重賞追いきり考察所

重賞の追いきり(水曜日)をメインに書いていきます。 【評価】S>A>B+>B>B->C>D

重賞の追いきりや展望など。
併せた相手の◎〇△×は近況の成績より評者の判断による印です。

当レースは、これからのレースのひとつの物差しとなるので回顧を。

予想印と結果

東京優駿(2019)レース結果
着 順 馬番 馬 名 評 価
--1着ロジャーバローズB
2着ダノンキングリーB+
3着ヴェロックスA
4着サートゥルナーリアS
5着ニシノデイジーB+
6着クラージュゲリエB
7着ランフォザローゼスB+
15着リオンリオンB


レース振り返り

【 展 開 】
 スタートからリオンリオンがハナを主張しての大逃げ。1枠好スタートから控えたロジャーバローズが控え、実質ロジャーバローズの単騎逃げの形で道中進み、3角過ぎから後続集団が詰め直線の叩き合いに。早めに仕掛けたロジャーバローズがダノンキングリーの猛追を振り切っての勝利。断然人気のサートゥルナーリアは、立ち遅れから中団後方に構えるも外周して直線伸びきらずゴール前失速。戦前に謳われた「3強」。或いは「1強+2強」だったが、少なくともこの舞台では力量差は存在しなかったのだと思う。其れでも所轄「3強」は2着~4着に納まり力の有るのは示した。

POINT
  • 時計の出易い高速馬場
  • 前残りが顕著
  • リオンリオンが大逃げした事に拠る勝ち馬の楽逃げからの早仕掛け
  • サートゥルナーリアが中団後方に構えた(後述)事
  • 上記により前掛かりにならず、意識が後ろに集中した事



上位馬らの回顧

① ロジャーバローズ 1着

 最内枠から好スタートを決めた事が一番だと思う。1角手前で先手を取りに来たサトノルークスはスッと引いて、其の後押して並び掛けてきたリオンリオンがハナを主張した事と、サートゥルナーリアが立ち遅れで中断後方からになった事で直ぐに隊列が決まる。リオンリオンは抑える事無く更に加速し2秒近く前へ。自身は推定59秒台での1000m通過で周りに誰もいないお気楽一人旅の絶好のポジションで淡々と直線を迎える。早めに仕掛けた事で直線止まる可能性もあったが、道中は浜中Jが御していた事もあり直線はダノンキングリーの猛追を退けた。

様々な要因が当馬に味方しての事ではあるが、浜中J渾身の騎乗が前提での結果。兎角人馬が力を出し切った結果、運が味方についたという事。只でさえダービーを逃げ切るのは困難であり、京都新聞杯からの臨戦も決して楽ではなく、決してフロック勝ちではない。浜中Jに於いても初のダービー制覇。素直に賛辞を贈りたい。それにしてもディープ産駒の春クラシックでの底力は凄い。それとダービーの1枠神話は不滅。矢張りダービーは力だけでなく、運も味方に付けないと中々勝てないのだなと感じた。レースを勝った鞍上が一番「鳩が豆鉄砲を喰らった様な」雰囲気を出してたのも印象的だった(笑)

POINT
  • 道中の折合いが付き、自分のペースでスムーズな競馬が出来た
  • 前走TRから浜中Jが手綱を執っていた
  • 坂路主体も追い切りの動きは良かった
  • 人馬共に力を出し切った事により、運も味方につけた
  • 最内枠だった
  • リオンリオンが大逃げした事に拠り後団が控えた
  • 上記含め、断然人気馬が中団後方に構えた事に拠る後列の仕掛け遅れ

⑦ ダノンキングリー 2着

 好発から前目の内をロスなく進み、前走とは一変の直線では、前行く2頭を捉えるだけだったのだが、勝ち馬の二枚腰に僅か届かず。当馬は直線入って直ぐには強く追っておらず、恐らくは後続の馬が追い付くのを待ってから徐々に強く追うイメージだったのかと思う。少なからず距離不安あり直線の長い府中だけに当然と言えば当然。誤算は勝ち馬が思ったより脚色が鈍らなかった事。終い届かなかったのは距離延長がプラスではないのと、馬体を併せる馬が居なかった事だと思う。位置取りと直線に向いた展開はベターだっただけに運がなかったと言えよう。秋以降、菊花賞狙うならセントライト記念が有力かと思われるが、個人的には中山と菊の舞台はパフォーマンスを落とすと思っている。更なる成長に期待したい処。

POINT
  • 好枠好発で道中スムーズで、例年なら直線迄展開は向いていた
  • 3強の中で一番折合い不安があった当馬が、当日一番落ち着いていた
  • 後方サートゥルナーリア群が一団となり直線中々追い付いてこなかった
  • 好発過ぎたのがかえって裏目に出た印象
  • 5戦総てに於いて戸崎Jが騎乗
  • 直線向いた直後に勝ち馬を捉えに行く競馬してれば更に際どかった可能性大
  • 現状では最高の競馬をしたが、距離に壁を感じるラスト1F

⑬ ヴェロックス 3着

 スタートは悪くなかったが、2角付近で気持が乗り過ぎていて稍抑え気味に。サートゥルナーリアが後方の為それをマークする位置に納まり中団を追走と、明らかなサートゥルマーク。追い出されたのがサートゥルと馬体を併せてからの4角出口からで、矢張りキレでは一枚下がり置いてかれるも何とか食い下がり、終いで逆転し3着に浮上。対サートゥルナーリアは勝負に勝ったと言える。馬体が重なり判断し辛いものの、直線の攻防を良く見ると、サートゥルに置いてかれた後左手前に換えた後に伸びが良くなった。個人的に思うのは当馬の本質は右周り。若干道中スムーズさを欠いても直線追い通しで最後迄伸びた処から、所轄「3強」の中で菊花賞でパフォーマンスを上げるのは当馬だと思う。現状ではね。是非、神戸新聞杯経由の菊花賞と王道を進んで欲しいと個人的には思う。

POINT
  • 若干道中のスムーズさを欠いた点
  • サートゥルナーリアマークの意識が強く、位置取りを下げ態々外を周った
  • 最後伸びは左手前に換えてからで右周りでパフォーマンス上げる可能性大
  • 直線追い通しの後に伸びている
  • ダービーで7戦目であった事と4戦連続で川田Jが騎乗

⑥ サートゥルナーリア 4着

 返し馬迄落着き加減が顕著だったが、輪乗り時から首の上げ下げ激しく気持ちが乗り過ぎていた。レースは立ち遅れから中団後方の位置取り。追い切りの内容から内を捌く可能性あったが目一杯追える外を選択し、4角良い雰囲気で上がりヴェロックス交わし終いまで目一杯追われるも、勝ち馬には届かず。2着ダノンキングリーにすら追い付く感じなくゴール前はヴェロックスにも交わされ失速した。

 発走前アレだけ首ブンブンしておりメンバー中仕掛けは早い方なので最後失速は仕方ないが、中団後方にて折合いは付いていた割に直線の伸びが案外という印象は強い。メイショウテンゲン34.4秒やレッドジェニアル34.2秒は直線前を交わしながらの上がりであり、直線真っ直ぐに目一杯追われての34.1秒は目立つ数字ではない。再度直線で物見をしていた様にも見える。テン乗りが影響したというより、D.レーンが初ダービー騎乗という事の方が敗因かもしれない。更なる距離延長に厳しい競馬の経験なく、間隔も歴初の1カ月で其の前が4カ月以上開けていたのだから反動があった可能性が無きにしも非ず。間隔を空けた方が良いタイプなのかも。輸送減りの可能性もあるが、強い追い切りを消化してないのに当日ー6kg。何れにせよ、気性面の成長は課題だし、勝負運も含めて現状ではダービーを勝つ迄には至らなかったというのが現実。内枠の後入れ偶数番・確固たる逃げ馬 がいた事と前の馬が早仕掛けした事など当馬にしては恵まれた環境下にはあった。

POINT
  • 返し馬迄は落ち着いてたのに、レース前には気が乗り過ぎていた
  • レース間隔が歴最短の1カ月(前走時4カ月)
  • 鞍上が、テン乗り及びダービー初騎乗
  • 上り最速34.1秒は然程目立つ時計でもないが、面目躍如は一応保った
  • 距離延長に対する壁が見えた終い1F
  • 気性面の成長が課題
  • 小回り・内回りの方が高パフォーマンスの可能性高い
  • ロードカナロア産駒の傾向が見え隠れ

その他の馬

 ⑨ニシノデイジー(5着)は、中団サートゥルの内を進み直線内の開いたラインを真っ直ぐ追われた結果で当馬にしては最高の競馬で、やはり立ち回りの巧さが当馬の持ち味。大外ぶん回しのタイプではなく実力馬が揃うと、どうしても伏兵扱いに。只、並んだら結構強いのかも。ひと夏越して体が成長してくるようであれば侮れない。

 ⑩クラージュゲリエ(6着)は、ヴェロックスの前で道中を進み4角出口より追われ直線はサートゥル・ヴェロックスと併せての叩き合いにて着順を上げた可能性が高い。只この2頭では現状では力負け。心身共に是からの成長に期待。

 ⑭ランフォザローゼス(7着)は、中団好位追走後、直線大きい不利なくも現状では此の着が精一杯という印象で、近親からも伸び代は十分。長く良い脚が生きる展開では要注意。秋以降か来年以降か。

 ⑮リオンリオン(15着)は、もっと内枠に入れてれば乗り方も違ってただろうし、典が継続して乗れてればまた違った競馬になってたと思う。其れでも2000m通過は推定1:58秒台で立派。このレンジなら有力視出来る。只、押して押して大逃げを打った事に拠るダメージは少なからずある筈。馬体はルーラーシップ産駒の緩さがあり、父及び近親からも此れからの馬。

 印は回さなかったが、⑫アドマイヤジャスタ(18着)は、追い切りの動きはかなり良く見えた一頭で、他馬に比し距離延長不安が少ないのにも関わらず此の着順は可笑しいと思ったら、案の定直線は全く追われていない(笑)。ムチを数回振るわれただけのデムーロ。-16kgはちょっと減り過ぎだし無理をさせなかったのかも。恐らくこの着順から次走は人気にならないだろうし、動きが良い事を確認できれば買える一頭。

おしまいに

 今年のダービーは時計が出易い高速馬場で、前が中々止まらなかったのは事実。然しそれは各馬同条件であり周知の事実。逃げ切り勝ちは難しいが、かといって後方過ぎても届かない。これは例年通り。故に、当レースでは兎角ロスなく周れる位置取りと、鞍上と競走馬との折合いが重要。テンから出す事の出来る馬は有利で内枠なら尚更良い、という事になる。

 また、馬の配列・展開によっての応変な対応を鞍上が求められる事になり、これが各馬の明暗を分けたのかもしれない。やはりジョッキーの経験値、特に当レースでの経験値というものは重要であると思うに至る。

 勝ち馬が現状で力を出し切った事が大前提ではあるが、大逃げした馬がいて各ジョッキーの心理にハイペースで直線脚を使えずを懸念し、また断然人気馬が中団後方に構えた事に拠り、意識が後ろに向いた事、その大半が人気馬をマークしてた事に拠り、「先に動いたら直線負ける」の意識が働き 中団から後方の一団を主に、前目好位で進めた2着馬に於いても直線向いての意識が後列にあり、その仕掛けが遅れた事が、伏兵の台頭を許したのではないだろうか。

 今年度春の3歳クラシック牡・牝の4戦に於いて、ディープ産駒が其の総てで勝ち星を挙げ、4勝・2着2回・3着1回と、3着内12頭中実に7頭が馬券に絡む大活躍で複勝率6割弱という驚異的な数字を叩き出した。

以下、ディープ産駒に於ける春クラシック(牡・牝)3着内成績(画像) ディープ産駒春クラシック3着内成績
注)データの正当性を示すものではありません。

 ディープ産駒に於ける春クラシック(牡・牝対象4レース)今年度を含めた9年分の集計は今更感一杯だが、改めて納得させられる数字である。

 特筆すべきは、やはりダービーの数字。「競馬に絶対はない」は全般に言える事だが、「運も味方につけないと勝てないのがダービー」と言われるレースに於いて、9年間で実に5勝とは正に驚異的数字だ。運も味方に~なのに勝ち切っている処が凄い。

 逆に対照的なのが、皐月賞。数字の上では優秀なのだが、やはり他レースと比べると足を引っ張る結果となっている。他レースに比べて2・3着が多い。この二つを見比べて思うのは、特に今の高速馬場に於いて「東京2400mはディープ産駒が適している」のと、「目標がダービー」である事が分かる。また、ダービーで好走したディープ産駒の殆どは皐月賞経由。

 是は2歳の早い時期から活躍してる馬が大半なので、皐月賞に駒を進められる馬が多いのが根底にはあり、ステップレースとしては当然なのだが、評者が思うに①世代トップレベルの揃うレースである事。②中距離でのスピードが重要であるという事。以上が本筋なのではないかと思っている。主に前記①は他馬との脚の比較を測る為、後記②はスピードの持続力及び適正と、そこからの末脚を測る為ではないだろうか。大半は3歳の此の時期に2400mを経験済みで出走する馬の方が少なく、また経験済みの馬が勝ち切れていない。つまりは、高速馬場での2000mでの適正が今のダービーには必要な適性であるといえるのかもしれない。来年以降は是を重視したいと思う。

 牝馬に於いても同様な事が言えると思われるが、牝馬路線は兎に角、ディープ産駒の連対数の多さが目立つ。特に桜花賞の成績で連対数が目立つのは、牝馬はやはりスピードを重視しているのだと思われる。

 前にサンデーサイレンス産駒が猛威を奮ってた様に、現在ではその仔ディープ産駒が猛威を奮っている。そこに現れたのはキングマンボ系のキングカメハメハ。そして仔ロードカナロアやルーラーシップ。またはハービンジャー。是等を牝系に据える事に拠り一層競走馬の遺伝子が紡がれてゆくのだなと思う今日この頃。凱旋門賞での活躍は日本生産馬にとって至上命題的なものであり、そこで活躍する事は日本競馬の優秀さを諸外国に知らしめる事になる。メジロの血が再び見直される時がくる可能性も大いにある。評者の独断と偏見なのだが、日本競馬が世界で一番公平で優秀なのであると思っていて、他国の土俵で活躍する事によりそれは証明される事になるのだろうと思う。やはり競馬はブラッドスポーツなのだね。


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