akiba-pop for new people

渋谷系的なアニソン、ゲーソン、声優ソングの紹介&感想など

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ぺのれり feat.ゆきまめ『Floating Sweets World』(2016/12/31)
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 2016年の冬コミ(C91)の新譜。といっても、僕はこのCDが販売されていた3日目の会場には行かなかったため、通販で購入しました。
 ゆきまめは、まるで囁くようなヴォイスのキャラを演じているときの花澤香菜や悠木碧のような、素敵な声を持つヴォーカリスト。
 本作の楽曲の制作/プロデュースを行なっているぺのれりは、サークル・中央食堂への楽曲提供で、渋谷系ポップスへの傾倒を表現してきた人だ。
 2人が手を組んだこのCDでは、ぺのれりによる鍵盤やストリングスを主体にしたドリーミーな渋谷系スタイルの音楽を、ゆきまめのウィスパーヴォイスで可憐に歌われている。本作には、中央食堂の創作渋谷系コンピレーション『魔女だって夢を見る』に収録されていた、ぺのれり作・ゆきまめ歌唱の"センチメンタル・ガナッシュ"が再録されている。『魔女だって〜』シリーズと、そこに収録された楽曲の延長線上に、本作が生まれたのかな。
 こんなアルバムを、僕はずっと待っていたし、1mmたりとも期待から外れていない世界観には感動しかない。まずは試聴してほしい。まるで、花澤香菜の1stソロアルバムを初めて耳にしたときのような、ひとときの感動を保証する。
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フーリンキャットマーク『琥珀のアルテミス』(2016/12/29)
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 もう何度もこのblogで書いている気がするけれど、自らアキシブ系を標榜し、渋谷系ギターポップやJAZZを基調にしたオリジナルや東方アレンジを発表し続けているサークルが、フーリンキャットマークだ。このサークルは、コンポーザー/プロデューサーの谷高マーク、アダルティな歌声のヴォーカル・天川かぐの2名に加え、今年から幼げでキュートな歌声が魅力の新ヴォーカリストの鳴紗と、イラストレーションを担当する古都星織が加入して4人体制となったばかり。C91の新譜である本作は、彼らの看板ともいえる東方アレンジをテーマにした作品集となっている。
 M-01"moon light magic~メイシャライトマジック"は、初期のアルバム『キュートビートシンフォニー』に収録されていた楽曲の、鳴紗ヴォーカルによる再演バージョン。この楽曲のようなAKSB系×JAZZ風ポップスのようなサウンドと、"少女アリスの憂鬱"のようなCymbals的ギターポップが初期から共存していたことが、このサークルのユニークさであり、魅力でもある。フーリンキャットマークの初期の代表曲ともいえる名曲ですね。
 とても驚いたのがM-06の"ガラシャな哲学者"で、東方アレンジ界隈では類を見ないRoger Nichols & The Small Circle Of Friends風のA&Mソフト・ロック・サウンドが導入されている。前作の『ベイビーリトルシティ』収録の"疾走するナイトメア"にも、Sergio Mendes & Brasil '66のようなラテン・ビートが取り入れられていたし、急速に60'sにまで遡り出した谷高さんの音楽的探究心と、荒削りでも即座に影響を作品に反映させていく、まるで古のパンク/ニューウェーヴ期のミュージシャンのような瞬発力には驚かされるばかりだ。
 もちろん東方の楽曲はフーリンキャットマークが作り出したものではないし、こうして彼らのアレンジの源になっている音楽についての推察を書き連ねていくと、サークルとしての音楽性があまりに二次的なものに映るかもしれない。だからといって、そこに何もないわけではないのだし、むしろ、ファンタスティックな何かがあるんだよ! ってことは声を大にして言いたい。フーリンキャットマークの音楽は、僕にとって好きなタイプの音楽と、好きな歌声の宝庫である。いつも、サークルから「自分たちはこういう音楽が好きだ、君はどう?」と問いかけられているように感じることがある。それはただの妄想であるのだが。即売会を通して、彼らの作る音楽にアクセスできることは大きな喜びだ。願わくば、彼らの音楽が、このblogの読者にも届かんことを。
 試聴はコチラで。GO即売会!
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 あけましておめでとうございます。前回更新したのが2015年の12月だったんですね……。2016年は一度も更新しなかったことに我ながらびっくりだ。
 ここ2年間弱、仕事や生活がまったく変わってしまい、働いて帰ってくるだけで精一杯に。生活から音楽そのものが確実に消え失せていき、中学生の頃から多分に人並み以上音楽を聴き続けていた僕が、人生で初めて、ほとんど音楽を聴かなくなった2年間でした。
 00年代後半から聴くようになった渋谷系アニメ/声優ソングも、blogを始めた頃とは環境が変わり、ネットには情報がたくさん溢れるようになったし、受け身でいても新曲の情報がたくさん入ってくるようになったのもモチベーションの低下に繋がったのかな。
 言い訳していても仕方ないので、自分が聴いた、感じたことは、言葉にして残しておかなければ。というわけで再開です。2017年もよろしくお願いいたします!
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井上ほの花『ファーストフライト』(2016/12/28)
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 ラグジュアリー歌謡レーベルの新録作品第一弾として、井上喜久子の愛娘にして、声優&歌手として活動している井上ほの花のファーストソロCDがリリースされた。
 ラグジュアリー歌謡レーベルのステートメントともいえる書籍『ラグジュアリー歌謡 (((80s)))パーラー気分で楽しむ邦楽音盤ガイド538』は、80年代の美しくて煌びやかで、洗練されたアレンジが特徴的な歌謡曲/ポップスの価値を再提示した名著で、2013年の発売当時は、そのリスニングの仕方に僕も感銘を受けたものでした。
 そのような背景を持つレーベルから、声優・井上ほの花のソロCDが届けられるのは、ポップス好きの声優音楽リスナーとしてはとても楽しみだったし、こうして耳にしていると、「ラグジュアリー歌謡」と称するほかない、夢見るようなサウンドとグッドなメロディに頰が緩みっぱなしだ。楽曲制作は2015年に解散したblue marbleの元メンバーにして無果汁団の2人(ショック太郎,どんCHAN)が手がけている。
 井上ほの花さんの歌唱を、このCDで僕は初めて耳にしたのだが、まるで80年代の飯島真理の歌唱を耳にしたときのような無垢さと瑞々しさを覚えたことは書き加えておく。
 視聴はコチラで。
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牧野由依『What A Beautiful World/ウイークエンド・ランデヴー』(2016/10/19)
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 井上ほの花『FIRST FRIGHT』を聴いた後、立て続けに再生してしまったのが、牧野由依のこの最新シングルに収録されているM-02"ウイークエンド・ランデヴー"だった。80'sを思わせるアーバン・ライフを歌い込んだ歌詞、シティ・ポップなアレンジ。これもまた声優によるラグジュアリー歌謡と呼べるだろうか。井上ほの花が気になった人にはぜひ聴いてほしい。A面のバラード"What A Beautiful World"ともども矢野博康プロデュース。
 視聴はコチラで。
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 2013年から毎年作っている、年度ごとの渋谷系アニメソングのコンピレーション/プレイリストですが、年末ということで2015年度版を作成してみました。よく聴いた曲、好きな曲を基準に選んでます。『Anime Song』と銘打ちつつ、ゲーム・ミュージックや同人音楽を内包している論理矛盾については、同じアキバ系ポップスということで大目に見ていただければ幸いです。
 よくも毎年ネタが尽きないなあ、と思うほど、2012年以降の渋谷系アニソン/声優ソングシーンは活況を見せている。
現代の商業音楽シーンにおいて、もっとも「渋谷系」なる音楽スタイルが存続している領域は、アニメ/声優ソングや、アイドル・ポップをおいて他にない。
 渋谷系世代にもそうでない世代にも、世の中にこんなキュートでポップでキャッチーな音楽があることを、もっと知ってほしいと願っています。このようなスタイルの音楽は、世界中を探しても現代の日本にしか存在しないと思います、たぶん。
 今回、作成したコンピレーションは、8tracksで全曲聴けます。サイトの権利上の都合で、連続スキップ不可能&2周目以降は強制シャッフルなのはご容赦ください。

"Shibuya-kei" Anime Song 2015
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『笑顔になる Single, Maxi』(2015/2/25)
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01.リョウときりん(佐藤利奈と大亀あすか) / 笑顔にな
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『新妹魔王の契約者 臨界突破の悦楽音楽集』(2015/3/25)
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02.成瀬澪 (朝井彩加), 成瀬万理亜 (福原香織) / Dear My Darling
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『がっこうぐらし! キャラクターソング(1)』(2015/8/26)
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03.由紀&美紀 / ピンクのハートボール
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『データカードダス アイカツ! 3rdシーズン挿入歌ミニアルバム(1) JOYFUL DANCE』
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04.れみ & えり / 恋するみたいなキャラメリゼ
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『ユリ熊嵐 第1巻』
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05.百合城銀子(CV荒川美穂)・百合ヶ咲るる(CV:生田善子)・椿輝紅羽(CV:山根希美) / たべちゃいたいの
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『春擬き』 (2015/6/3)
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06.やなぎなぎ / 春擬き
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『Pastelphonic』(2015/4/26)
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07.ぺのれり feat.ぁゅ / Drop on the Drops
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『ときめきポポロン♪ ご注文はうさぎですか?? EDテーマ』(2015/11/11)
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08.チマメ隊 (水瀬いのり, 徳井青空, 村川梨衣) / ときめきLOOPにのって
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『ジュ・ジュテーム・コミュニケーション』(2015/7/22)
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09.千菅春香 / ジュ・ジュテーム・コミュニケーション
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『干物妹!うまるちゃん」キャラクターソングVol.2 海老名菜々』(2015/9/2)
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10.海老名菜々(CV:影山灯) / sweet sweet everytime sweet
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『THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 03』
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11.周防桃子×真壁瑞希 / Cut. Cut. Cut.
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『neko*neko』(2015/9/9)
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12.日向美ビタースイーツ♪ / neko*neko
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『夢色パレード/My Best Friends』(2015/4/29)
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13.Rhodanthe* / My Best Friends
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 9月27日、下北沢THREEで開催されたイベント『Guitar Pop Restaurant vol.28~東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃギター・ポップ~』に行ってきました。

 登場したバンドは、出演順にFriendly Spoon、ときめきエキスプレス、three-weeks-old lovesick puppy、Chromoscope、マッカチン企画(ゲスト:NU-KO)という顔ぶれ。普段、インディー・バンドのライブに行くことはないのだが、今回のテーマは僕が近年入れ込んでいるアキシブ系かつ、ほとんどのバンドの音楽を知っているという奇跡が合わさり、足を運んでみようと思い腰を上げた。

『フレスプのファースト・アルバム』が素晴らしかったFriendly Spoonは、完璧なまでのインドア・ポップぶりから、ステージに立っている姿がこれまでまったく想像できなかった人たちだ。実際のところ、ステージに登場した彼らは、立っていることすらなく、皆が椅子に座りながらの演奏であったことには面食らったが。フロントマンの石上嵩大は、椅子に座りながらでないとギターを演奏できないという、根っからの宅録派なのである。メンバーは、まるで、大学のサークル棟からそのまま抜け出てきたような出で立ち。こんな若い人たちがこのようなポップスを? と驚かされることうけあいだ。セミアコの甘い音色でかき鳴らされる高速ギター・カッティングや、トランペットの音色にネオアコをイメージするのも容易だ。個人的には、彼らの音楽を始めて聴いたときは、そのソフト・ロック的サウンドからBobbie's Rockin' Chairを真っ先に想起したのだけれど、MCにて「NHKの『みんなのうた』で使用されたかった」と語る石上の音楽は、子供時代の幻想の中にしか存在しないBGMであり、この上なくメルヘンなソフト・サウンディン・ミュージック。

 ときめきエキスプレスは、出演陣の中で唯一まったく音源を聴いたことがなかったバンド。マッカチン企画のシンゴさんのバンド、という程度の認識はあったけれど……。以前、即売会のマッカチン企画のスペースで買い物をしたとき、シンゴさんと少しだけお喋りをする機会があったのだが、「エイプリルズやcapsule、ネオ渋谷系が好き」というお話を聞いて。マッカチン企画のギター・ロック然とした音楽からは、あまりエイプリルズとイメージと結びつかず、意外でもあった。しかし、フューチャー・ポップ+ギター・ポップなときめきエキスプレスの曲を聴いてとても納得できた。ときめきエキスプレスの演奏は、リズム隊の演奏もタイトだし、シンゴさんもギター・キッズのごとくハムバッカーのギターを力強くかき鳴らしていて、バンドとしての出音が強靭である。キュートでポップな音楽をやりつつも、世間の宅録ユニットとは一線を画すタフなライブ・バンド然とした演奏とエンタメ精神に圧倒されました。

 three-weeks-old lovesick puppyは、一般的にギター・ポップにカテゴライズされていると思うのだが、何とメンバーにギタリストはおらず、トランペット担当のmugiはぴょこぴょこと可動する猫耳を装着しているという、ライブを観て初めて知る衝撃の事実にクラクラする。パンクだ。音楽は可愛いが。

 会場内に流れる日向美ビタースイーツ♪”温故知新でいこっ!”に導かれて登場したChromoscopeは、同人音楽サークル・ぬるぽっぷ楽科のバンド活動名義といった存在で、今回とても観たかったバンド。ライブハウスよりは即売会を作品発表の場にしている彼ららしく、ライブを行う頻度は1年に1回ほどらしい。近年、僕は彼らの活動をずっと追いかけている。今回のイベントチケットも、今年の夏コミでぬるぽっぷ楽科のスペースにて購入したものだ。Chromoscopeの登場は衝撃的だった。長らく、同人誌や同人音楽即売会をメインに活動しているオリジナル志向のギター・ポップ的サークルといえば、スウェディッシュ・ポップやオルタナ系のサウンドを身上とするピクセルビーが唯一気を吐いている状態が続いていた。そして、渋谷系アニメソングがかつてない活況を迎えた2013年というタイミングで、自らアキシブ系を標榜し、Cymbals的ギター・ポップと星澤美緒のヴォーカルを引っさげて登場した期待の星がChromoscope。同人界にもこんなバンドが出てきたか! と大いに興奮させられた。今やfishpond、ハッカドロップ、Citrus and Ocean Colour、中央食堂、東方アレンジ界に目を向ければフーリンキャットマークにShibayan Recordsにマッカチン企画など、VOCALOIDを使用しない渋谷系的楽曲を聴かせるサークルは多いが、その一角を担っているのがChromoscopeである……と、同人音楽を知らない層にこの説明が伝わるのかは心許ないですが。今日のステージは、立て続けに僕の大好きな楽曲がプレイされて嬉しかった。看板的サウンドの”酒涙雨”に”白黒エラーメッセージ”、ぬるぽっぷ楽科のCD『Wanted? Wanted!!』には初音ミクによるヴォーカルが収録されていた”ぽぷら”、”昼下がりがお好きでしょ?”の星澤さんヴォーカル版もレアな聴き物。後者の2曲はいつか星澤さんバージョンで再録してほしい愛らしい楽曲。

 最後に登場したのはマッカチン企画。僕はまったく知らなかったのだが、マッカチン企画とはあくまでパインさん、ケニーさん、シンゴさんのバンドであり、ときめきエキスプレスとは完全に別物なんですね。シンゴさんの渋谷系志向を具現化するのがときめきエキスプレスなら、ギター・ロック&東方志向の活動媒体がマッカチン企画といったところでしょうか。

 長々と書いてきたが、今回のイベントは、多くの渋谷系リスナーにまだ知られているとは言い難い、渋谷系同人音楽にスポットライトを当ててくれたことがとても意義深い。今日、メジャー資本の媒体で「渋谷系」という音楽スタイルが現在進行形で継承されている分野があるとすれば、それはアニメ・ソング、声優ソング、アイドル・ソングといったオタク・カルチャーの世界であり、それらの先鋭的な流れにインディー・シーンで同時呼応している人たちこそが、コミケやM3といった即売会で新譜を送り出し続けている同人音楽サークルである、と誰も言わないので、この場で言い切らせてください。
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