世にお菓子はさまざまあれど、ジジイの好みを聞かれれば、まずは「青のりポンスケ」を挙げねばなるまい。

 古来「三つ子の魂百まで」というがまさにその通り。おいしいものは多々あれど、子供の頃に慣れ親しんだ味、好みというのはそうそう変わらないと実感する。

 お菓子も本当にいろいろな種類のものが売られているのだから、いろいろなものを食せばよいようなものだが、なかなかそうはいかない。ついつい慣れ親しんだものを、何とかの一つ覚えのように買うことになる。

 お菓子に限らずだが、「食べる」もので新しいものを見出すには勇気がいる。新しいお店でも、新しいお菓子でも(あるいは食べ物でも)そうである。
 何しろ一旦買ってしまったら(お店に入ってしまえば、あるいは注文してしまえば)、万一「はずれ」の場合でも、とりあえずは食べねばならぬ。
 食べればおなかは膨れ、次のトライは食べたものが消え去るのを待たねばならない。
貧乏性の最たるものなのだろうが、この「はずれ」が恐ろしい。

 この青のりポンスケ、意外と置いてないお店が多いのが誠に遺憾である。特に品のいいお店に行くといけない。高級そうなお店ではまず見かけないから、やや庶民的な、私に似合いのお店に当たらねばならない。

 今どきの人の好みには合わないかもしれないが、どうか皆さまにもお買い求めいただき、私の生存中は製造中止とならぬことを願う今日この頃である。
(平成30年4月8日)
ポンスケ