【数学ブログ】ABC予想 望月論文解読ブログ

ほぼニートのブログ主がABC予想の解決で有名な望月新一氏の論文の解読に挑むブログ(´・ω・`)
高校卒業レベルの数学知識で理解できるものを目指しているよ(´・ω・`)
それと並行して高校数学の解説もやってるから数学苦手で困ってるとかいう人も見てね(´・ω・`)
コメント欄に質問を投稿したりしてもOKだよ(´・ω・`)
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本当に概説レベルでざっくり行くよ(´・ω・`)

数学は字面の通りに考えると「数」の学問である。実際、古代ギリシャより盛んに研究されている数論は「数」そのものの学問であるし、代数学は方程式を満たす「数」を求めることに、幾何学は物体から長さや角度などの「数」を測りとることに、それぞれの起源を見出すことができる。だから確かに「数」は古来より数学最大の関心事だったといえよう。
しかし、数学が「数」だけを研究する学問であるかというとそれは誤解である。現代の数学はあらゆる抽象的な対象に適用されうるものなのだ。これから紹介する群論は対称性という数の範疇に収まりきらない事物の性質を解き明かすために非常に有用である。そして、それは数学者の自己満足で完結せず、実際の自然界に存在する構造の解析にも応用されている。それでは群論の紹介を始めよう。

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雪の結晶、非常に対称に近い形をしている(´・ω・`)

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 クリスタル、対称性を持った構造が積み重なることで形成される(´・ω・`)


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宇宙際タイヒミュラー理論について見てて思ったこと(´・ω・`)

やっぱ代数幾何やる以上、代数と幾何を真面目にやらなきゃ駄目だねってことだった(´・ω・`)

代数曲線とか体とか射影空間とかまともな説明なしにポンポン出しまくるのは不親切というか最早怠慢な気がしたよ(´・ω・`)

ってわけでとりあえず抽象代数ってコーナーを新設しました(´・ω・`)

ガロア理論までざっくり解説することを目指してるよ(´・ω・`)

あともちろんニートの復習も兼ねてるよ(´・ω・`) 

【本記事無断転載禁止】

一章 ホッジアラケロフ理論的な動機

宇宙際タイヒミュラー理論は筆者の試みから生まれた[IUTchI],[IUTchII],[IUTchIII],[IUTchIV]で発展してきた。それは2000年の夏ごろに、[HASurI]と[HASurII]のスキーム理論的ホッジアラケロフ理論のディオファントス幾何学への適用に関する技術的な困難を克服するために始まった。([HASurI]の§1.5.1、[HASurII]のRemark 3.7、[IUTchI]のRemark 4.3.1)それゆえ私たちは宇宙際タイヒミュラー理論の概観を宇宙際タイヒミュラー理論の発展に関わるスキーム理論的ホッジアラケロフ理論的な局面の重大な内容の短い復習から始める。
$l$を素数とする。そこでテイト曲線$E \overset{\mathrm{def}}{=} \mathbb{G}_m / q^{\mathbb{Z}}$(いうなればp進数体か複素数体$\mathbb{C}$上の)の$l$個の捩れ点の加群$E[l]$は次の自然な完全系列に当てはまる。\begin{equation}0 \longrightarrow {\mu}_l \longrightarrow E[l] \longrightarrow  \mathbb{Z}/ l \mathbb{Z} \longrightarrow 0 \end{equation}なお$q$で$q$パラメータを表している。これはすなわち、次のように自然な対象を持つということである:

積の部分空間${\mu}_l \subseteq E[l]$と生成元$\pm 1 \in \mathbb{Z}/l\mathbb{Z}$

次の議論によって我々は数体$F$上の楕円曲線$E$と素数$l \geq 5$を固定する。簡単のため、記法\begin{equation}l^* \overset{\mathrm{def}}{=} \frac{l-1}{2}\end{equation}を用いる。
また$E$は$F$上の全ての非アルキメデス的なprimeにおいてstable reductionを持つとする。そのとき一般には$l$個の捩れ点の加群$E[l]$(より正確には$F$上の有限エタール群スキーム)は以下のようなものを持たない。

大域的な積の部分空間か大域的な自然な生成元

(すなわち、Eがbad multiplicative reductionを持つFの全ての非アルキメデス的なprimeにおける上記の大域的な積の部分空間か大域的な自然な生成元に一致するrankが1の部分加群$M \subseteq E[l]$か商$E[l]/M$の生成元の組)

しかし、実はそのような大域的な対象が存在すると仮定しよう!

また、\begin{equation}K \overset{\mathrm{def}}{=}F(E[l])\end{equation}と書く。これは$E$の$l$個の捩れ点で定義される体による$F$の拡大体である。$\mathbb{V}(K)$を$K$のアルキメデス的、非アルキメデス的付値全体の集合とし、$\mathbb{V}(K)^{\mathrm{bad}} \subseteq \mathbb{V}(K)$を$E$がbad multiplicative reductionを持つ非アルキメデス付値全体の集合とする。

(訳注、このページはまだ加筆するかもしれないです(´・ω・`))

多分高校入って初めて数学でつっかかるところって三角関数のところじゃないかな(´・ω・`)

中学までの数学では関数と言えばxとyの関係式で表わせて、xに値を入れたらyが出るっていう簡単な認識でオッケーだった(´・ω・`)

けど、三角関数ではそうはいかなくて、sinθのθに角度を入れたらこの値!みたいになってて、自分で計算して出してるって感じじゃなくなる(´・ω・`)

この辺で違和感を覚えて数学嫌いってなっちゃう人もいるみたい(´・ω・`)

というわけでそもそも関数って何だ?という根本的なところに立ち返って三角関数というものがしっくりくるように説明していこう(´・ω・`)


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【本記事無断転載禁止】

宇宙際タイヒミュラー理論の概観

望月新一(原文ママで敬称略)

【概要】
宇宙際タイヒミュラー理論は数体と素数$l \geq 5$上の楕円曲線と結び付けられる、いくつかの自然な変形に関わるタイヒミュラー理論の数論版として描かれたものである。我々は宇宙際タイヒミュラー理論の研究をディオファントス幾何へスキーム理論的ホッジアラケロフ理論を適用したときに生じる技術的な困難についての確認から始める。まさにこれらの技術的な困難を克服するという目標が、筆者にとって宇宙際タイヒミュラー理論の内容を成す非スキーム論的変形を構築することへの動機づけとなった。次に我々は最初は一次元に見えるが実は二つの隠れた次元を持つ、幾何と数論の様々な近しい対象についてのタイヒミュラー理論的変形に関わる一般性を議論する。そこで我々はlog-テータ束の様々な成分のある詳細についての議論へと進む。log-テータ束は宇宙際タイヒミュラー理論の様々な構造の中心的な舞台を作るものだ。これらの構造の多くはテータ関数のためのヤコビ恒等式正規分布の実軸上での積分のような古典的な結果の構造との類似を考えることによって理解されるかもしれない。我々はそこでこの理論の「宇宙際」な局面を議論する。それは自然に遠アーベル的な技法へと導くものである。最後に我々は宇宙際タイヒミュラー理論の主要で抽象的な理論とディオファントス的な結果を要約する。それはABC予想スピロ予想の検証を含むものである。

【目次】

一章 ホッジアラケロフ理論的な動機
二章 タイヒミュラー理論的な変形
三章 log-テータ束
四章 宇宙際幾何学と遠アーベル幾何学

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