしている。今までたくさんの人と出会えて話した目。目が大きくてとても良い目をしてると言ってもらえたからこれだけは冥土の土産としてじぶんのものにしたい。)
そして最期はじゃあねー!バイバーイ!って言うって決めてるよ。
って話したよね?
娘ちゃんも
わたしも真似とかじゃなくそうしたいの。
ほんとうに自然の摂理をそのまま受け入れて無駄なことはしないで死ぬんだ!
まだ臓器提供の意思は未成年だからうまく自分1人で決めれないみたいだけど…。
と言っている。
うん。苦しみを知ってそれに向き合ったものしか分かり合えない話。人の痛みを知って優しさをもっているものしか分かり合えない話だ。
おかしいことを書くな。とかどう捉えられてもいいです。
わたしはもし娘ちゃんがわたしよりも先に最期を迎える刻は笑って、まったねー!と言います。
娘ちゃんがそうしてね!って言ったからじゃない。
ほんとうに悲しまないとおもうのだ。
娘ちゃんは現世に素晴らしい種を蒔きおわり役割を見事に果たした日なのだ。いくら娘であろうと敬意を払って見送る。
そして娘ちゃんは肉体は見えなくなるけどずっとわたしの中にいる。
まぁ儀式的なのがいるなら火葬したときまだ熱い骨の粉の部分を少し飲みこんで身体の一部にでもしておこう。
怖がられて閉鎖病棟に入れられないように娘ちゃんがその時に結婚してたら見つからないようにこっそりしよう。
かたちあるものはいずれ滅びる。
そして、まっとうし終えたら残すものは何もいらない。
いつもの親愛なる友人からの受け入れだけど好きな言葉のひとつ。
【生も歓喜、死も歓喜】
でも。娘ちゃんの歳ではそうはいかない。
そこだけは違う……。当たり前。
一通り娘ちゃんは話おわったとき。
ひとつのお願いをされた。
ねぇ。〇〇ちゃん。
わたしは、この世の中でほんとうのわたしをわかってくれる人、わたしが1番信頼している人、なんでも話せる人、心から尊敬している人は〇〇ちゃんしかいないの。わたしは悩んだら〇〇ちゃんの意見しか聞きたくなかったり、頼ったりとか、他の人には多分したくない人だと思うの。
自分でも頑固でプライド高くて悪い所だとはわかってるんだけど…。
そしたらね。わたし一人になったら頼る人いない。だれもいない。
じいちゃんとねぇねがもし様子を見に来てくれても大嫌いだし余計に嫌なおもいする。
きっと死んじゃってまで〇〇ちゃんの悪口みたいなの言ったりするひと。
(あー、それなんとなく想像つくわー。あいつはめちゃくちゃだから早死にするんだ。は絶対言うな……。)
だから身内ではだれもいらない。
でもね、周りにはちゃんと気にかけてくれる人がたくさんいるのはわかるんだ。
わたしの事を考えてくれたり助けてくれる人がいることは…。
でも、〇〇ちゃんじゃなきゃやなの。
だから、〇〇ちゃんはわたしが結婚するまでは生きていて!
ガ、ガ、ガ、ガーン……
これはわたしの未来設計図を大幅に書き換えなくてはならない。あと2、3年かなーとか言われてるんだけど。
でもそうだね。わたしには娘ちゃんがいた。
娘ちゃんにもだれか居なきゃね。
でも結婚するのはいつの話なんだよ…
娘ちゃん頑張って早く結婚してください…。
……ちょっと話を変えたい。
でこんなやりとり。
「で?そのビデオはもうそれでおしまいだったんだね。どこの国だった?」
『スイス。』
「あースイス1番行く人いるねー
オランダとか他もあるけどスイスは他国からの受け入れの縛りがゆるいのかなー?…
日本に至っては数千円だして尊厳死協会に入るくらいしかないからねー…
なんつうんだっけか?消極的安楽死?
しかもいろんな弊害や規則で絶対希望は通らないようなかんじ。
スイスはどうやってくれるの?」
『えとね、やっぱり自分で死ぬの。
それも責任問題になるからかなー?
ただ看護師さんか先生かわからないけど点滴に入れてある死ぬ薬を体内に入れる装置みたいなのを本人に渡すんだよ。
先生が注射とか打たないで、自分でその点滴が落ちるのをやらせるの。
だから自殺っちゃあ自殺ぽいよね…。』
「で?それをやったらどんな風になって逝ってた?苦しんでた?」
『ううん。さようならも穏やかに言えて、しばらくしたらすーって眠るように死んでた』
みんなはふーん。くらいなもんで観てると思ったけど、じぶんは色んなことを経験し過ぎたんだとおもう。
とても考えさせられるビデオだった。
ガヤガヤしてちっとも観てない人もいるし、先生もこれを観ることの意味とかもいわないんだよね…。前はナチスドイツの大量の虐殺のやつ見せるとか、それもいやだったよ。
ただ流して、何かを話させるとかもないから訳のわからん時間だった。
と最後娘ちゃんは言って終わった。
わたしなんかが親だった時点で娘ちゃんは普通では経験できない生活だったとおもう。
ましてや娘ちゃんがもってる気質、持病、色んな苦しみもあった。
その代わりあまり味わえない幸福なことや、体験や、巡り会いもあった。
その歳にしてはとんでもなく中身が濃いとはおもう。
娘ちゃんは。
『まだまだ若いけどさ。バイトはしてるけど本格的に仕事もまだこれからだし、車も運転してないし、結婚もしてないけどさー…
でもね。わたしは1日1日を大事にして生きている。時間が24時間じゃあ足りない!ってくらい!
この歳でもこの日でじぶんの人生が終わっても後悔することはなく受け入れられる。
いまそれがこの瞬間でも言い切れるんだ。
あのビデオ見てもそうだし、その前からでも、病気で苦しみながら何がなんでも生きてたいとか延命をして誰かの負担になるとかは絶対嫌だし。
あるがままの状態の自分で死んでいくの。』
と言った。