2005年10月31日

ふれあいコンサート終了5

日赤看護大学にて「ふれあいコンサート」終了茨海小学校・朗読と人形展
 昨日、日赤看護大学男性健康づくりグループ主催の「ふれあいコンサート」が大学のソフィアホールで開かれました。学園祭と廿日市市民のコンサートがタイアップした形で、今年で3回目だそうです。器楽中心の1部に続き、私は2部で宮沢賢治「茨海(ばらうみ)小学校」を朗読しました。雰囲気に合わせたサティの曲を演奏してくださったのはピアニスト・伴谷真知子先生です。そのあと柴 久美子さんの独唱と会場全員の合唱があってコンサートは終わりました。
 この朗読は、人形作家・安部裕子さんが作られたキツネの人形展に寄せて行ったものです。写真は左から伴谷さん、私、安部さんで、終了後、展示された人形の前で撮りました。朗読中はキツネも1匹、舞台上に“出演”していました。人形らしい可愛らしさがありながら、リアリティのある作品群です。物語をもとにした「麻の詰め襟を着た」校長や「黒のフロックを着た」先生もいました。

 きのうの午前中に最後のリハーサルがありましたが、なぜかこれまでの中でいちばんピアノと合わなかったので、ちょっと不安でした。前回の稽古で、読むスピードが速めになっていたので、それを意識してゆっくり、しっかり読んだからでしょうか、ピアノが終わるタイミングから遅れるようになってしまいました。「どうしてかなあ」と不安がる私に、「だいじょうぶ。あまり気にしないで」と励まして下さった伴谷先生。長い出番待ちのあいだに、どこが遅くなったのか、頭の中を整理してはみましたが、最終的には本番次第、とわりきりました。考えてみると、これまでの稽古で、読みとピアノがぴったりと合いすぎるほど合っていたのです。だからちょっとしたずれが気になりました。「速い」読みと「遅い」読みとの中間かな…などと整理しきれないものを押し込めて、いよいよ本番。
 コンサート全体での入場者は400をわずかに切るほどもあり、大入りだったようです。2部の前に帰られた方もあったようでしたが、かなりのお客様。通し稽古では点いていなかったスポットが当たり、集中度は増しました。リハーサルで遅かったと思うところをやや速めて、読みとピアノの終わりはほぼ合いました。なかなか気持ちのよい出来!分析してみるに、観客を意識した読みが増えてくると「問いかけ」の読みや「間(ま)」が増えるようになり、スピードが落ちるような気がします。悪く言えばテンポの乱れということになりそうですが、「観客との対話」という点からすれば、必ずしも悪いことではないでしょう。ともかく、客席との一体感が感じられる出来で、無事終了しました。ぴったりの曲選びと、朗読を立てるように抑えた演奏で助けてくださった伴谷先生に御礼申し上げます。
 聴いてくださった方から「朗読って面白いですね。本も読んでみたくなりました」と言うことばを伺って“ヒット!”という感じです。「情景が目に浮かんできて、舞台が野原になりました」という声や安部さんからの「とてもいい朗読でした」という言葉も嬉しかったです。
 広島市の中心からは少し離れたところですが、歌や朗読の仲間も駆けつけてくれました。このコンサートへのつながりを作ってくれたのは、かつて辞書出版の仕事を共にしていた廿日市市在住の先輩です。そのとき業務のトップに立っていられた編集者Kさんも東京から「第二のふるさと」広島へ飛んで来られました。(終了後はかつての仕事仲間“室町会”のメンバーのうちの5人で会食)
 私の孤独な挑戦が温かく見守っていただけた、ありがたい1日でした。
 
Posted by hyo_gensya2005 at 15:48│Comments(0)TrackBack(0) 朗読 | 音楽

この記事へのトラックバックURL